著者
日下 和人 KUSAKA Kazuhito クサカ カズヒト
出版者
群馬大学社会情報学部
雑誌
群馬大学社会情報学部研究論集 (ISSN:13468812)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.39-58, 2018-03-01

Does a declaration of intent to take legal action fall into the category of criminal intimidation? The above - mentioned precedent in 1914 claims, though it does in its obiter dictum, that the indication can fulfil the requirements for criminal intimidation. This judgment that can be traced back more than a century is still considered the leading case. Therefore, it has been argued in quite a few cases that this ruling presents the position and views of the judiciary that an indication or gesture of intent to accuse may meet the requirements for criminal intimidation when it forms an abuse of rights. This ruling's view, however, can be looked upon as defining the act of abusing one's rights in the narrowest way. Conversely, it can be pointed out that there is not much likelihood of the requirements for criminal intimidation being fulfilled according to this legal precedent.
著者
Itoh Hiroshi Nishida Shuhei
出版者
日本プランクトン学会、日本ベントス学会
雑誌
Plankton & benthos research (ISSN:18808247)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.134-146, 2007-08-01
参考文献数
48
被引用文献数
3 14

A 17-month field survey and laboratory experiments were conducted to investigate the life cycle, seasonal population fluctuations, and salinity tolerance in the poecilostomatoid copepod Hemicyclops gomsoensis associated with the burrows of the mud shrimp Upogebia major and the ocypodid crab Macrophthalmus japonicus in the mud-flats of the Tama-River estuary, central Japan. On the basis of sample collections in the water column and from the burrows, it was revealed that H. gomsoensis is planktonic during the naupliar stages and settles on the bottom during the first copepodid stage to inhabit the burrows of U. major and, to a lesser extent, those of M. japonicus. While females carrying egg-sacs were present throughout the year, the copepods' reproduction took place mainly during early summer to autumn with a successive decrease from autumn to winter. Occasionally the copepod populations in the burrows suffered from severe flushes of river water that led to salinity decreases in the burrow water to fatal levels, but usually the salinity in the burrow was within optimal levels and permitted recovery and maintenance of the populations.
著者
八木 徹 山口 敏和
出版者
江戸川大学
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
no.30, pp.473-485, 2020-03

深層学習を含む機械学習が多くの人にとって身近なものとなり,各々の目的に活用するツールとなっていくことを想定した場合,機械学習を理解して活用できるようにするための教材が重要となる。本研究では,機械学習を体験し,学ぶためのシステムに求められる機能について考察した。さらにScratch 3.0 の拡張機能を活用し,TensorFlow やml5.js といったフレームワークを用いてScratch で機械学習を行うための拡張機能ブロック(Blocks for Machine Learning)を開発した。具体的には,画像分類を行うBML IC(Image Classifier)のほか,分類器にk 近傍法を用いるBML KNN(k-Nearest Neighbor), 転移学習を実行するBML TL(TransferLearning)という3 種類の機能を作成した。さらに,これらの機能を機械学習の体験に活用する方法についても検討をおこなった。
著者
和氣 加奈子 田中 利幸 多氣 昌生 川澄 正史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

磁気閃光現象は、低周波磁界に頭部をさらすことにより閃光が知覚される現象であり、再現性のある低周波磁界の生体作用の中で最も弱い磁界で生じる現象のひとつである。磁気閃光現象は誘導電流による網膜への刺激作用だと言われている。そのため磁気閃光現象は、磁界の神経や筋への刺激作用の機構を検討するための例として用いられることがある。しかし実際は、磁気閃光現象の機構はまだ解明されていない部分が多い。これまでの磁気閃光現象における誘導電流密度の推定は、人体頭部を均一な球で代用するなどの簡易な方法で行なわれており、人体の複雑な形状や電気的特性の不均一性を考慮していない。そこで本研究では、人体頭部の解剖学的な形状と電気的特性の不均一性を考慮した数値計算により、磁気閃光現象のしきい値程度の入射磁界により作用部位とされている網膜付近に誘導される電流密度の大きさと分布を明らかにすることを目的とする。
著者
矢城 陽一朗 直島 好伸
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.72-73, 2015

我々は、有機合成で多用されている酵素リパーゼの鏡像体選択性の機構解明において、タンパク質とリガンド分子間の相互作用を詳細に解析できるフラグメント分子軌道(Fragment Molecular Orbital: FMO)法を一つの研究手法として使用している。今回、3種の酵素リパーゼ、Burkholderia cepacia lipase (BCL)、Candida antarctica lipase typeB (CALB)、Candida antarctica lipase typeA (CALA)、と有機化合物の複合体についてFMO2相互作用計算を行ったところ、BCLでは HIS286が、CALB ではTHR40が、そしてCALAにおいてはAPS95が、それぞれのリパーゼの基質の鏡像体認識に深く関わっているアミノ酸残基であると推定できる結果を得た。これに加え、FMO法をインシリコ創薬の実用的な研究手法として発展させるために2014年11月に設立された「FMO創薬コンソーシアム」の活動と、そこで我々が実行している標的タンパク質レニンと化合物の複合体に関するスーパーコンピュータ「京」による計算を紹介する。
著者
田中 卓也
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 = The Journal of Kyoei University (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
no.17, pp.29-37, 2019-03-31

「スポーツする少女」は,1960 年代より少女マンガという形で誌面に登場した。『アタックNo.1』や『サインはV!』では,バレーボールを題材に少女たちに厳しい練習を行わせるとともに,恋や友情など思春期の悩みなどを展開させることになった。オイルショック以降になると,日本は高度成長期を終え,安定成長期へと移行し,多くの国民の関心は個人の多様な価値観を求めるようになった。1970 年代以降になると,少女マンガはなりをひそめ,ギャグマンガやお笑いブームなどにより衰退化していくことになった。
著者
大島 希巳江
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.14-24, 2011

欧米などの低コンテキストな多民族社会と、日本のような高コンテキスト社会では人々の間で語られるジョークや笑い話の種類およびスタイルが異なる。コミュニケーションにおいて必要とされる要素がそこにはあらわれると思われる。そこで2010年4月から2011年3月の1年間で「日本一おもしろい話」プロジェクトを運営し、サイト上で日本各地からおもしろい話を募集した。毎週、投稿された話をサイトに掲載し、おもしろいと思う話に投票してもらうというシステムをとり、日本人がおもしろいと感じる話を分析することを試みた。その結果、560の有効な投稿があり、1949票の投票がされた。投票により、毎月のトップ10までを決定し、それらの話の分類と分析を行ったところ、多くが投稿者の体験談であることがわかった。全体としては言い間違いや同音異義語を使った、言葉に関する話が最も多かった。また、年代でみるとおもしろい話の多くは40代、50代、30代からの投稿であった。性別でみると、女性は突発的な偶然から起きる言い間違い・聞き間違いなどに関する話が最も多く、男性からの投稿は作り込まれた言葉遊び、文化・社会を反映した笑い話などが多いことがわかった。今回のプロジェクトで日本人のユーモアの傾向が一部明確になり、また今後の研究の貴重な資料になると考えている。
著者
長森 美信
出版者
天理大学
雑誌
天理大学学報 = Tenri University journal (ISSN:03874311)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.1-32, 2020-02

壬辰丁酉(文禄慶長)の戦乱(1592~98年)によって多くの朝鮮人が日本軍に連れ去られた。朝鮮政府は,彼らを被擄人(被虜人)と呼び,その「刷還(送還)」につとめたが,17世紀前半までに帰国したことが確認できる被擄人の総数は6000人余りという。数万人とされる被擄人の大部分は異域・異国で暮らすことを余儀なくされたのである。被擄人のうち,有田・萩・薩摩などで陶磁器生産に従事した陶工や一部知識人等についての研究が蓄積されているものの,一般的な被擄人たちの定住過程については不明な点が多い。被擄人の大部分は自ら記録を残すことがなかったからである。本稿では,日本で洗礼を受けてキリシタンとなった被擄人の記録,すなわち,16世紀末~17世紀に日本で活動した宣教師の記録と17世紀前半の長崎平戸町の人別帳史料を通して,朝鮮被擄人が日本に連行され,定住していく過程を考察した。
著者
柿本 佳美 KAKIMOTO Yoshimi
出版者
京都女子大学現代社会学部
雑誌
現代社会研究 (ISSN:18842623)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.79-91, 2006-12

本稿では、日本社会における中絶の意味と役割の変化をたどり、胎児の性による中絶を手がかりに、優生主義について検討することを目的とする。江戸時代末期まで、中絶は家族計画の手段の一つとして、女性たちの間で処理されてきた事柄であった。しかし、明治政府成立後、中絶は、1880年の堕胎罪の創設を経て、1940年、国民優生法によって非合法化された。この法では、「国民素質ノ向上ヲ期スル」という言葉に当時の優生思想の影響を見ることができる。そして、この流れを受け継ぐ形で制定された優生保護法では、中絶は人口政策および優生主義の実践の一環として機能することとなった。優生主義が問題となるのは、これが既存の社会構造にある差別的な状況を反映し、これを強化する傾向にあるからである。胎児の性を理由とする中絶が示すように、中絶は、女性の身体への自由を超えて、優生主義的な個人の「欲望」を実現する医学的手段ともなりうるのである。This article aims to make clear the change of the sense of abortion, from one of the means of birth control to a way of a practice of selection of fetus. The group of disability people in 1970's Japan opposed to the activists of "Women's Lib (Women's Liberation)", insisting that the selective abortion makes a society which tolerates to eliminate many handicapped people, and that women's right of abortion permits it. Accepting their accusation, women activists have arrived to the position that "want to have a child is egoistic, want not to a child is also egoistic". But the progress of medical technology makes possible to select a fetus, either avoiding the physical state undesirable, or choosing the sex desirable. And the new eugenics, especially called "laissez-faire eugenics", describes the prenatal diagnostic as the hopeful and useful technology, because it realizes a society in which people do not have any painful future having a child undesirable. We can see a moral difficulty of new eugenics by reason of admitting the condition of elimination of the fetus, which reflects the disability in this society and the inequality of female.
著者
藤部 文昭
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.371-381, 2013-05-31
参考文献数
25

1909~2011年の人口動態統計資料を使って,暑熱による国内の年間死者数と夏季気温の変動を調べた.暑熱による死者数は,戦前から戦争直後まで年間200~300人程度で推移した後,1980年代にかけて減少したが,記録的猛暑になった1994年を契機にして急増し,戦前を上回る数になった.しかし,暑熱による死亡率は1994年以降も戦争前後も同程度であり,年齢層ごとに見ると戦前から現在まで一貫して高齢者の暑熱死亡率が高いことから,近年の暑熱死者数の増加の一因は人口の高齢化にあることが分かる.また,診断運用上の変化による見かけの増加も死者数の増加に寄与している可能性がある.一方,暑熱による年間の死者数・死亡率と夏季気温(7,8月平均気温)との間には,戦後の減少期と1990年代後半以降を除いて0.7~0.8の相関があり,夏季気温の変動1℃当たり暑熱死亡率は40~60%変化する.
著者
酒井 章吾 石橋 敏朗 浦辺 幸夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】様々なスポーツにおいて,運動中に声を発する場面をしばしば目にすることがある。これはシャウト効果(Shout effect)を期待しており,自ら発声することによって最大努力時の筋力が増加するというものである。シャウト効果については様々な先行研究があるが,筋出力時の言葉の種類について言及したものは少ない。筆者らは,もし言葉の種類によってシャウト効果に差が生じるのであれば,スポーツ場面で選手が発する言葉を選択することで,より高い筋力発揮ができると考えた。本研究では,母音の種類によるシャウト効果に違いがあるか検証を試みた。【方法】一般成人男性30名(平均年齢21.6±1.1歳)を対象に無発声,「あ」「い」「う」「え」「お」の各母音の最大発声をランダムに行い,各母音発声中の等尺性膝伸展筋力を測定した。筋力の測定には,Cybex 6000(メディカ株式会社)を使用し,1条件に対し2回測定を行い(筋出力時間は5秒間),測定間の休息時間は60秒間とした。また,各条件間の休息時間は10分間とした。測定肢位は,膝関節は60°屈曲位,背もたれ角度は110°(座面が基本軸)とした。統計処理には,PASW statistics 18を使用し,1元配置分散分析を行い,事後検定には,Bonferroniの方法を用いた。危険率5%未満を有意とした。【結果】無発声および各母音の発声時の筋力測定値の平均値を示す。無発声で2.70±0.53(Nm/kg),「あ」で2.97±0.63,「い」で3.01±0.52,「う」で2.88±0.66,「え」で3.00±0.47,「お」で2.90±0.57だった。「え」では無発声に対して有意に筋力が増加した(p<0.05)。「あ」「い」「う」「お」では無発声に対して,全て筋力が大きくなったが,有意な増加ではなかった(NS)。【結論】シャウト効果が生じる要因について,先行研究では,音刺激による心理的影響や脊髄前角細胞の興奮順位の増強により,筋力発揮が増加すると考えられている。また,「い」「え」を選択すると運動能力が向上したという報告もある。本研究結果では,「え」の発声時のみ,無発声時よりも筋力が増加した。先行研究では「い」「う」「え」の発声時に,精神的緊張が高まるとされており。この緊張と筋出力のタイミングが合致することで運動に対し有効に働くとされている。今回,「え」のみで筋力の増加が認められたが,発声に関与する筋や頸部周囲筋の特性を含めて検討を進めたい。
著者
原田 信之
出版者
新見公立短期大学
雑誌
新見公立短期大学紀要 (ISSN:13453599)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.181-195, 2009

鹿児島県硫黄島には遣唐使漂着伝説が伝えられている。島の伝承によると、かつて遣唐使の息子が父親の遣唐使「軽(野)大臣」を中国から連れ戻したが、難破して漂着した硫黄島で軽大臣が亡くなったので、島に葬ったという。硫黄島にある徳鉢神社(とくたいじんじゃ)は遣唐使の軽大臣を祀っているとされ、島では徳鉢神社のことを「カルノト」「カルノトド」「カルノオトート」「カルノオトド」などと呼んでいる。遣唐使の軽大臣が中国で灯台鬼にされたという有名な説話は平康頼『宝物集』が初出とされるが、平康頼がどこで軽大臣の灯台鬼説話を知ったのかはよくわかっていない。硫黄島は鹿ヶ谷の変で平康頼・俊寛・藤原成経らが配流された鬼界島であるとされる。平康頼が硫黄島に流された時に遣唐使軽大臣を祀る塚と灯台鬼説話を知った可能性さえあり、極めて興味深い。硫黄島に伝承されている遣唐使「軽大臣」にまつわる伝説は、灯台鬼説話をめぐる問題等を考えるうえでも重要なてがかりを与えてくれるものと考えられる。