著者
宮崎 彰吾
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.40-44, 2021 (Released:2021-10-28)
参考文献数
5

【目的】「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復業」 へのCOVID-19の短期的影響について報告する。 【方法】2015年第1四半期(1~3月平均)から2020年第2四半期(4~6月平均)までの1世帯(二人以上の世帯)当たりの「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復業への支出金額」を家計調査から得て、COVID-19の蔓延による緊急事態措置の実施期間を含む2020年第2四半期について、前期、前年同期と比較した。また、同じ療術業ではあるが休業要請対象となった「法的な資格制度がない、その他の療術業(整体、カイロプラクティック、リフレクソロジー、骨盤矯正、など)への支出金額」を比較対照とした。 【結果】2020年第2四半期において、「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復業」への1世帯当たりの平均支出金額は前期より9%、前年同期より13%減少した。一方、「法的な資格制度がない、その他の療術業」への1世帯当たりの平均支出金額は前期より46%、前年同期より41%減少した。 【結論】「あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復業」へのCOVID-19の短期的影響として、前年同期より売上高が13%減少したと考えられる一方、「法的な資格制度がない、その他の療術業」よりも減少幅が小さく抑えられたことから、需要の底堅さをうかがい知ることになった。
著者
茶業社 編
出版者
茶業社
巻号頁・発行日
1922
著者
名知 秀斗
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45008, (Released:2021-11-25)
参考文献数
14

近年,汎用的能力や資質・能力の一つとして,批判的思考が着目されている.本研究では,批判的思考態度の育成を目指し,トゥ―ルミン・モデルを取り入れた数学教育の開発と評価を行った.その結果,本研究で開発した授業が,批判的思考態度を向上させる可能性が示唆された.
著者
尹 成秀
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.492-504, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
33
被引用文献数
4 3

本研究は在日コリアン青年の心理学的問題について, 対人関係における体験に焦点化し検討を行ったものである。在日コリアン青年14名に対してエピソード・インタビューを行い, 得られた語りをグラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。その結果, [日本人との関係における体験], [在日コリアン同士の関係における体験]についてのカテゴリー関連統合図が作成された。 考察では, 在日コリアン青年は日本人との間でも在日コリアン同士の間でも, 相手との差異を認識した際に相手が差異に対して否定的な態度であると想定し, 自身もその差異を望ましくないものとして意味づけている可能性が示唆された。そして, そのために彼らには相手からの評価や相手との関係が悪化する不安, 疎外感, 劣等感が生じる可能性が考えられた。しかし同時に, 在日コリアンであることを知ってもらいたいなどの相反する情緒も生じるために, 差異をめぐる状況で葛藤が生じることが示唆された。また, そうした状況で彼らは自身の認識や気持ちとは異なる相手に合わせた対応を行う場合もあることが見出された。この体験は彼らの対人関係のなかで反復されるものであり, 中核的な問題の1つであると考えられた。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1894, pp.36-39, 2017-06-05

残業を減らす最も有効な対策は生産性の向上だが、実現には時間がかかる。企業は長期で働き方改革を進めつつ、目の前の送検を回避する両面作戦を取ることが必要だ。だが、縮小均衡に陥ることなく、限られた時間の中で最悪の事態を防止する方法などあるのか。
著者
荒川 章二
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.216, pp.213-242, 2019-03-29

1968~69年における日本大学学生運動は,全国学生総数が約100万人と言われたこの時代に,学内学生3万人の参加という空前絶後の対理事会大衆団交を実現し,東京大学全共闘運動とともに当該時期の全共闘型学生運動の双璧に位置付けられている。本稿は,日大全共闘運動の組織論・運動論の特質を考察した拙稿「「1968年」大学闘争が問うたもの―日大闘争の事例に即して」の続編であり,日大闘争の展開過程を基本的な事実,諸資料から確定するという課題を継続している。前稿は,日大全共闘が,大衆団交という場において勝利できる展望を有していた時期までを対象とした。本稿では1968年9月30日「9.30 団交」への過程を再検討したうえで,日大闘争の戦術を象徴する各学部・各校舎のバリケードが一斉に解除・強制撤去される69年2月~3月までの基本的な経緯を示しながら,日大全共闘の組織と運動の時期的変化を検討する。具体的には,第1節で9月初めのバリケード撤去の強制執行をめぐる攻防を契機として,全共闘への求心力が高まり,6月以来要望し続けてきた大衆団交実施の意義がさらに掘り下げられていく過程,第2節は,大衆団交と政府の政治的介入を経て,各組織レベルでいかなる総括が行われ,他方で運動面ではどのような模索が行われたのか,さらに教員層や親たちの動き,警察権や司法権関与の変化,卒業・疎開授業強行問題,東大闘争との連携など10月~12月期の動向を多面的に追求し,第3節で,年明け以降3月までのバリケード闘争の終焉までの過程とその後の闘争継続の要因を指摘する。日大闘争の全過程を対象とした唯一の研究として,日本大学新聞研究会『日大紛争の真相―民主化闘争への歩み―』などに依拠した小熊英二『1968【上】』第9章「日大闘争」がある。本稿は,新たに利用が可能となった当事者の一次資料を中心に分析した。
著者
藤田 和弘 貴田 明宏 稲垣 昭生
出版者
Japanese Association of Forensic Science and Technology
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.29-40, 2006
被引用文献数
4 2

JPEG images are degraded by blocking artifacts and mosquito noise caused by quantization on the block DCT domain. The purpose of this paper is reduction of image quality degradation by means of the image restoration method instead of the smoothing method after the simple decoding. This proposed method is based on the edge-adaptive restoration method; the regularizing operator depends on the edge orientation, and the regularizing parameter depends on the local activity. The variance of the quantization on the block DCT domain is taken into consideration.
著者
髙橋 興三
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1751, pp.50-53, 2014-07-28

[シャープ社長]髙橋 興三 氏今の文化では先がない傍流の複写機部門から異例の社長昇格。風土改革に邁進してきた。就任2年目の今期は、業績面での結果も求められる。改革の先に目指している、シャープの未来はどんな姿か。
著者
大澤 元毅 池田 耕一 林 基哉 桑沢 保夫 真鍋 純 中林 由行
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.68, no.566, pp.65-71, 2003-04-30 (Released:2016-12-28)
参考文献数
17
被引用文献数
4 5

The purpose of this research is to know the present status of the indoor air chemical pollution by VOCs in Japanese houses in 2000. The concentrations of formaldehyde, toluene, xylene and ethylbenzene were measured in five thousand houses, and the following results were obtained. 1) In 27.3% of surveyed houses, the indoor concentrations of formaldehyde exceeded the guideline established by the Ministry of health, labor and welfare of Japanese Government. And those of toluene, xylene and ethylbenzene were 12.3, 0.013 and 0% respectively. 2) The formaldehyde concentrations correlated well to the indoor temperatures. 3) The averages of the formaldehyde concentrations in houses according to the age of year after construction were analyzed, and the concentration in houses built after 1997 was lower than that in 1996, which showed the highest value.
著者
高瀬(勝野) 真人
出版者
日本人口学会
雑誌
人口学研究 (ISSN:03868311)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.21-34, 1991-05-30 (Released:2017-09-12)

わが国では第1回の国勢調査が行われた1920年(大正9年)以前の死亡統計については,詳細な分析の基礎となる正確な年齢別人口が得られなかったこと,死亡登録の完全性が疑問視されてきたことなどから,これまで充分な解析が行われていない。そこで,国勢調査以前の死亡統計の精度を実証的に評価するとともに,死亡統計の詳細な分析に不可欠な年齢別人口を得ることを目的として,国勢調査人口を基礎におよそ30年分の年齢各歳別(出生年別)死亡統計をもとに1.5%の届出漏れと死亡数の3.5%にのぼる内地外への流出超過を考慮した上で, 1890年(明治23年)首にまで遡る年齢別人口および出生数の推計をおこなった。この推計作業の終着点である1890年前後の本籍人口は,成人の就籍漏れがほとんど解消されていた上,除籍漏れ(主に死亡届漏れ)の蓄積もまだ少なく,内地外への移動も無視できる程度であり,推計人口は年次を遡るにつれて本籍人口との一致度を高めていくものと期待された。その結果,国勢調査から30年余りも隔たった戸籍簿上の年齢別人口である1890年首の本籍人口ならびに30年間の登録出生数が実際に極めて高い精度で復元できることが確認された。一方, 1920年以降の死亡率の傾向から推計された生命表を用いた逆進生残率法による人口推計では,人口の年齢分布や推定される届漏れの改善傾向に疑問があることを示した。これらの結果から,少なくとも明治20年代には,わが国の死亡統計はすでに詳細な分析に耐える信頼性をそなえていたものと推定された。また,わが国では1885年に原因不明の出生率,死亡率の急上昇が認められるが, (1)その死亡数の増加が著しく乳幼児に偏っていること(2)届遅れの出生死亡届出数が同年に明らかなピークをもつこと(3)その前年の明治17年に「墓地及び埋葬取締規則」が公布され,死亡のみならず妊娠第4月というかなり早期の死産にまで届出と埋葬が義務づけられたこと,の3点から特に乳幼児の死亡届出が1885年を境に大きく改善したと考えられることを示した。結論として, 1890〜1920年の公式統計上の死亡率低下の停滞(上昇)は事実を反映したものと考えられ,今回の人口推計結果をもとに死因別年齢別死亡の詳細な分析を進めることが重要であると考えられた。
著者
Hidemasa HIDAKA Toshiaki EIDA Toshio TAKIZAWA Takahisa TOKUNAGA Yasuhito TASHIRO
出版者
Japan Bifidus Foundation
雑誌
Bifidobacteria and Microflora (ISSN:02869306)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.37-50, 1986 (Released:2010-06-28)
参考文献数
28
被引用文献数
356 430

A study was made of the effects of fructooligosaccharides, which exist widely inplants such as onion, edible burdock, wheat etc., on the human and animal intestinal flora. Fructooligosaccharides are produced from sucrose with the aid of β-fructofuranosidase from Aspergillus niger on a commercial scale by Meiji Seika Kaisha, Ltd.(Neosugar, Meioligo®). It has been found that they are not hydrolyzed by any digestive enzymes of humans and animals. Moreover utilization byvarious kinds ofintestinal bacteria indicated that Bifidobacterium spp., the Bacteroides fragilis group, Peptostreptococcus spp. and Klebsiella pneumoniae can utilize these saccharides, but Clostridium perfringens, Escherichia coli and others cannot. The fructooligosaccharides are selectively utilized, particularly by bifidobacteria.The clinical studies showed that fructooligosaccharides administration improved the intestinal flora, with subsequent relief of constipation, improved blood lipids in hyperlipidemia, and suppressed the production of intestinal putrefactivesubstances.