著者
碓井 和弘
出版者
札幌学院大学総合研究所
雑誌
札幌学院大学経営論集 (ISSN:18841589)
巻号頁・発行日
no.5, pp.43-52, 2013-03

伝統ある商業教育機関のシンボルには翼や杖,蛇がしばしば使われている。嚆矢は一橋大学である。それは,ギリシア神話のヘルメス,あるいはローマ神話のメルクリウスにまつわるものであり,ヨーロッパで繁栄していたベルギーに存在する商業学校のものを移入したのであった。ヘルメスは,豊穣神であるとともに,商業,盗み,雄弁,競技,道路,旅人の守護神でもあり,その最大の特徴は,コミュニケーション能力の高さと狡猾さである。しかし狡猾である商業には,不信感が付きまとう。商業が社会に存立する根拠が問われるのは,その商業への不信感が背景にある。M.ホールの「取引総数最小化の原理」は,取引においては人が移動する,と前提すれば理にかなっているように見えるが,情報技術の革新は状況を一変させた。この情報技術の革新は,マーケティングにも影響を与えている。『コトラーのマーケティング3.0』は,「参加」「グローバル化のパラドックス」「クリエイティブ社会」の3つを,時代を読み解くキーワードとしている。このマーケティングの変化を学ぶことは,商業教育の象徴と現代性を追求することにも繋がると考えた。論文
著者
小山 順一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.144-154, 2007
被引用文献数
1

学術雑誌を中心に,表紙にISSN番号が表示された逐次刊行物が増えてきている。本稿では,このISSN(国際標準逐次刊行物番号)の一層の普及に資することを目的として,逐次刊行物の刊行形態と書誌データへの影響,識別のための固有のコード番号の必要性,ISSNのデータを登録・維持する国際組織であるISDS(現ISSNネットワーク)の設立経緯,その活動内容と最近の動き,ISSN日本センターの発足と歩み,国内のISSN付与状況と課題,JIS X 0306: 1999に規定されているISSN規格の内容,日本センターでの付与作業の実際と登録申請時のFAQについて述べ,最後に国内のISSN付与に関する最近の話題を報告する。
著者
黒岩 大助
出版者
北海道大學低温科學研究所
雑誌
低温科學
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-57, 1951-12-30
著者
斉藤 博
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.6, pp.632-639, 2005-09-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
23
被引用文献数
2

(目的) ヒポクラテス (紀元前460年頃) は古代ギリシア, コスの有名な医師で, 彼の業績は, 後世『ヒポクラテス全集』に記載されている. 私は『ヒポクラテス全集』の結石に関する記述を研究した.(方法)『ヒポクラテス全集』(ラーブ版, 大槻版, 今版) の尿路結石の記述を採集し, コス学派とクニドス学派とで比較した.(結果) 尿路結石に関する記述は24ヵ所で, 発生病理に関する記述は12ヵ所 (50%), 症状6ヵ所 (25%), 治療4ヵ所 (17%), その他2ヵ所 (8%) あった. 尿路結石の症状は血尿, 腹痛, 排尿痛, 排尿障害, 排石であった. 膀胱結石15ヵ所 (63%), 腎結石4ヵ所 (17%), 2ヵ所 (8%) は腎と膀胱結石の両方であった. 7ヵ所 (29%) は部位の記述はなかったが, 多分, 膀胱結石と推測された. 尿路結石の記述のうち, コス学派, クニドス学派, 学派不明の記述は15ヵ所 (63%), 4ヵ所 (17%), 5ヵ所 (21%) であった. コス学派の膀胱結石に関する記述は比較的多く, 腎結石に関する記述は少ないが, クニドス学派が多かった. 尿路結石に対する治療法は, 薬, 多分, 排石を助ける薬, 痛み止め, 痛みに対する入浴, 温罨法, 患部が腫れて盛り上がったら, 腎切開をする.(結論)『ヒポクラテス全集』には尿路結石の記述があるが, コス学派による膀胱結石の記述が多い. 膀胱切石術の記述はなく,“宣誓”では, 尿路結石の治療には切開術を禁じている. しかし, クニドス派の“内科疾患”には, 腎切開, 多分, 腎切石術を推測させる記述があった.
著者
平山 史朗 島袋 公史 藤﨑 拡憲 今村 健二 高田 稔 山﨑 裕子 渡邉 英夫
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.57-61, 2020-01-01 (Released:2021-01-15)
参考文献数
6

今回,脳卒中発症後に初回に処方される短下肢装具(以下,AFO)について全国的にアンケート調査を実施した.全国の回復期リハ病棟を有する病院410病院に依頼し,回答が得られた109病院のデータを分析したところ,処方された割合が多かった順にシューホーンAFO, 両側金属支柱AFO, オルトップAFO, タマラック·ジレット継手AFO, ゲイトソリューションと続き,これらの上位5つの装具だけで全体の8割以上を占めていた.1病院で処方されるAFOの種類は平均で4.7種類であった.また,長下肢装具処方後,AFOにカットダウンした構成AFOの部分は両側金属支柱AFOが7割以上と大勢だった.今後は,有効回答率を増やす工夫を行いながら大規模に,組織的に,また定期的に全国調査することが望ましいと思われた.
著者
吉良 潤一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.1017-1025, 2004-05-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
23
被引用文献数
1

アレルギー性疾患に伴う神経障害としては,全身性血管炎の一環として多発性単神経炎を呈するChurg-Strauss症候群がよく知られている.本症候群では,まれに脳出血や脳梗塞を合併する以外には中枢神経が侵されることはない.このように,従来,アレルギー性疾患と中枢神経障害の関連は考えられていなかった.ところが,我々はアトピー性皮膚炎患者で頸髄に好発する特異な病像を呈する脊髄炎の存在に気づいた.本症は四肢の異常感覚(ジンジン感)を主徴とし, MRIでも頸髄後索寄りに病巣がみられる.臨床的にもMRI上の病巣においても長く存続するのが特徴である.脊髄病理は,好酸球性炎症で軸索も髄鞘も傷害される.我々はアトピー素因を背景にして起こる脊髄炎との意で,アトピー性脊髄炎との病名を提唱している.本症の発見を契機として,頸髄前角運動ニューロンを侵す平山病と気道アレルギーの関連が明らかにされるなど,アトピー素因と脊髄障害の関連を示す成績が次第に蓄積されつつある.

2 0 0 0 OA 鉄道統計年報

出版者
日本国有鉄道事務管理統計部
巻号頁・発行日
vol.昭和40年度 第8編 上編, 1966

2 0 0 0 OA 団十郎蓬芥伝

著者
鳥居清満 画
出版者
鱗形屋孫兵衛
巻号頁・発行日
1763

日本古典籍総合目録データベースに当館本のみ。青本(改装)2冊(合1冊)、題簽欠(下冊に2枚題簽の剥離痕あり)。当館蔵『青本外題張込集』1(請求記号:寄別5-4-3-7)に下冊題簽「新板/江州(こうしう)/伊吹山(いふきやま)/團十郎蓬芥傳(だんじうろうもぐさでん) 下」あり、冊次下に丸に三鱗。巻末に「未正月/新板/目録」14点の作品列記、「繪師/鳥居清信/鳥居清満」あり、未年(宝暦13年[1763])鱗形屋刊。柱題「もくさ」。
著者
福谷 遼太 門脇 伸明 河間 勇気 志野 嘉紀 松村 洋志 星野 拓也 加藤 匠 木下 哲男
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.339-340, 2017-09-09

貧乏揺すりは,一般的に悪い印象を与えるが,ストレス解消,冷え性改善などの健康効果があると言われている.我々は,グループで貧乏揺すりを競い合うエンターテインメントアプリ「エクストリーム貧乏揺すり+」の開発に取り組んでいる.本アプリは,複数のスマートフォン,LED照明,SNSと連携することで,貧乏揺すりの状況に応じたLED照明の演出,得点ランキングの自動生成と表示,評価結果のフィードバックを行うことが可能である.
著者
住浦 誠治 山本 学 長弘 行雄 池田 慶裕 武藤 正記
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.828-831, 2012-09-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
12

(目的)ばね指に対するトリアムシノロン腱鞘内注射後に屈筋腱断裂をきたした症例を経験した.(症例)37歳,男性.左小指の弾撥現象と疼痛を生じ,近医でトリアムシノロン腱鞘内注射を2回施行され症状消失した.半年後に再発.他医でさらにトリアムシノロン腱鞘内注射を3回行い症状は消失していた.最終腱鞘内注射後6カ月,力を入れた際,急に音がして左小指DIP関節が屈曲できなくなった.腱移植により深指屈筋腱の再建を行った.その際腱鞘にはトリアムシノロンと考えられる白色沈殿物の沈着が認められた.腱剥離術後3カ月で可動域はFull Rangeとなった.(考察)腱鞘炎にトリアムシノロンが著効するとして臨床の場では多く使用されている.しかし合併症として皮膚炎,脂肪萎縮,腱断裂が報告されている.しかし腱断裂の報告は稀である.本症例では結晶誘発性腱鞘炎を併発しており,トリアムシノロンの腱自体の直接作用により腱の脆弱性をきたと考える.
著者
桑原 弥寿雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1962, no.78, pp.16-41, 1962 (Released:2009-12-18)

著者は多年路線選定の業務および研究に従事し, 国鉄在職中, 選定を研究しまたは担当した路線の延長は, わが国の内外を通じて, 20000 km に近く, その後, 多少高速自動車道の路線選定にも関係した。本論文はこの経験にもとづき, 路線選定の主体をなす勾配の選定について, 基礎的理論の抽出ならびに選定技術の体系化を試みたものである。基礎理論として, まず最初に路線の価値を構成する要素と条件をあげ, ついで路線の価値比較に関する在来の諸方法について論じ, その批判にたって新たに線路運転抵抗図なるものを提案し, 選定技術に対する応用を論じた。勾配選定に関する基礎的な考察は路線の勾配を形成する要素の中から, 始終点間の高低差, 勾配の長さ, 強度および配列, 最高点, 最低点の高さなどに着目し, 経過地の地形に対する適合方法を述べたものである。また幹線経路の比較, 全国主要幹線の勾配改良について研究し, 勾配選定の具体的研究例を示した。なお, 以上の路線勾配選定に関する研究は, 理論的には, 道路, 特に高速自動車道の路線選定に応用し得るものである。
著者
伊藤 信吉
出版者
皇学館大学人文学会
雑誌
皇学館論叢 (ISSN:02870347)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.1-25, 2017-02
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.129-133, 1984-02-25 (Released:2009-05-25)
被引用文献数
1 1