著者
児玉 明 鈴木 俊哉
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.1020-1032, 2005-07-01 (Released:2011-08-17)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

We often use simulcast video data to provide multi-quality video over broadband networks. However, this is not superior from the viewpoint of efficient transmission and data storage. Moreover, scalable coding was selected as an MPEG standard, but the fact that the scaled bitstream cannot be reconstructed by a generic decoder is a problem. Previously, proposed updatable scalability adapted generic decoders in simulcast. Therefore, in this paper, we propose a video cache and delivery method with scalable architecture. Through simulation experiments, we found that scalable architecture is better in user access models than simulcast, which is explained in this paper.
著者
竹辺 靖昭 湯淺 太一
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.43, no.SIG08(PRO15), pp.98-109, 2002-09-15

現在の多くのWeb サイトでは,Web サーバ上で動作するプログラムで,データベースへのクエリを行い,動的にWeb ページを生成する処理が行われている.我々は,部分評価の手法を応用し,こうした動的Web ページの生成を高速化するシステムを開発している.このシステムは,Web サイトの開発において広く使用されているPHP という言語を対象とした部分評価器と,部分評価によって生成されたプログラムをWeb サーバに配置するシステムからなる.この部分評価器は,更新の頻度が低いデータを静的と見なすことにより,これらのデータへのクエリを部分評価時に行うことができる.部分評価および生成されたプログラムの配置は,これらのデータが更新されるタイミングなどで行われる.Web ページを生成する時点では,変換結果に残された動的な部分のみが実行される.これにより,リアルタイムに更新される情報を含むページやパーソナライズ機能を持つページなど,さまざまなタイプの動的Web ページを生成する負荷を低減することができる.本論文では,このシステムで使用している部分評価の手法および実装方法を紹介するとともに,パーソナライズ機能を持つWeb ページなどに対して実際にこの手法を適用した結果を報告する.
著者
味元 伸太郎 水口 貴之 橘 昌良
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLDM, [システムLSI設計技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.43, pp.13-17, 2005-05-19
参考文献数
3

本論文では、加算器の形式別の消費電力・面積・速度の比較結果について報告する。今回報告する加算器の形式は、Ripple carry adder, Carry look-ahead adder, Carry select adder, Carry skip adder, Carry save adder, Hybrid adderの6形式である。形式別に加算器を設計し、速度、面積、消費電力についてシミュレーションを行うことにより、システムを構築する際に最も適した演算形式を選択するための参考データを得る。
著者
佐藤 暢哉
出版者
日本動物心理学会
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.1006220065-1006220065, (Released:2010-07-01)
参考文献数
67

Episodic memory is defined as a memory system that consciously carries out recollecting one's subjective past experience and re-experiencing it. Through these mental activities, episodic memory is thought to make mental time travel retrospectively and prospectively possible, which is sometimes considered to be unique to humans. However, after a seminal study in scrub-jays by Clayton & Dickinson (1998), animal models of episodic memory have been developing and are starting to affect the concept of human episodic memory itself. This paper will concentrate on reviewing the studies that could encourage nonhuman animals to utilize memory — the properties are consistent with current definition of human episodic memory. Additionally, a discussion on the possibility to divide the system of episodic memory into two sub-processes and to study in animals the sub-processes of episodic memory will be undertaken.
著者
赤間 怜奈 渡邉 研斗 横井 祥 小林 颯介 乾 健太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1N203, 2018 (Released:2018-07-30)

本研究は,教師なし学習によりスタイル(言葉遣いや文体など)の類似性を捉えるを試みる初めての研究である. 本研究では「スタイル」の類似性を捉えるベクトル空間を構築するに当たり,「同一発話内に含まれる単語は同一のスタイルを持つ」という仮定を置く. この仮定に基づき,同一発話内の単語を予測できるようなベクトルを構成することで,スタイルの類似性を捉えた単語ベクトル空間を獲得する手法を提案する.我々が期待する単語ベクトル空間とは,(「意味」は近くとも)「スタイル」が大きく異なる``俺''と``私''は遠くに配置され,(「意味」は異なっているとしても)「スタイル」が似ている``俺''と``だぜ''が近くに配置されるような空間である. さらに本研究では,スタイルの類似性を包括的に定量評価する手法を提案し,そのための評価データセットを新たに作成する. 提案手法により獲得した単語ベクトルが,スタイルの類似性を捉えていることを定量的および定性的に示す.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1812, pp.66-71, 2015-10-19

昨年、提携拡大を発表。日韓台でオプジーボに加え、BMSが持つがん新薬4製品も両社で共同開発することが決まった。BMSの営業部隊約200人と協力し、複数のがん治療薬を売り込む。日韓台では逆に小野薬品が売上高の4%と利益の20%を支払う。
著者
吉田 隆雄 幸田 健一 中尾 進太郎 大山 行也
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.146, no.2, pp.106-114, 2015
被引用文献数
1

ニボルマブ(遺伝子組換え)[商品名:オプジーボ<sup>®</sup>点滴静注20 mg,100 mg,以下ニボルマブ]は,ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であり,「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として,2014年9月より世界に先駆けて日本で発売された新たな免疫チェックポイント阻害薬である.非臨床試験において,ニボルマブは,ヒトPD-1の細胞外領域に特異的に結合し,PD-1とPD-1リガンド(PD-L1およびPD-L2)との結合を阻害した.また,ニボルマブは抗原刺激によるヒトT細胞の増殖およびIFN-γ産生を増強し,悪性黒色腫患者T細胞を用いた悪性黒色腫抗原ペプチド再刺激系においては,腫瘍抗原特異的CD8陽性T細胞およびIFN-γ産生細胞を増加させ,ヒト悪性黒色腫細胞に対するCD8陽性T細胞の細胞傷害活性を増強した.さらに,ニボルマブは各種抗原を接種したサルの細胞性および液性免疫応答を増強し,抗マウスPD-1抗体4H2は,マウス同系担がんモデルにおいて腫瘍組織中の免疫関連遺伝子の発現量を増加させ,抗腫瘍効果を示した.このようにニボルマブは,PD-1とPD-1リガンドとの結合を阻害し,抗原特異的なT細胞の増殖,活性化およびがん細胞に対する細胞傷害活性を増強することで抗腫瘍効果を示すことから,悪性腫瘍に対する新たな治療薬になると考えた.臨床試験において,悪性黒色腫患者を対象とした国内第Ⅱ相試験にて有効性,安全性および忍容性が確認されたことから,ニボルマブは悪性黒色腫の有用な治療薬となりえることが示された.本試験結果を踏まえ,2013年12月に製造販売承認申請を行い,2014年7月にニボルマブは世界初の抗PD-1抗体として製造販売承認を取得した.現在,様々ながん腫に対するニボルマブの臨床試験が実施されており,今後ニボルマブが,がん治療の選択肢を広げるものと期待される.
著者
大浦圭一郎 間瀬 絢美 山田 知彦 徳田 恵一 後藤 真孝
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.1, pp.1-8, 2010-07-21
被引用文献数
3

近年,コンピュータによる歌声合成が注目を集めている.中でも隠れマルコフモデル(hidden Markov model; HMM)に基づく歌声合成では,歌い手の特徴を歌声データと対応する楽譜から自動的に学習することができる.2009年12月,無料のオンラインサービス「HMM歌声合成システム: Sinsy」を開始した.ユーザーは楽譜をウェブサイトにアップロードすることで,任意の楽譜に対応した歌声を合成することができる.但し,Sinsyの歌声モデルには70曲で学習した特定話者モデルを用いており,新しい歌い手の歌声モデル追加の際の収録コストが高くなる問題があった.本稿ではSinsyのシステム構成について述べるとともに,話者適応手法により少量のデータから所望の歌い手の特徴を再現した歌声を合成することを検討する.A statistical parametric approach to singing voice synthesis based on hidden Markov models (HMMs) has been grown over the last few years. In this approach, spectrum, excitation, and duration of singing voices are simultaneously modeled by context-dependent HMMs, and waveforms are generated from HMMs themselves. Since December 2009, we started a free on-line service named "Sinsy." By uploading musical scores represented by MusicXML to the Sinsy website, users can obtain synthesized singing voices. However, a high recording cost may be required to train new singer's model because a speakerdependent model trained by using 70 songs is used in Sinsy. The present paper describes the recent developments of Sinsy and a speaker adaptation technique to generate waveforms from a small amount of adaptation data.
著者
瀧 大知
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
no.11, pp.149-168, 2018-03

本稿では、日本における排外主義勢力が、どのような言説をもって排外主義を「正当化」してきたかを考察することを目的としている。「中国」に関連した排外主義者の言説戦略が、「池袋チャイナタウン」と「横浜中華街」とでは差異があることに着目し、比較分析をおこなった。「池袋チャイナタウン」で現れた言説は、新華僑を「脅威」、老華僑を「同化」した存在であると認識することで、「同化主義」による排外主義の「正当化」がおこなわれていた。さらに「反日教育」による「反日」的な国民/民族であると規定されることによって、新華僑と老華僑が「分断」されていった。また2 つのチャイナタウンの文化的な差異にも、それが表象されていることを明らかにした。最後に、その根底に「植民地的まなざし」があることを仮説として提示している。
著者
川島 武宜
出版者
日本評論社
雑誌
法律時報 (ISSN:03873420)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.72-75, 1955-07
著者
岡部 俊秀 佐藤 聡 鴨井 久一
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.255-271, 1995-06-28
参考文献数
46
被引用文献数
4 1

歯間ブラシの毛丈,ワイヤー径,刷掃回数,歯間ブラシ圧の因子がプラーク除去効果に及ぼす影響を検討するため,9種類の歯間ブラシを作製し,模型上で隣接面の人工プラーク除去量を測定し比較検討を行った。その結果,1)歯間ブラシ圧が高くなるに従いプラーク除去量が増加し,30, 40gにおいて有意に高かった。歯間ブラシ圧が40g以上になると,プラーク除去量が有意に低かった。2)毛丈5mmの歯間ブラシが,3mm, 7mmに比較しプラーク除去量が有意に高かった。3)ワイヤー径0.25mmの歯間ブラシに比較し,ワイヤー径0.30mm, 0.35mmの歯間ブラシのプラーク除去量が有意に高かった。4)歯間ブラシの刷掃回数が増えるごとにプラーク除去量が有意に増加した。
著者
早川 善平
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
消化器病学 (ISSN:21851158)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.652-657, 1937

慢性潰瘍性大腸炎は, 歐米には其の報告例かなり多く存在すれども, 本邦に於ては全く稀有である. Colitis gravisなる名稱はRosenheimの提唱したたものである. 併し多くの場合, 潰瘍を伴なふ關係上BoasはColitis ulcerosaと言つて居る. 尚更に急性なるものとの區別から, StmauβはColitis ulcerosa chronicaと言つて居る. 稻田氏も矢張り之に賛成の様である. 最近當教室に於て, 其の2例を經驗したから其の臨牀症状及び經過竝びに療法に就いて報告しやうと思ふ.
著者
鳥居 太良 冨士田 裕子
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.89-97, 2016 (Released:2016-12-25)
参考文献数
41

1. 外来種オニハマダイコンの出現状況と群落の組成を把握することを本研究の目的とし,北海道の6地域の砂質海岸で植生調査を行った.調査は,砂質海岸の後浜から第一砂丘の前面で行った.2. 後浜の中でも汀線に近い打ち上げ帯でオニハマダイコンの出現頻度,優占度が高く,オカヒジキ-オニハマダイコン群落が認められた.さらに内陸側の後浜後部から第一砂丘前面にかけてのハマニンニク帯と呼ばれるゾーンの群落内でもオニハマダイコンは生育していた.3. 十勝の大津海岸の調査区には,オニハマダイコンが出現しなかった.これは,オニハマダイコンがすでにこの地域に定着しているものの,他の地域に比べ出現頻度が低いことから,調査測線上に生育していなかったためと考えられた.
著者
川端 貴幸 佐藤 一誠
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.1B2OS25b4, 2017 (Released:2018-07-30)

近年,チャットボットによる自然文でのFAQ応答システムのニーズが増えている.事前に用意されたFAQは想定質問と回答の対の集合からなり,FAQ応答システムとしては,入力された質問に対して,最も適切な回答をFAQから返すことが望まれる.本稿では,弊社のプロダクトであるAI MessengerにおけるチャットボットによるFAQ応答モデルについて提案手法を紹介し,Watsonとの比較実験の結果を示す.

2 0 0 0 OA 釋氏往來

著者
[伝守覚法親王] [撰]
出版者
巻号頁・発行日
1302

本書は、守覚法親王(1150-1202)の作と伝えられ、親王の没年から推定して鎌倉時代初期の成立とされる。内容は、仏家の一年間の行事を簡単明瞭な文体で書いたもので、進状とそれに対する返状の形をとったいわゆる消息文の文例集である。和漢朗詠集などと共に、文章の規範として、また習字学習の手本として用いられることが多く、その伝本も能筆家によって書かれている場合が多い。編成は、第一条から第二七条までの合計五四通を収め、一月から十二月までを月別順に配当している。該当本は、巻首を欠いているので七通不足しているが、正安4(1302)年の書写奥書があり、『釈氏往来』の最古写本として知られる。
著者
中村 ふくみ 赤尾 信明
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

多彩な臨床像を呈するトキソカラ症について、臨床的特徴の解析とその病態に関連する因子について検討の検討を試みた。しかし感染源となる牛レバーの生食が禁止された影響か、症例の登録はわずか1例に留まった。一方でトキソカラ症類似の慢性好酸球性肺炎の患者を診断し、新たな鑑別疾患の存在が明らかとなった。また従来使用していたToxocaraCHEKが製造中止となり、同等あるいはそれ以上の感度と特異性を持つ診断キットの開発が必要となった。新たにToxocaraICAを試作し、ToxocaraCHEKと同等の感度を有していることを確認した。