著者
吉本 秀之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.372-375, 2017-08-20 (Released:2018-02-01)
参考文献数
4

アリストテレスの四元素説(火は,水,土,空気とならび四元素の1つであった),パラケルスス派の三原質(エン,スイギン,イオウの3つのうち,イオウは可燃性を担う原質と位置づけられていた)という17世紀までの元素説・原質説の基本をまず紹介しよう。そして,こうした背景に対し,ベッヒャーとシュタールのフロギストン説は,一体何であったのかを解説しよう。
著者
滝川 栄二 江戸 晶子 山本 千穂 難波 和広 松浦 育代 鴨居 弘斉 大森 美季 片岡 睦子 三船 和史 大坂 京子 安原 由子 谷岡 哲也
出版者
徳島医学会
雑誌
四国医学雑誌 = Shikoku acta medica (ISSN:00373699)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.99-106, 2020-04-25

Patients with mental health problems in long-term hospitalization have severe impairments and disabilities in their daily social life, thereby needing constant assistance. The purpose of this study was to clarify the relationships between the status of the improved duration of participation in occupational therapy activities through active motivation and interdisciplinary collaboration in enhancing mental health and severe physical functional level as evaluated by the Global Assessment of Function(GAF)score. Subjects were175hospitalized patients in psychiatric units at a Psychiatric hospital in Kagawa Prefecture. The duration of participation in the occupational therapy group activities was divided into Groups A-0‐5, B-6‐10, C-11‐15, and D-16‐20times per month. The number of the occupational therapy group activities per month was 20 times in August 2017 and 21 times in March2018, respectively. The number of classified four group participants before and after were calculated by the chi-square test with adjusted residuals. Comparing the number of participants in the four groups before and after 7 months by the active motivation, the number of participants was significantly decreased in group C but was increased in group D(χ2 = 6.82, p <.05). Findings show the number of participants was increased because of the active motivation by interdisciplinary collaboration and enhanced relations. However, the degree of GAF was not related to the duration of participation times. Moreover, it was clearly found that respect for individuality and patient's will were critical motivational factors in effective patient participation.
著者
駒井 三千夫 後藤 知子 大日向 耕作 神戸 大朋 真柳 祐希 白川 仁
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.8, pp.1011-1016, 2018-08-01 (Released:2018-08-01)
参考文献数
8
被引用文献数
2 4

We investigated the role of zinc in regulation of food intake using male SD rats during early-stage of zinc deficiency (the 3rd day of the feeding) without decreased zinc concentrations in tissues (hypothalamus and liver). As a result, we found that orally but not intraperitoneal administered zinc stimulates food intake in the short-term zinc-deficient rats. The mRNA expressions of hypothalamic peptides, such as orexin (OX) and neuropeptide Y (NPY), were increased after oral administration of zinc to increase food intake. Pretreatment with an antagonist for the NPY Y1 receptor or the orexin OX1 receptor blocked orexigenic activity by zinc administration. The stimulation of food intake by oral administration of zinc was also abolished by vagotomy. Taken together, our results indicate that zinc stimulates food intake in short-term zinc-deficient rats through the afferent vagus nerve followed by activating the hypothalamic peptide associated with food intake regulation. This study showed the first evidence that gastrointestinal zinc signal is indispensable for the food appetite induction in the experimentally anorexigenic rat. However, since it has not yet been clarified the mechanism involved in zinc sensing by the epithelial membrane of the gastrointestinal tract, further detailed investigations are necessary.
著者
片山 きよみ 舛井 雅子
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学留学生センター紀要 (ISSN:1881834X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.25-53, 2006-03-27

初・中級の日本語教科書で取り上げられている副詞の中から、「とても」「すごく」「ひどく」「非常に」「大変」「本当に」の異同について検証する。用例の比較検証によって、それぞれの副詞には口語的か文章語的か、改まった表現かくだけた表現か、主観的か客観的かという対立に加え、種々の構文(否定文、比較構文、命令文、直接的な感謝やお詫びの表現など)における使用制限に違いがあることを明らかにする。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.950, pp.44-48, 1998-07-20

その日の議案を初めて知ったとき、日興証券取締役会の出席者の間に衝撃が走り、気まずい雰囲気が漂った。「米トラベラーズ・グループとの全面提携」。直前の米紙報道で提携話を知った取締役たちは、「あいつは以前から知っていたのか」と疑心暗鬼で腹の底をさぐり合う。 取締役会は数時間続いたものの、寝耳に水の取締役たちは判断できるだけの材料を持っていない。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.300, pp.76-82, 2002-03-22

吹き付けモルタルで格子状の法枠を造る——。日本中にすっかり定着したフリーフレーム工法。これを25年前に開発したのが,フリー工業社長の長岡信玄さん(59歳)だ。 大学を卒業してライト工業に入社。75年に31歳の若さで独立し,友人2人と法面工事会社をつくった。その翌年に開発したフリーフレーム工法が大ヒット。
著者
平山 恵造
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.291, 1976-03-01

末梢性顔面神経麻痺に伴つてみられる現象で,麻痺の直後からみられる場合もあるといわれるが,普通数週ないし数カ月おくれてみられるものが多い。患者が食事をはじめると顔面麻痺の側の眼から流涙が起こり,食事が終わると止む。流涙は上床覚の刺激が重要であつて,咀嚼運動のみでも,また舌などに機械的刺激を与えても起こらない。そして,感情的に泣くときには,むしろ流涙が起こらない。 鑑別上注意しなくてはならない流涙がある。すなわち,末梢性顔而神経麻痺では眼輪筋の涙管部にあるHorner筋も麻痺するために,涙管腔がつぶれて,自然の涙が鼻腔へ流れるのが妨げられて,目に涙が多く溜り,これがときとして顔面に流れ出る程のことがある。これは食事や,味覚に関係なく,空涙症候群では発作的な流涙であることが特徴的で,容易に区別されよう。
著者
鈴木 邦明
出版者
北海道歯学会
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.16-27, 2017-09

Na, K-ATPaseはNa-ポンプあるいはNa,K-ポンプと呼ばれる生理機能を担う酵素である.ほぼすべての動物細胞の形質膜に存在し,ATPの加水分解エネルギーを用いてNa+とK+の能動輸送をおこなう.その結果,細胞内外のNa+とK+の濃度勾配および電位差の維持を担い,細胞レベルでは細胞の容積や浸透圧の維持に関与する.特殊化した機能としては,神経や筋肉細胞の興奮性の維持,腎臓での水やNa+の再吸収に関与する.また,Na, K-ATPaseの形成したNa+の濃度勾配を利用して,小腸における糖やアミノ酸の吸収が行われる.その消費エネルギーは,安静時の代謝エネルギーの3割,神経系においては7割を占めるとされる. Na-ポンプ機能の実体がNa, K-ATPaseであると認められた頃から,ATPの持つ化学エネルギーを,どのようにNa+とK+の能動輸送という物理的なエネルギーに変換するのか,その機構の解明がNa, K-ATPase研究の焦点の一つであり,Na,K-ATPaseの反応機構の解明が進められた.20世紀後半には,Na,K-ATPaseの反応機構はほぼ確立され,その解析に大きな貢献のあった二人の研究者の名前をとってPost-Albersの反応機構と呼ばれる.この反応機構は,ATP加水分解中にATPの末端のリン酸を結合したリン酸化反応中間体(EP)を形成するのが特徴である.この反応機構では,EPの分子構造変化を中心に据えて,ATPの加水分解による,細胞内から細胞外へのNa+,細胞外から細胞内へのK+の輸送,すなわちNa-ポンプ機能をきれいに説明することができる.Na, K-ATPaseはEPを形成することからP型ATPaseと呼ばれる.Post-Albersの反応機構は,同じくP型ATPaseである筋小胞体や細胞の形質膜に存在するCa -ATPase,また,胃粘膜において胃酸分泌を担うH, K-ATPaseの反応機構の解析に大きな影響を与えた. 強心配糖体であるジギタリス(digitalis)やウアバイン(ouabain)がNa-ポンプ機能を抑制することが知られていたが,これらの薬物はその実体であるNa, K-ATPase活性を抑制する.Na, K-ATPaseの研究においてはouabainを使用することが多く,uabainはNa, K-ATPaseの特異的な阻害薬とされる.Na, K-ATPaseの反応機構の研究過程で,ouabainが不可逆的にEPに結合してNa, K-ATPase活性を抑制することが明らかにされ,強心配糖体による強心作用もNa, K-ATPase活性の抑制をもとに説明された.Na, K-ATPaseが全身の細胞に存在し重要な機能を担っているわりには,20世紀末の段階では,Na,K-ATPaseを標的とする重要な薬物は強心配糖体以外には知られていなかった.また,Na, K-ATPaseの反応機構に関する研究も終了した感があった. しかし,21世紀に入り,ここ20年くらいの間にNa, K-ATPaseとouabainを巡って大きな研究の進展があった.それまで,Na, K-ATPaseの機能はNa+とK+の濃度勾配形成の結果に基づくものであったが,その機構とは別に,Na, K-ATPaseが細胞内情報伝達系に作用することが明らかになり,高血圧症や発癌との関係で新たな展開があった.また,生体内にouabainあるいは類似した物質が存在することが明らかになった.これら内在性のouabain関連物質は,ホルモンとしてNa, K-ATPase活性を調節することにより高血圧症や発癌に関与する.また,強心作用薬であるouabainは,現在では,抗がん薬としても期待されている. 本特集では,Na, K-ATPaseおよび関連する薬物の現状と,筆者らが行ってきた研究を紹介したい.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.438, 2007-12-28

大豊建設は,シールド工事や推進工事の際に,たて坑を設けずに地中の障害物を除去できる「DAPPI工法」を開発した。 障害物の位置まで掘進した時点で,掘進装置を掘進機の外殻から引き抜き,発進たて坑から回収。空いたスペースを使って地中障害物を除去した後,掘進装置を掘進機に装着して再び掘進する。掘進装置の回収機能は,同社の回収型泥土加圧掘進機を応用して開発した。
著者
川嶋 ひろ子
出版者
尚美学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

世界的ピアニストであり、作曲家としても数多くの作品を残しているクララ・シューマンのピアノ作品について、彼女の音楽的環境や性格、音楽的傾向に基づいて分析することにより演奏表現方法を見出し、楽譜上に校訂として表した。また日本語による演奏法の解説を付すことにより、日本でも彼女の作品を理解し、音楽的に演奏出来る人達が増えることを目指し、世界初となる「クララ・シューマンピアノ作品全集」を出版する。
著者
井関 貴博 谷川 智洋 中澤 敏明 中村 覚 野見山 真人 前沢 克俊 美馬 秀樹 柳 与志夫
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s1, pp.s122a-s123a, 2022 (Released:2022-02-28)

現在東京大学情報学環DNP寄付講座では、書籍・電子書籍のようなパッケージ型ではなく、デジタルコンテンツ本来の特性・メリットを生かしたネットワーク型・オープン型の知的構成物(「ビヨンドブック」略してBB)の研究開発に取り組んでおり、その最初の成果としてプロダクトデザインがまとまったところです。本セッションでは、その成果を披露し、パネリスト、会場からのご意見をいただき、今後の改善の参考にしたいと考えています。また、出版界が担ってきた書籍・電子書籍の制作・流通の中で、BBがどのような新たな役割を果たせるか、社会的側面の議論も行いたいと思います。