著者
得丸 公明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.495, pp.1-6, 2013-03-14

電子計算機はパターン認識が不得手である.これは(1)使用するデジタル信号が電圧ビットの有無にもとづく論理的0,論理的1という二元であるために,冗長性がなく,誤り検出・誤り訂正はパリティービットや誤り訂正符号の付加と別途確かめ算が必要であることと,(2)演算が電圧ビットの斥力にもとづくために,演算結果を知るためにはシフトレジスタの読み取りが必要であることによる.これに対して,DNAからmRNA(メッセンジャーRNA)への核酸の転写や,mRNAがtRNA(トランスファーRNA)のアンチコドン構造と結合する翻訳は,(1)結合という相互作用が誤りを防ぐほか,(2)翻訳では64種類のコドンが20種類のアミノ酸に減数するため冗長性を有し,誤り検出・誤り訂正の確かめ算や読み取りを必要としない.免疫システムは,「体内のタンパク質をすべて合わせた数よりも1000倍も多い1000万以上の異なる抗体タンパク質のレパートリーをもち」,抗原との結合が完全か不完全かといった論理判断の結果も信号伝達できる田.免疫システムは神経システムに酷似しており,非常に多くの種類の刺激に対して満足のいく反応をする.ともに二分法(Aか非Aかのパターン認識を行なう)と二元論の論理をもち,興奮性か抑制性かの信号を受け取るとともに送り出す.免疫細胞と神経細胞の違いは細胞数とネットワークのやり方にある.リンパ球は神経細胞よりも100倍数が多い.神経システムはニューロンのネットワークであり,1細胞の軸索と樹状突起が他の神経細胞群とシナプス結合を築いてできている.リンパ球はネットワークを構成するために繊維による結びつきを必要としない.リンパ球は自由に動き回るので,直接的な接触か,あるいは彼らが放出する抗体分子によって相互に作用するという特徴をもつ[2].
著者
藤本 淳也
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.57-72, 2006-03

The purposes of this study were to identify the process of becoming a fan of a professional baseball team and to examine the transformation of fans' attitudes by using the longitudinal interview method. The interviews of five fans of the Osaka Kintetsu Buffaloes were conducted from August 27^<th> to September 5^<th>, 2005 (first interview)and from November 9^<th> to December 2^<nd>, 2005 (second interview). The results of the interviews indicated that the primary factors of becoming a fan of the team were location, game attendance experience, players interest, reference group and the allegiance of other family members. Furthermore, the results showed that the attitudes of fans toward the team wavered during, before, and after the bankruptcy of the Osaka Kintetsu Buffaloes.
著者
Yamasaki Chisato Murakami Katsuhiko Fujii Yasuyuki Sato Yoshiharu Harada Erimi Takeda Jun-ichi Taniya Takayuki Satake Ryuichi Kikugawa Shingo Shimada Makoto Tanino Motohiko Halligan Brian Shimoyama Mary Twigger Simon Yura Kei Kimura Kouichi Yasuda Tomohiro Nishikawa Tetsuo Akiyama Yutaka Motono Chie Mukai Yuri Shionyu Masafumi Nagasaki Hideki Suwa Makiko Horton Paul Kikuno Reiko Ohara Osamu Lancet Doron Eveno Eric Graudens Esther Imbeaud Sandrine Debily Marie Anne Jia Libin Hayashizaki Yoshihide Amid Clara Han Michael Osanger Andreas Endo Toshinori Thomas Michael A. Hirakawa Mika Makalowski Wojciech Nakao Mitsuteru Kim Nam-Soon Thierry-Mieg Danielle Yoo Hyang-Sook De Souza Sandro J. Bonaldo Maria de Fatima Niimura Yoshihito Kuryshev Vladimir Schupp Ingo Wiemann Stefan Bellgard Matthew Thierry-Mieg Jean Wagner Lukas Zhang Qinghua Go Mitiko Minoshima Shinsei Ohtsubo Masafumi Hanada Kousuke Koyanagi Kanako O. Tonellato Peter Isogai Takao Zhang Ji Lenhard Boris Kim Sangsoo Chen Zhu Hinz Ursula Estreicher Anne Nakai Kenta Makalowska Izabela Barrero Roberto A. Hide Winston Tiffin Nicola Wilming Laurens Chakraborty Ranajit Soares Marcelo Bento Chiusano Maria Luisa Suzuki Yutaka Auffray Charles Yamaguchi-Kabata Yumi Itoh Takeshi Gough Craig Hishiki Teruyoshi Fukuchi Satoshi Nishikawa Ken Sugano Sumio Nomura Nobuo Tateno Yoshio Imanishi Tadashi Gojobori Takashi Chun Hong-Woo Habara Takuya Hanaoka Hideki Hayakawa Yosuke Hilton Philip B. Kaneko Yayoi Kanno Masako Kawahara Yoshihiro Kawamura Toshiyuki Matsuya Akihiro Nagata Naoki Nishikata Kensaku Ogura Noda Akiko Nurimoto Shin Saichi Naomi Sakai Hiroaki Sanbonmatsu Ryoko Shiba Rie Suzuki Mami Takabayashi Kazuhiko Takahashi Aiko Tamura Takuro Tanaka Masayuki Tanaka Susumu Todokoro Fusano Yamaguchi Kaori Yamamoto Naoyuki Okido Toshihisa Mashima Jun Hashizume Aki Jin Lihua Lee Kyung-Bum Lin Yi-Chueh Nozaki Asami Sakai Katsunaga Tada Masahito Miyazaki Satoru Makino Takashi Ohyanagi Hajime Osato Naoki Tanaka Nobuhiko Suzuki Yoshiyuki Ikeo Kazuho Saitou Naruya Sugawara Hideaki O'Donovan Claire Kulikova Tamara Whitfield Eleanor
出版者
Oxford University Press
雑誌
Nucleic Acids Research (ISSN:03051048)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.D793-D799, 2008-01
被引用文献数
12

Here we report the new features and improvements in our latest release of the H-Invitational Database (H-InvDB; http://www.h-invitational.jp/), a comprehensive annotation resource for human genes and transcripts. H-InvDB, originally developed as an integrated database of the human transcriptome based on extensive annotation of large sets of full-length cDNA (FLcDNA) clones, now provides annotation for 120 558 human mRNAs extracted from the International Nucleotide Sequence Databases (INSD), in addition to 54 978 human FLcDNAs, in the latest release H-InvDB_4.6. We mapped those human transcripts onto the human genome sequences (NCBI build 36.1) and determined 34 699 human gene clusters, which could define 34 057 (98.1%) protein-coding and 642 (1.9%) non-protein-coding loci; 858 (2.5%) transcribed loci overlapped with predicted pseudogenes. For all these transcripts and genes, we provide comprehensive annotation including gene structures, gene functions, alternative splicing variants, functional non-protein-coding RNAs, functional domains, predicted sub cellular localizations, metabolic pathways, predictions of protein 3D structure, mapping of SNPs and microsatellite repeat motifs, co-localization with orphan diseases, gene expression profiles, orthologous genes, protein–protein interactions (PPI) and annotation for gene families. The current H-InvDB annotation resources consist of two main views: Transcript view and Locus view and eight sub-databases: the DiseaseInfo Viewer, H-ANGEL, the Clustering Viewer, G-integra, the TOPO Viewer, Evola, the PPI view and the Gene family/group.
著者
加藤 邦子 石井クンツ 昌子 牧野 カツコ 土谷 みち子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.30-41, 2002-04-20
被引用文献数
5

本研究の目的は,3歳児の集団場面における社会性の発達に及ぼす父親・母親の影響について,父親の育児かかわり要因,母親の育児不安要因をとりあげてモデルを仮定し,バス解析によって関連を明らかにすることである。その際,父親の生活において,最近家族とともにすごす時間が多くなったとされていることから,背景の異なる2つの時期の親子,つまり1997〜1998年のデータ(コホート2)と1992〜1993年のデータ(コホート1)とを比較する。その結果,3歳児の社会性に関しては,父親の育児かかわり要因がどちらのコホートにおいても有意な関連を持つことが明らかとなり,子どもの社会性の発達に父親の育児かかわりが直接的な影響を与えていた。間接的要因として夫婦の会話の頻度が父親の育児かかわりに関連を示しており,夫婦関係による影響が示唆された。
著者
荻原 廣
出版者
佛教大学
雑誌
京都語文 (ISSN:13424254)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-30, 2014-11-29

個人の語彙量(理解語彙、使用語彙)がどのくらいあるのかについての調査は、現在に至るまで決して多く行われてきたとは言えず、中でも使用語彙についての調査は、幼児対象の調査を除くと、ほとんど行われていない。そこで本稿では、過去の理解語彙、使用語彙の調査がどのように行われ、そこにどういった問題点があるのかを明らかにし、そのうえで、個人の理解語彙、使用語彙を調査するにはどうすればいいかについて述べ、最後に、現在、筆者が行っている理解語彙、使用語彙の調査について触れる。
著者
池田 宏子 小島 一成 中村 美奈子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CH,[人文科学とコンピュータ] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.47-54, 2006-07-28
参考文献数
5
被引用文献数
2

「ザイ」は鬼剣舞の中で演じられる特徴的な動作のひとつであるが、垂直上下運動を基本とする剣舞の中にあって、水平方向の動きであるザイは、基本に相反する動きであると思われる。なぜなら、ザイをすれば、基本である垂直上下運動の軸がぶれ、基本を逸脱してしまうおそれがあるからである。ゆえに、「初心者は基本に徹しザイはするな」と指導される。また、保存会の踊り手以外は、たとえ経験年数が長い踊り手であったとしても、ザイができていない踊り手は多い。要約すれば、ザイは熟練者にのみ許された舞踊動作ということができる。それでは、なぜ、基本動作に相反すると考えられるこのザイの動作を剣舞の中で行うのか、また、なぜ、ザイを習得することが困難であるのか。本稿では、この2点について、モーションキャプチャによる定量化と舞踊の指導言語を通して分析し、ザイの動作特性について明らかにする。
著者
臼元 洋介 一二三 亨 霧生 信明 井上 潤一 加藤 宏 本間 正人 乾 昭文
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.174-179, 2008-03-15

電撃傷は生体内に電気が通電することによって発生する損傷を総称しており,雷撃傷も同様に扱われることがある。しかしながら,雷撃傷は受傷時の状況,臨床症状,予後などにおいて,電撃傷とは異なる特徴をもっている。今回我々は,登山中同時に落雷にあい,当院へ救急搬送された雷撃傷の 2 例を経験した。66歳の男性と52歳の女性が大木の下で雨宿りをしている最中に落雷にあった。男性は心肺停止(cardio pulmonary arrest; CPA)状態で搬送され蘇生せずに死亡,女性は第 7 病日に後遺症なく独歩退院した。 2 例とも搬送時に,雷撃傷に特徴的である電紋を認めた。電紋は,体の表面に沿って火花放電(沿面放電)が起きたときに生じる熱傷であるが,電気学的な観点からこの放電は樹枝状に伸展することがわかっている。また電紋の枝の広がる方向を観察することにより,電流の流れた方向が推測できる。今回経験した 2 症例をもとに,生存者の問診から得た情報と電紋の観察から,電流の流れと転帰について考察した。CPA症例では,側撃雷といわれる現象がその転帰に大きく関与していたと考えられ,従来の直撃雷のみではなく,側撃雷についてその啓蒙的意義をふまえて報告する。
著者
出口 光
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.48-60, 1988
被引用文献数
1

行動修正という分野が存在するためには, 社会的に重要な行動修正の実践を行動修正家に力づけるためのコンテクストが必要である。このコンテクストとして, 人間は「行動存在の場」であるという人間観と, その行動は徹底的に環境の随伴性によって制御されるという立場をとることが有効である。さらに, このコンテクストを基礎に, 社会的に機能するレベルの行動修正を確立するために, 行動修正家を取り巻く環境随伴性とその随伴性を変容するための自己環境変容スキルについて分析する。さらに行動修正の価値を, 社会的妥当性に関する言語行動の分析によって考察する。本論文は, 行動修正を存在させ, 行動修正家を力づけるコンテクストに関して, ひとりの行動修正家の視点から一貫した考え方を述べる。
著者
野口 聡一 湯淺 麻紀子 岩本 圭介 丸山 慎
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
計算機統計学 (ISSN:09148930)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.69-80, 2015

ツイッターをはじめとする現代のソーシャル・ネットワーキング・サービスの発展によって, 私たちのコミュニケーション活動は膨大なデータとしても記録され, そのデータの入手もきわめて容易に行えるようになった. しかしその一方で, 収集された膨大な情報の構造や特徴を解析し, その結果を何らかの目的に沿って有効に活用していくためには, どのような方法が適切かつ効率的なのかといった点については, 未だ十分な検討がなされているとはいえない.<br> そこで本研究では, ツイッターデータの分析に関する1つのモデルケースを示すことを目的として, テキストマイニングによる分析事例を紹介した. 対象としたデータは, 宇宙飛行士が宇宙滞在中および地球帰還後に投稿したツイッターの文章データとそれらに対する読者のリアクションデータであった. 分析の主たる結果から, 文章情報をつぶやくツイッターというフィールドにおいて, 読者が最も高い関心を寄せ, 即時的なリアクションを起こしていた内容は, 「写真」や「動画」であることが明らかになった. さらに本研究では, ツイッターデータの解析が, 単にデータの特徴を把握するだけに留まらず, それらを基にしたマーケティング領域 (例えば訴求力のある広報活動の展開) への応用可能性などについても示唆的な議論を展開した.
著者
北山 修
出版者
九州大学
雑誌
九州大学心理学研究 (ISSN:13453904)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-9, 2000-03-10

フロイトの報告したドラ症例は,彼の本格的症例報告としては最初のもので,精神分析を学ぶ者たちにとっては教科書的存在であった。しかし,最近では精神分析研究者からの批判の対象になっており,とくにP.Mahonyの詳細で質の高い研究は,この小論の著者である私にこれを書かせることになった。その前半では,病歴を要約し,本症例のフロイトの理解と取り扱いでこれまで注意深く批判されている諸点を紹介しているが,そこには母親についての無視の意味や,父親やK氏との共謀的な同盟関係についてフロイト自身が気づいていないことなどが含まれている。後半では,患者の言い回しの曖昧さや比喩的構造について,治療者が言語学的に理解し活用することが,その批判点にもかかわらず,本症例からもっとも学ぶべきところのひとつであり,それはヒステリーや心身症を患う神経症患者の精神医学病理を把握するために役立つものであることを論じている。