著者
茂原 敦之 水口 充
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.55-64, 2020-08-22

偶然の遊びにおいて,制御幻想として知られる,関与することで確率をある程度制御できると思い込む認知錯覚がある.最近の研究では,遊技者は確率は変わらないことを知りつつも制御幻想を引き起こす要因によって熱中度が向上することが示唆されている.しかし既存の研究は統制された実験であり,実際的な自由に遊べる環境で遊技者はどのように制御幻想の要因を楽しんでいるかは調べられていない.そこで本研究では抽選(ガチャ)を題材としたカードゲームと抽選アプリを用いて,制御幻想に関連する行為を遊技者がどのように行ったかを調査した.その結果,抽選間への期待感が高まる状況ほど操作量が増え,特殊な操作を行う傾向が確認できた.また,特殊な操作を他のプレイヤに見せたり模倣するといったコミュニケーションの存在が観察された.
著者
大野 雄子 吉村 真理子 Yuuko OHNO YOSHIMURA Mariko 初等教育科 初等教育科
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 = BULLETIN OF CHIBA KEIAI JUNIOR COLLEGE
巻号頁・発行日
no.28, pp.163-174, 2006-03-01

本研究では、幼稚園教諭、保育士を志す短期大学生を対象にC.G.Jungのタイプ論にもとづき作成された質問紙MBTIを実施した。その結果、幼稚園教諭、保育士を志す集団にはF(感情)指向を示す者が多く、それに対する劣等機能が優勢なT(思考)指向の者が少ないことが明らかになった。一般に、人は自分の性格傾向と対極の位置する性格傾向を有する者を理解することが容易ではない。従って、幼稚園教諭、保育士を志す集団にはF(感情)指向を示す者が多いとなると、職場において接する子どものうちT(思考)指向を示す者の理解に困難があることが予想される。幼児教育、保育の現場ではこのような点を自覚することの重要性が指摘された。
著者
大野 雄子 吉村 真理子 Yuuko OHNO YOSHIMURA Mariko 初等教育科 初等教育科
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 = BULLETIN OF CHIBA KEIAI JUNIOR COLLEGE
巻号頁・発行日
no.28, pp.175-185, 2006-03-01

大野・吉村(2005a)は幼稚園教諭、保育士を志す集団には、MBTIでいうF(感情)指向を示す者が多く、それに村する劣等機能が優勢なT(思考)指向の者が少ないことを明らかにした。本研究は、幼稚園教諭、保育士などを志望する学生に具体的な場面を仮想してもらい、そこで子どもをどのように指導をするかをF指向、T指向別に質的な違いを明らかにした。その結果、「公平な判断をする」という一場面に於いて、F指向の対象者は、子ども達の気持ちが同じように納得する判断を優先するのに対し、T指向の対象者は、普遍的な基準を用いた判断を優先した。ところが子どもの性格によって受け入れが容易な場合とそうでない場合が予想でき、特にF指向の教師が多い教育現場では、T指向の子どもが自分の得意でない判断の仕方を強いられることになり、活動意欲や自己肯定感を高める支援としては適切でない。そこで、教師が自分の性格を意識することは、子どもを理解することや「教える」というアクションプランを考えるうえで重要であることが指摘された。
著者
中野 由章 中山 泰一 Yoshiaki Nakano Yasuichi Nakayama
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.4-441-4-442, 2017-03-16

情報処理学会第79回全国大会, 2017年3月16日‐3月18日, 名古屋大学東山キャンパス コンピュータと人間社会, 一般セッション, 情報処理教育, 5E-01 (講演日3月17日)
著者
川勝 邦浩
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要. 看護学・リハビリテーション学編 = Studies in nursing and rehabilitation (ISSN:18825788)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-7, 2012-03-18

本来、理学療法は治療技術であり、リハビリテーションは理念である。理学療法とリハビリテーションは全く意味の違う用語であるが、新聞紙上やテレビ放送のニュース、病院内や教育場面で同義語のように使用されていることは多い。スポーツ選手の外傷後の機能回復を指して「リハビリ中です」と使われることはよくある。理学療法士が治療内容を患者に説明する時、「リハビリを行います」という言葉はよく聞かれる。理学療法士養成校へ入学してくる学生は、理学療法士が行うことは「リハビリ」だと思っている者は多い。何故、それらが同義語として使用されているのであろうか。少なくともリハビリテーションに関わる者は、その意味を正しく理解し広める責務がある。本稿では、「理学療法」と「リハビリテーション」の本来の意味を明確にし、これらの用語の適切な使用について、理学療法とリハビリテーションの歴史から考察する。
著者
大杉 昭英
巻号頁・発行日
2015-03

第1章 学級規模の展望第2章 学級規模縮小政策立案過程における調査研究知見の活用第3章 本研究の目的と枠組み第4章 適正処遇交互作用のパラダイムを導入した分析モデル第5章 学級規模の大小による児童の過去と後続の関係の違い(研究1)第6章 学級規模の大小と学年学級数の多少による児童の過去と後続の学力の関係の違い(研究2)第7章 児童生徒-教師比の縮減を目的とした追加的教員配置の有無による学力調査正答率の学校平均の比較(研究3)第8章 学級規模と形成的評価としてのフィードバック(研究4)第9章 学級規模の大小による学習指導の工夫の違い(研究5)第10章 学年学級及び学級規模がクラス替えによる生徒指導上・人間関係的問題の解決に与える影響(研究6)第11章 学級規模が家庭学習の取組状況及びその変化に与える影響(研究7)第12章 学級規模の大小による教師の声の伝わり方の違い(研究8)第13章 総合的考察付録A 本研究に対するコメント引用文献
著者
伊藤 早苗 林 望 西村 慎太郎 浅田 徹 内田 保廣 田中 大士 谷川 惠一 井黒 佳穂子
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-16, 2015-10-16

●メッセージ「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」への期待●研究ノート仁和寺旧蔵古活字版『魁本大字諸儒箋解古文真宝(後集)』について近代茨城のジャーナリスト・長久保紅堂の「発見」――連携研究「大震災後における文書資料の保全と活用に関する研究」と茨城史料ネット――「国文学論文目録データベースの、あまりよく知られていないこと●トピックス第8回日本古典文学学術賞受賞者発表第8回日本古典文学学術賞選考講評文部科学省における当館大型プロジェクトの展示第39回国際日本文学研究集会日本学術会議と公開シンポジウムを共催第1回日本語の歴史的典籍国際研究集会「可能性としての日本古典籍」総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況
著者
村上 恵 吹山 遥香 岩井 律子 酒井 真奈未 吉良 ひとみ MURAKAMI Megumi HUKIYAMA Haruka IWAI Ritsuko SAKAI Manami KIRA Hitomi
出版者
京都
雑誌
同志社女子大学生活科学 = DWCLA human life and science (ISSN:13451391)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.30-35, 2020-02-20

The purpose of this study was to investigate the effects of water hardness on the physical properties of boiled beef and to clarify whether hard water is suitable for stewed dishes. Using sensory evaluation, we found that beef boiled in hard water(Ca : 300 mg/L)was evaluated more highly than beef boiled in soft water(Ca : 50 mg/L); this was true of both the odor and taste of the beef.When beef was boiled in hard water, the protein on the surface of the beef rapidly solidified, preventing the release of components from the inside even when heated for a long time.These results suggest that hard water is more suitable for beef stew than soft water.