著者
池田 則生 肥田 博行 野口 一明 藤原 操
出版者
The Society of Resource Geology
雑誌
鉱山地質 (ISSN:00265209)
巻号頁・発行日
vol.33, no.178, pp.97-114, 1982-05-10 (Released:2009-12-14)
参考文献数
34

The tungsten-copper-tin deposit of the Takatori mine is of plutonic vein type and developed in alternating beds of sandstone and shale which constitute Yamizo Group of Triassic age. Detailed examination on the mode of occurrence of the deposit both in the underground and in the field has provided some important informations and suggestions for future exploration. Our observations and conclusions in this study may be sum-marized as follows:(1) Vein fractures in the deposit are classified into two groups, i.e., "Tatehi" group and "Yokohi" group. Fractures of the former in general trend NWW-SEE and steeply dip southward, while those of the latter are almost horizontal but in general gently dip northward. The two groups of fractures constitute a set of conjugate shears under the same stress field, principal stress axes of which being as follows; maximum compressional stress axis (σ1): S25°W30°, intermediate compressional stress axis (σ2): trending NWW-SEE and nearly horizontal, and minimum compressional stress axis (σ3): N30°E60° with angle of shear planes (2θ) of 80°.(2) Three mineralization stages are identified, i.e., wolframite-quartz stage, sulfide-quartz and cassiterite-quartz stage, and barren quartz stage with only pyrite, in chronological order.(3) At Nanabanhi Vein, the champion vein of the deposit, a vertical metal zoning is clearly observed, i.e., wolframite-rich zone, chalcopyrite-rich zone and cassiterite-rich zone in ascending order.(4) The localization of ore shoot appears to be structurally controled by some faults named as No.7 fault, No. 15 fault and W28 fault at-7 level, among which No.15 fault, being located in the central part of the deposit, is assumed to have acted as a channel feeder of ore fluid. All the faults were formed prior to the mineralizations and were probably in active during a certain period after the mineralizations as well.(5) It is suggested that the vein fracture systems were related in origin to the intrusion of a granitic magma. Namely, the uplifting of the southern geologic block with northwestward tilting at the stress field given by the granitic intrusion is considered to have been responsible for the reverse S-shaped regional structure of the area to have resulted the vein fracture systems observed.
著者
北田 純弥 萩原 将文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.1232-1241, 2001-05-15
参考文献数
20
被引用文献数
8

本論文では, 大規模な知識を有する電子辞書を利用し, 認知心理学に基づく比喩による文章作成支援システムを提案する. 比喩は, 言語による情報伝達のみでなく, 我々の思考や概念化, 記憶などの認知過程にも深くかかわっていることが広く認識されている. また, 自然言語処理の観点から, 比喩研究の成果から反映できる技術やモデルは, 応用範囲が広いと考えられている. 一方, 従来のコンピュータを利用した比喩研究は比喩理解に関する研究が多く, 使用する知識ベースの獲得にも大きな問題があった. 認知心理学においては, 比喩の処理過程には情緒・感覚的類似性やカテゴリ的類似性, 修飾語との共起関係の強さが比喩の生成に大きな影響を与えるといわれている. そこで, 本論文ではこれらの概念が工学的に導入された, 電子辞書を用いた比喩による文章作成支援システムを提案する. 提案システムでは, 情緒・感覚的類似度, カテゴリ的類似度, 共起度の3点を満たした比喩度と呼ばれる概念を導入し, 柔軟な比喩の計算を行う. また, 知識ベースとして大規模な知識を有するEDR電子化辞書を利用している. さらに, 発散的思考支援ツールとしての立場に立ち, 文章作成支援システムという形で, 実際にユーザが使用できるシステムを実装している. 詳細な評価実験により, 提案システムの有効性が確認されている.
著者
橘 眞理 山本 泰朗
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.2132-2138, 1986 (Released:2007-12-26)
参考文献数
27
被引用文献数
3

急性胃アニサキス症20症例を対象としIgE型アニサキス抗体をRAST法で測定, 85%で陽性成績を得た. 抗体価は感染1~2日後より急上昇し, 3~5週で最高に達し, 以後ゆるやかに低下する. 一方, 横川吸虫症, アレルギー性疾患での抗体陽性率は, 夫々33%, 14%で抗体価は軽度上昇にとどまつた. アニサキス蔓延推定地域での一般住民及び一般外来患者の抗体陽性率は, 夫々26%及び31%であつたが, 短時日での抗体価の変動は認められないので, この数値は一般住民のアニサキス感染既往率, または他の線虫類感染及び既往率を示す可能性が考えられた. これらの成績よりIgE型アニサキス抗体の測定は, 特に経時的な変化を捉えることにより, 急性胃アニサキス症の補助的な診断方法として有用と考えられた.
著者
安達 直義 萩原 昭二
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.2-28, 1953

色彩を科学的に数値を以つて表示することは比較的近年の発達であり照明, 天然色寫眞並に印刷を始め染料, 顔料, 染色加工品, その他色を取り扱う分野に極めて重要な役割を占めるに至つた. 既にアメリカその他の国ではこの表示法は実用化された今日海外貿易の立場からも極めて大切であり我国においても日本工業規格の「色の表示方法」が昭和27年制定された。本綜説は色彩表示に関し大体1941年頃から最近に至る発展を成るべく李易に解説したものであり, 下記の図書の内容程度については既に充分の理解を有していることを前提として書いた. 色彩に関係する人々に寄与し且つ前記工業規格の具体的応用の進展に段立ち得れば幸である.<BR>1. Arthur O. Hardy; <I>Handbook of Colorimetry</I> (1936) 邦訳吉城肇蔚訳測色学 (昭和19年)<BR>本書は1935年頃迄の測色学の発展程度である. 乳財団法人日本色彩研究所著色の標準 (昭和26年) 本書中の色の標準解説は1943年頃迄の発展程度である.
著者
柳町 高正 赤倉 貴子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.9-12, 2006
参考文献数
5
被引用文献数
3

非同期型e-Learning Systemでは,学習者が質問・情報交換をするために電子掲示板が併用されている場合が多いが,質問をしても回答が得られるまで時間がかかる場合が多い.また,掲示板に記事数が多くなると,疑問解消の参考となる記事を探すことが難しくなる.そこで本研究では,学習者の学習内容その他に関する疑問解消を支援するシステムとして,学習者が掲示板に質問を書き込んだ時に,過去になされた類似した質問・回答を自動的に探し出して提示する機能を備えた電子掲示板を開発した.評価実験より,開発した電子掲示板は学習上の疑問を早期に解消できるシステムとして有用であることが示された.
著者
川越 慶三
出版者
財団法人 日本消化器病学会
雑誌
實驗消化器病學 (ISSN:21851166)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.290-304, 1938 (Released:2011-06-17)
参考文献数
38

比較的精細ナル臨床的檢査ト剖檢ヲ併セ行ヒ得タル急性昇汞中毒症ノ二症例ヲ報告。
著者
大嶋 直浩
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1143-1143, 2014 (Released:2016-09-30)
参考文献数
2
被引用文献数
14

伝統薬は長い使用経験の中でその有効性が確認されたものであり,より効果的にするために複数の生薬を組み合わせていることが多い.そのため,伝統薬の有効性を理解するためには,生薬の相乗作用を明らかにすることが重要である.しかし,これまでに様々な生薬から有効成分が見いだされてきたものの,複数の生薬の相乗作用を成分レベルで明らかにした研究報告は少なく,生薬を組み合わせる意義が科学的に理解されているとは言い難いのが現状である.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Wang F. et al., PLOS ONE, 9, e87221 (2014).2) Chou T. C., Talalay P., Trends Pharmacol Sci., 4, 450-454 (1983).
著者
木坂 恭子 上野 智美 芦田 真由美 石川 佳代子 小川 千鶴 奥本 真史 片山 博恵 金永 千恵子 向井 恵子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.35-40, 2006 (Released:2006-07-11)
参考文献数
3

近年,早期母子接触の有効性が見直される中,母と子の双方に対する効果を期待し,出生直後の正常新生児にカンガルーケアを導入している。そこで,カンガルーケアが母親にどんな良い影響を与えるのかをあきらかにするためにこの研究に取り組んだ。 当院で分娩した母親への郵送アンケート調査や今回の出産で初めてカンガルーケアを行なった経産婦の感想を述べてもらった。その結果より,産んだ実感や感動は,より大きく,しかもカンガルーケアを始めてからは,分娩後早い時期から,また長い時間わが子とともにいたいと希望する母親が増えている。親子の相互作用により,安心感や信頼感が確立されると考えられる。今回の研究から,出生直後のカンガルーケアは母親の感情・行動に良い結果を与えることが分かった。

2 0 0 0 OA 蒲生君平全集

著者
岡部精一, 三島吉太郎 編
出版者
東京出版社
巻号頁・発行日
1911
著者
酒井忠雄 著
出版者
酒井忠雄
巻号頁・発行日
1962
著者
神原 文子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.14-23, 2004-02-29 (Released:2009-08-04)
参考文献数
19

本稿では, はじめに, 「女性にみる結婚の意味を問う」うえでの検討課題を整理する。たとえば, 結婚の意味を問う「女性」とは誰のことか?女性たちの多様な結婚観をどのように類型化するか?現代日本は, 晩婚化・未婚化と言えるのか?など。そのうえで, 既存の官庁統計, インターネットからの情報, 学生たちへのアンケートやシングル・マザーの友人たちからの聞き取りデータをふまえて, 未婚女性にみる結婚の意味について考察する。明らかになった興味深い点をいくつか列挙すると, 以下のとおりである。 (1) 結婚情報におけるジェンダー格差が顕著であること。 (2) 女性の場合, 独身生活の利点が男性よりも高く, 理想の結婚相手へのこだわりが男性よりも高い分, 独身生活から結婚生活へ乗り換えるという選択が男性以上に難しいこと。 (3) 現代女性の結婚イメージの中には, 前近代的な結婚イメージ, 近代的な結婚イメージ, ポスト近代的な結婚イメージが混在していること, など。
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.339, pp.52-55, 2012-12

さくら住宅は、横浜市栄区の閑静な街区にある社員約30人の住宅リフォーム会社だ。電球の取り替えや門扉の部品交換など数千円単位の仕事を進んで受け、そこで獲得したお客をリピート客に育てて成長してきた。受注の7割はリピート客が占めるという。 JR本郷台駅からクルマで10分の本社のほか、鎌倉や逗子などに4店を展開。
著者
呉 貴郷 藤重 昇永 市丸 雄平
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.621-624, 2004 (Released:2005-10-21)
参考文献数
16

ヒトの皮脂の脂肪酸組成と近似し, かつ高いリノール酸を含む馬油による皮膚への保湿効果を検討した。健常な女性7名に対して馬油を塗布した効果, 角質層の水分量と油分量の増加が認められた。また, 塗布2時間後, 皮膚表面に残存油量の脂肪酸組成を調べた結果, リノール酸の含有量は明らかに減少傾向を示した。馬油の局部塗布による皮膚の水分量と油分量の増加は, 主にリノール酸が皮膚に吸収され, 皮膚バリア機能を維持するための保湿因子構造に充分な役割を果たさせたことによると考えた。以上のことから, 馬油を外用剤とした経皮補給は皮膚の健康維持と保湿に適していると考えられた。
著者
倉田 道夫
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.26-29,43, 1983-01-01 (Released:2011-10-11)
参考文献数
28