2 0 0 0 OA 陸軍士官学校

著者
陸軍画報社 [編]
出版者
陸軍画報社
巻号頁・発行日
1937
著者
櫻田 武嗣 三島 和宏 萩原 洋一 辻澤 隆彦
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.12-18, 2017-06-01 (Released:2017-12-01)

近年各自の機器を持ち込んで利用するBYOD(Bring Your Own Device)の流れが進んでいる。しかしながらBYODによって持ち込まれる機器は多種多様である。そこで我々は仮想端末室を構築することで,各自の機器上からWebブラウザにて同一の仮想デスクトップを利用できる環境を実現した。本稿では仮想端末室特有の問題点とそれを解決するための設計とその提供について述べる。
著者
伊東 孝
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.219-229, 1994-06-09 (Released:2010-06-15)
参考文献数
15

1940 (昭和15) 年に竣工した勝閧橋は、東洋一の可動橋といわれた。橋桁がハの字に開く双葉の可動橋は、わが国でははじめてのタイプであり、シカゴ・タイプの可動橋ともいわれた。シカゴ市での現地調査とヒアリングおよび文献などから次のことが判明した。(1) シカゴ市の管理橋だけでも50の可動橋が存在し、そのうち30橋が稼動している。このほか鉄道橋の可動橋もある。かつては舟運交通のために橋を開閉していたが、現在では春と秋にミシガン湖に出入りするレジャー用のヨットのために橋を動かしている。(2) 可動橋の発展は、4期にわけられる。重要なのは、二期の都市美運動に端を発する検討時期である。可動橋のデザインと装飾は、シカゴ・プランにもかかわったE. H. ベネットが中心になってまとめ、モデルはパリのネオ・バロック様式にあった。

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1941年07月25日, 1941-07-25
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1981
著者
(唐) 魏徴等 奉敕撰
巻号頁・発行日
1616

古活字版。駿河版。徳川家康が慶長12年(1607)駿府に退隠して後、林道春(羅山)と金地院崇伝に命じて刊行させたものを駿河版という。本書のほかに『大蔵一覧集』10巻11冊が刊行された。駿河版はわが国で最初に鋳造した銅活字約10万個を用いて印刷されたといわれるが、家康の死去により中断された。この時の銅活字と付属品の一部は現在凸版印刷株式会社が所蔵、重要文化財に指定されている。『群書治要』は群書の中から治世に関するものを抜粋、編集したもので唐代に成立した。政治の要道が記され帝王学の書として尊重されたが、中国では宋代に散逸、わが国において伝来してきた。

2 0 0 0 OA 群書類従

出版者
巻号頁・発行日
vol.第314-315,
著者
本間 義治 石川 佐吉
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.14, pp.55-62, 1978-06-26

佐渡島に生息するイワナ網魚類の種族を明らかにするため,同島北部の13河川より採集した約70標本を材料として,斑紋や体原形質を検討した。また,比較のために,佐渡沿岸で採捕される大型の降海性アメマスの標本も調べた。その結果,佐渡産の本属魚類は変異に富み,俗にいわれていたエゾイワナの系統より,むしろニッコウイワナの系統の方が主体をなしていた。学名はSaloelinus leucomaenisを当てるのが適当と判断された。なお,この研究中に得られた本種では初めての狆頭を呈する一奇形標本についても簡単に記した。
著者
白井 達也 金子 真 原田 研介 辻 敏夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.57-64, 2002-01-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Through grasp experiments by human achieving an enveloping grasp for a small cylindrical object placed on a table, we found an interesting grasping motion, where human changes the finger posture from upright to curved ones after each finger makes contact with the object. During this motion, the object is automatically lifted up through either rolling or sliding motion between the finger tip and the object. A series of this motion is called as Detaching Assist Motion (DAM) . An advantage of DAM is that most of grasping motions can be done on the table instead of in the air. Therefore, we can avoid the worst scenario where the object falls down to the table. We first discuss the basic mechanism of DAM by human experiments. We then apply the DAM to a grasping motion by a multi-fingered robot hand. We show that the DAM can be explained by using Self-Posture Changing Motion. We also show some simulation and experimental results to confirm that a small object can be grasped easily by applying the DAM.
著者
馬場 雅美
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要. 人文社会科学系 (ISSN:09162089)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-20, 1990

The focus of this paper is not on the iconography, but on the backgrounds and frameworks of the frescoes in the church of Saint-Jaques-des-Guerets. These paintings are an example of uni-white backgrounds typical of the Romanesque mural paintings. The researchers have explained that the white backgrounds were used due to shortage of funds. However, analyses of details of their remaining frameworks and backgrounds discloses a symbolic system in architecture, frameworks and backgrounds. I reconstructed the ornamentaion system in this church as follows : 1)the mandorla of the Christ consists of the single but valuably colored three dimensional patterns ("light pattern" whrch I suggested in my preceeding papers in '89); 2)the same patterns which are repeated but doubled with simpler colors are not framing the two dogmatic scenes that of the "Crucifixion" and of the "Maestas Domini, " as F. Gaborit said, but framing the walls between windows (pl. 3); 3)this patterns are hierarchilized between the apse (double patterns) and the nave (simple patterns); 4)two contrasting colored bands pearled in the middle are framing and dividing the scenes; 5)the white curtain patterns are found all around under the scenes; 6)the architectonic frames in the paintings have two categories : the symbolic and abstract frame (sacred frame of Jacob) and the scenery decor (scenes of saint Nicolas and the Birth of Christ); 7)the white backgrounds unify all scenes except the underground or infernal scenes (grey and red backgrounds) at the "Descent to the Limbo." In this ornamental program, the central window situated between the two dogmatic panels functions as the "light-God, " because the Hand of God appears there and this window is surmounted by the "Agnus Dei." The "light patterns" of the Mandorla reflect some significant parts of architecture : the top of walls with the ceiling as heaven and the windows transforming natural light to transcendental light. The light from the 12 openings each signed by a cross expresses itself as divine light by the "light pattern" frames which are equivalent to the Mandorla's. And the mystic events are developed on the white backgrounds as plenitude of this transcendental light. The white curtains must cover these mystic scenes and reveal their identity to initiators under the hieratic or perpendicular perspective. The sources of these uni-white backgrounds will be some illuminations as the Alquin Bible or the Gauzlin Gospel Book, produced at the School of Tours, the scriptorium located not so far from this Saint-Jacques-des-Guerets. Behind the white backgrounds' use, I find Carolingian high intellectuals under the neo-platonic influences.
著者
柴田 洋輔 髙橋 啓治 手塚 夏音 丹羽 麻里子 平島 諭
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第15回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.1-6, 2018 (Released:2018-06-22)

先端技術トピックにおける技術動向予測を目的として、流体(流体・ゲル状体・微粉体等)を吐出し、硬化させて、積層体を形成するインクジェット印刷技術を例に、現時点では製品化されていないが、将来印刷技術が応用されそうな新しい製品分野を探索した。分析手法として、まず、製品化に近い技術情報である特許文献と、科学的事象に基づく基礎的な研究結果を多く含み、今後発明および製品開発に繋がる可能性のある技術情報である学術論文の性質の違いに着目し、論文発行件数と特許出願件数の時系列推移比較から「近年論文発行件数が増加傾向にありながら、特許出願件数が低調であり、増加傾向が認められない分野」を「今後製品化に発展しそうな分野」として抽出する手法を用いた。次に、抽出した分野の特許情報と論文情報のテキストマイニング解析と目視解析を併用し、より細分化された分野への絞り込みを行い、最終的に「今後印刷技術が応用されそうな新しい製品分野」を見出した。
著者
阿部 智和 宇田 忠司
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.109-146, 2017-06-13

本稿の目的は,質問票調査にもとづき,国内の共有・共創型ワークスペースの実態を明らかにすることにある。まず,ウェブ調査を実施し,国内で稼働している施設の全数に近い(2016年9月30日時点)と考えられる750スペースのうち,308スペースから回答を得た。ついで,収集したデータのうち268スペースの回答を分析し,①施設,②運営組織,③戦略,④活動,⑤利用者,⑥成果,という6つの包括的視点から相関分析の結果を示した。そのうえで,本調査にもとづく共有・共創型ワークスペースの実態に関する知見を提示した。
著者
浅野 研一郎
出版者
Kinki Brain Tumor Pathology Conference
雑誌
Neuro-Oncologyの進歩 (ISSN:18800742)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-13, 2016-04-28 (Released:2016-04-28)
参考文献数
72

Needless to say, pediatric cancer therapy, especially leukemia, had remarkably progressed and successful changed in last century. However, the chemo-radiation therapy of diffuse intrinsic pontine glioma (DIPG) has still been behind the success story of pediatric cancer therapy. Although, neurosurgical pioneers had tried a lot of new project to cure pediatric DPIG, nothing of new effective protocols have been accepted with satisfactory long term survival. So, we review the pediatric DIPG therapies of neurosurgical pioneers, reconsider temozolomide based protocol, discuss to need brain biopsy, and look for the new direction of pediatric DIPG in the near future.
著者
米島 万有子 中谷 友樹 安本 晋也 詹 大千
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.000217, 2018 (Released:2018-06-27)

1.研究背景と目的 デング熱は,熱帯地域や亜熱帯地域を主な流行地とする代表的な蚊媒介性感染症の一つである.近年,温暖化や急速に進む都市化,グローバル化に伴い国内外の人や物の流れが活発になり,これまでデング熱の流行地ではなかった温帯の地域においても,デング熱の定着が懸念されている.日本では,2013年に訪日観光客のデング熱感染が報じられ,国内感染による流行が警告された(Kobyashi et al. 2014).翌2014年には首都圏を中心に,約70年ぶりの国内感染に基づくデング熱流行が発生した.これを受けて,防疫対策上,デング熱流行のリスクを推定することは,重要な課題となっている. これまでデング熱流行のリスクマップ研究では,様々な方法が提案されているものの,その多くはデング熱流行地を対象としている(Louis et al. 2014).デング熱が継続的に流行していない地域を対象とした近未来的な流行リスクを評価する方法は,気候条件によって媒介蚊の生息可能性のみを評価する方法(Caminade et al. 2012など)と,デング熱の流行がみられる地域の気候データと社会経済指標から流行リスクの統計モデルを作成し,これを非流行地にあてはめて,将来的な流行リスクの地理的分布を評価する方法がある(Bouzid et al. 2014).本研究ではこれらの先行研究を参考に,媒介蚊の生息適地に関する気候条件と,日本に近接する台湾でのデング熱流行から作成される統計モデルに基づいて,日本における現在と将来のデング熱の流行リスク分布を推定した.2.研究方法 本研究では,はじめにデング熱流行地の中でも日本に地理的に近く,生活様式も比較的類似している台湾を対象とし,台湾におけるデング熱流行リスクの高い地域を予測する一般化加法モデル(GAM)を作成した.デング熱患者数のデータは,台湾衛生福利部疾病管制署で公表されている1999年~2015年に発生した郡区別の国内感染した患者数を用いた.Wen et al. (2006)を参考に,患者数のデータからデング熱の年間発生頻度指標(Frequency index(α))を求め,これを被説明変数とした.説明変数には,都市化の指標として人口,人口密度,第一次産業割合を,気候の指標として気温のデータから算出した積算rVc(relative vectorial capacity)値を,媒介蚊の違いを考慮するための指標として,Chang et al.(2007)をもとにネッタイシマカの生息分布の有無を示すダミー変数を設定した.rVcはデング熱ウイルスに感染した蚊が人間の間に感染を広める能力を示す指標である.rVcは月平均気温の関数として求めており,その詳細については,安本・中谷(2017)を参照されたい. 上記の作成したモデル式に,日本国内の人口や気候値をあてはめて,台湾のデング熱流行経験に基づいた日本での流行発生頻度の予測値を求めた.人口および第一次産業割合のデータは2010年の国勢調査のデータを,2050年の人口データは国土数値情報の将来推計人口を用いた.なお,日本のリスクマップ作成では台湾の郡区と平均面積がおおむね一致する2次メッシュ単位で作成した.3.結果 台湾の郡区別にみたデング熱の発生頻度を従属変数としたGAM分析結果,気候指標の積算rVc,都市化の指標の人口密度,第一次産業割合に有意な関係性が認められた. このモデルを用いて,日本の2010年と2050年のデータを用いて,現在と将来のデング熱の流行リスクマップを描いた.現在では,リスクの高い地域は大都市圏の中心部に分布している.しかし,気候変動の影響によってデング熱の流行リスクの高い地域は著しく拡大することが推定された(図1).4.おわりに 本研究は,台湾のデング熱流行経験に基づいて,現在の日本のデング熱の流行リスク分布と気候変動の影響による流行リスク分布の推定を定量的な手法によって行った.2014年の流行発生地は,本研究の結果においてもリスクの高い地域であった.長期的にも気候の温暖化の影響によって,デング熱流行リスクの地理的分布は拡大することが示された.付記:本研究は,JST-RISTEX「感染症対策における数理モデルを活用した政策形成プロセスの実現」(代表:西浦博)において実施した.
著者
關 智子
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.25-44, 2018-06-30 (Released:2018-06-30)

In this paper, the possible authority of a text for its performance is discussed through an analysis of Nassim Soleimanpour's White Rabbit, Red Rabbit (2010). Soleimanpour included rigid instructions requiring actors to not know anything about the play before each performance and for the text to be given to them on stage. In such conditions, the play becomes a semi-improvisation; thus, the dramaturgy of the text appears to dominate the performance. Indeed, the text orders the actor and audiences to perform exactly as it instructs, so it even claims its authority. However, the writer intentionally leaves a lot of space for ‘play’, since he cannot become involved with the participants (actors and audience) in the text. This reminds the audience of the fact that it is not the author who creates a performance but themselves. In other words, it problematises authority and authorship in the theatre. Therefore, the dramaturgy of White Rabbit, Red Rabbit attempts to foreground the authority of the text and construct new relationships between text and performance and writer and participants. Through the study of this play, we can perceive new possibilities of textual dramaturgy for contemporary theatre in which the relationship between text and performance diversifies.
著者
喜田 宏 河岡 義裕 岡崎 克則 伊藤 寿啓 小野 悦郎 清水 悠紀臣
出版者
北海道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

我々は鳥類,動物および人のインフルエンザウイルスの生態を研究し,得られた成績に基づいて,1968年に人の間に出現した新型インフルエンザウイルスA/HongKong/68(H3N2)株のヘマグルチニン(HA)遺伝子の導入経路を推定し,提案した。すなわち,渡り鴨の間で継持されているH3インフルエンザウイルスが中国南部で家鴨に伝播し,さらにこれが豚に感染した。豚の呼吸器にはそれまでの人の流行株でうるアジア型(H2N2)ウイルスも同時に感染し,両ウイルスの間で遺伝子再集合が起こって,A/HongKong/68株が誕生したものと結論した。今後もこのような機序による新型ウイルスの出現が予想されるので,渡り鴨と豚のインフルエンザの疫学調査と感染実験を継続することによって,新型ウイルスを予測する研究を計画した。インフルエンザウイルスの供給源として,北方から飛来する渡り水禽および中国南部の家禽集団が考えられて来た。毎年,秋に飛来する渡り鴨からウイルスが高率に分離され,春に北方に帰る鴨からはほとんど運離されないことから,北方圏の鴨の営巣地が一次のウイルス遺伝子の貯蔵庫であると推定した。そこで,本学術調査では1991年および1992年の夏に,米国アラスカ州内の異なる地域で水禽の糞便を収集し,これからウイルスの分離を試みた。マガモとオナガガモ計1913,カナダガン1646,白鳥6,シギクおよびカモメ7合計2579の糞便材料から75株のインフルエンザウイルスおよび82株のパラミクンウイルスを分離した。インフルエンザウイルスはほとんどがアラスカ中央部ユコン平原の湖に営巣する鴨の糞便材料から分離されたが,南部のアンカレジ周辺や北部の材料からの分離率は極めて低かった。分離されたインフルエンザウイルスの抗原亜型はH3N8が14,H4N6が47,H8N2が1,H10N2が1,H10N7が11およびH10N9が1株であった。抗原亜型およびウイルスの分離率は,糞便材料を収集した鴨の営巣地点によって異なっていた。1992年には湖沼水からのウイルス分離をも試み,鴨の糞便から得られたものと同じH4N6ウイルスがそれぞれ2つの異なる湖の水から分離された。鴨の営巣地でその糞便から分離された14株のH3インフルエンザウイルスのHAの抗原性をモノクローナル抗体パネルを用いて詳細に解析した結果,A/HongKong/68ならびにアジアで鴨,家鴨および豚から分離されたH3ウイルスのHAと極く近縁であることが判明した。この成績は水禽の間で継持されているインフルエンザウイルスの抗原性が長年にわたって保存されているとの先の我々の見解を支持する。以上のように,鴨が夏にアラスカの営巣地でインフルエンザウイルスを高率に保有しており,湖水中にも活性ウイルスが存在することが明らかとなった。従って,北方の鴨の営巣地が一次のインフルエンザウイルス遺伝子の貯蔵庫であるとの推定が支持された。秋に鴨が渡りに飛び発つ前に,糞便と共に湖沼中に排泄されたウイルスは冬期間,凍結した湖水中に保存され,春に帰巣する鴨がこれを経口摂取して感染し増殖することを繰り返して存続して来たのであろう。秋,冬および春に一定の鴨の営巣地点で水,氷および凍土を検索することによって,自然界におけるウイルスの存続のメカニズムならびに遺伝子進化を知ることができるであろう。水禽の糞便から分離されたパラミクンウイルス82株のうち81株はニユーカッスル病ウイルス(NDV)であった。これらNDVのHNおよびF糖蛋白の抗原性をモノクローナル抗体パネルを用いて詳細に解析した結果,ワクチン株と異なるものが優勢であった。水禽の間に高率に分布しているNDVが家禽に導入される可能性が考えられるので,渡り鴨の糞便から分離されるNDVの抗原性ならびに鴨に対する病原性を継続して調査する必要があろう。
著者
尼崎 直也 栗田 孝
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.573-575, 2004-08

蓚酸の経口摂取による尿中蓚酸およびカルシウム(Ca)排泄量の測定結果と尿路結石患者への食事指導に関するアンケート結果を報告し,尿路結石患者への食事指導法について述べた.尿路結石症の既往のない男性健康成人6名を対象に,ほうれん草100g摂取時,およびほうれん草100g+小魚30g摂取時それぞれ2時間後の尿中蓚酸,Ca,クレアチニンを測定し,摂取前と比較した.その結果,尿中蓚酸はほうれん草摂取およびほうれん草+小魚摂取2時間後にそれぞれ摂取前より増加していたが,後者の方が増加の程度は低かった.尿路結石患者が食べてはいけないものはないが,バランスの取れた食事を適量摂る指導が大切である