著者
加藤 司 馬場 真美子 太幡 直也 下田 俊介 福田 美紀 大久保 暢俊
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.146-155, 2013-06-25 (Released:2013-09-01)
参考文献数
35
被引用文献数
1 2

This study investigated the professional impact of “Japanese Journal of Psychology.” Thirty four psychological journals written in Japanese were selected to register articles in a new database. This database included approximately 23,900 articles published through 2010. Using citations extracted from the references and footnotes in these scholarly journals, the Psychology Citation Index for Japanese Papers was created. The citation impact factors in Japanese psychology was determined on the basis of the number of times a journal was cited, cumulative impact factors, and the cited half-life of the journal; five years was a valid period for impact factor of psychological journals in Japan. The changes in the 5-year impact factors of “Japanese Journal of Psychology” were reviewed by comparing it with other journals.
著者
井下田 貴子 廣谷 定男 荒井 隆行
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.53-60, 2017-08-30 (Released:2018-02-28)
参考文献数
28

This study investigated overlapping of /o/ and /u/ in young Seoul Korean speakers' lenis/aspirated CV syllables, and discusses its results with previous studies' observations of overlapping in speech units of different length. Male speakers showed no overlapping in the lenis CV context, but did in the aspirated CV context. Females showed overlapping in both contexts, with greater overlapping in the aspirated. By comparing with previous V and read speech studies, it suggests that overlapping may be related to coarticulation and clarity reduction for males. For females, there is a possibility that the presence of C reduces overlapping in V.
著者
下田 正弘 蓑輪 顕量 永崎 研宣 大向 一輝 宮崎 泉 納富 信留 Muller Albert 苫米地 等流 藏本 龍介 船山 徹 高橋 晃一 師 茂樹 齋藤 希史 高岸 輝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は「人文学がデジタル時代にいかに遂行されうるか」という次世代の人文学にとって重要なテーマについて、人文学諸分野が参照可能なデジタル知識基盤を仏教学から提供し、人文学全体が共同で未来を開く方法論を検討する〈統合デジタル研究環境〉を形成する。そのため、人文学におけるテキスト、画像、事物、行為等の研究対象の相違と、思想、言語、歴史、行動科学等の研究方法の相違の両者を視野に入れ、両者から生まれる知識の多様性を、デジタル技術を通し効果的に保存し利用する多層的概念モデルを構築し、新大蔵経データベース(新SAT-DB)に実装して提供する。
著者
下田 妙子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.15-23, 2000-09

アトピー性皮膚炎患者13名に対して低n-6PUFA食を約4ヶ月間施行した。その結果、食事療法後、摂取脂肪が有意(p<0.05)に減少し、その結果、脂肪酸も有意(p<0.05)に減少した。脂肪酸のうち、一価不飽和脂肪酸(MUFA)は有意(p<0.05)に減少し、多価不飽和脂肪酸(PUFA)は減少傾向を示した。食事中のPUFA,飽和脂肪酸(SFA)の摂取量およびn-6/n-3比は、有意ではないものの食事療法後低下した。食事療法を実施した患者に対して食事療法前後での血中脂肪酸値を比較すると、イコサペンタエン酸(20:5 n-3 EPA)、ドコサヘキサエン酸(22:6 n-3 DHA)は有意に上昇し、リノール酸(18:2 n-6 LA)は有意に低下した。その結果、血中n-6/n-3比およびAA/EPA比は治療後有意(p<0.001)に低下した。皮膚症状は個々の患者によって程度の差はあるものの改善効果が示された。以上の結果から、低n-6系列多価不飽和脂肪酸食による食事療法は皮膚症状や血液生化学的データを改善するものとして、今後、アトピー性皮膚炎患者の食事療法として有用であることが示唆された。
著者
下田 雄次
出版者
弘前大学大学院地域社会研究科
雑誌
弘前大学大学院地域社会研究科年報 (ISSN:13498282)
巻号頁・発行日
no.11, pp.132-154, 2015-03-18

日本の民俗芸能研究では、民俗芸能(以下、芸能とも記す)を地域的・社会的な文脈から切り離し「舞台上」の芸術として捉えるような考え方が長らく支配的であった。また、芸能については主にその起源や意味、伝播や系譜が問題にされてきた。このような傾向は眼前にある芸能の姿を捉えようとする視野の欠如をもたらした。民俗芸能に対するこのような観念は我が国における文化財行政の思想的基盤にも影響を与えてきた。本論は民俗芸能や日常における人々の身体の用い方に着目し、民俗芸能を日常とのつながりのなかで捉え直そうとするものであり、近代化による日本人の身体性の変容も視野に入れながら、同時代的な観点に基づいて考察を行うものである。方法としては、青森県津軽地方の岩木山南山麓に伝承される獅子踊りや、同じく当該地域で行われてきた民間の技術を題材にした。いずれの観察対象においても論者自ら参与し実体験に基づく具体的な情報の収集に努めた。また参考事例として、弘前市内に藩政時代より伝わる古流武術の学習・実践によって得られた知見なども加えた。日常における身体活動のレベルから民俗芸能を捉えてみることにより、日常の諸技能を実践する身体のあり方が芸能の所作にとっての文化的な資源になっているという構図が見えてくる。旧来の身体のあり方が残存している一方で、近代以降変容を経た我々の身体がある。そして民俗芸能自体もまた変容を経ている。芸能をとりまく現在の社会には、旧来の事象に適した身体と近代化を経験した身体という二つの身体性が混在していると考えられる。
著者
下田 正弘 小野 基 石井 清純 蓑輪 顕量 永崎 研宣 宮崎 泉 Muller Albert 苫米地 等流 船山 徹 高橋 晃一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2015-05-29

本研究事業は、永続的に利用可能な仏教学の総合的知識基盤を日本に構築し、世界の仏教研究におけるウェブ知識拠点(ハブ)を構築することで次世代人文学のモデルを提供することを目的とする。これを達成するため、(1)大蔵経テキストデータベース(SAT-DB)を継続的に充実発展させ、(2)有望な新規国際プロジェクトを支援し、連携してSAT-DBネットワークを拡充し、(3)人文学の暗黙的方法の可視化を図って人文学テクストの適切なデジタル化を実現するためTEIと連携してTEI-Guidelinesを中心とするテクスト構造化の方法を精緻化し、(4)ISO/Unicodeとの連携し、国内のデジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)に関する研究教育の環境向上を図り、人文学国際化を支援する研究環境を整備する。これらの成果はSAT大蔵経テキストデータベースにオープンアクセスのかたちで反映させることをめざす。本年度は、James Cummings(Newcastle University, UK)、Paul Vierthaler(Leiden University, NLD)を迎えた国際会議「デジタルアーカイブ時代の人文学の構築に向けて」をはじめ、国際会議とワークショップを3回主催し、国内外で招待講演を行うとともに、東大から2度のプレスリリースを行って、当初の研究計画を大きく進展させた。その成果は、次世代人文学のモデルとなる新たなデジタルアーカイブSAT2018の公開となって結実した。SAT2018は、直接の専門となる仏教研究者にとって実用性の高い統合的研究環境を提供するばかりでなく、人文学研究のための専門知識デジタルアーカイブのモデルになるとともに、人文学の成果を一般社会に利用可能なかたちで提供する先進的事例となった。
著者
下田 正弘
出版者
日本南アジア学会
雑誌
南アジア研究 (ISSN:09155643)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.22, pp.158-169, 2010-12-15 (Released:2011-09-06)
著者
水流添 覚 山元 章 平島 義彰 福田 一起 梶原 伸宏 西田 周平 下田 誠也 荒木 栄一
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.837-842, 2014-11-30 (Released:2014-12-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

症例は65歳の2型糖尿病男性で経口薬・インスリン併用中だが,高血糖,肥満が是正されないためSGLT2阻害薬を導入すべく入院となった.メトホルミン,利尿薬内服を中止の上でイプラグリフロジン50 mg開始.血糖改善は良好で2日目から約10 %のインスリン減量を実施.3日目に全身性皮疹,腎機能障害(Cr 1.6 mg/dl),ケトーシス(3-OHBA 626 μmol/l),軽度代謝性アシドーシス(PH 7.348, HCO3- 18.3 mmol/l)に加え高度高K血症(7.3 mEq/l)を来した.症例は高K既往,K高含有食品(昆布)常用,ARB内服など高Kを呈しやすい素地があった.これに利尿薬中止,SGLT2阻害薬開始後の腎機能低下,アシドーシス,インスリン作用不足によるK細胞外シフトが加わり高Kを発症したと推察する.高Kを呈しやすい背景の患者へのSGLT2阻害薬導入ではK値に注意を要する.
著者
岩垣 穂大 齋藤 篤 Amantay Zhanar 下田 妙子 扇原 淳
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.254-260, 2014-03-31 (Released:2014-04-28)
参考文献数
23

今回の調査によってカザフのナウルズおよびコジェに見る文化的特徴と歴史的変容について以下のことが明らかになった。(1) 独立後, ナウルズはカザフ国内最大級の祝祭であり, 民族の伝統的なイベントとして現在に受け継がれている。誰でも祭りに参加することができるよう, 広場では無料でコジェが配られていたり, さまざまな民族の音楽やダンスが披露されていたりした。その他, 中央アジアの伝統料理であるシャシリクやバウルサックを売る店も見られ, 食や伝統芸能を通してカザフ人の世代間交流や, 異なる民族同士の交流が図られていた。(2) ナウルズが近づくと各家庭でコジェ作りが行われ, 家族・親戚・友人の往来が始まる。コジェに入れる具材は地域の特産によって少々異なるが, 7つ (以上) の食材を入れることと, 白色の食材を入れ全体の色を整えることはすべての家庭で共通していた。コジェに使われる食材はカザフの食卓には欠かせない馬肉や, 穀物類が中心でカザフの日常生活をよく表すものであった。コジェを白色の食材で整える理由は, 白が家畜の乳の色であり, 新年を迎えるにあたって一家の繁栄や幸福を願うからであった。(3) インタビュー対象者の出身地域によってナウルズを公に祝いコジェ作りも行っていた家庭, 家の中だけでコジェを作り祝っていた家庭, 全く祝わず, コジェも作らなかった家庭の3つに分けられた。ソ連との地理的・心理的距離や政治的影響力, カザフ人の人口密度が影響している可能性が指摘された。独立後, 伝統を復興させるために都市部でナウルズを教える, コジェを無料で配るなどの活動も行われ, 現在のナウルズの基盤となった。 調査の中で, 都心部と農村部でのナウルズの祝い方やコジェに加えられる材料が異なることがたびたび指摘された。そのため, 今後農村部を含めたカザフ国内全体の調査が必要である。また, より詳細で信頼性のある調査にしていくために調査員を増やし, インタビューを継続することが必要である。カザフ社会の時代の流れに呼応する文化の変容を見守りつつ, 調査で得られたデータをもとに, カザフの伝統的な祝祭と食文化についてさらに深く体系的に明らかにしていきたい。
著者
大澤 清二 下田 敦子 タン ナイン
出版者
Japan Society of Human Growth and Development
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.90, pp.1-10, 2021 (Released:2021-07-02)
参考文献数
10

The existence of adolescent growth spurts (PHV, Peak Height Velocity) has long been the norm for human height growth theory. However, according to Ohsawa's report, the hunter-gatherer Mlaburi, who lived in the forests of Thailand and Laos, did not see the adolescent growth spurt of their stature. The study reexamined this issue from growth data for the hunter-gatherer Salone (Moken) living in the Andaman Waters of Myanmar. As a result, similar to Mlabri, the adolescent growth spurt (PHV) could not be observed in Salone. The growth period of Salone was very long, and stature continued to grow to nearly 20 years of age.
著者
北村 英哉 下田 麻衣
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.91.19204, (Released:2020-01-20)
参考文献数
26
被引用文献数
1

We propose that avoiding the resentment of others plays an important role in the maintenance of cooperation and harmony for Japanese people. In the present research, we developed a scale to measure the tendency of individuals to avoid the resentment of others (the Avoidance of Resentment Scale: ARS) and investigated the reliability and validity of the scale through two studies. In study 1, we constructed the scale and looked into the correlations between the ARS and a scale to measure rejection anxiety. The factor analysis revealed three factors. In addition, the scores from the ARS were moderately correlated with the scores from the rejection anxiety scale, which implied that the ARS was validated. In study 2, the ARS was compared to two scales measuring harmony and trust: the Multifaceted Cooperativeness Scale and the Trust Scale. The responses for the ARS and these two scales showed significant correlations, supporting the validity of the ARS.