著者
園田 節子
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.419-436, 2006-03-31

The field of Overseas Chinese studies is inextricably linked with the historical and social context of thenation-state in which the field was established. In discussing the development of historical studies of theChinese in North America in the second half of the 20th century, this paper examines how OverseasChinese studies was established as a specific research field and reveals the field's characteristics whichare tied with the American context as a whole. From the early 1960s, Chinese immigrant intellectuals inthe Canadian and American West Coast authored histories of the overseas Chinese in Chinese. Thesestudies relied on the historical materials of Chinese immigrants and on Chinese secondary sources publishedunder the Overseas Chinese policy of the Taiwanese KMT. From the 1970s, as part of the Asian-American movement, second generation and immigrant middle-class Chinese intellectuals established thenew framework of Asian-American studies. This field proposed a scholarship which legitimated the historicalexperience and presence of the Asian in American society and was thus premised on Asians asAmerican citizens. The most recent scholarship on the overseas Chinese has introduced the concept oftransnationalism, which is premised on mobility, and several empirical historical studies have been producedin this field to overcome the nation-state paradigm.
著者
神谷 英二
出版者
福岡県立大学人間社会学部
雑誌
福岡県立大学人間社会学部紀要 (ISSN:13490230)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.113-125, 2021-10-01

1920-30年代の日本における都市モダニズムの文学者が、ベンヤミンの言う「遊歩者」であり得るという仮説が本研究の出発点である。この時期、モダニズムの芸術運動は世界同時的に進むとともに、芸術間の交流が著しくなり、特に文学と映画、文学と絵画、文学と音楽の交通と越境に興味深い現象が発生している。また、都市モダニズムは芸術に限らず、都市文化全般に広がり、その起点に、詩雑誌・文芸雑誌があったことが重要である。ベンヤミンによれば、街路名により都市は言葉の宇宙となり、解読可能なテクストとして、遊歩者である芸術家・詩人に示される。だが、日本の都市では、それは19世紀パリのような解読を待つ織物としてのテクストではなく、スクリーンとしての頭脳に映る猛スピードで飛び去る形象であり、断片化による描写が不可欠と言える。研究の第1部である本稿では、都市モダニズム文化を詩に昇華させる方法として、映画的芸術としてのシネ・ポエムに焦点を当て、竹中郁の「ラグビイ」を代表作とする『詩と詩論』同人や関係の深い詩人のシネ・ポエム作品と詩論を扱う。
著者
Miao-Miao Liu Da Wang Yang Zhao Yu-Qin Liu Mei-Meng Huang Yang Liu Jing Sun Wan-Hui Ren Ya-Dong Zhao Qin-Cheng He Guang-Hui Dong
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.280-287, 2013-07-05 (Released:2013-07-05)
参考文献数
36
被引用文献数
30 45

Background: Concentrations of ambient air pollution and pollutants in China have changed considerably during the last decade. However, few studies have evaluated the effects of current ambient air pollution on the health of kindergarten children.Methods: We studied 6730 Chinese children (age, 3–7 years) from 50 kindergartens in 7 cities of Northeast China in 2009. Parents or guardians completed questionnaires that asked about the children’s histories of respiratory symptoms and risk factors. Three-year concentrations of particles with an aerodynamic diameter ≤10 µm (PM10), sulfur dioxide (SO2), and nitrogen dioxides (NO2) were calculated at monitoring stations in 25 study districts. A 2-stage regression approach was used in data analyses.Results: The prevalence of respiratory symptoms was higher among children living near a busy road, those living near chimneys or a factory, those having a coal-burning device, those living with smokers, and those living in a home that had been recently renovated. Among girls, PM10 was associated with persistent cough (odds ratio [OR]PM10 = 1.44; 95% CI, 1.18–1.77), persistent phlegm (ORPM10 = 1.36; 95% CI, 1.02–1.81), and wheezing (ORPM10 = 1.31; 95% CI, 1.04–1.65). NO2 concentration was associated with increased prevalence of allergic rhinitis (OR = 1.96; 95% CI, 1.27–3.02) among girls. In contrast, associations of respiratory symptoms with concentrations of PM10, SO2, and NO2 were not statistically significant among boys.Conclusions: Air pollution is particularly important in the development of respiratory morbidity among children. Girls may be more susceptible than boys to air pollution.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1915年07月09日, 1915-07-09

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1936年10月02日, 1936-10-02

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1936年11月14日, 1936-11-14

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1908年10月09日, 1908-10-09
著者
高橋 知代 久志本 彩子 小長谷 貴昭 田原 雄一郎
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1-4, 2006-06-30
参考文献数
7

Biodegradable packaging buffers made from corn or wheat starch have replaced plastic foambuffers as packaging materials. The German cockroach, Blattella germanica, the smoky-brown cockroach, Periplaneta fuliginosa, and the brown-banded cockroach, P. brunnea consumed the biodegradable packaging buffers as food when they were kept in an arena with water, yet they hesitated to eat a urethane buffer. The cockroaches could survive and most of them could propagate for generations feeding on packaging buffer. Therefore, the biodegradable packaging buffers should be removed from factories immediately to avoid cockroach infestation.
著者
尾崎 一隆 鰐川 彰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.3, pp.150-162, 2008-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
34

近年, 分析形の官能評価方法と機器分析データを組み合わせることで, 様々な食品の「おいしさ」や「劣化」に寄与する成分が明らかになっている。本稿では, 定量的記述分析法による官能評価と化学分析を組み合わせてビールの「おいしさ」を解析する研究について, 詳細に解説いただいた。様々な分析手法とともに, ケモメトリックス手法等も大変参考になると思われる。
著者
金子 寛人
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.615, pp.54-65, 2010-12-13

年末商戦に向け、携帯電話事業者各社から数多くのスマートフォン新製品が発売される。各社とも、米グーグルの携帯機器向けOS「Android」搭載機のラインアップを大幅に拡充したのが今回の特徴だ。とはいえ、Androidという言葉を聞いたことはあっても、詳しいことは知らない読者も多いだろう。iPhoneと比較しながらAndroid搭載機の特徴を見ていこう。

2 0 0 0 胃梅毒

著者
堺 勇二 池田 憲治 上野 景子 小野 広幸 前田 和弘 田邉 寛 岩下 明德
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1628-1631, 2019-11-25

疾患の概念と最近の動向 梅毒は代表的な性感染症の一つであり,多彩な皮膚病変がみられるが,まれながら消化管病変を生じることがある.消化管では胃に最も多いとされ1),消化管梅毒の本邦文献でみると,過去50年間では胃197例,大腸34例(31例が直腸),小腸3例,などの報告がある. 梅毒は主に性的接触によるT. pallidum(Treponema pallidum)の陰部などへの感染から発症する.10〜90日の潜伏期を経て,感染局所に初期硬結,硬性下疳などの一次病変を形成する(第1期).その後血行性に全身に撒布され,ばら疹などの多彩な皮膚病変や臓器梅毒などの二次病変を生じる(第2期).以後は潜伏梅毒を経て慢性に経過し,ごく一部は年余を経て第3期梅毒(晩期梅毒:心血管梅毒,ゴム腫など)に進展する2).胃梅毒の報告例の多くは第2期のものであり,胃梅毒は,血行性に全身に撒布された菌体とその代謝産物に対する血管アレルギーにより,梅毒性皮疹と同様の機序で形成された胃粘膜疹と推測されている3).
著者
本道 栄一 前田 健 水野 拓也 竹松 葉子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

近年、ヒトに致死的な病原性を示すコウモリ由来新興・再興ウイルス感染症が世界を震撼させている。本研究では、東南アジア・オセアニア地区で潜在的な同感染症キャリアとしてのオオコウモリに着目し、そのベールに包まれた生態調査を行った。本研究により、世界的な大都市近郊のオオコウモリも、ヒトに致死的なウイルスに対する感染履歴が確認されるとともに、Argos 衛星を利用した追跡調査によって、その驚異的な飛行能力が明らかとなった。本研究で明らかにした飛行データは、タイ王国、フィリピン共和国のものであるが、調査を行ったオーストラリアシドニー王立植物園のデータと照らし合わせると、東南アジア・オセアニア地区のオオコウモリは長距離飛行によって互いに交通している可能性がある。また、新興感染症の出現予測として環境インデックスとオオコウモリの飛行の関係についても解析を行った。結果、オオコウモリの長距離飛行開始には、季節性の風向の変化が大きく関与しているものと思われた。
著者
本道 栄一 井上 直子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、マウスの子宮内膜間質細胞の分化、脱分化の機構を解析した。マウスの生殖周期中にはエストロジェン(E2)とプロジェステロン(P4)が複雑にからみあって間質細胞の分化制御を行っているが、特にE2がこの制御に強く関わっていることが明らかになった。不完全生殖周期中ではLIF、Oct3/4およびNanogタンパク質が発情後期から前期にかけて発現する一方で、E2は単独で、Oct3/4を制御するKlf4 mRNAの発現誘導を起こすことが明らかとなった。
著者
瀬良 良子 小池 豊 桑野 玲子 桑野 二郎
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.323-339, 2014 (Released:2014-09-30)
参考文献数
14
被引用文献数
6 6

2011年3月の東日本大震災では,関東地方から東北地方にわたり大規模な地盤災害が発生したが,特に広域な液状化被害が,関東地方の東京湾岸部埋立地や利根川下流の軟弱地盤分布地で発生した。液状化被害の多くは地盤変状など目に見えるものであったが,あまり知られていない被害として道路下に発生した空洞があり,東京湾岸部の液状化地域で186kmの道路に平常時の7倍以上になる709箇所もの空洞が確認された。液状化による空洞は,噴砂に伴う空洞化と破損した下水管等への土砂流出現象等が複合的に関わって発生すると考えられるが,詳細な過程については不明な部分が多い。本研究は,液状化空洞の発生について自治体へのヒアリング,空洞調査結果の詳細な分析および現地検証を行うとともに,土槽実験を用いた液状化再現による空洞発生および拡大メカニズムの検討を行い,「液状化空洞は広がりが大きく薄い形状で,特に噴砂箇所周辺で空洞下部に緩みを有し,埋設管の位置により地盤の乱れが異なる。いずれも空洞補修の際には緩み部まで対処が必要。」という結論を得た。また,検討結果と震災後緊急対応として多数の空洞を補修した自治体の実態を踏まえ,大規模な地震発生で再発が懸念されている再液状化への対応について考察し,今後の路面陥没未然防止対策に資する道路保全技術について,現在の知見を取りまとめた。
著者
刈部 博
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1066-1069, 2021-09-10

Point・頭部外傷診療では急性期局面の診療を行いつつ,長期的視野に立ってさまざまな連携を意識することが重要である.・慢性期以降の高次脳機能障害診断のためには急性期MRIが有用である.・外傷後早期から患者や家族に周知・教育することにより,外来フォローアップのドロップアウトを予防することが重要である.

2 0 0 0 OA 興国詩選

著者
塩谷温 著
出版者
弘道館
巻号頁・発行日
vol.皇朝篇, 1931
著者
瀬口 典子
出版者
日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.116, no.1, pp.57-66, 2008 (Released:2008-06-30)
参考文献数
61
被引用文献数
1 1 1

アメリカ自然人類学会(AAPA)の現状と動向を紹介し,その歴史に触れながら自然人類学のあり方の検討を行った。19世紀から20世紀前半のアメリカ自然人類学の研究テーマは「人種タイポロジー」的な理論と方法論が主であった。しかし,1951年のシャーウッド・ウオッシュバーンの「新しい自然人類学」の提唱後に,アメリカ生物人類学は,新しい方法論,理論,仮説検定に焦点をおく科学に変化を遂げた。形質人類学も生物文化的なアプローチを取り,生物考古学の視点やフェミニズムの視点をもって,ゆっくりではあるが,発展してきた。そして,自然人類学の枠だけに留まらず,考古学,文化人類学,言語人類学との融合性を目指した研究テーマを切り開こうと努力している。しかし,近年の司法人類学の人気に伴って,アメリカ自然人類学はウオッシュバーン以前の人種タイポロジー的なアプローチを取る古い形質人類学に引き戻されてしまう危機にも直面している。現在,アメリカ自然人類学会と研究者達は,これまで起こってきた矛盾,批判,反省,議論をアリーナとして,21世紀の社会に貢献するための新しい研究テーマと活動を模索している。