2 0 0 0 OA KOH直接鏡検

著者
畑 康樹
出版者
日本医真菌学会
雑誌
Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.7-9, 2013 (Released:2013-03-08)
参考文献数
6
著者
中村 修也
出版者
文教大学
雑誌
教育学部紀要 = Annual Report of the Faculty of Education (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.57-78, 2013-12-01

663年の白村江の敗戦以後の日本の社会を、唐の占領政策のもとにいかに展開したかを描いた。従来の説では、唐による占領政策はなかったものとして、両国は戦争をしたにもかかわらず、友好関係を維持し、日本は唐にならって律令制を導入したと論じられてきた。これは戦争という現実から目をそむけた論に過ぎない。本論では、郭務悰という唐からの占領軍事司令官のもとで、いかに占領政策が行なわれたかを『日本書紀』を新たに解釈しなおすことで明らかにした。また、新羅の反唐政策によって、唐は半島・日本から撤退せざるをえなくなり、日本も唐の占領政策から脱することができたことを論じた。
著者
小椋 義俊
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.175-186, 2011 (Released:2011-09-28)
参考文献数
33

腸管出血性大腸菌(EHEC)は,出血性大腸炎や溶血性尿毒症症候群などの原因となる病原性大腸菌である。代表的なEHECであるO157については,2001年に全ゲノム配列が解読され,その後の解析でO157株間には有意なゲノム構造の多様性が存在することが明らかとなってきた。本研究では,その多様性を遺伝子レベルで詳細に解析し,病原遺伝子を含めた遺伝子レパートリーにも予想以上の多様性があることを明らかにした。また,O157以外の主要な血清型のEHEC(non-O157 EHEC)の全ゲノム配列を決定し,O157や他の大腸菌との全ゲノム比較解析を行うことにより,O157とnon-O157 EHECが異なる進化系統に属するにも関わらず,病原遺伝子を中心とした多くの遺伝子を共通に保持し,それらの共通遺伝子群の大部分はプロファージやプラスミドなどの可動性遺伝因子上にコードされていること,しかし,これらのファージやプラスミドは異なる由来を持つことなどを明らかにした。従って,O157とnon-O157 EHECは,それらの可動性遺伝因子群を介して類似した病原遺伝子セットを獲得することによって,それぞれEHECとして独立に進化(平行進化)してきたと考えられる。さらに,本研究では,腸管病原性大腸菌(EPEC)のゲノム解析を行い,代表的EPEC菌株が保有する病原遺伝子セットの全体像を明らかにした。
著者
柴 眞理子 田中 朱美
出版者
人体科学会
雑誌
人体科学 (ISSN:09182489)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-47, 1993-04-30
被引用文献数
1

本研究は、創造的自己表現を主目的にして、精神病院入院中の患者を対象に、1991年から2週間に一度の割合で実践してきたダンスセラピーについて、その展開と経過について検討することであった。セラピーとしてのダンスの機能を、心身の開放、個人を創造的に表現する、他人とのコミュニケーションをはかる、と捉え、これを軸として1回のセッション(60分)を5つのパートで構成した。(フォークダンス、身体のいろいろな動かし方の研究、表現の課題、個人発表、感想)毎回のセッションをVTRに記録し、指導者による患者の観察・ダンスの評価、患者の感想、及び主治医の所見・VTRをみての感想、医師(共著者)とのインタビューを資料とした。今回は33歳と、42歳の女性患者の場合を事例として取りあげた。その結果、二人は共に、音楽に敏感であり、自由に自分を表現することに喜びを感じ、他の人ダンスをみて、それぞれをすばらしいと感じ、更にそれを自分の中に生かしたいと感じているが、これらは、患者のダンス体験が学生のダンス体験と同じであり、ダンスは、自分の内との、また他の人々とのコミュニケーションであり、同時に自己実現の欲求と充足をもたらすものであることを意味する。また、二人の主治医が、患者のダンスをみることは、医師が今まで知らなかった意外な面に接する機会となるし、ダンスは患者の感情面や行動面に一時的な効果があると述べている。従って、筆者らが展開したダンスの活動は、患者が創造的自己表現の喜びを体験することにより、精神科の治療としての可能性が認められ、その意味から、今回のダンスの活動はセラピーと呼びうると言うことが明らかになった。以上のように、本研究の結果、創造的自己表現に立脚し、また気の場(心の交流)大切にする筆者らのダンスセッションは、ダンスセラピーとしての可能性が認められたので、今後は、「場」の問題にアプローチすると共にダンスセラピーと疾患の経過、治療的意義などについて検討する予定である。
著者
遠藤 由美
出版者
日本感情心理学会
雑誌
エモーション・スタディーズ (ISSN:21897425)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.42-49, 2015-10-01 (Released:2017-04-24)
参考文献数
65
被引用文献数
1

Empathy is a source of altruistic behavior by offering kind help for people in distress, and so regarded as a good thing, sometimes a precondition of morality. Empathetic friends and family doubtlessly make us feel warm. It does not follow, however, that empathy is prosocial. Society where we are living now is globalized one big society with a goal of living all together in harmony, including not only people in intimate sphere but dissimilar others from different groups. We would ask how empathy works and what effects of it are in this modern social context. It is discussed that intergroup empathy bias may enlarge conflicts between groups and empathy directed toward in-group victims potentially changes into angry and violence against enemy, even into the vicious cycle of violence.
著者
清水 奈名子
出版者
日本感情心理学会
雑誌
エモーション・スタディーズ (ISSN:21897425)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.50-55, 2015-10-01 (Released:2017-04-24)
参考文献数
26
被引用文献数
1

Despite countless international efforts for the peaceful resolution of armed conflicts, why are so many conflicts still observed today? To find an answer to this question, the author seeks to test the following hypothesis; it is difficult to find the root causes of armed conflicts because peace and conflict studies have not paid much attention to research on human emotions. By reviewing previous studies, this hypothesis has been proven true for the following reasons. Firstly, the so-called “rational model” in conflict studies (including the areas of International Law, International Relations and International Politics) does not reflect peoples' felt emotions such as hatred and fear. Secondly, the present international system is not designed to handle politically motivated, aggressive emotions properly. As a conclusion, this essay notes that a pro-social emotion such as empathy does not necessarily prevent conflicts. Interdisciplinary research efforts concerning armed conflicts are needed so that the “vulnerable human model” which indicates a person who can easily switch from victim to aggressor or vice versa will replace the “rational model” in the future research.
著者
榑松 久美子 黒田 裕子
出版者
日本クリティカルケア看護学会
雑誌
日本クリティカルケア看護学会誌 (ISSN:18808913)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.89-97, 2006 (Released:2015-05-19)
参考文献数
24
被引用文献数
1

突然に発症し,意識障害に至った患者の配偶者の心理社会的な体験を記述し,看護支援を探求することを目的とし,一事例に基づいて探究した.参加者は,くも膜下出血で集中治療終了後も GCS8 以下の意識障害が続いた 50 歳代女性患者の配偶者(夫)50 歳代 1 名であった.参加観察法,半構成的面接法に加え,診療録・看護記録から得たデータをもとに,患者の病状が変化した時点,および配偶者の言動が変化した部分に注目し,配偶者の体験の意味を解釈した.分析の結果,配偶者の心理社会的体験は,第 1 段階:妻が生き抜くことをひたすら望む,第 2 段階:意識が障害された妻を受け入れることに葛藤する,第 3 段階:意識が障害されてしまった妻の存在とは何かを考え,今後の人生をどのように生きていくかを模索する,の 3 段階に変化することが明らかとなった.この中で配偶者は,身近に存在する他の家族や状況を理解する医療者に支えられ,意識障害となった妻を受けとめていたと考えられた.各段階の特徴を読み取り,配偶者の安寧を目指した適切な看護支援を行う必要性が示唆された.
著者
丸山 松彦
出版者
玉川大学芸術学部
雑誌
芸術研究 : 玉川大学芸術学部研究紀要 (ISSN:18816517)
巻号頁・発行日
no.4, pp.13-24, 2012

本論文は映画《トイ・ストーリー》のキャラクターが、オモチャらしい人格を手に入れる過程を考察することで、アニメにおけるキャラクターはアイデンティティを獲得できるのかを明らかにしたい。あるいは、獲得できない理由を明らかにしたい。 また《トイ・ストーリー》には作品世界と現実世界を巧妙につなぐ仕掛けが施されていることにも注目する。それはアニメの中でキャラクターはオモチャであるが、現実世界でもオモチャとして販売されていることである。これは他の作品における、オモチャとキャラクターの関係とは異なった特異な状況といえる。 本論文はこの2点を軸に考察することで、キャラター、オモチャがいかなる関係をもち、どのように作品とその世界観を構築しているかを明らかにしようとするものである。 なお筆者は博士論文において写真における差異の問題について論じたが、本稿ではこの理論をアニメの分野に適用するものとする。
著者
Anawat SUPPASRI Panon LATCHAROTE Tanuspong POKAVANICH Khaled AL-SALEM Abdullah Al-Enezi Shinji TODA Fumihiko IMAMURA
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_1675-I_1680, 2016 (Released:2016-11-15)
参考文献数
10
被引用文献数
3

The Arabian Gulf (also known as Persian Gulf) region is one of the most important oil producers to fuel the world and most of the population is located along the coasts. The present study aimed, for the first time, to carry out some preliminary assessment of the tsunami hazards in the Arabian Gulf region using numerical model. This study tsunamis generated by submarine earthquakes with the earthquake magnitude (Mw) of 8.3-9.0 along the Makran Subduction Zone (MSZ) and surface landslides with the volume of 0.5-1.0 km3 along Iranian coast inside the Arabian Gulf. TUNAMI model was applied in this study to predict the tsunami propagation. The model adopts the staggered leap-frog scheme to solve shallow water equations describing nonlinear long-wave theory. GEBCO 30 arc-second grid data was used as bathymetry and topography data for tsunami numerical simulation. This size of the computational grid was ascertained by many previous studies for its suitability in evaluating tsunami hazards in this region. For surface landslides, tsunami generation was simulated using a two-layer numerical model developed by solving nonlinear long-wave equations within two interfacing layers with appropriate kinematic and dynamic boundary conditions at seabed, interface, and water surface. In case of the earthquakes along MSZ, Mw 8.3 has low impact to locations inside the Arabian Gulf. Mw 8.6 has considerable impact mainly at the Gulf entrance meanwhile Mw 9.0 has high impact at the Gulf entrance and negligible impact for the whole Gulf region. In case of the surface landslides inside the Arabian Gulf, the impact is rather local but major near the sources. Detailed estimation of landslide volume, tsunami simulation using very fine topography and bathymetry data and coupling tide and tsunami wave modeling will be considered for the future works.

2 0 0 0 OA 律原発揮

著者
中根璋 編
出版者
梅村弥白
巻号頁・発行日
1692
著者
LIPPS M. J.
雑誌
J. Phycol.
巻号頁・発行日
vol.9, pp.237-242, 1973
被引用文献数
1 2
著者
木下 良正 原田 篤邦 大成 宣弘 横田 晃
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.111-117, 2004-03-01 (Released:2017-04-11)

症例は71歳女性. 2ケ月前より左眼窩部痛と軽度の複視を主訴に来院した. 左眼の外転と外下方のわずかな眼球運動障害を認めるのみで眼球結膜充血や眼球突出, 眼圧の上昇もなかった. 血管撮影にて両側内頸動脈と外頸動脈から左上眼静脈へ多くのシャント血流が認められたが, 流出路がよく発達しているため塞栓術を施行しなかった. 退院3週間後, 左眼の完全眼球運動障害が出現し再入院となった. 神経学的には左眼痛の増悪および全方向性の複視, 左眼の全外眼筋麻痺を認めたが, 眼球結膜の充血はなく眼圧の上昇もなかった. 血管撮影にてシャント量はむしろ減少し流出路の顔面静脈の造影は不良となっていた. 下錐体静脈洞経由で海綿静脈洞の塞栓術を施行し症状の改善を得た. 軽微な複視と眼痛で発症し, 結膜充血を伴わず急速に症状が悪化した特発性頸動脈海綿静脈洞瘻症例を経験したので報告した.
著者
有富 智世
出版者
常葉大学経営学部
雑誌
常葉大学経営学部紀要 = BULLETIN OF FACULTY OF BUSINESS ADMINISTRATION TOKOHA UNIVERSITY (ISSN:21883718)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1・2, pp.1-15, 2018-02-28

自然主義作家エミール・ゾラ(1840-1902)と作家兼諷刺画家アルベール・ロビダ(1848-1926)は、同時代に生き、双方、ジャーナリストおよび批評家としても活動した。また、実証主義と科学主義が権勢を振るう中、両者の鋭い観察眼と時代を見据える客観的なまなざしは、当時においてはメディアとして機能し、現代においては19 世紀後半のフランス社会を臨場感溢れる視覚化で我々に呈するものとなり得ている。 ゾラは「ルーゴン=マッカール」叢書(1871-1893)、第11 巻『ボヌール・デ・ダム百貨店』(1883)で、オクターヴ・ムーレを主人公に第二帝政期(1852-1870)における商業界の動向を描いた。その際、作家は実在のボン・マルシェ百貨店やルーヴル百貨店の詳細な記録を基に本小説を執筆している。また、我々は女主人公ドゥニーズの視点を通して、消費の宮殿デパートの誕生、新旧商法の対立、大衆消費社会の原点と構造に立ち会うことができる。 他方、ロビダは空想科学小説『20 世紀』(1883)の著者として知られているが、1880 年以降、諷刺新聞『カリカチュール』(1880-1904)の編集長も務めた。本紙の創刊号で、ゾラの小説『ナナ』(1880)を取り上げて以降、 ロビダは自然主義の芸術的活動と反響をとめどなく追っていく。『ボヌール・デ・ダム百貨店』も発表されるや否や、すぐに小説を一枚の戯画に翻案して本紙に掲載している。 そこで本稿では、小説と挿絵の関係からではなく、小説と風刺画の照応というロビダの“イマージュの批評”を介してゾラの小説の解読を試みた。ゾラとロビダが捉えていた“同時代のまなざし”による考察は、消費文化の興隆により生じた様々な社会的側面に注視させるとともに、機械文明がもたらす負の側面をも明瞭にすることを論証した。