21 0 0 0 OA 株式年鑑

著者
大阪屋商店調査部 編
出版者
大同書院
巻号頁・発行日
vol.昭和17年度, 1942
著者
井上 瞳
出版者
国立大学法人 大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター
雑誌
未来共創 (ISSN:24358010)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.31-63, 2021 (Released:2021-07-08)

本稿では、1980年代以降アメリカで展開された心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する言説を「トラウマのPTSDモデル」と定義する。そのうえで、このモデルの特徴を、トラウマ的出来事を経験した後も維持される自律した個人という近代的主体観を基盤とすることと規定した。このような主体観という視座から、性暴力被害と回復をめぐる日本の精神医学・心理学領域の研究を検討することで、これらの研究が、自身の情動や認知、行動をマネジメントする近代的主体観にもとづいていることを指摘した。最後に、現代の女性をとりまく社会状況である新自由主義とポストフェミニズムという文脈の中で、日本の精神医学・心理学領域における性暴力被害と回復をめぐる言説を分析した。その結果、「トラウマの PTSD モデル」は、個人の自律性に着目することで、性暴力被害者に回復の道を提示するが、現代社会においては、レジリエントな主体であることを是とする規範として作用するおそれがある点を指摘した。

21 0 0 0 OA 人事興信録

著者
人事興信所 編
出版者
人事興信所
巻号頁・発行日
vol.9版(昭和6年), 1931
著者
國文學編集部編
出版者
學燈社
巻号頁・発行日
2002
著者
李 志炯 崔 庭瑞 小山 慎一 日比野 治雄
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.5_101-5_108, 2017-01-31 (Released:2017-03-10)
参考文献数
18

文字の太さは人間の感情や態度などと関係がある。たとえば,文字を読む際に太さが変化しても文字の意味が伝わるのは同様であるが,受ける印象には差が生じる。そのため,正確なコミュニケーションの実現のためには文字の太さと印象の関係について検討する必要がある。そこで,本研究では明朝体,ゴシック体の2書体それぞれのひらがなとカタカナを対象に文字の太さ(レギュラー,セミ・ボールド,エクストラ・ボールド)による印象の変化についての検討を加えた。その結果,明朝体のひらがなの場合,レギュラーでは柔和性・高級感・女性的な印象などが,他の太さでは柔和性・重厚性・男性的な印象などが抽出された。一方,明朝体のカタカナ・ゴシック体のひらがなおよびカタカナの場合,レギュラーでは先鋭性・高級感・女性的な印象などが,他の太さでは先鋭性・重厚性・男性的な印象などが抽出された。これらの結果により,文字の太さごとの印象の特徴および文字の太さによる印象の変化が明らかになった。
著者
平凡社 編
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.第三卷, 1941
著者
大西 正二 熊谷 恵子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.102-111, 2023-02-15 (Released:2023-02-15)
参考文献数
17

本症例は,読み書きに困難を認める小学3年の学習障害児であり,特に漢字の書きに対して拒否的だった.リハビリテーションアプローチのうち,Information and Communication Technology(ICT)を活用した環境改善的アプローチを優先した支援を通して,書字への拒否感が改善し,認知特性に合わせた適応的アプローチによる漢字の書字学習にも取り組めるようになった.また約2年間の継続した支援により,パソコンを使用したローマ字入力で,自分自身の特徴と求めたい支援についてまとめることができるようになった.しかし,学校側と具体的な連携には至らず,医療と教育との連携に課題が残った.
著者
Toshi WATANABE Yoshihiro KISHIKAWA Wataru SHIRAI
出版者
The Japanese Society of Toxicology
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.141-152, 1997-05-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
17
被引用文献数
11 12

Alkaline ionized water (AKW) produced by the electrolysis of tap water (TPW) was given to pregnant rats throughout gestation. AKW was subsequently given to infants as a test group until 15 weeks old to determine changes in body and organ weights, erythrocyte hexokinase (HK) activity and histological preparations of myocardiac muscle. The results were compared with those for rats given TPW. Body weight of male and female rats given AKW at 3 to 11 weeks of age after birth significantly increased beyond control group values. Organ weights of offspring at 15weeks-old showed no statistical difference for either group. HK activity, the rate-determining enzyme in erythrocyte glycolysis, significantly increased in males given AKW at 15 weeks-old. This suggests that AKW intake causes elevation of metabolic activity. Hyperkalemia was observed in males and females given AKW at 15 weeks-old. Especially in males, pathological changes of necrosis in myocardiac muscle were observed.

21 0 0 0 OA 「日本語」分野

著者
庵 功雄
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.153, pp.25-39, 2012 (Released:2017-02-17)
参考文献数
16

本稿では,学会誌『日本語教育』にこれまで発表された論文のうち,「日本語」分野(「日本語」のみ,または,「日本語+教育」のみ)に属する論文798本をいくつかの観点から分析した。その結果,最も多い分野は「文法」であり,「習得」がそれに続くこと,研究分野によっては過去に盛んに発表されたものの,近年論文の数が大きく減っているものがあることなどがわかった。さらに,この分析結果を踏まえ,投稿者,査読者の双方に向けて,今後の本誌の発展のために必要だと考えられるいくつかの点についての私見を述べた。
著者
谷 尚樹 後藤 多可志 宇野 彰 内山 俊朗 山中 敏正
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.238-245, 2016 (Released:2016-05-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

本研究では,発達性ディスレクシア児童23名と典型発達児童36名を対象に,2種類の書体を用いた速読課題を実施し,書体が速読所要時間,誤読数,自己修正数に与える影響を検討した.刺激は,表記(漢字仮名混じりの文章,ひらがなとカタカナで構成された無意味文字列)と書体(丸ゴシック体,明朝体)の2×2の合計4種類である.実験参加者には,4種類の刺激を速読してもらった後,どちらの書体を主観的に読みやすいと感じたか口頭で答えてもらった.その結果,発達性ディスレクシア児童群と典型発達児童群の双方において,書体間の速読所要時間,誤読数,自己修正数に有意差は認められなかった.主観的には,発達性ディスレクシア児童群では丸ゴシック体を読みやすいと感じる児童が多かった.本研究の結果からは,客観的評価と主観的評価は異なり,丸ゴシック体と明朝体の書体の違いによる正確性と流暢性に関する「読みやすさ」の指標は見出せなかった.
著者
大賀 寿郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.114-127, 2011-10-01 (Released:2011-10-01)
参考文献数
21

1945年,敗戦による大混乱からの復興を目指して立ち上がった当時の逓信省の電話機エンジニアの命題は,物理特性と人の心理特性とを定量的に把握し,カットアンドトライを排して納得できる物理量を根拠とするような設計を行うことだった.復興の機軸となるべく1949年に量産開始となった4号電話機は,伝送周波数帯域と明瞭度との関係の把握,正確な音響測定手法の確立など周辺技術の蓄積を推進しながら実用化され,定量的な設計を徹底した電話機として当時の最先端だった.その後,我が国が高度成長期に入った1964年から量産された600形電話機では,実用化にあたって聴覚心理グループが電話機の目標とすべき音響特性を示し,電話機設計サイドはこれを踏まえて電話機設計を行った.こうした過程を踏んで設計された電話機は世界に例が少ない.ここではオーディオ技術に注目し,我が国の標準電話機の実用化の概観の前編としてこうした研究実用化の経過を述べる.

21 0 0 0 OA 鉄道院年報

著者
鉄道院 編
出版者
鉄道院
巻号頁・発行日
vol.大正3年度, 1916
著者
仲西 友里奈 野白 有里子 周藤 真実 若槻 美雪 宇野 慶子 坪内 敦志 酒井 牧子 河野 通盛
出版者
松江市立病院
雑誌
松江市立病院医学雑誌 (ISSN:13430866)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.38-48, 2021-12-01 (Released:2022-04-01)
参考文献数
4

当院では保険薬局からの疑義照会は医師に直接電話で行われているが,一包化や規格変更など調剤上の形式的な疑義照会が多く,医師・保険薬局それぞれに負担をかけている場合がある.形式的な疑義照会を減らし,医師・保険薬局双方の負担軽減を図る目的で,院外処方せんにおける疑義照会簡素化プロトコール(以下プロトコール)を作成し,2019年7月より運用を開始した.プロトコール導入により医師及び保険薬局の負担軽減が出来ているか評価するため,プロトコール適応件数とその内訳を集計し,医師およびプロトコール合意締結薬局を対象としたアンケート調査を行った. 院外処方せん総枚数に対する直接電話で行われた疑義照会件数の割合はプロトコール導入前後で有意に減少した.アンケート調査では医師の約50 %がプロトコール導入後に疑義照会が減ったと回答し,保険薬局の約70 %が業務負担が減ったと回答した.以上の結果から,疑義照会簡素化プロトコールの導入は医師および保険薬局の業務負担軽減につながったと考えられる.