著者
植村 豪 小寺 厚 津島 将司 河村 雄行 平井 秀一郎
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.222-229, 2013 (Released:2013-12-25)
参考文献数
8

CO2を用いた原油増進回収(Enhanced Oil Recovery, EOR)は,原油が取り残された油田にCO2を圧入することで原油回収率を高める技術であり,原油の増産と同時に二酸化炭素の隔離が可能な技術として,近年注目されている.EORでは油田中に圧入されたCO2が残存油に溶解することで,粘性低下,体積膨張など,油の物理化学的性状が変化し,原油回収率が高まるとされている.油へのCO2の溶解が原油回収率の向上と密接に関係していると考えられるものの,CO2の溶解に関するメカニズムは未だ解明されていない.このため,本研究では油へのCO2の溶解に関して分子論的な知見を得ることを目的とし,分子動力学シミュレーションを行った.単成分系を仮定した油(シクロヘキサン,C6H12)を用い,CO2が溶解した平衡状態において解析を行い,さらに分子間相互作用の一つであるクーロン相互作用が溶解現象に及ぼす影響についても考察した.その結果,油に対してCO2がクラスター構造を伴って溶解していることを示した.
著者
池田 亮一 イケダ リョウイチ Ikeda Ryouichi
出版者
Graduate School of Economics and Osaka School of International Public Policy (OSIPP) Osaka University
雑誌
Discussion Papers In Economics And Business
巻号頁・発行日
vol.11-22, 2011-06

昨今,少子高齢化が深刻化している中で,出生率を内生化した世代重複モデルによる分析が盛んに行われている。しかし,先行研究のほとんどは,完全雇用を前提としている。現実には失業が存在するのではないか。本稿では,失業をモデル化した労働組合賃金交渉モデルを用い,育児支援税が雇用,子ども数にもたらす影響を分析した。まず,育児支援税の増加は,失業率を上昇させ,資本ストックを減少させる。新たにわかったこととして,失業の増加は,可処分所得の減少を通して,子ども数を減少させる。また,一定の条件を満たすとき,育児支援税の導入で経済全体の一人当たり子ども数が減少する。結論として,育児支援税も,過剰になると逆効果になることがわかった。また新たに,失業保険給付率の上昇は,失業の上昇による可処分所得の減少を通して,子ども数を減少させることがわかった。
著者
富永 健一
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.325-328, 1998-09-30 (Released:2009-10-19)
著者
岡田 一祐
雑誌
国語国文研究 (ISSN:02890488)
巻号頁・発行日
vol.142, pp.33-43, 2013-02
著者
中央気象台 編
出版者
中央気象台
巻号頁・発行日
vol.第1卷, 1944
著者
松井 章 石黒 直隆 南川 雅男 中村 俊夫 岡村 秀典 富岡 直人 茂原 信生 中村 慎一
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

オオカミからイヌ、イノシシからブタへと、野性種から家畜種への変化を、従来の比較形態学的な研究に加えて、DNA分析と、安定同位体による食性の研究により明らかにした。また中国浙江省の約6千年前の田螺山遺跡、韓国金海會〓里貝塚の紀元前1世紀から紀元後1世紀の貝層から出土した動物遺存体、骨角器の報告書を、国内の遺跡同様に執筆した。さらに、ラオス北部の山岳少数民族の村に滞在し、ブタ、イヌ、ニワトリの飼育方法、狩猟動物と焼畑との関係について調査を行った。
著者
金子 良事
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.48-58, 2010-12-20

本稿では社会政策を「社会秩序の維持,ないし醸成を目的とした政策」と定義した。近年,日本ではヨーロッパのsocial policyの訳語に社会政策が使用されているが,研究史を踏まえるならば,これは社会福祉政策と訳すべきである。日本では歴史的に社会政策の英訳はsocial reformであった。本稿ではこの点をさらに掘り下げ,実際に明治以降に行われてきた政策の背後には社会改良主義だけではなく,社会秩序の維持ないし醸成という動機があったこと,そして,そのような施策はドイツの古いポリツァイ思想と通底していることを指摘した。また,日本における戦後の社会福祉政策においては社会権が基盤にされており,究極的には個人が中心になる。社会秩序という考え方によれば,社会政策は個人の社会権だけでなく,社会そのものに注目し,社会福祉政策を包含する概念として捉えるべきであることが示唆されている。
著者
井上 善文
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.573-579, 2010 (Released:2010-05-20)
参考文献数
10

必要エネルギー量の算定方法として、Harris-Benedictの公式(HBE)から基礎エネルギー消費量(BEE)を求め、これに活動係数とストレス係数をかけて計算する方法が用いられている。しかし、HBEからBEEを求める方法は過剰評価になる場合が多いことが認められている、本邦で用いられている活動係数およびストレス係数の多くは根拠となる検討結果に基づいたものではない、またその数値としての選択は結果的に主観的なものとなる、などの問題がある。基本的投与量として25~30kcal/kg/日を設定し、ストレスの度合に応じて増減し、積極的なモニタリングを行いながら投与量・組成を調整する方法の方が臨床的ではないかと考える。
著者
杉山 治夫 相馬 俊裕 岡 芳弘 小川 啓恭
出版者
大阪大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

1.多数例の化学療法を受けた白血病患者で、治療前、導入療法終了時、地固め療法終了時のWT1値をRT-PCR法を用いて測定したところ、治療前は、全例、異常高値を示したが、導入療法後、約半数の患者で、WT1値は検出感度以下になっており、さらに地固め療法後は、約70%の患者で、WT1値は、検出感度以下になっていた。このことは、WT1 assayで、白血病のMRDを的確にモニターできることをconfirmした。2.同種骨髄移植後のAML患者のMRDをWT1 assayでモニターしていたところ、WT1値の上昇が見られたので、分子再発と診断し、分子再発の時点で、ドナーリンパ球輸注(DLT)を行ったところ、著効を呈し、通常の副作用もなかった。このことが、WT1 assayで、再発を分子再発のレベルで診断し、早期にDLTを施行すれば、DLTの有効性が増大することを示している。3.チェルノブイリ原発事故の被曝者が末梢血でのWT1値を測定したところ、異常高値をとるものが多く認められ、これらの人々の今後の経過が注目され、WT1 assayによる白血病の早期診断の可能性も出てきた。
著者
中島 英雄
出版者
東京女子医科大学看護学会
雑誌
東京女子医科大学看護学会誌 (ISSN:18807003)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.54-54, 2009-03-31

東京女子医科大学看護学会第4回学術集会