著者
中村 航洋
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.82-87, 2018-12-26 (Released:2019-01-25)
参考文献数
41

Judgments of facial impressions such as attractiveness, trustworthiness, and dominance affect wide-ranging social outcomes. Research on perceptual mechanisms in forming such impressions is therefore central to the understanding of social cognition. This article provides a brief overview of two disparate approaches to understand how people form impressions from faces: computational modeling and experimental psychological approaches. The computational modeling approach allows for identifying the links between facial features and impressions in a data-driven manner, and thus for manipulating a face along an arbitrary impression dimension. The experimental psychological approach contributes to an understanding of how we perceive facial impressions in our cognitive systems by adopting perceptual and cognitive psychological experimental paradigms. In future studies, increased theoretical and methodological cross-talk between the computational modeling and the experimental approach would benefit progress in both fields.

3 0 0 0 OA 国民生活白書

出版者
内閣府
巻号頁・発行日
vol.平成20年版, 2008-12-26
著者
嶋武 博之 青木 継稔
出版者
東邦大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

myc系がん遺伝子としてC-myc遺伝子が多くの腫瘍や正常組織で発現しているのに対し、N-myc遺伝子は、特定の小児がんのみ発現しており、その発現の有無を調べることにより、がんの診断が可能になる。そこで本研究は、小児がん診断に役立てるためN-mycタンパクの定量測定法を可能にし、更に、早期発見のための方法を確立しようとするものである。神経芽腫においては、N-mycの遺伝子増幅について数多く調べられており、遺伝子増幅と神経芽腫の予後との関係が明らになっている。しかし、遺伝子増幅を伴わない予後不良例も報告されており、遺伝子レベルでの解析だけでは不十分であることが最近、指摘されている。また、網膜芽腫では、調べられた殆ど全症例においてN-myc遺伝子が増幅していないにもかかわらずN-mycタンパクの発現が見られるため、これらのがんの診断・予後の判定のためには、N-mycタンパクを検出し定量測定することが望まれる。この目的のために、N-mycタンパクの免疫学的定量法に必須の道具となる六種類の人工タンパクを、大腸菌発現ベクターを用い遺伝子工学的に作成し大量精製した。《1)N-myc特異抗原 2)pan-myc特異抗原 3)N-pan-myc特異抗原 4)抗ヒトN-mycタンパク特異抗体 5)抗pan-mycタンパク特異抗体 6)抗体吸収用cII-Nタンパク》 これらのタンパクはいずれも、N-mycタンパクの免疫学的定量を行うにあたり、特異性・力価が充分であることを確かめた。N-mycタンパクのサンドイッチ型ELISA法による免疫学的定量には、抗N-mycタンパク抗体を第一抗体とし、抗pan-mycタンパク抗体を第二抗体とした方が、その逆の場合よりも反応の特異性および効率の点で優れていることが明かとなった。この方法により、現在、培養細胞株および臨床材料を用いてN-mycタンパク量の定量測定を行いつつある。
著者
沖林 洋平 神山 貴弥 西井 章司 森保 尚美 川本 憲明 鹿江 宏明 森 敏昭
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Suppl., pp.149-152, 2008-02-10 (Released:2016-08-04)
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では,児童生徒の情報活用の実践力と情報モラルの関係について調査を行った.情報活用能力実践尺度得点と情報モラル課題について学年間比較を行った結果,次の2点が明らかとなった.まず,全般的な情報活用の実践力は,中学生の方が小学生よりも高かった.つぎに,情報モラルについては,小学生と中学生ともに情報モラル意識と情報活用の実践力に関連が見られた.また,全般的な情報活用の実践力については,中学生の方が小学生よりも有意に高く,とりわけ,情報活用の実践力の中でも「収集力」「判断力」「処理力」について,中学生の方が小学生よりも有意に高かった.また,情報モラルの高さと家庭における教育に関連があること,初等中教育課程での学校教育における総合学習等の授業における授業実践の効果が示唆された.

3 0 0 0 OA 愛知県統計書

著者
愛知県 編
出版者
愛知県
巻号頁・発行日
vol.明治45・大正元年, 1914
著者
木下 利喜生 上西 啓裕 小池 有美 三宅 隆広 山本 義男 田島 文博 佐々木 緑 幸田 剣 古澤 一成 安岡 良訓
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0594, 2006 (Released:2006-04-29)

【はじめに】近年の研究により運動がプロスタグランジンE2(以下PGE2)やサイトカインに影響を及ぼす事がわかっている。しかし、それらの多くが下肢運動でのデータである。我々の知り得た範囲では、下肢運動と同じ強度の上肢運動を行い、それらの変化を比較検討した研究はない。今回はpreliminary studyとして健常者1名を対象とし、上肢および下肢を用いた高強度の運動を行い、PGE2とサイトカインの中でもインターロイキン6(以下IL-6)に及ぼす影響を比較した。【対象と方法】被験者は医学的に問題のない健常女性1名。実験開始24時間は積極的な運動は中止とし、下肢運動は自転車エルゴメーター、上肢運動はハンドエルゴメーターにて行った。血液は運動前(30分の安静後)、運動終了直後、60分後、120分後に採取し、PGE2、IL-6の測定を行なった。運動負荷は上下肢ともにエルゴメーターを用いて呼気ガス分析にて最大酸素摂取量とその際のHRpeak、Load(Watt)の測定を行った。その値をもとにウォーミングアップをその25%のWatt数で4分間行い、その後80%のWatt数にて50RPMで30分間の運動を行った。またこの際にHRpeak80%を上限に運動の負荷調整を行った。呼気ガス分析にはMINATO社 AEROMONITOR 300Sを使用した。【結果】PGE2は下肢では運動直後は上昇しており、60分後、120分後と徐々に低下し運動開始前程度まで低下した。上肢では運動直後に軽度の上昇がみられ、60分後は運動開始前の値よりも低下し、120分後は上昇するものの運動開始前よりも低値であった。IL-6は下肢では運動直後は上昇しており、60分後は運動直後の値を維持、120分後では軽度の低下を示した。上肢では運動直後に軽度上昇し、60分後は運動開始前まで低下し、120分後では更に低下した。【考察・まとめ】PGE2は下肢運動により上昇し、過去の報告と同様であった。上肢運動によるPGE2上昇は下肢運動時よりも低い印象であった。IL-6も両者の運動において上昇したものの、上肢運動による変化は下肢運動より減弱している印象をうけた。これらの違いについて、特にIL-6は、運動初期から運動による筋傷害とは無関係に収縮筋細胞自体から大量に分泌されることがいわれており、上肢と下肢では、同じ運動強度、同じ時間で運動を行っても、動員筋の量の差でその変化に差が生じたものと推測された。
著者
WILS Jean-Pierre 河野 眞
出版者
愛知大学国際コミュニケーション学会
雑誌
文明21 (ISSN:13444220)
巻号頁・発行日
no.37, pp.81-107, 2016-12-20

翻訳:動物倫理の西洋文化Jean-Pierre Wils, Das Tier in der Theologie. In: Tiere und Menschen. Geschichte und Aktualität eines prekären Verhältnisses, hrsg. von Paul Münch. Paderborn u.a. 1998, 407–427.
著者
星野 修 田原 俊司 黒岩 和治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.99, no.434, pp.23-30, 1999-11-18
参考文献数
7

人間のエコーロケーション機能に対し、中脳下丘のニューラルネットワークモデルを提案する。ネットワークの神経細胞は両耳からの音刺激、即ち対側-同側性入力の相互相関を検出し出力パルスを生成する。対側性入力線にはO∼40ミリ秒の時間遅れ軸(latency axis)があり、一方、同側性入力線には時間遅れは無いものとする。人工的ソナー音(例えば白杖や足音など)と目標物からの反射音(エコー)の組をニューラルネットワークに入力する。また、ヘッブ学習則に基づきネットワークのシナブス結合を自己組織的に変化させる。本研究では、下丘に形成されるlatency axisを利用し、人間がエコーロケーションを行う可能性を示す。視覚障害者は訓練により、下丘神経ネットワークの抑制性シナプス結合を選択的に減衰させることで、エコーロケーション機能を高めている可能性を示す。
著者
遠藤 千鶴 西堀 尚良
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.51, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】ポリアミンによる動脈硬化抑制、抗老化、炎症抑制などの効果が報告されて以来、食事からのポリアミン摂取が注目され、食品中のポリアミン含有量が報告されるようになってきた。一方、制御栄養の側面から、実際の摂取量を明らかにすることが必要であり、調理・加工によるポリアミン量の変動を明らかにすることが重要であると考えられる。そのため、演者らは加熱によるポリアミン量の変動について研究を重ねており、前回の大豆に続き、今回は、きのこ類の加熱前後のポリアミン含有量の変動を検討した。 【方法】試料のきのこ類にはしいたけ、まいたけ、なめこ、しめじ、エリンギ、えのき、マッシュルームを使用した。試料は荒みじんにした後、一定量を秤量し、加熱は600W電子レンジを使用し、加熱時間は60秒間、「茹でる」はビーカーに水を加えて、同レンジで90秒間加熱した。その後、5%トリクロロ酢酸を加え、ホモジナイズ後、遠心分離し、得られた上澄みを液体クロマトグラフィーで分析した。分析はポストカラムOPA法により行った。【結果】きのこ類に含まれているポリアミンは種類や産地により検出成分、含有量に差があるものの、共通に含まれていた成分はスペルミジンで、量も多く含まれていた。その他の成分として、プトレスシンはまいたけ、ブナシメジ、エリンギに含まれ、アグマチンはまいたけのみから検出された。きのこの主要なポリアミンであるスペルミジンの茹で加熱による損失率は、しいたけで26~37%、まいたけ21~33%、しめじ8~28%、エリンギ16~40%、えのき31~45%であった。また、まいたけに含まれているプトレスシンは「茹で」加熱により、約85%の損失が認められ、ポリアミン成分により損失率に差があった。
著者
塩野 克宏
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.47-62, 2016 (Released:2016-09-26)
参考文献数
95
被引用文献数
3

過湿状態の土壌は低酸素になるだけでなく,還元化による有毒物質が増加するため,ほとんどの植物の生育が阻害される.イネやヨシなどの湿生植物は,根に酸素を通気する細胞間隙である通気組織を発達させて過湿土壌に適応している.酸素は拡散によって通気組織内を移動するため,根の基部において,酸素は根端方向に向かうだけでなく,放射方向にも拡散し,放射状酸素放出 (radial oxygen loss, ROL) として酸素が根から失われる.湿生植物の多くは根の基部に放射状酸素放出を抑制する「ROLバリア」を形成し,根端までの酸素の長距離輸送を可能にしている.根端に届けられた酸素は細胞の呼吸に利用されるだけでなく,根から放出され,還元化した土壌を酸化する.これによって,有毒物質を無毒化し,根端を保護する.根の基部では,ROLバリアの主要成分であるスベリンが外皮に蓄積し,酸素の流出を妨げるだけでなく,有毒物質の根への流入も防ぐと考えられている.ROLバリアの形成にはWRKY,AP2,NAC,MYB型転写因子が制御するスベリン生合成遺伝子が関わると予想されている.しかし,これまでROLバリアを形成できない変異体は得られていない.さらに,どのような環境要因がROLバリア形成の引き金になるのかも不明である.今後,湿生植物の過湿土壌への適応を理解するために,ROLバリア形成に関わる遺伝子,植物ホルモンやシグナル伝達系の特定が求められている.
著者
近藤 孝晴 成瀬 達
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

身体運動が消化吸収に及ぼす影響について検討した。1)イヌを用いた実験では、イヌに慢性胃・大腸瘻を造設し、運動が食物の消化管通過時間,胃、小腸、大腸運動機能などに与える影響を検討した。牛乳は運動の有無に関係なく小腸ですべて吸収され、消化管通過時間の測定が不能であった。固型食(肉)の消化吸収は血中脂質を測定して検討した。固型食の消化吸収は運動により遅延した。運動によって固型食の胃排出が遅延するためと推定された。胃、小腸、大腸運動は身体運動により亢進した。これは空腹時でも食後でも同様であった。2)ヒトを対象とした実験は、運動によって食物の通過時間が変化するか否かを、消化管機能が低下していると考えられる高齢者9名(平均年齢71歳)を被験者として行った。一日平均3700歩の安静と、12800歩の運動をそれぞれ2週間続け、小腸、大腸、全消化管通過時間を測定した。小腸通過時間はラクツロ-スによる呼気中水素の測定(クイントロン社マイクロライザ-,新規購入)によった。大腸通過時間はX線非透過性のマ-カ-を服用させ,一定時間後に腹部のX線写真を撮影して、残存するマ-カ-の数から推定した。全消化管通過時間はカルミン服用後、便が着色するまでの時間とした。小腸通過時間は安静時、運動時とも差がなかった。大腸通過時間は、安静時19.5時間であったが運動により11時間と短縮した。全消化管通過時間は安静時26時間に対し、運動時22時間と短縮した。 3)運動が微量元素の吸収に与える影響を、血中亜鉛を測定して検討した。血中亜鉛は身体運動によって変動しなかったが、断眠下の身体運動という強いストレスでは低下した。以上、身体運動は消化管機能を変化させるとともに、種々の食物の消化吸収に影響を与えることがわかった。

3 0 0 0 OA 心理量を測る

著者
井上 裕光
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.137-140, 1994-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
16
著者
岡嶋 裕史
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

自習から離脱してしまう主要因である飽きによるモチベーションの低下を、VRの没入感で補うことに成功した。筆者はこれまでにも、萌えキャラクタを用いた教育コンテンツを作ることによって、モチベーションの低い学習者を学習へ導くしくみを築いてきた。その知見にVRキャラクタと、VR特有の場を共有した教育方法を加えることで、さらに離脱率が低く、継続した学習が可能になることを実証した。アニメーションの弱点である制作コストの高さも、vTuberの技術を投入することである程度抑制できることが確かめられた。ただし、vTuberのコンテンツは事前に作り込んだコンテンツより見劣りするため、その向上が今後の課題である。
著者
矢内 由美子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.18, pp.4-6, 2011-10-18

10月7日から東京体育館で行われる世界体操選手権は、来夏のロンドン五輪の前哨戦でもある。そして、今大会で世界中から熱い視線を浴びるのが、日本が誇る22歳の若きエース、内村航平だ。 自身にとって初の世界大会だった2008年の北京五輪で団体と個人総合の銀メダルを獲得すると、そこから一気に頂点へ駆け上がり、09年、10年の世界選手権で個人総合連覇を達成した。