著者
西条 旨子 中川 秀昭 西条 寿夫
出版者
金沢医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

次世代の神経・精神発達に対するダイオキシン胎内暴露の影響を検討するために、妊娠9日より19日までの11日間、雌ウイスターラットに0.1μg/kg/dayの2,3,7,8-四塩化ダイオキシン又は同等量のコーンオイルを経口ゾンデで胃内へ直接投与した。ダイオキシン暴露群4匹と対照群5匹については、妊娠19日目に帝王切開により胎児を取り出し、その体重や脳、腎臓、肝臓、胎盤などの臓器重量を測定して、胎児期の発育を比較検討したところ、暴露群の体重、脳全体、肝臓、腎臓の平均重量はコントロールに比べ有意に少なく、特に腎臓は体重あたりの割合も有意に少なかった。この時、脳については、暴露群の視床下部は全脳あたりの割合が対照群に比べ有意に大きかった。その他の妊娠ラットは自然分娩にて出産させ、出生した仔ラットに以下2種類の行動学的実験を行い、次の結果を得た。1)生後4日から14日間、四肢の協調運動発達検査として、毎目1回、傾斜板テスト(傾斜角25度の板に仔ラットの頭を下向きに置き、体軸を180度旋回して上方に上るまでに要する時間を測定)を行った。その結果、暴露群の成長による旋回時間の短縮が生後7日目より雌雄共に遅延した。2)生後31日からの14日間、シャトルアボイダンスシステムを用いた条件回避学習課題(ブザーにより電気ショックを予知して隣の部屋へ移動することによりショックを回避する)を行い学習機能への影響を検討した。その結果、雄の暴露群の回避率や回避潜時の成長による改善が遅れた。また、非施行時の活動性も雄の暴露群で低下していた。3)行動実験終了後脳を摘出し、部位別の全脳重量に対する割合を測定したところ、雄のダイオキシン暴露群の視床下部の割合が対照群に比べ大きかった。以上より、ダイオキシン胎内暴露は次世代の運動発達や学習能力、特に雄に強い影響を与える可能性が示唆された。
著者
脇田,美佳
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, 1986-07-20

厚削り鰹節を用いて長時間(120分)加熱してとるそばつゆ用だし汁のエキス分, 総窒素量, アミノ態窒素量, 5'-IMP, 5'-AMP量, 酸度, 粘度を経時的に測定した。厚削り鰹節に含まれる水溶性成分はいずれも本条件下では60 〜90分でほぼ浸出を完了し, それ以降の加熱は成分浸出を目的とするのではなく, 徐々に煮つめていくことによりだし汁の濃度を高めるためになされると考えられた。
著者
久保猪之吉 著
出版者
久保猪之吉
巻号頁・発行日
vol.後篇 第1, 1934
著者
竹中成憲 著
出版者
半田屋医籍
巻号頁・発行日
1905
著者
宮部 芳照 阿部 正俊 小島 新
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.245-248, 1979-03-19

さとうきび脱葉機開発のための基礎資料として, 蔗茎の節位別衝撃抵抗について測定を行った.その結果は次のとおりである.1.蔗茎の節位別衝撃エネルギは梢頭部から根部の方へいくに従って増大し, 第12節位は2.14(kg-m)(標準偏差σ=0.05kg-m), 第18節では3.76(kg-m)(σ=0.09kg-m)であり, 約1.8倍の増加を示している.節位と衝撃エネルギの間には極めて強い相関関係がある(相関比η_<r1>=0.98).2.蔗茎の節位別衝撃抵抗値は梢頭部から根部の方へいくに従って増大し, 第12節位では0.54(kg-m/cm^2)(σ=0.04kg-m/cm^2), 第18節位では0.71(kg-m/cm^2)(σ=0.04kg-m/cm^2)であり, 約1.3倍の増加を示している.節位と衝撃抵抗値との間には極めて強い相関関係がある(相関比η^<r2>=0.87)
著者
高橋 清
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.59-65, 2015-03

本研究は2013年8月31日〜10月14日まで開催された,関西学生バスケットボールリーグ戦3部リーグでの太成学院大学バスケットボール部が対戦した11試合を対象とし,「得失点率」,「攻撃回数」,「2Pゴール成功率」,「3Pゴール成功率」,「リバウンド獲得数」,「ターンオーバー数」について,分析を試みたものである。その結果,2013年度関西学生バスケットボールリーグ戦3部リーグでの太成学院大学バスケットボール部の戦いが明確になった。「得失点率」においては,リーグにおける順位に関係していることが確認できた。「攻撃回数」においては,目標数値を設定し上回ることが出来たが,得点に結びつく結果には至らなかった。「2Pゴール成功率」,「3Pゴール成功率」は,2013年度のチームの特徴を活かした,オフェンスを展開することが数値より認められた。「リバウンド獲得数」においては,日々の取り組みが数値として認められたが体格差を埋めることは出来なかった。「ターンオーバー数」では,フェンダメンタルのスキルアップの必要性が確認された。この結果は,太成学院大学の競技レベルを把握できるとともに,今後の練習プログラムの設定やコーチングに役立つと考えられる。
著者
五十嵐 和彦
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.343-349, 2017 (Released:2017-04-03)
参考文献数
18

細胞種特異的なDNA情報の発現は, 主にヒストンやDNAの化学修飾と転写因子によって制御される. 特に化学修飾による調節は比較的安定な変化をもたらすため, しばしばエピジェネティクスと呼ばれる. Rett症候群など先天性の疾患やがん細胞ではエピジェネティクス変化を伴うことから, エピジェネティクスと疾患の関連も注目されている. ヒストンのアセチル化は中間代謝物のアセチルCoAを, ヒストンやDNAのメチル化はS-アデノシルメチオニン (SAM) をそれぞれ化学基の供与体とすることから, これら修飾反応と代謝や栄養との関連が注目を集めつつある. SAM合成酵素の一つであるMAT2 (methionine adenosyltransferase 2) は転写因子MafKやBach1, そしてヒストンメチル化酵素と複合体を形成し, 酸化ストレス応答を抑制することから, このような酵素複合体はメチオニン代謝系とエピジェネティクス系の共役機構を成していると考えられる. 近年, 胎生期の栄養状態により成人病などの発症が影響を受けることから, 栄養とエピジェネティクスの関係が注目されているが, その分子病態は明らかではなく, さらなる研究が必要である.
著者
上ノ土 武 飯尾 靖枝 只熊 幸代 原塚 柳子 神奈川 芳行 今村 知明 古江 増隆
出版者
福岡医学会
雑誌
福岡醫學雜誌 (ISSN:0016254X)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.183-184, 2005-05-25

ダイオキシンやダイオキシン関連化合物の,次世代に対する影響について社会的関心が高まっている.吉村らは1968年から1977年の間に,油症患者から出生した85人の性比を,一般人の期待される男女比0.514と比較し,明確な差はない,と報告した.しかしながら,曝露者が父親か母親かと,親の曝露時の年齢との関連についての検討は,油症ではまだ行われていない.油症と同様に,PCBやダイオキシン関連化合物が食用油に混入した例としては,台湾で発生したYuchengがある.Yu-chengの原因物質は,油症の原因物質と極めて類似しており,Polychlorinatedbiphenyls(PCBs)やPolychlorinateddibenzofurans(PCDFs)が主なものである.ダイオキシンやダイオキシン関連化合物質に曝露された例は,イタリアのSevesoをはじめ複数の国から報告がある.Yu-chengや,Seveso,ロシアやオーストリアの塩素ざ瘡コホートでは,20歳前や20代の前半に,ダイオキシンやダイオキシン類関連化合物に曝露した男性が父親である児の男女比は有意に低下している,との報告されている.一方で,曝露した女性が母親である児の男女比については影響が認められない,との報告がYu-chengやSevesoからなされている.
著者
渡辺 修
出版者
立教大学
雑誌
史苑 (ISSN:03869318)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-12, 1976-12
著者
越沢 明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.73-78, 1997

Ise (former Uji-yamada) City is the Sacred Ground in Japan because the Shrine has been located for two thousand years more. In 1930's the Shrine City Plan was made by the Government in order to extend the Shrine Gardens and Forests and improve urban infrastructure not only for the residents but also for enormous worshipers. The characteristics and significance of this peculiar plan are as follows: 1. implementation by the Government, 2. making of comprehensive master plan prior to planning decision and projects, 3. strict regulations and large scale park system for city beautiful and shrine solemnness.
著者
西村 理
出版者
大阪音楽大学
雑誌
大阪音楽大学研究紀要 (ISSN:02862670)
巻号頁・発行日
no.53, pp.7-22, 2015-03-01

東京放送局(JOAK)が、開局当初から日本交響楽協会、後に新交響楽団による演奏を放送していたように、大阪放送局(以下、JOBKと表記)も、開局の早い段階で大阪フィルハーモニック・オーケストラの演奏を放送し、1929年6月から約4年間の空白の時期があったものの、1933年4月には大阪ラヂオオーケストラおよび大阪放送交響楽団を発足させた。本論文では、JOBKの番組制作において放送オーケストラが、どのような役割を担っていたのかを明らかにすることを目的とする。1925年5月10日から1945年8月15日までJOBKの『番組確定表』、およびその番組に関する新聞記事の考察によって、大阪フィルハーモニック・オーケストラは地域に密着し、大阪文化の発展に寄与したのに対して、大阪ラヂオオーケストラおよび大阪放送交響楽団は、一地域に留まらず、全国に向けて発信していくJOBK独自の番組を制作していく上で重要な役割を担っていたと結論付けた。