著者
戸上 英憲 野呂 影勇
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.155-162, 1987-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
24
被引用文献数
6 7

VDT作業の愁訴率は, 眼および頸肩部が圧倒的に高い. 本論文は, 特に後者についての負担を軽減する目的でVDT作業台の座位身体寸法値に基づく最適な高さ決定の方法を提案した. この方法に従いキーボード置台およびCRTディスプレイ置台の高さを求め, また椅子の座面高さについても, 具体的に数値を求めた. キーボード置台の高さは, キーボードの厚みおよび脚空間のゆとりを確保すると, 現用のJIS S 1010の定める事務用机の高さである70cmより低い値が得られた. CRTディスプレイ置台の高さは, オペレータの視覚能力を十分発揮できるように視機能面からも検討した. その算出結果を実際の職場におけるオペレータ選好値と比較した結果, ほぼ等しい範囲にあり, 本設定法の妥当性が示されたVDT作業台の差尺は, 1/3座高-(4~6)cmがこの方法により求められた.
著者
武石 典史
出版者
聖路加国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、政治・政治家が教育政策過程においてどのような役割を果たしたのかを分析しつつ、教育と政治の関係性を考察したものである。政治変動により内閣と党との力関係が教育政策を左右するようになったため、内閣府が主導権を握った2000年代は、文教族による教育政策への関与が限定的となったことをあきらかにした。併せて、連立政権下において選挙協力が重視され、教育政策が選挙結果の影響力を強く受けはじめたことにより、文協族の影響力が低下したことを指摘した。また、2000年代の野党民主党における教育政策の策定過程を検討し、政党間競争・政党内競争という野党をも含めた教育政策分析の視点を提示した。
著者
丹田 誠之助 須賀 里絵
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.141-152, 2002-12-20

うどんこ病の発生が未記録のアメリカイヌホオズキでうどんこ病の発生が認められた。また,ワサビダイコン,タチアオイ,ヒメコスモス,ハマナスでは国内で同病の発生が知られていないが本研究により発病が観察され,さらに,すでにSphaerotheca属菌のアナモルフが発生するとされているパンジーでは記録と異なるうどんこ病菌を検出した。本研究ではこれらの病原菌の形態的特徴を精査し,2,3の宿主上の菌については寄生性も調べて以下のように同定した。1.ワサビダイコン(Armoracia rusticana,アブラナ科)うどんこ病菌 : Erysiphe cruciferarumの分生子時代 2.タチアオイ(Alcea rosea,アオイ科)菌 : E.orontiiの分生子時代 3.パンジ-(Viola×wittrockiana,スミレ科)菌 : Oidium violae 4.ヒメコスモス(Brachycome iberidifolia,キク科)菌 : Oidium citrulli 5.ハマナス(Rosa rugosa,バラ科)菌 : Oidium leucoconium 6.アメリカイヌホオズキ(Solanum americanum,ナス科)菌 : Oidium sp.
著者
鈴木 美緒 細谷 奎介 屋井 鉄雄
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-30, 2016-01-01 (Released:2016-01-01)
参考文献数
8
被引用文献数
3

近年,国道においても車道上自転車走行空間の整備が増えつつあるが,駐停車車両によって道路左端を占拠され,利用率が低下する問題が指摘されている.そこで本研究では,自転車の駐車車両追い越し挙動を観測し,その挙動に対する影響要因を実走観測およびサイクリングシミュレータ(CS)実験により明らかにすることで,整備において検討すべき項目を抽出した. その結果,実走観測では,車種や利用者属性の違いにより追い越し挙動が異なる傾向が見受けられ,CS 実験により,自転車レーンの整備により自動車に自転車の存在を認識させやすい追い越し挙動の実現が期待される結果となった.また,主観や車線数等の空間的な制約でデザインするのではなく,自動車交通の特性や挙動分析等によって道路を評価し,デザインする必要性が示唆される結果となった.
著者
秋下 雅弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.28-31, 2015-01-20

要旨 加齢に伴い低下するテストステロン分泌は,認知機能の低下や認知症発症とも関連することがわかってきた。地域住民を対象とした疫学研究や認知機能障害を有する患者を対象とした観察研究では,血清テストステロン濃度が低い高齢男性のほうが認知機能は低く,発症・進行が早いことが報告されている。一方,テストステロン補充療法の効果を検討した研究は少ないものの,小規模研究で認知機能の改善効果が報告されている。今後は対象を絞り込んで臨床試験を行うことと,作用機序を解明する研究が求められる。
著者
平沼 高明
出版者
医歯薬出版
雑誌
医学のあゆみ (ISSN:00392359)
巻号頁・発行日
vol.170, no.11, pp.p953-955, 1994-09-10
被引用文献数
1

2 0 0 0 OA 蜂蜜薬効論 (2)

著者
渡辺 武
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋醫學會誌 (ISSN:1884202X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.26-34, 1955-03-31 (Released:2010-10-21)
参考文献数
40
著者
鈴木 晃志郎
出版者
後藤・安田記念東京都市研究所
雑誌
都市問題 (ISSN:03873382)
巻号頁・発行日
vol.106, no.7, pp.4-11, 2015-07

1980年代以降、迷惑施設の立地に反対する住民たちの態度や行動を指して呼ばれるようになったNIMBY―。用語が広く定着する一方で、概念整理はほとんどなされてこなかった。NIMBY概念の生じた背景を振り返りながら、迷惑施設をめぐる諸問題を考える。

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1941年12月27日, 1941-12-27
著者
御手洗 菜美子
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.015-019, 2013 (Released:2013-01-29)
参考文献数
20

Messenger RNAs (mRNA), that code sequences of amino acids by using triplets of nucleotides (codons), are translated by multiple ribosomes. Usually more than one codon corresponds to an amino acid. The ribosome speed is known to dependent on the codon, thus there is a room to keep an amino acid sequence (protein) and change the ribosome speed. We model the ribosome traffic with codon-dependent rate estimated for E. coli and show that some wild type codon sequences can regulate “traffic jam” by placing slow codons at the begging of the mRNA. We discuss possible roles of slow codons in translation process.
著者
前 協子
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.101-124, 2016-09-30

『トレインスポッティング』は『ポスト・ヘリテージ映画』で既に指摘されていたように「スコットランドの貧しく未来の無いように見える“陽気で悲惨な” 若者たち」の姿を描いた映像テクストとして,反ヘリテージ映画として機能して」おり,しかしながら,「イングランド外部のローカルな空間や社会的背景にイングリッシュネスの伝統や共同体への帰属に抵抗や逃走を試みる若者たちの活写」という表象が,英国南部の上流階級のそれとは正反対のもう一つのヘリテージ文化として商品化され,消費流通する可能性がある映像作品でもあった。 本稿では「人生を選ばないということを選んだ」という捨て台詞とともに麻薬に溺れていた主人公が,一転,「オレは変わり続ける,転がり続けるんだ」と言いながら仲間から逃走し,ドメスティックな英国社会にとどまることにも背を向けてグローバルに転回していくことを選択した姿を通して,階級の再編にどのように適応しようとしていったのかを主として考察した。
著者
高橋 孝治
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.189-196, 2015

日本における教育は文系と理系に区分されている。この区分に対して今まで多くの疑義が示されてきた。本稿は文系の代表的な分野である法学と理系の代表的な分野である数学が実はその本質は同じものなのではないかというアプローチから、文理区分に対して疑義を示すものである。本稿は、文系思考とは何か、理系思考とは何か、学説対立の有無、数学者と法律家は歴史的に一体性などを見る。その結果、法学も数学も共に人間の造ったものであり、共に論理であるがゆえ解釈の違いがあることを明らかにする。さらに、その問題解決法にも類似が見られ、歴史的にも法律家と数学者は同一人物であることが多く、両者には非常に密接な関係にあることも述べる。これらのことから法学と数学は一体的なものであり、単に「文系と理系であるために異なる学問である」とすることは、法学の発展、数学の発展の双方にとっても望ましいこととは言えないと述べる。
著者
下斗米 伸夫
出版者
法学志林協会
雑誌
法学志林 = Review of law and political sciences (ISSN:03872874)
巻号頁・発行日
vol.117, no.3・4, pp.69-85, 2020-03-24
著者
織野 英史
出版者
筑波大学
雑誌
比較民俗研究 : for Asian folklore studies (ISSN:09157468)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.3-25, 1996-09
著者
趙 敏廷
出版者
岡山県立大学保健福祉学部
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 = BULLETIN OF FACULTY OF HEALTH AND WELFARE SCIENCE, OKAYAMA PREFECTURAL UNIVERSITY (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
no.27, pp.9-18, 2021-03-12

本研究は対人援助における自己成長感の概念について概観し、介護領域の自己成長感に関する今後の課題を明らかにすることを目的として文献検討を行った。CiNii を用いて教育領域、看護領域、保育領域、介護領域の自己成長感に関する文献検索を行い、基準を満たした論文54 編を分析対象とした。結果、対人援助における自己成長感の概念や関連要因が概ね確認できた。介護領域の自己成長感については、次の知見が得られた。第一に、対人援助における研究の知見を踏まえて、介護領域における自己成長感の概念について検討する必要がある。第二に、家族介護者を対象とした研究の知見を踏まえて、介護職員に焦点をあてた自己成長感に関する研究が望まれる。第三に、介護職員の多様な背景を考慮した自己成長感について検討する必要がある。今後、介護職員の自己成長感を促進する資料を得るため、介護職員の自己成長感の特徴や関連要因の解明を行う研究が求められる。