著者
Minoru TAKEO Yosuke AOKI Takao KOYAMA
出版者
The Japan Academy
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.98, no.8, pp.416-438, 2022-10-11 (Released:2022-10-11)
参考文献数
61
被引用文献数
1

Modern observation systems composed of seismic, geodetic, other geophysical, and geochemical networks developed in and around volcanic areas provide a mass of knowledge about volcanic activities. This paper summarizes the magma pathway and recent volcanic activity of the Asama volcano. The seismic velocity structure beneath the Asama volcano was investigated via seismic ambient noise tomography and active source seismic tomography. The magma pathway in the upper crust beneath the Asama volcano was synthesized by combining the velocity structure with a hypocenter distribution of volcanic earthquakes and ground deformations before and after eruptions. Temporal evolutions of multidiscipline data regarding the volcanic activity from October 2003 to January 2018 revealed that the supplied amount of magma from the magma chamber and the internal condition in the shallow regions of the conduit controlled the recent eruptions.
著者
後藤 新弥 遠藤 大哉

“地元”柏市の「ふつうの人」のスポーツへの愛好度や,スポーツ活動の実態を等身大で探ろうと,学生らとともに柏市駅前で「町行く人」を対象に調査したまとめ報告である。複数の項目に亘ってアンケートを実施した結果,以下のような興味深い傾向が抽出された。* プロサッカーは好感度が高かった。ところが,地元柏レイソルの大看板の下で調査したにもかかわらず,レイソルの名前を言えない人が2 割以上いた。* さらに,地元柏レイソルの選手を1 人も知らない人が6 割近かった。一方日本代表なら3 人以上の名前を知っている人が9 割近かった。J リーグ側は「地元密着」を掲げているが,現状は地元未着である*大相撲を「大嫌い」と決めつける人が3 割近くいた。八百長疑惑などが背景か。*東京五輪の「招致活動」に好感を抱いたのは半数に満たなかった(7 月時点)。* 文武両道という概念を「重要である」と答えたのは,平成生まれが約44%,大人世代が38%で,若い人の方がスポーツの倫理観を重要視している傾向がうかがわれた。* 「日常的にスポーツをしている」人は全体の42%を占めたが,「したいけどしていない」人が27%に達し,スポーツ行政への大きな課題が見えてきた。* 「町を行くふつうの人」のスポーツ活動へのさらなる支援が必要だと痛感した。東京五輪開催への最優先課題は,イベントとしての成功やトップ選手のメダル数ではなく,実は日本のスポーツの実数値であり,またその土台である,「ふつうの人のスポーツ活動」の支援促進ではないだろうか。

4 0 0 0 OA 国史大系

著者
経済雑誌社 編
出版者
経済雑誌社
巻号頁・発行日
vol.第4巻 吾妻鏡 明治35, 1905
著者
春日 光 森本 弘一
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.11-18, 2016-07-12 (Released:2016-08-09)
参考文献数
9

理科の授業において, 「観察・実験」は必要不可欠である。しかし, 小学校では必ずしも理科が得意な教員が授業をしているとは限らず, 多くの危険が潜んでいるといえる。本論文は, 過去の小学校理科実験の事故から明らかになった傾向を報告するものである。得られた知見は下記の通りである。(1)「金属, 水, 空気と温度」(第4学年), 「燃焼の仕組み」, 「水溶液の性質」(以上, 第6学年)の単元で事故が多く発生しており, 重大な事故につながりやすい。(2)現職の小学校教員に行った質問紙調査においても上記の単元の学習中に, 「危ない」と感じた経験があると回答する人が多い。(3)基本統計の傷害種別の事故件数の調査によると, 火傷よりも擦り傷, 切り傷等の傷害が多いことから, 日常的には実験中だけでなく観察活動中に負傷する事例も多いと考えられる。(4)児童1人あたりの年間事故件数の割合は, 偶然として無視できる確率(10–6)よりも高く, 事故件数をさらに減少させる必要がある。(5)過去30年を通して, 男子の方が女子に比べ負傷しやすい。以上のように, 本研究で明らかになった傾向は, 今後の理科実験における安全対策を考える上で貴重な情報を提供していると考えられる。

4 0 0 0 放送教育

出版者
日本放送教育協会
巻号頁・発行日
vol.50(6), no.569, 1995-09
出版者
東北大学学友会新聞部
巻号頁・発行日
no.258, 1995-05-25
著者
唐渡 弘起 徳田 和宏 竹林 崇 佐々木 庸
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.162-169, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
23

当院では脳卒中後の麻痺手に対し,課題指向型アプローチ(TOA)とTransfer packageおよび機能指向型アプローチ(IOA)とTransfer packageのプロトコルがある.今回,これらの差について報告する.対象はTOA+Transfer package群7名とIOA+Transfer package群6名でそれぞれの上肢機能(FMA)および麻痺手の使用行動(MAL/AOU,QOM)について比較検討した.結果,FMAは有意な変化を認めなかったが(p=0.18),MALはTOA群がIOA群に比べ有意な変化を認めた(MAL AOU:p=0.04,MAL QOM:p<0.01).よって,TOAは同じTransfer packageを実施したとしても,より効率的に練習で獲得した機能を生活に転移できる可能性が示された.

4 0 0 0 OA 日本紳士録

出版者
交詢社
巻号頁・発行日
vol.第15版, 1910
著者
河野辺 貴則
出版者
日本教育実践学会
雑誌
教育実践学研究 (ISSN:1344946X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-16, 2020-09-30 (Released:2021-01-12)
参考文献数
20

本研究の目的は,道徳教科書における人権課題に関わる教材の掲載傾向を検討することを通して,人権教育と道徳教育の関連性を考察していくことにある.調査対象とする資料は,小学校と中学校の道徳教科書(72 冊)としている.調査結果として,道徳教科書には人権課題に関連している教材が数多く掲載されていることを確認した.人権教育と道徳教育は,それぞれが別の世界に位置づいているかのような認識を乗り越えて,児童生徒に人権課題について向き合う機会を提供し,人権課題の解消を前に進めていることに寄与している.本稿による分析結果から,道徳教科書には人権課題に対する理解や問題の解消に向けた取組として寄与しており,人権教育と道徳教育は統合的な関係へ向かっている傾向にあることが考察できる.一方で,相補的な関連性といえる部分もあることから,人権教育と道徳教育の関連性を意識しながら,計画的に教育活動を推進していくことが肝要であり,両者の関連性は益々密になっていくことだろう.
著者
紙屋 牧子
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.109-120, 2012-06-30 (Released:2017-05-22)

Hanakosan (1943, TOHO, MAKINO Masahiro) was made into a film from comic serials by SUGIURA Yukio published in a magazine, that is, Jugo no Hanakosan (Hanako-san at the Home Front, 1938-1939), Hanayome Hanakosan (Hanako-san, the Bride, 1939-1940), Hanakosan Ikka (Hanako-san and Her Family, 1940-1945). As for the past evaluations of Hanakosan, many critics and researchers have pointed out that it was a thoroughly light and joyful musical comedy, influenced by Busby Berkeley films, against the national policy under the wartime. I would like to send back Hanakosan into the historical context of the politics during the period, and clarify elements of a "superb" war propaganda that were forgotten in a process in which the film became a myth. And I would like to elucidate that this war propaganda is formed in a dimension even beyond a director himself and the state power.
著者
北尾 真梨 津田 聡子 山口 智子 高田 哲
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.83-90, 2018 (Released:2018-07-31)
参考文献数
16

医学上の倫理的意思決定の実態と、看護師の参加実態と参加に関連する要因を明らかにするために質問紙調査を行った。1. 対象疾患として超低出生体重児、18トリソミー、重症新生児仮死を含む29疾患があげられた。また、家族は意思決定の場に参加しないことや、決定の主体となっていないこともあることが明らかになった。2. 看護師が意思決定の際に 「よく理解していた」 ものは 「子どもの現在の状態」 であったが、子どもの治療の決定に最も影響を与えるものとしては 「両親の希望」 であった。3. 意思決定に参加した経験のある看護師は26.1%であった。参加に関連する要因は、 「東京女子医大のクラス分け」 と 「淀川キリスト教病院のガイドライン」 への認知度であった。以上の結果から看護師に求められる役割として、1. 家族が決定の主体となるために情報を提供し、思いを傾聴することで意思決定の過程をサポートすること、2. 子どもの立場に立った意思決定を行うこと、3. 看護師自身が意思決定に参加していくために、組織として学習システムを構築すること、があげられた。
著者
宇野 和
出版者
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
雑誌
人間文化創成科学論叢
巻号頁・発行日
vol.20, pp.29-37, 2018-03-31

This paper analyzes the suffix "mi" connected with nouns often used on Twitter, by comparing the difference between "kodomomi," "kodomopposa," and "kodomorashisa."Results reveal the unique function of "atarashii mikei" that is not observed in other formats. Moreover, it presents the following two points.First, using "atarashii mikei," a long noun phrase can be taken as its word base.Second, using "atarashii mikei," connections can be found and impressions described despite a weak relationship between the word base and object.