著者
安田 かづ子 細江 容子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.52-60, 2004-07-31 (Released:2010-02-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

中高年女性の性の問題は, 更年期に特有のものと理解されることが多い。しかし, 性のあり方は結婚生活とも密接に関連しており, 性の問題は, パートナーとの関係性の中でも捉えられる必要がある。本研究では, (1) 配偶者に対する感情と性の満足の評価との関係, (2) 更年期と性の満足の評価との関係を明らかにすることを目的とした。性の満足には, これまでの性の快感の程度が大きく影響をしていることが明らかとなったことから, これまでの性の関係の累積性が性の評価に関わると言える。また, 更年期の影響は, 情緒的要因の嫌でも応じた性の有無にみられたことから, 中高年期は夫と妻の性の欲求の差が更年期に大きく感じられると推測される。
著者
林 拓児 石川 定 河村 隆史 中川 大樹 川平 和美
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.129-132, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
15
被引用文献数
1

〔目的〕通所リハビリテーション利用中の慢性期脳卒中片麻痺者に対して促通反復療法(治療的電気刺激・振動刺激併用)を低頻度で施行し,片麻痺上肢の麻痺改善効果を検討した.〔対象と方法〕通所リハビリテーション利用中の慢性期片麻痺者43名を対象に,麻痺側の上肢と手指に30分間,週2回の低頻度で12週間,治療を実施した.実施した治療法により伝統的な片麻痺治療法群と促通反復療法群に分け,上田式12段階片麻痺機能テスト法による評価をもとに,治療前後の麻痺の程度,改善度,有効率(改善人数/対象者数)を2群間で比較した.〔結果〕促通反復療法が伝統的な片麻痺治療法よりすべての指標において有意に高い麻痺改善の効果を示した.〔結語〕促通反復療法は低頻度でも有効な慢性期脳卒中片麻痺の治療法として今後の発展が期待できる.
著者
服部 俊夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.94, no.9, pp.1915-1920, 2005-09-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6

2 0 0 0 OA 睡眠と健康

著者
高田 真澄
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.22-26, 2018 (Released:2018-01-31)
参考文献数
43
被引用文献数
6

Since World War II, Japan has achieved remarkable economic development and has become an advanced country. Particularly in the industrial field, a production system has been developed to reduce the loss of machining time by adopting a shiftwork in factories operating 24 hours a day, which contributes to the improvement of productivity. Nowadays, this shiftwork practice has spread from the industrial field to other businesses such as 24-hour entertainment facilities and convenience stores, which lead to sleep deprivation in Japanese society. Even at home, certain conditions adversely affect sleeping habits. We are concerned about the risks of physical and mental health, impairments posed by the use of tablets, PCs, smartphones, and other devices so popular in today’s Japan, as they delay sleep. It is urgent to improve poor sleeping habits because their outcomes such as sleep disorders and deprivation may also lead to traffic and industrial accidents.
著者
UTMS協会編
出版者
UTMS協会
巻号頁・発行日
2016
著者
浅田 昭 山本 富士夫 徳山 英一 矢島 広樹
出版者
海洋調査技術学会
雑誌
海洋調査技術 (ISSN:09152997)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.37-77, 2003-03-31
参考文献数
28
被引用文献数
1
著者
西内 舞 川崎 弘作 後藤 顕一
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.113-123, 2018-07-31 (Released:2018-08-22)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では, 自己決定理論から動機づけを捉え「理科学習の意義の認識」が「相互評価表を活用する学習活動(以下, 相互評価活動と略す)への動機づけ」にどのような影響を与えているかについて明らかにすることを目的とした。本目的を達成するために, まず, 学習者が認識している「理科学習の意義の認識」と「相互評価活動への動機づけ」を測定するための質問紙を検討, 作成した。次に, 高校生を対象にこれらの質問紙による調査を実施し, 調査結果を基に「理科学習の意義の認識」が「相互評価活動への動機づけ」にどのような影響を与えているかについて共分散構造分析により明らかにした。その結果, 理科学習を通して, 学習者自身が, 「理科学習の意義の認識」を「科学的能力」が身に付くと捉えると, 「相互評価活動への動機づけ」のうち, 自律性の高い「同一化・成長」の動機づけに正の影響を与え, 自律性の低い「外的調整」には負の影響を与えていることが明かになった。また, 「理科学習の意義の認識」を「科学と身近な自然や日常生活の理解」と捉えると, 「相互評価活動への動機づけ」のうち, 自律性の高い「内発的調整」, 「同一化・成長」, 「同一化・将来」の動機づけに加え, 自律性の低い動機づけである「取り入れ・他者」にも正の影響を与えていることが明らかになった。つまり, 「理科学習の意義の認識」を「科学と身近な自然や日常生活の理解」と捉えると, 自律性の低い動機づけまで高めてしまう危険性が示唆されたと考えられる。
著者
Takahiro KUNISADA Ken-ichi SHINODA
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
Journal of the Anthropological Society of Nippon (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.471-482, 1990 (Released:2008-02-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

縄文時代人骨3体から DNA を抽出し, PCR 法を用いてミトコンドリア DNAを増幅して解析を行い,その方法論的な問題点を考察した。今回用いた方法では,試料の保存状態•部位にかかわらず,ほぼ安定して DNA の分離と増幅が可能であり,その有効性が確かめられた。分離された DNA は,そのほとんどがヒト由来のものではなかったが, PCR 法によりヒトミトコンドリア由来の DNA の増幅を確認することができた。ミトコンドリア DNAのV 領域および D ループ領域に対する制限酵素を用いた解析では多型は検出できなかった。しかし増幅した V 領域の塩基配列を決定したところ,1個体では1箇所の変異が見出された。
著者
黒田亮著
出版者
大空社
巻号頁・発行日
1998
著者
渡会 勝義 新村 聡 小峯 敦 石井 穣 江里口 拓
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

経済学の歴史において、人口は国民の貧困や福祉に重大な影響を与える要因として、常に注目されていた。本研究ではこの視点を各国比較の参照枠として捉え、フランス、イタリア、インドなどを具体的に取りあげた。その結果、現在の経済学では所与と捉えがちな人口という条件が、人々の生活(つまり貧困や福祉)にいかに影響を与え続けてきたか、という歴史的な教訓を再確認することができた。科研費メンバーはそれぞれ、リヨン(フランス)、サレント(イタリア)など各地に赴き、現地の研究者と交流することで、今後、この論題を発展する手がかりをつかむこともできた。
著者
山崎 翔子 岩本 百合子 金谷 和明 畠山 薫 上原 さとみ 鈴木 淳
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.495-499, 2019-08-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
30

都内ペットショップで飼養されている犬及び猫の病原体保有状況を調査した.54施設において,犬364頭から糞便355検体及び被毛361検体,猫113頭から糞便111検体及び被毛112検体を採取した.動物由来感染症の病原体として,Campylobacter jejuni(犬糞便5検体),Giardia intestinalis(Assemblage A)(猫糞便2検体),病原大腸菌(EPEC O119:NM)(猫糞便1検体),皮膚糸状菌(犬被毛4検体,猫被毛4検体)が検出された.施設内に病原体が持ち込まれることを前提とした検疫体制の整備と,施設内での交差汚染を防ぐための衛生管理が重要であると考えられた.