著者
半貫 敏夫 三橋 博巳 佐藤 稔雄
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.120-130, 1985-03

南極氷床上に建設された観測用建物は, ほとんどの場合耐雪構造体の中に配置され, これら全体が雪面下にある。他方, みずほ基地では掘削した雪洞の中に建物を配置する方式を採っていて, ここでは雪面下の建物を雪圧から保護するための本格的な耐雪構造体はなく, 部分的に雪洞の形を保つための支保工が施されているにすぎない。小規模な基地ではこのみずほ方式が魅力的である。本論文では, この雪洞型の基地をつくる場合の難点である雪洞建設について一つの省力化試案を提出した。それは雪面下で雪洞を掘削するかわりに, 貯雪柵の組み合わせや簡易耐雪構造体を用いて雪面上に建てた建物周辺を覆い, このまわりに雪を積もらせて雪洞にしようというものである。この雪洞建設方法の実現の可能性を確かめるために, 軽量で取り扱いが簡単な網を素材にした貯雪柵の防風, 貯雪性能に関する予備的な風洞模型実験を行った。その結果, 網の防風, 貯雪性能はその充実率φによって大きく影響されるが, 適切な網を選択すれば貯雪柵として十分に役立てられるという感触を得た。現在さらに実験精度を吟味した風洞模型実験を継続している。
著者
畑田 彩 鈴木 まほろ 三橋 弘宗
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.57-61, 2008
被引用文献数
3 2

連載「博物館と生態学」では、毎回生態学と関わりの深い博物館事業をテーマとして取り上げてきた。当初予定した6回が終わったところで、これまでの執筆者を中心に連載によって達成できた点や今後の課題について話し合った。その内容をまとめることで、連載「博物館と生態学」の意義を考えてみたい。
著者
三橋 四郎
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
vol.18, no.209, pp.310-312, 1904-05-25
著者
仙波 圭大 三橋 謙太 村上 晴美
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本研究では,個人的な情報の探索を支援するために,日時・キーワード群・URIを一組とする履歴構造と呼ぶシンプルな情報構造の構築をするとともに,データ統合と連想検索方法を提案する.ユーザの利用する様々な履歴情報(例:Web閲覧,メール,twitter,カレンダー,書籍購入)からユーザの知識空間を作成し,記憶の想起を支援するシステムを開発した.
著者
森 美穂子 堤 明純 高木 勝 重本 亨 三橋 睦子 石井 敦子 名切 信 五嶋 佳子 石竹 達也
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 = Journal of occupational health (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.113-118, 2005-05-20
参考文献数
13

交代勤務経験の有無と退職後の生活の質,特に睡眠の質との関連性を明らかにするために,ある製造会社の退職者777名を対象に質問紙調査を行った.質問内容は,既往歴,現在の健康状態,食習慣,アルコール,喫煙,運動,睡眠,在職中の勤務状況(職種,交代勤務経験,交代勤務経験年数,副業),現在の就業状況,社会参加,学歴,性別,年齢,退職後の年数であった.「現在の健康状態(オッズ比4,318,95%信頼区間2.475-7.534)」「交代勤務経験(2.190,1.211-3.953)」「現在の就業状況(1,913,1.155-3.167)」「食習慣(1.653,1.055-2.591)」が多変量解析によって退職後の睡眠障害と有意に関連した.退職後の睡眠障害を防ぐには正しいライフスタイル,良好な健康状態を保つことが,特に交代勤務経験者において大切である.
著者
三橋 俊雄 宮崎 清 坂本 勝比古
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.82, pp.49-56, 1990-11-30
被引用文献数
1

本小論は,大正期から昭和戦前期における農村・農家副業としての工芸生産に関する史料を解析し,今日の地域産業おこしに対する基本的視点を見定めようとしたものである。本小論の検討内容ならびに結論は,次のように要約される。(1)疲弊する農村救済策としてなされたこの時期の農商務省による副業奨励施策は,時代の推移につれ,その中心を,地域資源を活用した地域工芸の創生に移していった。(2)初期商工省工芸指導所ならびに高崎におけるブルーノ・タウトは地域工芸のあるべき理念・方法を提示した。両者は,ともに,伝統的・地域固有資源の再認識に基づく工芸デザイン活動が地域社会に根づいていくことこそ,調和ある社会発展にとって不可欠であることを説き,実践した。(3)初期工芸指導所および高崎におけるブルーノ・タウトの活動には地域産業自体の「内発的」活性化に向けての要件が含まれ,今日の地域工芸産業の振興に関しても示唆する点が多い。
著者
檀原 宏 三橋 俊彦 野崎 博
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:00215376)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.503-505, 1964

牛体内の柔組織間におけるCs-137の汚染濃度の分布を調べる目的で, 正常に飼養されている18ヵ月齢の牡牛を屠殺し, 各臓器, および筋肉についてK, Cs-137の含量を測定した。同時に, 数種の臓器ではCa, Sr-90の測定をも行なった。その結果, Sr-90は第1胃, 腎および大腸部に若干検出されたのみであった。Cs-137は, すべての臓器にも見出され, 2-15CUの間におさまり, 高くはないが決して0とはいえなかった。各組織間のCUの分布には, 一定の傾向が見出せなかった。
著者
三橋 睦子
出版者
久留米大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1998

1998年のN市における集団赤痢症例を中心に、精神健康調査および施設収容法調査により心理的問題および構成要素をコード化し、心理的援助法としての戦略を導き出した。1.集団赤痢発生の条件下での現象として、不安・緊張・不眠がみられた。条件の特性には、発生源の存在/腹痛・下痢・発熱/感染拡大・易感染/自宅待機/行動制限/収入源の途絶え/経済的負担/アンケートの協力、があり、赤痢発生から終息1〜2か月後まで持続し、周囲の人の視線により脅かしがみられた。管理戦略として、発生源の原因究明と早期管理・情報提供/行政各機関の早期協働/発生源関係者の謝罪と適切な対応/一般住民の感染に対する理解/病気・治療・感染防止に関連した情報提供/感染拡大防止への協力啓発/検便陰性・陽性に関わらない補償/生活環境の調整/アンケート調査の調整/マスコミの感染と関係者に対する理解と適切な情報提供、が必要であり、これにより、対象は集団赤痢を貴重な体験として受容し、回復の可能性が高まると考えられた。2.集団隔離・行動制限の条件下での現象として、無能力・抑うつ・社会機能障害・快感消失がみられた。条件の特性として、治療・検便/行動制限や感染に関連した説明と教育/手洗いの励行/生活の規制/持参品の制限/一般住民や周囲からの隔たり/情報源の減少/連絡手段の制限/面会の制限/排泄物の管理、があり、赤痢発生から終息1〜2か月後まで持続していた。管理戦略として、隔離に関連した情報の提供と協力の啓発/病気・治療・入院生活に関する情報提供/自由に使用できる電話の確保/同施設内一般患者への感染症の理解啓発/排泄後の後始末のディスポ手袋使用と指導/リラクゼーションの配慮/面会者への感染症の理解啓発/入浴などの規制緩和/カウンセリングなどの早期導入、が必要であり、これにより、上記同様の回復プロセスが考えられた。
著者
三橋 弘宗 内藤 和明 江崎 保男 大迫 義人 池田 啓 池田 啓
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、国内で最後のコウノトリ生息地となった豊岡盆地の生態系の特性を明らかにするため、生態学的方法と博物館学的方法を用いて、データ解析と分析を行った。生態学的な方法として、円山川の河川高水敷きにおける湿地の再創造に関する操作実験や、行動追跡および冬季における利用実態について市民からの情報を集積して解析を行った。その結果、ワンドを再創造した場所では、魚類個体数は2~5倍に増加するほか、円山川流域全体の約40%の種が生息できることが確認できた。また、野外での詳細な行動追跡データの解析結果では、1)水深15cm以下で畦近くの湿田に集中すること、2)季節によってホームレンジが変化し、夏場が最も広く、冬場が狭いこと、3)河川本流では、潮位の変動によって水深が約40cm以下になると集団利用し、絶対的な水深ではなく、潮位の低下に呼応する傾向があった。博物館学的方法では、全国のコウノトリ標本の把握と分布記録の集積を行い、412地点(721記録)を収集し、生息適地モデルによる解析を行った。その結果、海岸近くの低地および河口干潟の存在が立地の好適性に寄与することが分かった。次に、コウノトリ標本の安定同位体による海起源寄与についての分析を行うために、豊岡市河口域および内陸部においてアオサギ類の羽の炭素・窒素・硫黄の安定同位体分析を行った。しかし、これらの結果では、データ分散があまりに大きく、残念ながら評価には至っていない。これらのアプローチを統合する形で、コウノトリが頻繁に利用する地区において、地域住民の参加による小規模な自然再生を実施した結果、簡便な方法でも両生類の生息密度を回復できることを示し、ツーリズムとしての自然再生への参画可能性について検討した。最後に、こうした取り組みについて、人と自然の博物館において、企画展「コウノトリがいる風景」を開催し、市民から提供を受けた写真資料や収集資料の公開、研究成果の発信を行った。
著者
吉元 洋一 勝田 治己 長谷川 博一 杉浦 昌己 宮川 博文 古川 良三 青山 賢治 三橋 俊高
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.321-328, 1988-07-10
被引用文献数
4

脳卒中患者87例に対し, Brunnstrom Stageと姿勢反射機構検査を行い, 以下の結論を得た。1. 上・下肢Brunnstrom Stageと本検査得点の比較では, 全てのStageにおいて健側との間に有意な得点差を認めた(下肢StageI : p<0.05, 他は全てp<0.01)。2. 上・下肢StageIIとIIIの比較では, 健側及び麻痺側共に有意差を認めた(p<0.01)。3. 上肢StageVとVI, 下肢StageIIIとIV, IVとV, VとVIの麻痺側間の比較において有意差を認めた(p<0.05)。4. Brunnstrom Stageと本検査得点の相関係数は, 上肢健側r=0.555, 麻痺側r=0.825, 下肢健側r=0.613, 麻痺側r=0.872と中等度以上の相関関係を認めた。
著者
南部 昌敏 浦野 弘 三橋 功一 小林 稔 井上 久祥 城間 祥子
出版者
上越教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

知識伝達型、問題解決型、省察型の研修スタイルを必要に応じて組み合わせた「協働と省察の継続と積み上げによる校内教員研修標準モデル」を構築し、実践した結果、教員の授業力と児童の学力の向上及び学習習慣の習得が明らかとなった。校内教員研修の効果は、全ての教員の行動変容として表れ(レベル3)、教職員一丸となって学校組織全体の自律的な取り組みも実現した(レベル4)。また、ニーズに応じた多様な集合型研修を行った結果、どの研修でもワークショップ型研修は好意的に受け止められ、授業力の向上に向けた改善点の明確化に寄与したことが確かめられた。
著者
高橋 康介 三橋 秀男 則枝 真 仙洞田 充 村田 一仁 渡邊 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.224, pp.11-16, 2009-10-01

非言語コミュニケーションは、言語による伝達が出来ないような情報を伝える。本研究ではオノマトペを用いて、接触行動を伴う非言語コミュニケーションがどのように感じられているのかを調べた。実験では二人の人物の接触行動を伴うコミュニケーションが描かれた写真を呈示し、適切なオノマトペなど、一連の質問項目に答えた。その結果、雰囲気を表すようなオノマトペで表現されたコミュニケーションは比較的望まれるものであったのに対し、動作の特性を表すようなオノマトペで表現されたコミュニケーションは「行いたい」と感じられなかった。またコミュニケーションに対する形容詞評定を用いて主成分分析を行った結果、第一主成分として場の雰囲気(暖かさ)を表す軸が、第二主成分として動作の特性を表す軸が現れた。以上の結果から、接触行動を伴うコミュニケーションにおいては動作の特性自体よりもそのコミュニケーションにより生じる雰囲気の方が優先的に受け取られ、また望ましさを決定することが示唆された。
著者
島本 洋 三橋 政次 峯 忠己 船津 良平 橘川 俊哉 三谷 公二 浜田 浩行 羽鳥 好律
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1104-1109, 2008-07-01
被引用文献数
5 1

We have developed a prototype single-chip color HDTV camera for broadcasting. This camera uses a 1.25-inch 8.9-M-pixel CMOS image sensor for obtaining enough resolution characteristics and signal-to-noise ratio (SNR) in a singlechip color system. The camera has an HD-SDI output and a body weight of only 1.4 kg (3.1 lb). The measured resolution was more than 35% on a modulation transfer function (MTF) (45% on a square wave response) at 800 TV-lines. The sensitivity was an f-stop of 11 at 2000 lux with a dynamic range of 400%, and the SNR was 60 dB. These characteristics were as high as those with conventional 2.2-M-pixel 3-CCD HDTV cameras. The measured color difference (delta-E) between this camera and a 3CCD camera on a CIELAB color space was about 9.3. Our simulation showed that the delta-E was about 1.8 with a linear matrix color correction.