著者
中村 友紀 山中 伸弥
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.531-538, 2008-08-01

分化多能性をもち,その性質を維持したままほぼ無限に増殖させることができる胚性幹細胞,ES細胞は細胞移植治療や創薬試験系への応用に大きな期待が寄せられてきた.しかし,その作製には受精卵が必要になることから倫理的に慎重な運用が求められ,また他家移植となることから免疫拒絶の制御という問題も抱えていた.これらを回避すべく,真に臨床応用可能な幹細胞の開発を目指し,様々な研究が行なわれている.ここでは,その試みから生まれた人工多能性幹細胞,iPS細胞について,樹立までの経緯とそのインパクト,展望について触れたい.
著者
中村 友昭 長井 隆行 船越 孝太郎 谷口 忠大 岩橋 直人 金子 正秀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.498-509, 2015-05-01 (Released:2015-03-26)
参考文献数
30
被引用文献数
1 3

Humans develop their concept of an object by classifying it into a category, and acquire language by interacting with others at the same time. Thus, the meaning of a word can be learnt by connecting the recognized word and concept. We consider such an ability to be important in allowing robots to flexibly develop their knowledge of language and concepts. Accordingly, we propose a method that enables robots to acquire such knowledge. The object concept is formed by classifying multimodal information acquired from objects, and the language model is acquired from human speech describing object features. We propose a stochastic model of language and concepts, and knowledge is learnt by estimating the model parameters. The important point is that language and concepts are interdependent. There is a high probability that the same words will be uttered to objects in the same category. Similarly, objects to which the same words are uttered are highly likely to have the same features. Using this relation, the accuracy of both speech recognition and object classification can be improved by the proposed method. However, it is difficult to directly estimate the parameters of the proposed model, because there are many parameters that are required. Therefore, we approximate the proposed model, and estimate its parameters using a nested Pitman--Yor language model and multimodal latent Dirichlet allocation to acquire the language and concept, respectively. The experimental results show that the accuracy of speech recognition and object classification is improved by the proposed method.
著者
中村 友紀 山中 伸弥
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.531-538, 2008-08-01 (Released:2011-04-18)
参考文献数
29

分化多能性をもち,その性質を維持したままほぼ無限に増殖させることができる胚性幹細胞,ES細胞は細胞移植治療や創薬試験系への応用に大きな期待が寄せられてきた.しかし,その作製には受精卵が必要になることから倫理的に慎重な運用が求められ,また他家移植となることから免疫拒絶の制御という問題も抱えていた.これらを回避すべく,真に臨床応用可能な幹細胞の開発を目指し,様々な研究が行なわれている.ここでは,その試みから生まれた人工多能性幹細胞,iPS細胞について,樹立までの経緯とそのインパクト,展望について触れたい.
著者
木内 敦詞 中村 友浩 荒井 弘和 浦井 良太郎 橋本 公雄
出版者
公益社団法人 全国大学体育連合
雑誌
大学体育学 (ISSN:13491296)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.69-76, 2010

生活習慣と学力が関連することはこれまで経験的に述べられてきた.しかしながら,それを十分に裏づける学術的データはわが国においてほとんど提出されていない.本研究は,大学初年次生の生活習慣と修学状況(取得単位数)との関係を明らかにすることを目的とした.近畿圏にある工科系大学男子1068名が本研究に参加した.彼らの初年次前期取得単位数は以下のとおりであった;25単位以上(52%,N=554:A群),20-24単位(30%,N=317:B群),15-19単位(12%,N=131:C群),15単位未満(6%,N=66:D群)。前期授業終了時における健康度・生活習慣診断検査(DIHAL.2,徳永2003)から,以下のことが明らかとなった.すなわち,「食事」「休養」尺度および「生活習慣の合計」において,D<C<B<A群の順位傾向とともに,D群に対するA群の有意な高値(P<.01)が示された.特に,「食事の規則性」「睡眠の規則性」スコアにおいては,明確なD<C<B<A群の順位性とともに,食事や睡眠を軸とした"規則的な生活リズム"の重要性が示された.これらの結果は,大学入学直後から教育の枠組みの中で,健康的なライフスタイル構築のための健康教育を実施することの必要性を支持している.
著者
森口 佑介 渡部 綾一 川島 陽太 中村 友哉 森本 優洸聖 石原 憲 土谷 尚嗣
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第86回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.SS-013, 2022 (Released:2023-07-07)

主観的で現象的な「○○であるという感じ」を意識と呼ぶ。近代心理学を創設したヴントやジェームズは,意識を心理学のテーマとしたが主観的な意識は実証主義を目指した心理学から排除されてきた。しかし近年は計算論的アプローチの導入や脳活動計測技術や心理学的実験パラダイムの発展により,主観的な意識を客観的な行動や脳活動と結びつける取り組みが進められてきた。これらの取り組みにより神経科学や工学,心理学等複数の分野にまたがる学際性を持つ重要なテーマとして意識の研究が進められている。本シンポジウムでは様々な視座から意識の理解・解明に挑戦している5人の若手研究者が,現在最前線で意識研究を行っている土谷と議論する。川島は意識の神経相関とその階層性,中村は錯視の時間形成,森本は知覚処理と運動・決定に関する処理の分離,石原は身体と外環境のインタラクションの熱力学的定式化,渡部は意識の発達について話題提供する。本領域のトップランナーである土谷を迎え,現在の心理学研究は意識に迫ることができるか,また迫るためには何が必要かを皆さんと一緒に考えたい。
著者
中村 友宣 小川 剛史 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.554, pp.49-54, 2008-03-15
被引用文献数
4

本稿では,移動中の連続した学習を支援するウェアラブル学習システムにおける鉄道車内混雑度推定を用いた利用者コンテキストの認識手法にっいて述べる.本研究では,利用者の動作(「座位」,「立位」,「歩く」,「走る」,「自転車」),立位時の場所(「電車の中」,「駅のホーム」,「遮断機・信号機の前」),及び電車内の混雑度(「空いている」,「混んでいる」)を認識するために,両足大腿部の加速度,天井までの距離及び大気中の二酸化炭素濃度を計測する.前処理として加速度データのパワースペクトル及び距離データの中央値を算出後,識別器としてサポートベクターマシンを用いて各動作・場所・混雑度の確率を推定する.更に次状態への遷移確率に遷移の平易度を考慮してロバストな認識を実現する.実験にて通学行程全体の認識率を85.8%の精度で認識できており,「回答できない設問が出題される」という学習に支障をきたす誤認識は0.6%と極めて低いことを確認した.
著者
中村 友真 岸本 桂子 山浦 克典 福島 紀子
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.2-9, 2016-06-10 (Released:2016-07-06)
参考文献数
22
被引用文献数
6

To consider what pharmacists can do to prevent patients from having leftover prescription drugs, we conducted a qualitative study about the various causes behind the unused drugs. We interviewed one male and four female home-care patients who had leftover prescription drugs that pharmacists detected via their home visiting service. The Grounded Theory Approach was used for analysis, and two types were identified as “exogenous factors that cause confusion for the patient” and “patient’s personal thoughts and feelings.” “Exogenous factors that cause confusion” involved eight factors, including unsuitable dosing schedule for lifestyle, complex timing for taking medicine, and inadequate support for enhancing patients’ compliance. These factors were divided into [problems with prescription] and [difficult changes to manage]. In “patient’s personal thoughts and feelings,” 16 concepts were identified and their broader concepts comprised six categories: [distrust of drugs], [taking a positive view about one’s own non-compliance], [psychological distance from medical staff], and others. It was assumed that there would be a perception gap of compliance between patients and medical staff. Moreover, patients affirmed their poor compliance and they did not see the occurrence of leftover drugs as a problem. Additionally, psychological distance from medical staff prevents patients from consultation. Therefore, pharmacists should check patients’ compliance for each drug as well as any medical problems. Knowing patients’ inherent mind revealed by this study, the pharmacist can assist medication alongside patients and contribute to the early prevention of unused drugs.
著者
山内 有信 中村 友香 狩谷 標 檜垣 俊介 山城 ミヤ子 稲井 玲子 東元 稔
出版者
鈴峯女子短期大学
雑誌
鈴峯女子短大研究集報. 自然科学篇 (ISSN:03895025)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-11, 2006-12-20

カテキン類摂取で体脂肪が低減されることが報告されている。しかし,これらの研究は中・壮年層で軽度肥満の者を被験者としているものがほとんどであり,若年層での研究はほとんど見当たらない。そこで,4週間に亘る高濃度茶カテキン飲料の摂取によって体脂肪低減効果が得られるかについて,研究の趣旨を説明して同意を得た健康な女子大学生を被験者として検討を試みた。その結果,BMI,体脂肪量および体脂肪率は有意に低下し,とくに体の部位別の体脂肪率では体幹部が有意に低下した。また,体年齢,ウエスト周囲径も有意に減少し,体重あたりの基礎代謝量は有意に上昇した。これらの結果から,とくに生活習慣病で問題となる腹部脂肪(内臓脂肪)が減少し,生活習慣病予防に対する効果が期待できると考えられた。
著者
長野 匡隼 中村 友昭 長井 隆行 持橋 大地 小林 一郎 高野 渉
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1L3J1101, 2019 (Released:2019-06-01)

人は知覚した高次元の時系列情報を意味を持つ単語や単位動作に分節・分類することで認識している.ロボットが単語や動作を柔軟に学習するためにも,このような教師なしで分節・分類する能力は重要であると考えられる.本稿では教師なしで高次元の時系列データから特徴抽出すると同時に,単位系列に分節・分類が可能なHierarchical Dirichlet Processes-Variational Autoencoder-Gaussian Process-Hidden Semi-Markov Model (HVGH)を提案する.HVGHは,HDP-GP-HSMMにVariational Autoencoder(VAE)を導入したモデルであり,VAEとHDP-GP-HSMMのパラメータが相互に影響しあい学習される.VAEにより高次元データを分節化に適した低次元の潜在変数へと圧縮し,その潜在変数の遷移をガウス過程を用いて表現することで,高次元の複雑な時系列データの分節化を可能とする.実験では,様々なモーションキャプチャデータを用いて,提案手法が既存手法よりクラス数の推定精度及び分節・分類の精度が高いことが示す.
著者
三村 喬生 中村 友昭 松本 惇平 西条 寿夫 須原 哲也 持橋 大地 南本 敬史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1C4J301, 2019 (Released:2019-06-01)

非ヒト霊長類など社会集団を構成する動物種においても広く観察される視線・表情・姿勢・動作などの身体表現を用いた非言語表現は、社会的コミュニケーションの本質的要素を成していると考えられるが、有効な定量解析技術がなく、コミュニケーションダイナミクスの理解において課題となっている。本研究では、身体表現を高解像度かつ汎用的に解析する手法の開発および実装として、小型霊長類コモン・マーモセットの典型的な摂餌行動を対象とし、ログデータを取得と身体動作時系列の分節推移構造推定を行った。データ取得には深度カメラとオ ブジェクト検出器を組み合わせた新規のマーカーレス・3 次元 モーショントラック技術を開発・実装し身体部位のトラッキン グ情報を抽出した。分節推移構造の推定には、ガウス過程の導入により多次元連続量を取り扱える拡張を施した隠れセミマルコフモデルを用いた。結果、マーモセット行動エソグラムの高解像度な分離を得たことから、提案手法は疾患モデル動物の病態評価など幅広い応用が期待される。
著者
儀間 裕貴 黒宮 寛之 渡辺 はま 中村 友彦 多賀 厳太郎
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.90-98, 2019 (Released:2019-04-20)
参考文献数
22

【目的】極低出生体重児のフォローアップ健診で1 歳6 ヵ月・3 歳時に実施した問診評価の結果と,6 歳時発達の関連を検討する。【方法】極低出生体重児212 例を対象とした。6 歳時フォローアップ健診の結果に基づき,対象を4 群(定型発達,非定型発達,自閉症スペクトラム障害,脳性麻痺)に分類し,問診の各選択肢において,定型発達群と比較した各群における回答割合の差とリスク比を検討した。また,自由記載欄への回答について単語の出現頻度を検討した。【結果】3 歳時問診において,それぞれの群に回答割合が有意に高い設問を認め,リスク比も高値であった。自由記述の割合は,非定型発達群,自閉症スペクトラム障害群,脳性麻痺群で高い傾向があった。【結論】フォローアップ健診における問診評価は,その後の発達と関連する情報を多く含み,その傾向は1歳6 ヵ月時点に比べ3 歳時点の評価結果で高かった。
著者
荒井 弘和 中村 友浩 木内 敦詞 浦井 良太郎
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.667-676, 2006-07-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
26
被引用文献数
4

本研究の目的は,主観的に評価された睡眠の質と,身体活動および心理的適応(不安・抑うつ)との関連を検討することであつた.本研究の対象者は,夜間部に通う大学1年生の男子186名であつた.測定尺度にはPittsburgh Sleep Quality Indexの日本語版(PSQI-J),身体活動評価表(PAAS),Hospital Anxiety and Depression Scale (HADS)日本語版を用いた.本研究は,横断的研究デザインであつた.相関分析の結果,運動や日常身体活動を行つていない者ほど,睡眠時間が長く,眠剤を使用していた.また,日常身体活動を行つている者ほど,睡眠困難や日中覚醒困難を感じていないことが明らかになった.次に,階層的重回帰分析を行つた結果,運動の実施はPSQI得点を予測していなかつたが,日常身体活動の実施は睡眠時間,睡眠効率,睡眠困難,および日中覚醒困難を予測することが明らかになつた.結論として,本研究は,身体活動が主観的な睡眠の質と部分的に関運することを支持した.
著者
中村 友梨江 長瀬 敏郎 栗林 貴弘 今井 裕之
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2017年年会
巻号頁・発行日
pp.41, 2017 (Released:2020-01-16)

昨年の年会にて結晶構造を報告した奈良県天川村産のレインボーガーネットについて,詳細な内部組織の観察からラメラ組織の成因を議論することを目的とし,薄片及び研磨片を電解放出型走査電子顕微鏡で観察した.Fine lamellaeはほぼアンドラダイト端成分の層とAlに富む層からなり,先行研究と同様に各層の幅には周期的な変化がみられた.幅が変化する場所はwavy lamellaeに一致する.また,fine lamellaeは幅が変化するところでクランク状に折れ曲がっており,結晶表面に対する高さが1周期分だけ変化する.これらの観察結果からwavy lamellae はfine lamellaeの厚さの変化によるモアレであること,fine lamellaeは平坦ではなく結晶面に対して山なりで階段状の斜面になっていることが明らかになった.さらにfine lamellaeがセクター境界の両側で一対一に対応しており,境界を越えて連続していることからfine lamellaeは成長縞であり,その形状はガーネットが成長したある時点での結晶表面の形状を反映していると考えられる.
著者
船田 美雪 中村 友昭 長井 隆行 金子 正秀
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

人は知覚情報や養育者からの語りかけによって文化毎に異なる言語や概念を獲得する.また,養育者は幼児の成長に合わせて育児語と成人語を用いる傾向があり,このような変化の中で,人は育児語と成人語の双方を学習する.我々はこれまで,概念と言語の相互学習による,ロボットの概念獲得手法を提案してきた.本稿では,このような相互学習モデルにおける育児語と成人語の学習の過程と,教示言語が概念形成に及ぼす影響を検証する.
著者
安藤 義記 中村 友昭 長井 隆行
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

これまでLatent Dirichlet Allocationをベースに,物体のカテゴリを教師なしで形成する手法が提案されてきた.しかし,これら研究では物体カテゴリの形成を目的としており,色や硬さを表現するカテゴリなどは考慮されていない.本稿では,学習の際にパラメータの異なる複数のモデルを用いることで,多様な概念を形成する手法を提案する.これにより,色や硬さといった概念も獲得することが可能となる.
著者
中須賀 真一 酒匂 信匡 津田 雄一 永島 隆 船瀬 龍 中村 友哉 永井 将貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.41-48, 2005-01-01
参考文献数
8
被引用文献数
14

2003年6月30日,東京大学中須賀研究室が開発した超小型衛星CubeSat-XI(1kg,10cm立方)がロシア連邦プレセツクより高度820kmの太陽同期軌道に打ち上げられた.その後,当初の予想を超え1年以上の長期にわたり順調に動作し,バス機器の軌道上実証,画像取得・ダウンリンクなどの実験を行って大きな成果を収めた.この衛星は学生の手作りにより開発された衛星で,その第一の目的は宇宙工学教育であるが,民生品をベースに低コスト・短期に衛星を提供することによる新しい宇宙開発を試行することをその先の目的としている.本論文では,CubeSat-XIの概要と軌道上実証の成果を述べ,その開発経験や成果を踏まえ,宇宙開発の低コスト化・短期開発化を目指した小型・超小型衛星開発のあり方を論じる.
著者
中村 友洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.1-6, 2006-04-07

カリフォルニア大学バークレー校とスタンフォード大学はITシステムの可用性向上を目的として,共同研究プロジェクトRecovery Oriented Computing (ROC)およびReliable Adaptive Distributed Systems (RADS)を推進している.ROC/RADSプロジェクトは,オペレータのミスやソフトウェアバグに起因するシステム障害の発生を前提として,システム障害の発生予測や高速な障害復旧により高可用システムを実現するアプローチを特徴としている.報告者はスタンフォード大学に1年間滞在しROC/RADSの中核技術の1つである障害予測の研究に携わった.本稿では, ROC/RADSの概要と,障害復旧と障害予測に関する成果について紹介する.