著者
柴山 真琴 ビアルケ(當山) 千咲 高橋 登 池上 摩希子
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究
巻号頁・発行日
vol.2019, no.29, pp.236-256, 2019

<p> 本研究では,小学校高学年児の国際児が,親の支援を受けながら現地校と補習校の宿題を遂行する過程で,どのような家族間調整がなされているのかを独日国際家族の事例に基づいて検討した.日本人母親が記録した約4 年間の日誌記録を「生態学的システム」の修正モデルを分析枠組みにして,家族間の調整過程を具体的に分析した結果,次の3 点が明らかになった.第一に,父母間では,対象児の学年に拘らず,自分が母語とする言語の宿題を支援する言語別役割分担を基本とする支援パターンが形成されていた.第二に,この言語別役割分担は,宿題をめぐる親子間調整の基本単位ともなっていた.現地校宿題をめぐる父子間調整は円滑に進んでいたが,補習校宿題をめぐる母子間調整では対立が頻発していた.第三に,対象児は,自分と活動(宿題遂行)との間に不具合が生じた時に,自らの環境認知に基づいて親に働きかけたり自らの行動を変化させたりする調整を行っていた.対象児の調整過程では,「役割期待」「時間展望」「目標構造」という3 つの軸が参照されていたと考えられる.</p>
著者
丹藤 進
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.29-37, 1994-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
28

The purpose of this study was to deter mine degrees of sibling resemblance from the results of longitudinal testing of intelligence and school achievement. Research data was obtained from ten elementary schools and one junior high school, all in remote areas. Yearly scores from longitudinal tests on the same children served as data for this study. Using the above data we were able to compare siblings of the same age bracket. The main results were as follows:1) Sibling resemblance in school achievement differed according to age;2) Intra-class rs between siblings tended to be higher for contiguous siblings than for noncontiguous siblings;3) Sibling resemblance tended to be greater in verbal IQ than in IQ Performance. These findings indicate that nonshared environmental factors lead to developmental differences between siblings.
著者
河角 龍典
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.156, 2004 (Released:2004-07-29)

1.はじめに 京都は,天候や自然災害に関する古記録が歴史時代を通して最も充実した地域のひとつである.水害に関する古記録もそのひとつであり,京都市内を流下する鴨川を中心にいくつかの水害史料が編纂されている.これまで鴨川の水害史は,文字として記録された災害史料をもとに,洪水の頻度やその発生メカニズムについて論じられてきた.しかしながら,過去の洪水氾濫区域の特定やその変遷については,ほとんど検討されることはなかった.また,洪水の頻度や洪水氾濫区域が,歴史時代の地形変化とどのような関係にあるのかということについても不明な点が多かった.本研究の特徴は,考古遺跡に堆積物として記録された洪水の痕跡に注目することによって,平安時代以降の地形変化や過去の洪水氾濫区域の復原を試みることにある.具体的な研究目的は,鴨川の水害史料に現れた洪水の発生頻度の変遷と平安時代以降の地形変化との関係,平安時代の地形変化と洪水氾濫区域の変化との関係について考察し,鴨川の水害史を再構築することにある.2.歴史時代の地形変化 本研究では,ジオアーケオロジー(geoarchaeology)の手法を適用し,考古学や歴史学の研究成果に対応する精度の地形環境復原を行った.その結果,鴨川流域の歴史時代の地形変化は,5ステージに区分できた.ステージ_I_(8世紀_から_10世紀頃)地形は比較的安定しているが,氾濫原と河床との比高は小さい.ステージ_II_(11世紀から14世紀頃)河床低下が進行し,扇状地が段丘化した.2mほどの段丘崖によって扇状地が段丘面と新しい氾濫原の2面に区分される.ステージ_III_(15世紀頃)段丘面においても溢流氾濫に伴う堆積が開始し,河床が徐々に上昇した.ステージ_IV_(16世紀_から_20世紀前半)自然堤防の形成と天井川化が進行し,河床はさらに上昇した.ステージ_V_(20世紀後半)1935年の鴨川大洪水を契機に浚渫工事が行われ,河床が低下した.鴨川に隣接する河川(紙屋川,御室川)では,天井川が撤去される.3.水害史料による洪水頻度の変遷と地形変化 歴史時代の地形環境復原によって明らかになった鴨川の河床変動と水害史料による50年後ごとの鴨川における洪水発生頻度の変遷とを比較した結果,両者はよく対応することが判明した.すなわち,史料に記録された洪水頻度の記録は,気候変動や流域の植生環境に加えて,鴨川の河床高度と京都の市街地が展開する地形面高度の垂直的な位置関係と密接に関係する.平安時代の前半に洪水発生回数が増加するが,この時期には,鴨川氾濫原が大半を占める平安京左京において都市開発が著しく進行した.こうした氾濫原の土地利用も洪水頻度を増加させた要因のひとつとして考えられる.4.平安時代の地形変化と洪水氾濫区域の変化 地形環境復原よって明らかになった地形変化,鴨川の河床変動,水害史料,堆積物として刻まれる洪水記録から平安時代(ステージ_I_・_II_),すなはち河床低下前後における鴨川の洪水氾濫区域の復原を試みた.ステージ_I_(8世紀_から_10世紀頃)氾濫原と河床の高度差が小さいために,鴨川の洪水氾濫区域は平安京左京の大半を占めることが判明した.この時期の洪水発生区域は,水害史料をみても,「京中」と示される頻度が高い.ステージ_II_(11世紀から14世紀頃)河床低下に伴い鴨川沿いに形成された段丘崖によって,洪水は段丘崖下の新しい氾濫原内に限定され,段丘面では洪水の氾濫する頻度が低くなった.この時期の洪水発生区域は,水害史料をみても,「京中」と示される頻度が少なくなる.5.おわりに 本研究では,従来から行なわれてきた水害史料の分析に加えて,遺跡に記録される洪水の痕跡についても検討することによって、鴨川水害史の再構築を試みた.その結果,史料による鴨川の洪水発生頻度の変遷は,鴨川の河床変動と密接に関係することが明らかになり,さらには平安時代以降の一連の地形変化によって洪水氾濫区域も変化することが判明した.今後は,こうした土地に刻まれた過去の水害の履歴をいかに防災に活用するか考える必要がある.
著者
青柳 直子 喜久田 利弘 鰺坂 正秋 池山 尚岐 梅本 丈二 嶋村 知記
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.140-144, 2008-03-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
23
被引用文献数
1

An air-turbine handpiece is used for bone cutting and tooth dissection during extraction of an impacted lower third molar. However, subcutaneous emphysema and mediastinal emphysema may develop as advanced complications. Six patients had emphysema caused by the use of an air-turbine handpiece in our department during the last 10 years. Mediastinal emphysema developed in 3 patients. The route of the air was examined by CT scanning. The findings suggested that the air extended from a lingual sparse part of the extraction cavity to the sublingual space, submandibular space, masticator space, pterygomandibular space, lateral parapharyngeal space, carotid sheath, retropharyngeal space, and finally to the mediastinum. Since the pterygomandibular space communicates with the contralateral side, air easily invades this region.
著者
村瀬 延哉
出版者
広島大学総合科学部
雑誌
言語文化研究 (ISSN:03851494)
巻号頁・発行日
no.14, pp.p18-34, 1988

Le Menteur de Corneille fut joué au théâtre du Marais, peut-être en janvier 1643. La pièce eut un grand succès. C'est une comédie très amusante, en dépit des complications d'une intrigue qu'elle a empruntée à Alarcon. C'est aussi une bonne comédie de moeurs, car l'auteur porte à la scène les moeurs de la jeunesse galante de Paris et les décrit avec un certain réalisme.Mais peut-on la considérer comme une comédie de caractère? On a fait à cette question des réponses exactement opposées. Par exemple, selon Voltaire, le Menteur est "la première comédie de caractère qui ait illustré la France". Adam, lui, est tout à fait opposé à cette opinion : "C'est dire que le «Menteur» n'est pas une comédie de caractère. Corneille a voulu naturellement que son menteur fût vraisemblable, que son portrait fût peint de couleurs justes. Mais son propos n'est nullement d'en creuser les profondeurs, de révéler les secrets de l'homme qui ment". Quant à la description psychologique d'un personnage, les lecteurs contemporains sont sans aucun doute plus exigeants que ceux du 18^e siècle. Ce qui les incite sans doute à prendre parti pour Adam : le Menteur, pour eux, n'est pas une comédie de caractère.Mais il y a une scène où, Dorante, hâbleur romanesque, excite la curiosité d'un lecteur moderne, en faisant croire à l'existence d'un autre Dorante dissimulé derrière le masque de ce jeune homme sympathique. Au dénouement, il nie son amour pour Clarice à qui il a fait la cour depuis le début de la pièce et avoue qu'il aime Lucrèce, amie de Clarice; néanmoins, dans la Suite du Menteur, il l'abandonnera elle aussi, la veille de leurs noces. Cette inconstance, cette cruauté du héros nous dégoute un peu. C'est pourquoi Nadal critique le dénouement, en prenant à son compte les mots de Péguy : "Le dénouement du «Menteur» ne paraît pas répondre à «la comédie du noble jeu» menée jusque-là sans défaillance. Il reste étranger au caractère de Dorante et à la nature même de son mensonge. Découvert, le Menteur soutient qu'il a vraiment joué la comédie visà-vis de Clarice. C'est- la première veulerie, la première laideur. Le cœur lui-même ment; l'amour se nie. A la vérité, on ne comprend plus".Sa cruauté rappelle celle d'Alidor, héros de la Place Royale. De peur d'épouser sa bien-aimée, Alidor lui aussi l'abandonne et la livre à son ami. Dorante, qui est en apparence un joyeux drille, éprouve sans doute au fond la même inquiétude qu'Alidor, une sorte de complexe vis-à-vis des femmes.Si l'on essaie de comprendre le Menteur en le comparant à d'autres pièces de Corneille on peut s'attendre à de nouvelles révélations sur le caractère du héros.
著者
大城 貞俊 OSHIRO SADATOSHI
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 (ISSN:13453319)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.57-70, 2012-06

沖縄県が生んだ近代・現代を代表する詩人に山之口貘がいる。山之口貘は、戦前期の日本社会に残っていた負の遺産としての沖縄差別や貧困を、平易な日常語で詩の言葉として紡ぎ、ユーモアとペーソス溢れる詩世界を構築した。山之口貘の詩は、文科省検定の小学校、中学校、及び高等学校の国語科教科書で採用され紹介されている。また、沖縄県で作成された国語科副読本の中でも、代表的な詩教材として定着している。本論では、「差別」「偏見」「推敲」「言葉」「地域」「詩教材」「書くこと」などをキーワードに、山之口貘の詩を通して、地域教材がひらく可能性を考えてみた。山之口貘の詩には、言葉との格闘があり、同時に伝統的な言語文化の視点がある。また、「書くこと」の意義が具体的に伝わってくる。山之口貘の詩を学び、国語科教材としての授業展開を検討することは、グローバル社会における詩教材の可能性を考えることに大いに役立つものと思われる。
著者
E. N. Lightfoot E. L. Cussler R. L. Rettig
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.480-490, 1964-06-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
52
被引用文献数
2 2

2 0 0 0 力士の麻酔

著者
玉井 久義
出版者
克誠堂出版
雑誌
麻酔 (ISSN:00214892)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.p739-744, 1995-05
被引用文献数
2
著者
藤井 庸祐 大条 紘樹 広田 喜一
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.164-169, 2021-02-01

2020年1月,中国で新興感染症が発生している1)らしいというニュースを目にした。2月頃にはダイヤモンド・プリンセス号が連日テレビを賑わせ,いつのまにやら日本国内に感染者が急増していた。 筆者(藤井)の所属先も「不要不急の手術」は中止もしくは延期となった。不要不急の手術とはいったい…という筆者の疑問を尻目に手術麻酔の件数は減少し,代わりにICU患者の管理であったり,COVID-19疑い患者の呼吸状態が悪化して挿管を頼まれたりと,手術麻酔以外の業務を行うようになった。 手術室で過ごす時間が減った代わりに,ネットでCOVID-19関連の情報を集める時間が増え,そこでTwitterのとあるアンケートを目にした2)(図1)。Twitterとは,匿名・実名どちらでも利用可能なsocial networking service(SNS)の一つで,140文字以内で投稿,すなわち「つぶやく(tweet)」ことができる。筆者が目にしたのは,2015年から追加されたアンケート機能を利用したものだった。 これを見て「COVID-19流行期における全国の全身麻酔件数はどれくらいか推定できないだろうか」と思い立ったのが本稿執筆の経緯である3)。
著者
広田 喜一 村田 宮彦 新宮 興
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.1125-1127, 2020-11-01

酸素は麻酔・集中治療にかかわる者にとって最も重要なガス状分子です1)。酸素が,ミトコンドリアでの酸化的リン酸化によるATP産生に必須な分子であると同時に,活性酸素の発生を通じて組織障害を引き起こす可能性をもつという両義性のある分子だからです2)。2019年のノーベル生理学・医学賞は,酸素が足りない状態である低酸素の感知機構の基礎研究に与えられました3,4)。臨床現場で麻酔科医は,動脈血の酸素濃度をガス分析またはパルスオキシメータで頻繁にというか常時確認しながら患者管理を行っています。本稿は,この酸素の運搬に深くかかわる論考です。
著者
松川 志乃 広田 喜一
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.852-857, 2020-08-01

手術を契機として生体に炎症応答が惹起される。周術期炎症反応の評価に,サイトカインなどの炎症マーカーが指標となると考えられている。マーカーは重症度の評価や予後予測の指標としての利用も期待される。一方,炎症応答には個人差が大きいことが知られており,患者の遺伝的背景によってマーカーの変化を含む炎症応答に差異が生じている可能性がある。 本稿では,周術期炎症マーカーについて現状と課題,今後の展望について概説する。

2 0 0 0 味噌飲料

著者
大野 彰一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.12, pp.885-891, 2000

"ご飯と味噌汁" は, われわれ日本人の食事の原点である.現在でも, 味噌の用途のほとんどは味噌汁用で, 一部が鍋料理など料理用, たれ, 味噌漬などに使われる。しかし, 昨今の食の洋風化, 米ばなれなど食生活の変化に伴い, 味噌入り洋風スープ, サラダドレッシングなど, 新しい味噌利用の調理例も多い。多様化する消費者のニーズとあいまって, 味噌を用いた新商品も多数販売されているが, 飲料の分野に味噌を用いた商品例は未だない。筆者は, 味噌の栄養成分, 機能性に着目され, 味噌の飲料原料としての適性を検討され, 味噌を用いた保健飲料, その製造技術を開発され, 商品化の可能性も示された。この味噌飲料について, 詳細に解説していただいた。

2 0 0 0 OA 軍用記 7巻

著者
伊勢貞丈 著
出版者
須原屋佐助
巻号頁・発行日
vol.[4],
著者
万田 正治 堤 知子 山本 彰治
出版者
鹿児島大學農學部
雑誌
鹿児島大学農学部学術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
no.34, pp.p75-82, 1984-03

日本ザーネン種(雌雄各3頭), 日本在来種(雄2頭, 雌3頭)の計11頭を用い, 脳波と眼球運動の測定により山羊の睡眠について検討を行った.1.1日の総睡眠時間は, 日本ザーネン種雄200.4分, 雌233.6分, 日本在来種雄89.9分, 雌111.2分となり, 日本ザーネン種の方が有意に多かった.このうち日本ザーネン種ではN-REM睡眠はREM睡眠の約2倍であったが, 日本在来種では両者間に差は認められなかった.1日における睡眠の出現頻度においてもN-REM, REM睡眠ともに日本ザーネン種の方が有意に多く, とくにN-REM睡眠で顕著であった.1睡眠当りの持続時間については, N-REM睡眠では日本ザーネン種の方が長い傾向が見られたが, REM睡眠ではすべての山羊で4〜5分とほぼ一定であった.したがって睡眠時間はおもにN-REM睡眠の出現頻度と持続時間に左右されるものと考えられる.2.1時間毎の平均睡眠時間を算出し, 睡眠の日内変動を検討したところ, 睡眠はどの時間帯にでも出現するが, 昼間よりも夜間に多い傾向が認められた.これはとくに日本ザーネン種で顕著であり, 昼間の2倍以上の睡眠を夜間に取った.3.環境変化が睡眠にどのような影響を及ぼすかを温度と照明時間について検討した結果, REM睡眠の出現頻度に多少の変化が見られたが, 1日の睡眠時間に有意な差は認められなかった.したがって, 温度や照明時間の変化は睡眠を阻害するまでには至らないものと推察される.
著者
川上 輝昭
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.154-159, 2008-08

労働能力が劣る精神や身体に障害のある者は、都道府県労働局長の許可を受けたときは最低賃金の適用が除外(最低賃金法第8条)されることになっている。その理由は、使用者の負担を軽くすることで障害者の雇用拡大を図ることができるためと説明されている。そもそも最低賃金とは、人が人として暮らしていくための最低限必要な金額であり、これを下回ることは最低生活以下の生活を余儀なくされることである。労働効率が低いために最低賃金すら保障されないという制度は、賃金の全てを使用者負担としているところに問題がある。障害者の就労に際しては賃金の一部を公的に保障していく制度が必要である。最低賃金適用除外の法律は1959年に制定されたものであり、すでに50年が経過している。障害者をめぐる国の内外の状況も大きく変化してきており、障害者がその人らしく就労を通して生きがいをもって社会参加できるよう抜本的な制度改革が必要である。