著者
清水 美恵
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.49-56, 2018 (Released:2018-07-31)
参考文献数
21
被引用文献数
3

本研究は、アレルギー疾患をもつ思春期にある子どもの病気経験の語りからアレルギー疾患患児のレジリエンスの特徴を明らかにすることを目的とした。アレルギー疾患児22名を対象に、半構成的面接を実施し、質的分析を行った。分析の結果、【病気を受容できない自分】【親へ依存している】【将来への不安】【他者から理解されない】【良好な対人関係を形成する】【支援を受ける】【病気の自己管理ができる】の7つの主要カテゴリーを抽出した。アレルギー疾患をもつ思春期の子どもは、病気の不安や恐怖を抱え、さらに、病気と病気がもたらす結果から生じる不適応な出来事を経験していることから、病気の自己管理の継続や病気の受容、対人関係の良好さを促進する支援が重要であることが示唆された。
著者
西田 瞳 NISHIDA Hitomi
出版者
京都
雑誌
同志社女子大学大学院文学研究科紀要 = Papers in Language, Literature, and Culture : Graduate School of Literary Studies, Doshisha Women's College of Liberal Arts (ISSN:18849296)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.83-109, 2015-03-31

本研究では、ファッション行為には自己主張性、自己顕示性、競争性の3 つの心理学的要因が影響すると仮定して、ファッションにおける他者比較の心理を明らかにするためにアンケート調査を実施した。調査結果は因子分析を行い、次の4 つの因子を抽出した。 因子1:自己主張性尺度が多く含まれる「自己主張の因子」 因子2:個性についての質問が多く含まれる「個性化の因子」 因子3: 同じものを好み、流行に合わせることについての質問が多く含まれる「模倣的・同調」の因子 因子4: 競争心尺度と自己顕示性尺度の項目が多く含まれる「競争心+自己顕示の因子」 その上で、それぞれの因子においてもっとも負荷量の高かった項目に基づいて因子にあてはまる者とあてはまらない者の間でt 検定を行うことで、調査協力者の内部構造の分析を試みた。その結果、自己主張の高い人たちは、個性的なファッションアイテムを好むことが示された。個性化願望の高い人たちは、注目されるのが好きであることが示された。模倣性の高い人たちは、友達とファッションを真似されたり真似したりすることで自信を高めることが示された。競争心の高い人たちは、流行のファッションアイテムを取り入れることで魅力的になれると感じたことが示された。また、みんなと同じで自分を隠したいという者は、圧倒的に少数派であった一方、みんなと同じだけど誰よりも魅力的な自分やみんなとは違う魅力的な自分を追い求める形でファッションを楽しむ者が多数派であることが示された。 Tarde やSimmel の時代から100 年程度経った今でも人間の本質は、そうそう変質するものではない。現代のように、ファッションの選択肢が格段に増えてきても、多くの人は、なおみんなと同じということにこだわりを持ちつつも、みんなと同じ中でなおかつ自分が一番でいたいという自己顕示性を求め、自分や他人と競争を続けているのである。
著者
張 民芳
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

カーボンやナノホーン(CNH)などのナノカーボンを使用した医療応用研究が盛んになっている。しかし、ナノカーボンは毒性が低いものの、肝臓や脾臓などの組織に集積され易いことが分かっている。実用化するには、ナノカーボンは組織内で分解、体外へ排出されなければならない。本研究では、CNHの生分解可能性を明らかにするため、CNHの近赤外光吸収特性を利用し、細胞内および生体組織内のCNHの量を測定する方法を開発した。この方法を用い、異なったサイズおよび表面修飾したCNHの生分解率を測定し、生分解可能なCNHの複合体を作製した。そして、細胞及び動物実験により作製したCNH複合体の分解性を確かめた。

4 0 0 0 OA 人形百種

著者
晴風 [画]
出版者
[清水晴風]
巻号頁・発行日
1800

4 0 0 0 OA 公冶長故事考

著者
渋谷 瑞江 渋谷 瑞江 渋谷 瑞江
出版者
北海道大學文學部
雑誌
北海道大學文學部紀要 (ISSN:04376668)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.67-94, 1995-08-31
著者
髙坂 康雅
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.284-294, 2013 (Released:2015-09-21)
参考文献数
24
被引用文献数
8

本研究の目的は,“恋人を欲しいと思わない”青年(恋愛不要群)がもつ“恋人を欲しいと思わない”理由(恋愛不要理由)を分析し,その理由によって恋愛不要群を分類し,さらに,恋愛不要理由による分類によって自我発達の違いを検討することであった。大学生1532名を対象に,現在の恋愛状況を尋ねたところ,307名が恋人を欲しいと思っていなかった。次に,恋愛不要理由項目45項目について因子分析を行ったところ,「恋愛による負担の回避」,「恋愛に対する自信のなさ」,「充実した現実生活」,「恋愛の意義のわからなさ」,「過去の恋愛のひきずり」,「楽観的恋愛予期」の6因子が抽出された。さらに,恋愛不要理由6得点によるクラスター分析を行ったところ,恋愛不要群は恋愛拒否群,理由なし群,ひきずり群,自信なし群,楽観予期群に分類された。5つの群について自我発達を比較したところ,恋愛拒否群や自信なし群は自我発達の程度が低く,楽観予期群は自我発達の程度が高いことが明らかとなった。
著者
橋田 克己
出版者
公益財団法人 国際交通安全学会
雑誌
IATSS Review(国際交通安全学会誌) (ISSN:03861104)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.53-62, 2019-06-30 (Released:2019-07-10)

本田技研工業(株)の創業者である本田宗一郎氏の「レースは走る実験室」「レースをやらなければ日本の車は良くならない…」という熱い想いから鈴鹿サーキットは誕生した。サーキットでは、車やバイクの限界性能まで突き詰めることでしか得られない『技術』が生まれる。しかし、テストを行うのはいつの時代も生身の人間であり、限界を超えてしまったときに、その被害を最小限に食い止めることは常に最重要課題であり続けている。そして、そこで培われた技術が市販車にフィードバックされることで、乗員の安全性を高めていく。本紹介では、「走る実験室」という使命のもと、たゆまず施設の安全性を高めてきた鈴鹿サーキットの安全対策について、その一部を紹介する。
著者
多田 和美
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.27-77, 2010-09-09

本稿は,多国籍企業の内部環境と外部環境(現地環境)の要因が,海外子会社の製品開発活動に及ぼす影響とそうした活動がいかなる成果を生成するのることを目的としている。そこで,失敗事例(日本ペプシコ社)との比較分析に向けて,成功事例に相当すると考えられる日本コカ・コーラ社の事例研究を行った。本稿では,先行研究の課題およびこれまでの研究課題を踏まえ,Schmid & Schurig(2003)を出発点とした枠組によって,(1)内部環境要因と外部環境要因の各構成要素が製品開発活動に及ぼす影響,(2)その過程において生じる構成要素間の相互作用,(3)それらの影響に基づく製品開発活動が成果に及ぼす影響を分析した。その結果,内外環境要因の各構成要素とその相互作用が,海外子会社の製品開発活動に及ぼす多様な影響と成果との関係などが新たに明らかになった。