著者
五島 一美
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田教育評論 (ISSN:09145680)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.85-96, 2004-03-31

アメリカ合衆国で2002年に成立したNo Child Left Behindは,学習スタンダードを設定し,合衆国の全児童生徒が2014年までにそれを達成することを目標とする教育政策で,それを達成できない学校には厳しい行政上の措置がとられることになる。しかし,その達成度を測るのにはスタンダード基準のテストが用いられるが,それが,教育の質の低下を招くと懸念されている。さらに,財政の不足によりこの教育政策が実際に機能するのかどうかも疑問視されている。さらに,Regents Action Planの分析から,コア教科の強化だけでは,全児童生徒が一様に成績を上げるわけではないことが浮かび上がってくる。また,州の間でもその財源の豊かさにより国内差異が生まれることなど,様々な問題点がNo Child Left Behindには内在していることがわかる。一方で,学校の再人種分離化傾向など,もともと恵まれた教育環境にないマイノリティと貧困層の児童生徒の教育環境は近年,さらに悪化していっている。彼らにとって,No Child Left Behindは,この教育環境の差異化を是正する有効な手段となりうる。No Child Left Behindが様々な困難の中,効果的に機能するためには,彼らに対する支援に比重を置き,それに国民の理解を得ることが必要となるであろう。そうでなければ,No Child Left Behindは,逆に,教育の差異化を強化することになりかねない。
著者
福西 大輔 フクニシ ダイスケ Fukunishi Daisuke
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
no.17, pp.277-289, 2019

A strange thing happens at the bridge is that in folklore studies it is said that the bridge is not only connected to the opposite shore but also because the Japanese have recognized for many years as a connection between this world and the other world. However, considering the example of Aso Bridge, changes in the population caused by bridges have a major influence on creating a monster. Also, the exchange with new outside due to the bridge being made is also a factor to create a monster.
著者
中広 全延
出版者
夙川学院短期大学
雑誌
夙川学院短期大学研究紀要 (ISSN:02853744)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-14, 2008-07

指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbertvon Karajan)において、自己愛の病理を指摘できる。オーケストラを排除した後、録音したテープを編集してミスのない完璧な演奏のレコードを作るように、カラヤンは伝記作成において、具合の悪い事実はカットし都合のよいものだけを集めてきて、自己の生涯を編集して完璧な作品にしようと試みた。批判や挫折に対して異常に傷つきやすいカラヤンは、批判や挫折に直面すると自分を攻撃し妨害する集団を想定することがあったが、それは彼の被害妄想とせざるを得ないのではないか。世界が敵意に満ち自分を攻撃してくる存在でいっぱいであると恐れていたカラヤンにとって、日本は元ナチス党員として弾劾されることもなくいつ来ても大歓迎してくれる友好国であった。日本という視点からカラヤンの病理は見えない、日本という他者との関係においてそれは現れない、ということになるかもしれない。
著者
奥田 尚
出版者
追手門学院大学
雑誌
アジア観光学年報 (ISSN:13463527)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.127-139, 2008-04
著者
村瀬 雅俊
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.47-56, 2004-04

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
望月 朝香 鈴木 泰博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MPS, 数理モデル化と問題解決研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.179-182, 2007-12-20
参考文献数
6

文章を読んだ後に「著者らしい雰囲気のする文章だった」と感じる経験はよくある。この目に見えない「雰囲気」、即ち作者特有の文体印象について、小説のテキストデータを数量化し分析することで考える。文体印象を醸し出す要素は様々考えられるが、本研究では(1)「句読点の分布」(2)「読みでの文字数」(3)「文章表現方法・多頻出言語」の3項目に着目する。句読点の使い方に著者特有の文構造が、読みでの文字数では頭の中のリズム、文章表現方法・多頻出言語から著者の愛用語や単語使用方法の癖が現れ、文体印象の要素となるためである。本論文では作者の特徴の抽出に相当する(1)と(2)について行う。かかる特徴付けを行い文体や作家の雰囲気を数量化することで、雰囲気を用いた文献検索を可能にし、また作者不詳の歴史文献の作者特定へ応用することが可能である。
著者
井部 奈生子 肥後 温子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.189-196, 2012-06-05

市販ぬれせんべい17種類の水分量は9.8〜28.7 g/100 g,水分活性は0.38〜0.81であり,製法,水分含量,テクスチャーを異にする各種の製品があった。そこで,調湿が水分およびテクスチャーに及ぼす影響を含めて製品を分類したところ,揚げせんべいタイプ,半乾きせんべいタイプ,湿せんべいタイプ,湿おかきタイプの4つのタイプに分類できた。なお,3タイプの代表的な製品について官能評価を行ったところ,破断しやすい製品が好まれる傾向がみられ,半乾きせんべいタイプの硬い食感,濃く味付けされたおかきの味が嫌われた。
著者
杉谷 昭
出版者
法制史研究
雑誌
法制史研究 (ISSN:04412508)
巻号頁・発行日
vol.1966, no.16, pp.127-143,v, 1966

In this paper, I have made an inquiry into the San-chi-sei of<I> fu </I>(_??_), <I>ken </I>(_??_), and <I>han</I> (_??_) in the Early Meiji Era, especially into the part played by fu during the period just before the abolition of <I>han</I> (clans) and into the establishment of<I> ken</I> (prefecture) from the historical point of view of the word<I> fu</I>. Thus, I have partly made clear the process of the establishment of the centralized national government from the viewpoint of the constitutional history.
著者
片山 悠樹
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.25-46, 2014

<p> 本稿の目的は「ものづくり」言説が工業教育にいかに受容されたのか,また「ものづくり」言説にどのような理念や価値が付与されてきたのか,その経緯を分析することである。<BR> 現在,多くの工業高校では教育目標として「ものづくり」が掲げられており,「ものづくり」教育は高い評価を受けている。工業教育≒「ものづくり」という認識は教師たちに共有されているといえる。ところが,こうした認識は最近まで自明ではなかった。というのも,かつて教師たちは「ものづくり」に批判的であったためである。なぜ現在の教師の認識と,過去の認識に違いが生じているのか。本稿では工業教育で「ものづくり」がいつ「自明」となり,その背後要因には何があるのかを明らかにする。<BR> 1970年から1980年代,工業高校の社会的地位は低下していたものの,教師は「科学的/批判的能力」の養成を重視し,「技能教育」に否定的であった。だが,1980年代後半以降,工業教育の専門性はさらに弱体化し,多くの教師は工業教育の専門性を教える自信を失っていく。<BR> このような状況のなか,工学教育の再考のため,教師は地域の中小企業との連携を模索しはじめる。1990年代後半,「ものづくり」の受容は中小企業の密集地帯で顕著にみられたが,2000年代に入ると,「ものづくり」言説に「教育的」価値が付与されることで,他の地域にも浸透していく。こうした過程を通して,工業教育のなかで「ものづくり」の「自明化」が進展したと推察される。</p>
著者
小貫 麻美子
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2011

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成23年7月25日授与 (乙第2554号)
著者
飛田 英世
出版者
茨城県立歴史館
雑誌
茨城県立歴史館報 (ISSN:02870738)
巻号頁・発行日
no.46, pp.1-10, 2019-03
著者
石丸 由美
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.209-227, 2002

論文I 問題の所在 1 はじめに 2 オスマン主義の限界 3 オスマンルルック(オスマン国民像)とシェムセッディン・サーミーII ルメリ情勢とサーミー : 東方連邦体制(beyet-i muctemie-i sarkiye)構想III アルバニア人とオスマン帝国 1 アルバニア人の位置付け 2 『テルジュマーヌ・ハキカット』紙(以下THと表記)からの反論 3 サーミーの「オスマン国民」像再考IV 結びにかえて
著者
稲葉 清毅
出版者
群馬大学
雑誌
群馬大学社会情報学部研究論集 (ISSN:13468812)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.231-233, 1998-03-20

1936年生まれの私は,これまで世の中の価値観の大きな変動に二度巡り会いました。初めは第二次大戦の敗戦に伴う激動で丸この時私たちは毎日慣れ親しんできた教科書に墨を塗ることによって,日本が選ばれた神の国であるという虚構を捨て,欧米的な価値観を受け入れました。その次は国論を二分した左翼的理想主義に対する反省です。戦後の日本は,政治的には西側陣営の一員として一途に経済成長をめざしてきましたが,思想・言論の上ではいわゆる進歩的文化人をリーダーとして,社会主義への憧れを基盤に市場経済体制の矛盾を指摘する立場から,ひたすら体制を批判する論調が主流となってきました。ソ連等の社会主義陣営の腐敗と自壊によって,そうした世界への憧れも色あせ,今日では経済的には市場メカニズム,政治的には民主主義に全幅の信頼をおかれているように見えます。しかし,このように激しく変化する時代の風潮にもかかわらず,常に時流に乗って国民をリードしてきたのはマスコミです。そして,彼らの影響の下に国民の意識や主義主張は大きく変わって来ましたが,その底に横たわる深層心理や行動原理はあまり変わっていないように見えます。ここから,話はぐっと小さくなりますが,今度は,私の後半の30年の社会体験から,マスコミのニュースというものがどのように作られ,どのように政治や行政に影響を与えて来たか,いいかえれば政治や行政がマスコミの活字にどのように躍らされてきたかを振り返ってみましょう。そして,その上で新聞の読み方というものを,中身が単純で分かりやすい競馬の予想新聞と比較しながら,お話して見たいと考えています。たとえば,行革に大きな影響を及ぼした第二次臨時行政調査会は,別名土光臨調といわれるように,経団連会長だった土光敏夫さんの影響が強かったのですが,土光さんが比較的簡単にこの難しいポストを引き受けられた裏には,会計検査報告を巡る大新聞の虚報があります。また,私が臨時行政調査会事務局に勤務していた際も,自分自身が関係していた特殊法人の整理合理化を巡って,大小様々な虚報が飛び交うのを目の当たりにしました。そして,そのようなニュースがどのように作られるかのメカニズムを理解する,つまりどのようなリークをすれば,どのような記事になるかを知ってからは,その習性を逆用し,自分では嘘をつくことなく,オーバーな見出しの記事を書いてもらうことに成功したこともあります。このような経験を踏まえてみると,新聞の記事には,その新聞社の政策が,世間の風潮に迎合することを含めて色濃く反映している,特に大きな見出しがつけられる記事ほどその傾向が強いことがわかります。これに対していわゆるベタ記事は,少なくとも何らかの事実を基盤にしていることが多く,地味ではあっても情報価値が高いものが含まれています。これは,ちょうど競馬新聞などで,大見出しになっている記事は,世間の風潮への迎合か受けをねらったハッタリである場合が多く,馬券を買う立場から見るとあまり参考にならないことが多いのに対し,小さな署名記事の中にはキラリと光るヒントが隠されていることと良く似ています。問題は,競馬の素人が予想紙の見出しをそのまま信じてしまうように,一般大衆が大新聞の見出しをそのまま事実,真実と誤認してしまうことです。鬼畜米英・神国日本といった戦前の風潮,社会主義賛美・体制批判を基調とする戦後の風潮が,いずれも大新聞の政策的主張にリードされていたことをもう一度思い出す必要がありますし,そういう観点から見れば,今日,時流に乗っている,市場経済体制と民主主義の無条件な礼讚についても,改めて批判の目を向ける必要があると思います。社会情報学部は,情報化の進展を背景に,社会と情報との関係を追求して行くために誕生した学部ですが,このような矛盾を直視し,社会的意志決定のメカニズムやそのうちに潜むカラクリを明らかにすることによって,より現実的な社会システムの実現に寄与するという役割を負っていると考えています。いまこそ社会情報学部の出番です。