著者
田中 剛 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.11, pp.1826-1843, 1996-11-25
被引用文献数
9

本論文において,パラメータ制御を伴う区分線形周期写像を用いた,自己想起モデルが提案される.実際,本モデルの活性化関数は,ネットワークの準安定状態である偽記憶に陥ることなく,高い記憶容量を実現するため,単調周期写像の間を非単調周期写像を経て制御される.また,本モデルは,周期写像に基づくカオスカ学により,カオスを用いた記憶探索モデルを構成でき,更に入力に関する情報を外部刺激として与えることにより自己想起が実現される.計算機シミュレーションの結果から,本モデルは,探索モードにおいてでさえ,記憶率L/N〜0.5までは完全想起が実現されることが見出された.更に,ネットワークを非同期的動作させることにより,想起特性の改善,および,記憶容量が向上(探索モードにおいて記憶率L/N〜0.56)が確認され,ネットワークの非同期動作におけるカオスの有用性が見出された.
著者
中川 晋作 畑澤 順 清野 智史 向 洋平
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、腫瘍ターゲティング素子として腫瘍血管特異抗体を単離、精製し、RI でラベルすることで腫瘍イメージングプローブとして機能することを明らかにした。さらに本抗体を用いて immuno-PET/MRI の為のイメージングプローブとして開発すべく、MRI造影剤としての金酸化鉄複合ナノ粒子を PEG 修飾し、さらにその PEG 鎖先端に本抗体を修飾するための方法論を確立した。
著者
中川 克志
出版者
近畿大学文芸学部
雑誌
文学・芸術・文化 (ISSN:13445146)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.130-107, 2011-03

専攻: 芸術学
著者
中川一夫著
出版者
写真工業出版社
巻号頁・発行日
1994
著者
中川 正宣 富家 直 柳瀬 徹夫
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.147-158, 1985-03-30
被引用文献数
8

本研究において, 我々は与えられた表色系から一意的に色彩感情得点が計算できるようなシステムの構成を行なった。まずEvaluation, Potency, Activityという3つの色彩感情因子を得るため, 色刺激のSD法の結果に因子分析(キャロル・チャン法)を行ない, 次にスプライン関数による平滑化を用いてそれらの感情因子得点と与えられた表色系指標(マンセルの明度, 彩度)との関数を構築した。最後に, 各因子とマンセル指標(明度, 彩度)との関数関係を表わす曲面を描くため, 得られた関数を用いて理論得点を算出した。将来はこの曲面の数学的特徴を探ることによって色彩感情系の一般的メカニズムに迫りたいと考えている。
著者
岡田 羊祐 林 秀弥 大橋 弘 岡室 博之 松島 法明 武田 邦宣 中川 晶比兒
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、独禁法違反事件に係る審判決を素材として、日本の判例法的展開を、経済学の一分野である産業組織論の視点から分析・評価したものである。日本では、米国・EUと比較して、独禁法の判例研究が経済分析を刺激するプロセスが十分に機能してこなかった。そのため、経済合理性の視点からみて特異な判断が採用されてきたこともあった。この空隙を埋めるべく、経済学者と法学者が共同して独禁法の審判決の違法性判断基準を理論的・実証的に分析した。その結果、近年、日本の独禁法審判決は、一部の行為類型、特にカルテル・談合、企業合併などの分野において、徐々に経済学的にみて合理的な判断基準が採用されつつあることが明らかとなった。
著者
中川 晋一 岡沢 治夫 久保田 文人 小峯 隆宏 雨宮 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FACE, 情報文化と倫理
巻号頁・発行日
vol.99, no.348, pp.1-8, 1999-10-09

要約国際共同研究としての次世代インターネットテストベッドプロジェクト間の相互接続を目的として、1999年G8-GIBNプロジェクトと共同で行ったAUP(利用規約)に関する調査研究をもとに、研究開発用ギガビットネットワーク、郵政省通信総合研究所APIIテストベッド、APAN、AIII、WIDE等の国際インターネットテストベッドとの相互接続を行って行く過程でインターネットレイヤモデルにおける社会的側面を加えた新規モデル提案の必要性を検討した。調査の結果、現在の1)ネットウークの目的、2)技術的基盤に関する情報、3)ユーザへの課金の有無を含む接続の際の要求事項、4)帯域割り当てや各種トラフィックの取扱いなどの規則、5)ネットワークのモニター方法、6)バックアップシステムなどに関しての周知の必要性、プロジェクト範囲についての定義が明瞭でない等の問題が示唆され、従来のネットワークレイヤモデルにポリシーを加えた新規層構造を検討した。
著者
斎藤 泰紀 赤荻 栄一 永元 則義 佐藤 雅美 岡田 信一郎 太田 伸一郎 今井 督 須田 秀一 橋本 邦久 仲田 祐 中川 潤 佐藤 博俊
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.151-161, 1984

喀痰細胞診により発見された胸部レ線写真無所見肺癌21例について, 気管支鏡検査による局在部位同定法とその所見を検討した。全例扁平上皮癌であったが, 亜区域支より末梢に局在するものがあった。11例は, 正常粘膜からの高さが約2mm以上あり, ポリープ状隆起, 結節状隆起, 扁平な隆起等の目立つ所見を呈した。7例は, 約2mm以下の小結節, 表面の扁平な隆起・腫脹, 表面の不整等の目立たない所見を呈した。3例は無所見で, 気管支鏡可視範囲内にあっても病変が微細で認識できなかったものが2例, 気管支鏡可視範囲外の末梢にあり, レ線写真でも確認できなかったものが1例であった。これらの症例は, 気管支鏡下に, 気管支分泌物・洗浄吸引物・擦過物の細胞診, および生検を系統的に用いることにより, 局在部位を同定することが可能であった。
著者
中川 恭次 渡辺 清治 角田 智彦 瀬尾 和大 此上 典文
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, 1974-06-15

ある場所で観測される地震動には波動の伝播過程におけるさまざまな要因による影響が含まれているが, 特に観測点直下の表層地盤の影響が大きいと考えられる。そこで表層地盤に関する資料は他の要因に比して比較的豊富であるので, 表層地盤の動特性を観測点ごとに求めることによって, 地表における地震観測記録から観測点直下の基盤における地震動を推定することはある程度可能である。この考え方から東松山地震(1968)の際, 都内13個所で得られたSMAC強震計の同時記録をもとに基盤入力波を逆算し, 表層地盤の動特性と基盤入力波の持つ性質についての考察を行なった。その結果, 基盤入力波の振幅レベル, 特性は推定可能であり, また他の場所で観測された地震記録から計算によって基盤入力波を求めることもある程度可能となった。
著者
丸山 貴司 中川 匡弘
出版者
日本高専学会
雑誌
日本高専学会誌 : journal of the Japan Association for College of Technology (ISSN:18845444)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.97-104, 2011-07-31
被引用文献数
2

近年,ヒトの生体信号を解析することで感性の定量的評価を試みる研究が取り組まれている.中でも,ヒトの感情は脳の活動と密接に関係していると考えられ,脳波を解析することで感情の定量化を試みる手法として,感性スペクトル解析手法(ESAM),感性フラクタル次元解析手法(EFAM)が提案されている.本研究では,脳波のフラクタル次元を特徴量として感性の定量化を行うEFAMの拡張として,脳波のマルチフラクタル次元を用いた感性解析を試み,既存技術であるESAM,EFAMとの比較を行った.具体的には,被験者16名に対し,「喜怒哀楽」の基本4感性について想起の持続性・再現性の実験を実施した.その結果,提案手法はEFAMに比べ,学習誤差等は増加し,一つひとつの感性の認識率は低減するが,4つ全ての感性が偏り少なく認識できることが確認できた.マルチフラクタル次元を特徴量として用いることにより,感性に寄与している特徴を適切に抽出でき,認識可能な感性の偏りが低減されたものと考えられる.また,学習に用いる時系列データのばらつきを抑えることで,認識率が向上する可能性が示唆された.
著者
中川 定明
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.625-631, 1995-01-20
被引用文献数
1

College of American Pathologistが編集した顕微鏡的病変のコード表Systematized nomenclature of medicine (SNOMED)には約4万種の形態学的病変名がコード番号で分類されている。それはウイルヒョウが細胞病理学説に従って「物質代謝障害」「循環障害」「炎症」「再生・修復」「腫瘍」「奇形」の範疇に大分類したもので,すべての疾患が示す病変を分類・鑑別するためのものである。疾患名は同義語をふくめておそらく万単位にのぼる。一方,中国伝統医学には永い伝統があるので多数の疾患名があるが,西洋医学のそれに較べれば比較にならないほど少ない。中医学では疾患を八綱弁証,気血津液弁証,臓腑弁証,六経弁証,衛気営血弁証,病邪弁証,外感熱病気弁証の7つの弁証で判別したせいぜい百余の『証』としての機能異常群にまとめている。『証』は疾患の類別ではなく複数の症候の全人的な類別である。東西医学にはこういう相違があるが,「症状」と「病変」には東西に変わりはない筈であるから,疾患を病理解剖学的に追求する西洋医学と全人的・機能的に追求する東洋医学の両者に共通するものは「症状」であり「病変」である。この視点に立って,全身に分布する「病変」および「機能性疾患」から病気を眺めて比較・対照をすることを企図して,その可能性の根拠を述べた。
著者
飯田弘之 中川武夫 ApimukMuangkasem 神谷俊裕 曾根彰吾 森近泰匡 石飛太一 若林宏明
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-4, 2011-12-10

ゲーム中における個々のプレーヤーの感じ方、すなわち感情 (Feeling) は本質的に異なる。本研究は、この感情が Game Progress Pattern, すなわち Balanced Game, Seesaw Game および One-sided Game にどのように依存するかをアンケート調査の分析結果に基づいて検討・考察を加えたものである。
著者
中川 保雄
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 第(0xF9C2)期 (ISSN:00227692)
巻号頁・発行日
vol.25, no.157, pp.20-33, 1986-05
被引用文献数
1

It has been asserted that the investigations of atomic bomb radiation effects in Hiroshima and Nagasaki were conducted in the high traditions of scientific inquiry. These scientific data has been used for the assessments of the radiation effects from nuclear wars and for the risk estimation of low level radiation. However, the investigator for acute radiation effects was the U. S. Armed Forces Joint Commission, and then the Atomic Bomb Casualty Commission was founded by the request of the Surgeons General of U. S. Army and U. S. Navy. The Japanese scientists who worked under the control of U. S. officers had been engaged in the survey after the dropping of the atomic bombs in Hiroshima and Nagasaki, which had formed a link in the chain of the survey by the scientists who had worked for development of Japanese atomic bomb. The conclusions from the investigations by the U. S. Armed Forces Joint Commission and ABCC were derived from the following underestimations: 1) Among a variety of acute radiation syndrome, only epilation and purpura were designated specific symptoms of the acute radiation injuries. Other injuries such as fatigue, fever, anorexia and vomiting and so on were excluded from acute radiation ones. 2) Data of acute deaths in relation to the distance from the ground zero were also understimated on a basis of underrating of radiation injuries. The threshold dose of 100R for acute radiation death was a result of these underestimations. 3) The threshold dose of 25R for radiation injuries was derived quantitatively from the animal experiment during the Manhattan Project and adapted to the survivors in Hiroshima and Nagasaki to deny the radiation injuries among the people who were exposed out of 2 km from the ground zero where the atomic radiation dose was estimated about 20R. But that animal experiment of the reduction of lymphocite from X-ray dose showed that there was no threshold at 25R, but the effect could be found far below the value. The important results of acute deaths and acute injuries from atomic radiation exposure in Hiroshima and Nagasaki have been based on a number of underestimations of radiation effects. These underestimations were in connection with the American nuclear strategy in those days for monopolizing nuclear weapons, preparing nuclear wars, and developing commercial uses of nuclear power. The assessments of the radiation effects from nuclear wars and the risk estimation from low level radiation, which were based on the investigations of acute radiation effect in Hiroshima and Nagasaki, should be reexamined.
著者
中川 保雄
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究. 第II期 (ISSN:00227692)
巻号頁・発行日
vol.25, no.157, pp.20-33, 1986-05-15
被引用文献数
1

It has been asserted that the investigations of atomic bomb radiation effects in Hiroshima and Nagasaki were conducted in the high traditions of scientific inquiry. These scientific data has been used for the assessments of the radiation effects from nuclear wars and for the risk estimation of low level radiation. However, the investigator for acute radiation effects was the U. S. Armed Forces Joint Commission, and then the Atomic Bomb Casualty Commission was founded by the request of the Surgeons General of U. S. Army and U. S. Navy. The Japanese scientists who worked under the control of U. S. officers had been engaged in the survey after the dropping of the atomic bombs in Hiroshima and Nagasaki, which had formed a link in the chain of the survey by the scientists who had worked for development of Japanese atomic bomb. The conclusions from the investigations by the U. S. Armed Forces Joint Commission and ABCC were derived from the following underestimations: 1) Among a variety of acute radiation syndrome, only epilation and purpura were designated specific symptoms of the acute radiation injuries. Other injuries such as fatigue, fever, anorexia and vomiting and so on were excluded from acute radiation ones. 2) Data of acute deaths in relation to the distance from the ground zero were also understimated on a basis of underrating of radiation injuries. The threshold dose of 100R for acute radiation death was a result of these underestimations. 3) The threshold dose of 25R for radiation injuries was derived quantitatively from the animal experiment during the Manhattan Project and adapted to the survivors in Hiroshima and Nagasaki to deny the radiation injuries among the people who were exposed out of 2 km from the ground zero where the atomic radiation dose was estimated about 20R. But that animal experiment of the reduction of lymphocite from X-ray dose showed that there was no threshold at 25R, but the effect could be found far below the value. The important results of acute deaths and acute injuries from atomic radiation exposure in Hiroshima and Nagasaki have been based on a number of underestimations of radiation effects. These underestimations were in connection with the American nuclear strategy in those days for monopolizing nuclear weapons, preparing nuclear wars, and developing commercial uses of nuclear power. The assessments of the radiation effects from nuclear wars and the risk estimation from low level radiation, which were based on the investigations of acute radiation effect in Hiroshima and Nagasaki, should be reexamined.
著者
中川 保雄
出版者
神戸大学
雑誌
論集 : 神戸大学教養部紀要 (ISSN:02875667)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1*-27*, 1984-03
被引用文献数
1
著者
渡辺 法男 安村 幹央 中川 千草 立山 健一郎 安田 公夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.310-312, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
10

【目的】オピオイド鎮痛薬は単剤治療が基本であるが, モルヒネとフェンタニルパッチ (FP) を併用することにより, 疼痛, 咳嗽・呼吸困難の症状緩和を得ることができた症例を経験したので報告する. 【症例】50歳代, 女性, S状結腸がん, 肝・肺転移. 疼痛に加え咳嗽・呼吸困難があったため, 硫酸モルヒネを開始し, 症状緩和を得た. 将来的に経口摂取が困難になることを考慮し, FPへの変更を計画した. しかしながら, フェンタニルの咳嗽・呼吸困難に対する効果は確立していないため, 咳嗽・呼吸困難に対しては少量の硫酸モルヒネを継続し, 疼痛に対してはFPにて調節を行い, 最後までモルヒネとフェンタニルの両成分を併用することにより, 疼痛, 咳嗽・呼吸困難の症状緩和を得ることができた. 【結論】経口摂取困難で, 疼痛に加え, 咳嗽・呼吸困難を有する症例に対して, 少量のモルヒネとFPの併用は, 安定した症状緩和を得るうえで有用であると考える.