著者
桑原 陽子
出版者
福井大学
雑誌
福井大学留学生センター紀要 (ISSN:18805876)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.11-19, 2011-03

This article shows the changes to a training syllabus for Japanese language volunteers for foreign residents in Fukui city from 2006 to 2010. The author was in charge of the conduct and evaluation of this course. The syllabus had been close to the training syllabus for "Japanese teachers" in 2006. However, the syllabus was revised because the course was re-envisioned as a guide training course for Japanese language "volunteers", who can participate in various supporting activities. Activities focusing on reflective-learning of languages were increased, instead of lectures on Japanese grammar and Japanese education. Furthermore opportunities for the attendants to have experiences of difficulties of communication with limited language proficiency were arranged in the course. Overall, the purpose of such activities is the study of how to communicate with foreign residents through supporting the learning of Japanese.
著者
伊藤 榮子
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.13, pp.9-21, 2008

歩行期から青年後期のどの段階に社会、家庭の基本的生活の型を獲得し、自己抑制、自立に誰が影響しそれが現在も持続しているか探るためにA短期大学看護学生とB大学生64名に無記名の質問紙調査を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。1)子どもの成長に対する母の影響は、家庭、社会生活の基本的な型の習得に、父、兄弟姉妹、祖父母、教師より大きく、歩行期に最大で、今も減少しながら学生の生活に役立っていた。(2)学童中期の初めに子どもが自己抑制を身につけると、母以外の他の影響が増えはじめた。この不明確な影響は集団社会が持っている、人に新しい精神的、肉体的な能力をあたえると思われる機能の影響が、学童中期から青年後期の初めに多くなった。

2 0 0 0 OA 学会規約

出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.263-264, 2021-10-01 (Released:2021-11-15)

2 0 0 0 OA 活動報告

出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.260-262, 2021-10-01 (Released:2021-11-15)
著者
宮本 聖二
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.219-221, 2021-10-01 (Released:2021-11-15)
参考文献数
3

オーラルヒストリーは、何らかの体験をした人に聞き取りをした口述記録である。体験者の一人語りではなく、聞き手との共同作業で生まれ、その記録はアーカイブとして未来に伝えられる。また、それらは様々に使われる。オーラルヒストリーという概念は、口述記録そのものにとどまらず、利活用も含むと考えて良いだろう。聞き取りによる口述記録は古くから作られてきたが、デジタルアーカイブとして整備が進めば、誰もがどこからでもアクセスでき利活用の幅は一気に広がる。今回の特集ではオーラルヒストリーの様々な可能性とデジタルアーカイブとの関わりで見ていく。
著者
後藤 淳 岩田 英信 清水 俊行 高橋 督 白形 昌人 佐藤 充則
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.415-420, 2008-07-28 (Released:2008-12-16)
参考文献数
25

慢性血液透析患者が安心してカリウム(K)含有量の多い食品を食べることを検証するために,透析開始直前のミカン摂取が透析前後の血清K値および透析によるK除去量におよぼす影響を検討した.過去3か月の透析前血清K値が6.0mEq/L以下の透析患者13名(男性6名,女性7名;平均年齢59.3±12.6歳)を対象として,ミカン非摂取日および摂取日の透析前後の血液と透析排液を採取して電解質濃度を測定した.ミカン摂取日は透析開始直前にMサイズのミカン5個(総重量0.5~0.55kg,K負荷量約15mEq)を摂取した.血清K値は,ミカン非摂取日は透析前4.8±0.5mEq/L,透析後3.3±0.4mEq/L,ミカン摂取日は透析前5.0±0.6mEq/L,透析後3.3±0.3mEq/Lであった.透析によるK除去総量は,ミカン非摂取日44.9±9.5mEq,ミカン摂取日51.5±9.6mEqであり,その差は6.6±7.1mEqでミカンによるK負荷量の44%が除去された.以上の結果から,普段の透析前血清K値が6.0mEq/L以下の透析患者においては,Mサイズのミカン5個程度までなら透析開始直前に摂取しても安全と考えられた.
著者
渡邊 勉
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.218-233, 2018 (Released:2019-09-28)
参考文献数
43

本稿の目的は,職業経歴の不平等の時代変化の特徴を明らかにすることである.これまで7回おこなわれたSSM調査の職歴データを分析した歴史研究は,ほとんどない.そこで本稿では,労働経済学における終身雇用,二重構造の研究を参照しつつ,社会階層論の枠組みで,1920年代から2000年代以降までの日本の労働市場の変化を分析した. 明らかになった点は以下の通りである.第一に,職歴の不平等は,1970年代半ばまでの入職者において小さくなり,その後大きくなっている.第二に,職歴の雇用安定性は,戦後1970年代まで大きくなっていき,その後若干小さくなる.また職歴の従業先安定性は,初職大企業のほうが中小企業よりも安定しており,初職ホワイトカラーのほうがブルーカラーよりも安定しており,時代による変化は小さい.第三に,通時代的に職歴パターンは,父職,学歴,初職職業,初職規模それぞれの影響を受けている.特に従業先規模は戦後影響が大きくなっている.まとめると,職歴の不平等は,まず戦前から戦後の社会,制度の大きな変化の中で,平等化が進んだ.その後終身雇用制度の浸透と共に,さらに平等化が進んだが,1970年代後半以降の入職者は,不安定な職歴が増え,不平等が進行した.
著者
ハンス・フランク 編
出版者
司法省調査課
巻号頁・発行日
vol.刑法及び刑事訴訟法の部, 1936
著者
加納 光樹 横尾 俊博 河野 博
出版者
The Japanese-French Oceanographic Society
雑誌
La mer (ISSN:05031540)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1-2, pp.1-10, 2018 (Released:2021-05-19)

2003 年6 月上旬に多摩川河口干潟域(河口から0-4 km)のタイドプール55 か所(面積0.6-6.4 m²)で,魚類群集の空間的な変動を調査した。調査期間中に2 科11 種計1,838 個体が採集された。採集個体は体長50 mm 以下で,大半がハゼ科の稚魚と成魚であった。採集個体数が最も多かったのはマハゼで全採集個体数の52.2% を占め,次いで,マサゴハゼ(24.6%),エドハゼ(12.7%),ビリンゴ(7.0%),ボラ(1.0%),ヒメハゼ(0.9%),アベハゼ(0.7%),ヒモハゼ(0.5%)であった。これらのうち,ビリンゴとボラを除く底生性ハゼ類6 種の生息密度は,河口域上部,中部,下部の間で異なっていた。各タイドプールにおける優占種の密度に基づく正準相関分析によって,魚類群集構造の時空間的変動は,アナジャコ類巣穴の密度,底質の中央粒径,塩分,干潮時の汀線からの高さ,水温,プール面積,水深とよく関連付けられることが明らかとなった。
著者
安藤 皓章 清水 英佑 高橋 善一 福本 正勝 小此木 英男 門倉 真人
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.692-697, 1993-08-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

Criminal cases involving stimulant abuse have increased since 1970 but have now leveled off. Some of the offenders claimed to have used the Vicks Inhaler containing a stimulant (1-methamphetamine) which is used for the treatment of nasal obstruction.The aim of this experiment was to measure the amount of 1-methamphetamine contained in the Vicks Inhaler by stimulating the human respiratory system. The results are as follows:1) The data from the stimulation experiment showed that the inhalation level of 1-methamphetamine was estimated to be 320.4ng. From this value, the level of 1-methamphetamine absorbed per one respiration was calculated to be 21ng.2) The data from quantitative and qualitative analysis by gaschromatography showed that menthol interfered with the methamphetamine.3) A qualitative test for the stimulant in urine was negative when the subject inhaled the Vicks Inhaler only once. However, this test turned positive when the subject inhaled it more than 17 times.
著者
竹内 淳一郎
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究学会年報
巻号頁・発行日
no.12, pp.321-332, 2006

日本製カメラは、1965年以降、米国市場において「安かろう悪かろう」から「安くて良い」評価をえて、米国製やドイツ製のカメラに対して競争優位性を構築した。本報告は、米国における日本製カメラの競争優位の構築過程を、G・サローナー、A・シェパード、J・ポドルニー(2002年)がいうコスト-品質のフロンティアに基づき定量的に検証する。この二つの指標は組織能力とポジション優位の組み合わせによって構築されている。組織能力についてはカメラ企業の米国市場開発を、ポジション優位については、製品ブランドの構築過程を定量的に検証する。コスト-品質について継続的客観的データが入手できる"Consumers Union"(CU,米国消費者同盟)『コンシューマー・レポート』(1936年創刊)を使用した。コストは、入手が困難なため、コストが価格に反映しているという前提で、入手可能なCU調査の表示価格を代用した。品質は、CU評価のスコアを点数化して使用した。日本製カメラの輸出は、55年以降、二眼レフやレンズシャターカメラを中心に対米輸出が急増した。日本製がドイツ製を追い抜いたのは、62年に生産数・金額で、64年に輸出金額、67年には輸出台数と品質が、さらに、76年頃に信頼性においても凌駕した。検証の結果、日本製カメラは、65年以降の米国市場において、米国・ドイツ製カメラに対してコスト-品質面で競争優位性が構築されたことが確認できた。(1)日本製カメラのCU評価が「安くて良い」という競争優位性は、58年頃に二眼レフ、65年頃にコンパクト、72年頃に一眼レフが構築した。(2)日本製カメラの確かな品質・信頼性に裏付けられた製品ブランドは、CU高評価の多さもあり、消費者への知名度向上、ひいては企業ブランドの構築に大いに貢献したといえる。日本のカメラ企業が、社名やロゴに使うようになったことからもいえる。(3)日本企業のCU高評価の順位は、米国進出がステップ2(企業進出と現他業者の利用)やステップ3(自社販売経路の開発と促進活動の実施)の早い順位とほぼ一致する。もっとも、50年代以降、先発企業が自社製品ブランドによる対米輸出とアフターサービス体制の整備、政府の輸出検査による粗悪品輸出防止、60年代の一眼レフ、レンズシャッターカメラなど新製品・生産技術開発体制の構築、70年代から直接販売体制の構築も大いに寄与した。課題は、さらなる企業ブランド力の強化と商品・サービスの高付加価値化などによる競争優位性の構築であろう。
著者
稲見 昌彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.656-660, 2021-11-15
著者
福井 基成 北島 尚昌
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.369-376, 2021-06-20 (Released:2021-06-20)
参考文献数
9

呼吸器疾患患者を診療するうえで,各種モニタリングは欠かせない.特に呼吸不全を呈している患者のケアでは,安静時の低酸素血症や高二酸化炭素血症,労作時や運動時の低酸素血症や運動耐容能,さらに睡眠時の無呼吸・低呼吸や低換気などを正確に知るために,動脈血ガス分析,SpO2モニタリング,経皮CO2モニタリング,睡眠ポリグラフ検査などが臨床で実施されている.特に酸素療法や非侵襲的換気療法の導入時には,これらを積極的に用いて患者の病態を正確に把握し,また治療効果を確認することが重要である.睡眠時のモニタリングによって,慢性呼吸不全患者においては,REM睡眠時を中心に低換気をしばしば生じていることが分かってきており,この有無がCOPDの増悪回数や肺高血圧などと関係することが明らかになってきている.ここでは,各種モニタリングについて解説するとともに,睡眠時低換気の検出方法およびその意義についても述べたい.
著者
植村 和美
出版者
大阪教育大学附属高等学校池田校舎
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.47, pp.27-48, 2014-11-28

本校は平成15年度ASPnetに加盟して以来、高校1・2年生「総合的な学習の時間」で国際理解教育の一環としてESD(持続可能な発展のための学習)に取り組み、問題解決に取り組む姿勢を育んできた。国際枠入学生徒を含め、国際社会に対する意識は高い。昨年10月、57期生は本校初めての海外修学旅行として多民族国家マレーシアを訪問し、多宗教・多言語・多文化といった社会の多様性に触れ、マラヤ大学学生と意見交流を行った。修学旅行までの1年間、「大テーマ(「"Look East政策" の今後」)」「8つの班別テーマ」「個人テーマ」と問題を焦点化し、ワークショップを重ね、修学旅行では、全28班(1班5~6人)による班別交流および全体交流を行い、マラヤ大学主催のJAPAN WEEK・JAPAN FESTIVAL メイン会場で生徒全員によるソーランダンスを披露し文化交流を行った。その交流は、様々な形で現在も継続している。私は国語科の教員として高校2年生古典を担当していたが、同時に「総合的な学習の時間II」「情報C」の授業も担当し、2年担任団の修学旅行主担として、1年間、授業や行事をさまざまな形でESDワークショップに取り入れた。学校では、1人の教員が多くの役割を果たさなければならないが、逆に言えば、1人の教員が多くの面から生徒に学びの機会を提供することができる。生徒自らが学校生活を自己実現の場としてデザインし実践するあり方を目指して、「マレーシア修学旅行」を軸に、「総合的な学習の時間」「学校行事」「情報C」と連携したESDの実践を報告する。