著者
深井 孝之助 土佐 英輔 西 義美
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
VIRUS (ISSN:18843425)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.135-140, 1951-07-01 (Released:2010-03-16)
参考文献数
12

Adsorption states of influenza virus, Lee strain, on chicken red cells were studied under electron microscope. Treating electronmicrographs quantitatively, adsorption end point was determined. From this end point, that the foundamental idea of CCA titration by Miller and Stanley had been fare, was proved. From some pictures, it was concluded that owing to agglutination of virus particles by antisera, the red cell agglutination inhibiton reaction would be caused. And virus particles adsorbed on chicken red cells were inversely eluted and agglutinated when anti-viral serum added after complete adsorption. This latter phenomenon was named as “robbing off reaction” by antisera.
著者
佐々木 ゆり
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
vol.42, pp.137-144, 2007

本稿では、日本の英語教育において比較的新しい概念である「コミュニケーション能力」について、文献からの解釈を基盤としてその定義を確認する。さらにコミュニケーション能力の獲得のための具体的な方策として、CLT(Communicative Language Teaching)に言及し、新しい概念を実現するために指導者に求められる新しい役割についても提言したいと考える。
著者
河本 達毅
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.1_11-1_15, 2019 (Released:2019-02-02)
参考文献数
13

In Japan, the government is promoting reform for connection between high school education and higher education. This is not merely an admission reform but approaches a fundamental shift in university education from admission to graduation. Quality assurance of university education based on student learning outcomes is advanced in other countries. In the same way, connection reform between high school education and higher education is a reform that brings student learning outcomes through university education and enhances accountability.
著者
坂井 素思 Motoshi Sakai
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of the Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.33-40, 2008-03-20

この小論では、なぜ日本にコーヒー浸透という現象が起こったのか、あるいは日本人はなぜコーヒーを好きになったのかというテーマを考えてみたい。幕末の開港とともに、日本の税関はそれぞれの港で貿易統計を取るようになった。このため、外国との取引貿易品、なかでもとりわけ農産物は全て記録されることになった。明治の初めから、日本がどれだけのコーヒーの生豆を輸入したのかがほぼ完全に把握できることになる。これで見ると、1920年代から1930年代にかけて輸入量が累積的に多くなるという現象が観察される。この小論では、なぜコーヒーが浸透したのか、という点をめぐって、1920年代から始まるコーヒーブームに焦点を当てて、その理由を考えた。以上の結果、喫茶店によるネットワーク型消費の展開、世界のコーヒー市場の影響、都市化と覚醒文化の進展、などが社会経済要因として挙げられるという結論が得られた。
著者
畑田 惣一郎 前田 直樹 吉牟田 直孝
出版者
九州保健福祉大学大学院社会福祉学研究科
雑誌
最新社会福祉学研究 = Progress in Social Welfare Research (ISSN:18809545)
巻号頁・発行日
no.14, pp.45-53, 2019-03-31

気分障害や神経症性障害により,就労能力のある多くの患者が休職や退職に至ることは,深刻な社会問題である.本研究の目的は,(1)気分障害と神経症性障害に罹患した労働世代の就労状況および生活実態を把握すること,(2)対象者の就学期の体験および家族歴を分析し,就学者と無職者間の心理社会的問題の違いを検討することである.精神科病院の患者133名のカルテより後方視的調査を行った結果,「無職」が3割であり,低収入層もおよそ3割と推測された.また,睡眠障害や消化器症状といった身体症状は,就労に関わらず多くの者が抱えていた.就労実態の違いが生じる要因分析では,無職において転校・不登校経験,未婚・離婚歴がそれぞれ有意に多かった.このような労働世代の精神障害者に対する支援を行う際は,治療と並行して就労支援を行い,就学期から継続する心理的問題や,家族環境も視野に入れた心理・社会的アプローチが重要である.
著者
佐々木 豪
出版者
日本臨床皮膚科医会
雑誌
日本臨床皮膚科医会雑誌 (ISSN:13497758)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.417-423, 2020 (Released:2020-09-30)
参考文献数
12

当院を受診中の慢性特発性蕁麻疹患者で,既存の第2世代抗ヒスタミン薬効果不十分 [重症度レベル3以上かつ蕁麻疹活動性スコア(Urticaria Activity Score:UAS)3以上]であった50例について,ビラスチン(ビラノアⓇ)への切り替えによる臨床的検討を行った.UASはビラスチン切り替え後2週間で有意な低下が認められ,その低下は8週後まで継続した.さらに前治療の薬剤が,ピペリジン/ピペラジン系および三環系のいずれであっても,ビラスチンへの切り替え後2週間で有意なスコアの低下が認められた.薬剤別に解析すると,フェキソフェナジン,オロパタジン,レボセチリジン,ベポタスチン,ロラタジンからビラスチンへ切り替えた場合のUASの低下は2週以降も継続したが,エピナスチンからの切り替えによるUASの低下は2週以降継続しなかった.以上の後方視的検討から,ビラスチンはほとんどの第2世代抗ヒスタミン薬からの切り替えで有効であることが示唆されたが,薬剤別のさらなる検討が求められる.
著者
針生 敏雄
出版者
The Japanese Society of Health and Human Ecology
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.284-299,A21, 1960 (Released:2010-11-19)
参考文献数
11

仙台市内小・中学校児童・生徒について,その発育(身長・体重・胸囲)と運動能力(走・跳・投・懸垂力)・知能(I.Q.)との関係を検討した.I.身長・体重・胸囲各々について,之を大・中・小の3群に分けて,運動能力・知能を比較すると,11才の男女・14才男に於ては身長についても,体重についても,胸囲についても其の大・中・小群の順に走・跳・投力は何れも劣るが,懸垂力は11才男女では逆順を示し,14才男では走・跳・投力と同様に正順を示す.然しその大・中群間には有意差を認めない.14才の女に於ては,11才男女及び14才男と趣を異にし,身長と走力の関係のみ正順で,跳力は明かに逆順を示し,投力も大体逆順関係である.而して体重・胸囲に於ては走・跳・投力何れも其の関係が乱れて有意差を示さない.懸垂力は,身長に於ては一定の関係を示さないが,体重・胸囲に於ては大なる群ほど劣り,明かに逆順を示す.I.Q.については,身長では11才・14才男女総て身長の大なる群ほど優れている.然し女の大・中群間の差のみは11才・14才ともに有意と云い得ない.体重では,身長の場合と全く同様であるが,この場合は男11才の中・小群の差及び女11才・14才の大・中群の差には有意性が見られない.胸囲では,一定の傾向を認め得ないが,11才では男女とも大群が概して優れ,14才では男女とも小群が他群より明かに劣つている.II.発育と運動能力・知能との関係を,出生月令及び身長又は体重因子の影響を除外した第2次の相関係数について検討した.走力は身長に対し11才・14才,男女総て正相関を示し,殊に14才の女に於て相関の程度が強い.体重に対しては11才では男女とも明かな相関は見られず,14才では男は正相関,女は負相関を示す.胸囲に対しては11才男では正相関,14才女では負相関を見るが,11才女と14才男では相関々係を証明し得なかつた.跳力は身長に対し11才の男女と14才の女では正相関を示すが,14才の男では低い負の相関を示す.体重に対しては11才・14才の男のみ正相関を示し,11才の女では何らの相関を見ず,14才の女では負相関が見られる.而して14才男の正相関は特に顕著であつた.胸囲に対しては14才男に於て正相関が見られるのみである.投力は身長に対して11才の男女・14才の男女総て極めて低いが正相関があるものの様である.体重に対しては男に於てのみ正相関を示し,女では相関を認め難い.胸囲に対しても体重に於けると同様に男に於てのみ正相関を見る.懸垂力は身長に対し11才の男女及び14才の女に於ては相当の正相関を示すが,14才の男に於ては相関が見られない.体重に対しては身長の場合とは逆に11才の男女及び14才の女に於て相当程度の負相関を示すが,14才の男では低い正相関が見られる.胸囲に対しては体重の場合と大体同様に11才の男女及び14才の女では負相関が見られるが,その程度は体重の場合より極めて低い.而して14才の男では体重に於けると同様に低いながら正相関が見られる.I.Q.については,I.Q.そのものが既に月令的考慮が加えられているので零次の相関そのまゝであるが,身長に対しては11才の男女・14才の男女総て正相関を示す.体重に対しては14才女を除き総て低いながら正相関を示す.胸囲に対しては14才男のみ明かに正相関を示すが,14才女では0.12±0.050(P<0.05)の正相関であり,11才では男女ともに相関を見ない.最後に極めて概括的な結論を試みるならば同一生年月の者でも身体発育の良好な者は一般に其の運動能力及び知能の発達も良い傾向が認められる.然し此の傾向は発育完成に近ずくと低下するものゝ様である.

4 0 0 0 OA EBMとNBM

著者
谷田 憲俊
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.189-191, 2007 (Released:2008-02-25)
参考文献数
7
著者
米田 圭佑 望月 祐洋 西尾 信彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.260-272, 2015-01-15

スマートフォンの搭載デバイス群から得たデータ解析による趣味嗜好抽出やコンテキスト認識の研究がさかんである.気圧センサは標高に関係する情報を取得でき,低消費電力でありながら行動認識に利用できるセンサとして期待されている.本論文ではユーザの状態を屋内状態と屋外状態に大別し,それぞれの状態において気圧センサを用いた行動認識手法を提案する.屋内状態では気圧変化量に着目した滞在階層推定を,屋外状態では軌道上移動の気圧推移に着目した現在地推定を行う.評価実験より,1度に+18階の階層移動の場合であっても正常に階層推定できていることを確認した.軌道上移動における現在地推定では,推定結果の75%においてGPS測位による位置情報との誤差が0.5km未満で推定できたことを確認した.A variety of studies have been conducted on context recognition as well as hobby and preference extraction by analyzing the data obtained from the sensors in a smartphone. As a smartphone component, a barometer is expected to be useful for activity recognition because of its low power consumption. In this work, we propose an activity recognition method of classifying a user's state into indoor and outdoor states and using a barometer at each state. In the proposed method, the floor of a building on which a user is located is estimated by determining atmospheric pressure variations sensed in the indoor state, and the user's location is estimated by determining atmospheric pressure variations according to the user movement along a track in the outdoor state. We confirmed that it is possible to closely estimate the current floor-level of the building in the case of user movement among eighteen floors at a time. On the other hand, we confirmed that in 75% of the results of the user's location estimation, the difference between the estimated location information and GPS location information is less than 0.5km.
著者
飯島魁 著
出版者
敬業社
巻号頁・発行日
vol.[第1], 1890
巻号頁・発行日
2020-10-30

「研究者のための研究データマネジメント」は、研究支援者としての目線から、大学や研究機関等に所属する研究者の方に向けて作成された教材集である。教材は、研究データ管理の場面に応じた12のテーマ別に分かれており、1) 研究者自身が本教材によって必要な知識を得るほか、2) 研究支援者が、各機関の研究環境やニーズに応じた形で本教材を加工し、研究データ管理サービスを提供することを想定している。各テーマ概要は以下の通り。研究前・外部資金の取得外部資金の取得にあたり、研究データ管理との関連の観点から押さえておきたいポイントを説明する。・申請書類(DMP)の作成データ管理計画(DMP)の作成方法を説明する。・所属機関のインフラ活用研究データ管理を行う上で必要となる所属機関のインフラの活用について紹介する。研究中・研究データの保存研究データの保存先を検討する上でのポイント、情報セキュリティ対策、バックアップをする時の注意点などを説明する。・データの検索・発見・収集既存の研究データの検索・発見・収集方法を紹介する。・データ分析実際の研究データを分析するにあたってのポイントや注意点について説明する。・加工・分析中のデータ管理データを用いた研究を実施する際の、データの加工及び分析中のデータ管理について説明する。・DMPの更新DMPを更新する際におさえておきたいポイントについて説明する。研究後・データの引用データを引用する意義とその方法について紹介する。・データの公開方針の決定データの公開方針の決定について紹介する。・リポジトリへのデータ登録リポジトリへのデータ登録について説明する。・データ論文を通じたデータ公開データ論文を通じたデータ公開について紹介する。