著者
青木 秀貴 中村 友洋 助川 直伸 齋藤 拡二 深川 正一 中川 八穂子 五百木 伸洋
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SIG12(ACS11), pp.27-36, 2005-08-15

科学技術計算をターゲットとするスーパーテクニカルサーバSR11000 モデルJ1 を開発した.POWER5 を16CPU 搭載するSR11000 モデルJ1 のノードは,理論ピーク演算性能121.6GFLOPSを有し,協調型マイクロプロセッサ(COMPAS)と呼ぶノード内並列処理方式と,擬似ベクトル処理(PVP)によるメモリアクセスを含めたパイプライン処理により,単一の高性能なプロセッシングエレメントとして利用できる.本稿では,COMPAS とPVP を可能とするSR11000 モデルJ1 のノードアーキテクチャを紹介するとともに,ノード性能の評価結果について述べる.
著者
谷口 忠大 山川 宏 長井 隆行 銅谷 賢治 坂上 雅道 鈴木 雅大 中村 友昭 谷口 彰
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2M6OS19d04, 2022 (Released:2022-07-11)

本発表では著者らが提案し推進する全脳確率的生成モデル(WB-PGM: Whole-Brain Probabilistic Generative Model)のアプローチとその展望について概説する。世界モデルはセンサ・モータ情報を行動主体の主観的な視点からコーディングする予測モデルである。マルチモーダルな情報を統合し、複雑な身体を統御し、環境に適応できる人間の知能、および発達的なロボットの構成をその延長線上で捉えようとすると、その認知アーキテクチャとしての構造を検討する必要が現れる。WB-PGMは、人間の全能の構造に学ぶとともに、予測学習を基礎に据えた確率的生成モデルにより認知アーキテクチャを構築しようというアプローチである。本発表ではその基本的な考え方と展望に関しての報告する。
著者
中村 友貴 前川 美幸 矢代 梓 野中 紘士 森 潤一 秋山 純一
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0851, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】我が国における認知症患者は2010年時点で約200万人とされてきたが,今後高齢者人口の増加とともに認知症患者数もさらに増加し,2020年には325万人まで増加すると推定され,認知症の対応が重要である。日常生活を行う上で,認知症は学習能力・理解力を低下させ,理学療法を行う上で阻害因子となる。現在,ビタミンD3による認知症・学習効果に関する詳細な基礎的研究はみられない。ビタミンD3は腸管からカルシウムの吸収を促進したり,尿からのカルシウム排泄を抑制したりすることで,血中カルシウム濃度高めるという作用が知られている。また,適度な血中カルシウム濃度の安定化は精神活動に良い影響を与えると考えられている。そこで,ビタミンD3が血中カルシウム濃度を介して,学習能力にも影響を与えるのではないかと考え,本研究を行った。マウスに各種濃度のビタミンD3の経口投与を行い,受動的回避試験による学習効果と明暗弁別回避学習の習得や空間記憶に関与するとされる脳内セロトニン濃度の変動について検討を行った。【方法】本実験は,生後26週齢のICR系雌性マウス40匹を使用した。マウスを無作為に4群に分け,それぞれ10匹ずつの①コントロール群(無処置群),②ビタミンD3(2ng)投与群(以下2ng群),③ビタミンD3(10ng)投与群(以下10ng群),④ビタミンD3(20ng)投与群(以下20ng群)とした。②~④群に対して1日1回,ラットの体重20gに対して各種濃度のビタミンD3の経口投与を行った。経口投与開始,1週,2週後に各群10匹ずつを用いて受動的回避試験を実施した。受動的回避試験とは暗室に進入した際に電気刺激を与えることで,暗室への進入を痛みである恐怖と関連付けて記憶させて,暗室への進入に要した時間と試行の回数により学習効果判定を行う試験である。試験後,麻酔の腹腔内大量投与により屠殺し,大脳の採取を行った。受動的回避試験の結果とELISA法による大脳のセロトニン濃度測定により評価を行い,ビタミンD3の経口投与が学習能力に与える影響について比較検討を行った。【倫理的配慮,説明と同意】本動物実験は,吉備国際大学動物実験委員会の承認を得て行った。(承認番号A-11-03)【結果】各群間で受動的回避試験の結果を比較したところ,1週目ではコントロール群と比べて10ng群で有意に高い学習効果を示し,次いで20ng群で有意に高い学習効果を示した。しかし,2週目ではコントロール群と比べて10ng群にのみ学習効果の有意差が認められた。さらに,脳内のセロトニン濃度測定をコントロール群と比較したところ,1週目では10ng群,20ng群の順に有意に高い値を示した。さらに2週目においても,10ng群,20ng群の順に有意で高い値を示した。1週目と2週目の比較では有意に同様の高い値を示し,ビタミンD3の経口投与での持続的な効果が認められた。以上より,ビタミンD3が学習能力に有意性を与 えることが確認された。また,マウスに対してのビタミンD3の適量は低濃度投与群の10ngであることが明らかであった。【考察】受動的回避試験と大脳セロトニン濃度の測定結果より,ビタミンD3の経口投与が学習能力の向上作用を持つことが強く示唆された。脳内セロトニンは,明暗弁別回避学習の習得や空間記憶機能に関与するとされる。本研究は,明暗の弁別という受動的回避試験と大脳セロトニン濃度測定により学習効果判定を行ったために,高い学習効果が得られたと考えられる。また,ビタミンD3が学習能力に与える効果の至適濃度の存在が認められた。至適濃度以上の高濃度のビタミンD3投与では高カルシウム血症状態になったためではないかと考えられる。高カルシウム血症状態が精神活動の不安定化が引き起すとされており,このことが学習能力に悪影響を与えたのではないかと考えた。今後の展望として,ビタミンD3投与による学習効果向上が認められたことから,ビタミンD3の経口投与が認知症の予防や治療にも応用できるのではないかと考えられる。今後,Y字型迷路試験や水探索試験のように学習・記憶行動の様々な評価法で学習効果判定を行うことで,ビタミンD3経口投与による学習効果の更なる有効性が確認出来るのではないかと考える。【理学療法学研究としての意義】マウスを用いてビタミンD3経口投与による学習効果に与える影響について,受動的回避試験と脳内セロトニン濃度測定により検討した。その結果,ビタミンD3経口投与が学習効果の向上作用を持つことが明らかになった。高濃度のビタミンD3経口投与では高い学習効果が得られなかったことから,ビタミンD3の経口投与には至適濃度が存在することが示唆された。ビタミンD3の経口投与により学習効果が改善されることで,理学療法の各種治療が効率的に行えると考える。
著者
加瀬 七夏美 中村 友紀 植木 毅 桑原 直子 松尾 侑希子 三巻 祥浩 立川 英一 山田 陽城
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【目的】コルチゾールは、血糖上昇、蛋白質異化促進、脂質分解促進、抗炎症や免疫抑制作用を有する生命維持に必須のホルモンである。生体がストレスに晒されると視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)系が活性化され、コルチゾールが大量に産生されてストレスに拮抗する。一方で過度なストレスによってHPA系機能が亢進され続けるとネガティブフィードバック機構が破綻し、過剰に分泌されたコルチゾールが精神疾患や代謝性疾患、悪性腫瘍、記憶障害などを引き起こす。近年、難治性うつ病患者ではHPA系機能障害が起こり、コルチゾール濃度の顕著な増加が持続されていることが知られている。演者らは漢方薬の香蘇散に見出された抗うつ様作用に、HPA系機能の改善作用が関わっていることを既に報告した。また先に、新たなHPA系機能改善物質を探索するため、35種類の漢方薬について副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)刺激によるコルチゾール産生に対する影響をスクリーニングし、生薬ダイオウが活性に関与することを見出した。今回、引き続きコルチゾール産生抑制活性を指標にダイオウの成分探索を行ったところ、活性成分を単離・同定したので報告する。【方法・結果】ダイオウ(日局、5.0 kg)の水抽出エキス(575 g)をDiaion HP-20カラムクロマトグラフィーに付し、順次極性を下げながら溶出させ5個の粗画分に分画した。このうち最も強い活性が認められたエタノール溶出画分について、各種クロマトグラフィーを用いて分離・精製を行い、6種のアントラキノン類を単離した。単離された化合物のACTH刺激によるウシ副腎皮質細胞のコルチゾール産生抑制活性を評価した結果、2種の化合物が強い活性を示した。
著者
荒川 いつみ 小栗 卓也 中村 友紀 櫻井 圭太 湯浅 浩之
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.22-26, 2022 (Released:2022-01-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1

73歳女性.夜間睡眠中の大声の寝言や日中覚醒時の異常言動,会話中に急に反応が乏しくなるエピソードが月単位で相次いで出現.他院にてレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies,以下DLBと略記)と診断されるも,これらの頻度が徐々に増加したため,当院にて精査入院.終夜睡眠ポリグラフィの“筋活動の低下を伴わないレム睡眠”および18F-FDG PETの辺縁系糖代謝亢進より,レム睡眠行動異常症を合併した辺縁系脳炎と診断.ステロイドパルス療法2コース実施後,症状は徐々に軽減した.本例は後に血清抗voltage-gated potassium channel(VGKC)複合体/leucine-rich glioma-inactivated protein 1(LGI1)抗体陽性が判明した.本抗体関連辺縁系脳炎は臨床像がDLBに重なることがあり,診断に際し注意が必要である.
著者
山田 徹志 宮田 真宏 中村 友昭 前野 隆司 大森 隆司
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44010, (Released:2020-11-27)
参考文献数
25

本論文では,保育分野(就学前教育・養育)において「子どもの育ち」を解釈する為の新たな方策として,子どもの位置・向き情報から関心を推定する分析手法の開発について報告する.我々はこれまでの研究から保育者が経験的に子どもの関心を読み取る際,子どもの位置・向きという行動特徴量を参照することを示した.同時に,人による関心状態の評価に対してベイズ推定を用いることで定量化できることが示唆された.これらをうけ本研究では,記録した保育活動場面の映像データ中の子どもの位置・向き情報と関心の対象について保育者によるアノテーションを実施した.その後,人手による関心記述の行動尤度と機械学習(HMM法,LDA法)による行動尤度を比較分析した.結果,取得した保育活動場面における幼児18名の関心の傾向は位置・向き情報から推定可能であることが示された.
著者
犬飼 佳吾 中村 友哉
出版者
明治学院大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本研究では行動経済学、実験経済学分野における主要知見について、大学生を対象とする追試に加えて、一般人市民を対象にも同様の追試を行う。同時に、実験報酬単位、実験プラットフォーム(実験室実験やweb実験)の違いという観点からの検証も同時に行い、行動経済学・実験経済学分野の研究知見の頑健性の検証を通じて、同分野の基礎的手法の精査検討を行う。
著者
中村 友洋 山﨑 貴弘 船津 良平 島本 洋
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.J35-J40, 2018-01-01 (Released:2017-12-21)
参考文献数
10

RGBとも3300万画素のフル解像度とカメラの小型化を両立した実用的な8Kカメラシステムを目指して,1億3300万画素撮像素子と,同素子を用いた単板式ポータブルカメラシステムを開発した.開発した撮像素子は32カラム共有・14 bit冗長・逐次比較型AD変換器を採用し,RGBともフル解像度以上の画素数でフレーム周波数60Hzを実現した.本撮像素子を60 Hzで動作させてフル解像度カラー画像を取得し,4000 TV本以上の限界解像度を確認した.また,本撮像素子を用いて開発したカメラシステムは,単板式で初めてフル解像度(60Hz)での撮影を実現した.本カメラヘッドの重量は6.3 kgで,1億3300万画素全画素の信号を放送カメラ用光複合ケーブル1本で伝送可能である.撮像実験を行い,3板式フル解像度8Kカメラと同等以上の解像度特性を確認した.
著者
石井 正紀 山口 泰弘 井角 香子 中村 友美 金井 淳子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

慢性閉塞性肺疾患 COPD) は、加齢に伴い進行し高齢者で多発する老年呼吸疾患である。肺の老化とも関連するCOPDでは、ビタミンD血中濃度低下が、肺機能低下や重症度と相関することが分かってきている。しかし、ビタミンDの補充がCOPDの進行を抑制するかは明らかになっておらず、今回、われわれは、肺特異的ビタミンD受容体過剰発現トランスジェニックマウスを作製し、ビタミンD受容体は、肺組織局所において、抗炎症効果の観点から、COPD増悪の抑制に寄与する可能性が示唆された。また喫煙は、肺胞上皮細胞におけるビタミンD受容体発現に対する負の制御因子としてその発現量の低下を誘導する可能性が示唆された。
著者
山崎 裕治 中村 友美 西尾 正輝
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.143-148, 2010 (Released:2014-03-06)
参考文献数
24
被引用文献数
1

In order to establish a feasible conservation program for the Itasenpara bittering (Acheilognathus longipinnis), the genetic population structure was determined on the basis of five microsatellite loci for wild and captive populations from Himi City, Toyama Prefecture, and the Yodo River system, Osaka Prefecture. An endemic genetic feature was found in each of the Toyama and Osaka regional populations, indicating that each should be treated as a separate unit in any future conservation program. The degree of genetic diversity in the Toyama populations tended to be lower than that in the Osaka population, being related to the population size and/or population demography. In the Toyama region, captive populations showed an equal degree of genetic diversity as the wild populations, probably due to a relatively short period of captive breeding as well as continuing introductions of wild individuals.
著者
中村 友紀
雑誌
自然人間社会 (ISSN:0918807X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.81-105, 2014-01

近代初期イングランドの社会史・文化史において、"topsy-turvydom<(秩序転倒)や"upside-down<(天地逆転)とは史料によく登場する一つのキーワードである。当該社会の諸表象には、「秩序」への強い意識が見られる。統治する側、権力を持つ側の人々も、民衆の側も、それぞれの立場からの秩序についての明確な概念を持ち、その裏返しに、規から逸れた反秩序についての声を史料に多く残している。JohnWebster のThe White Devil(c.1612 年)は、そのプロットに反秩序の構造を備えている。正義と不正の葛藤であるはずの復讐劇が、不正と不正の葛藤のドラマとなっており、モラル荒廃やジェンダー逸脱が共感・反感こもごもの反応を招き、秩序や価値の感覚に摩擦をもたらす内容となっている。復讐劇へのアンチテーゼともいえるこの作品から、復讐劇ジャンルのカタルシスを分析する。
著者
木内 敦詞 荒井 弘和 浦井 良太郎 中村 友浩
出版者
一般社団法人日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.145-159, 2009
被引用文献数
1 4

身体活動増強は他の健康行動改善へのきっかけとしての役割が示唆されているものの,大学生の身体活動レベルは低い.Sallis et al.(1999)によるProject Graduate Ready for Activity Daily(GRAD)は,行動科学に基づいてプログラムされた,卒業直前の大学生のための身体活動増強コースである.大学新入生に対しても,GRADと同様の視点に立った身体活動介入を行う必要がある.本研究の目的は,行動科学に基づく宿題を併用した体育プログラムが大学新入生の心理的・行動的・生理的な身体活動関連変数に正の効果を持つかどうかを検討することであった.本プロジェクトは,First-Year Physical Education(FYPE)と名づけられた.近畿圏にある工科系大学の新入生が本研究に参加した(N=993;介入群,N=497;非介入群,N=496).全授業の共通プログラムは以下のとおり(数字はその順序に対応);1:ガイダンス,2:健康関連体力テスト,3-6:実技,7:講義,8-12:実技,13:健康関連体力テスト,14:まとめ.介入群にのみ,行動科学に基づく身体活動増強プログラムが追加された.そのプログラムは,ワークシートによる行動変容技法教育(意思決定バランス分析,セルフトークの修正,逆戻り防止,社会的支援,シェイピングなど)と,授業時間外演習課題のアクティブ・ホームワーク(身体活動に関するセルフモニタリング,目標設定)から構成された.週1回のプログラムの期間は3.5ヵ月であった.心理的変数(運動セルフ・エフィカシー,運動に関する意思決定のバランス[恩恵-負担]),行動的変数(強度別の身体活動量,区分された身体活動の実施頻度),生理的変数(健康関連体力:心肺持久力,柔軟性,筋持久力,体脂肪率)を測定した.これら変数を授業期間の前と後に測定し,介入群と非介入群を比較した.2要因分散分析とその後の下位検定により,心理的変数の運動セルフ・エフィカシーと運動実践の恩恵知覚への有意な介入効果が認められた.行動的変数については,「運動・スポーツ」「日常活動性」といった幅広い強度の身体活動量および区分された身体活動の実施頻度(日常身体活動と健康関連のエクササイズ[有酸素運動・柔軟運動・筋運動])への有意な介入効果が示された.生理的変数としての健康関連体力に関しては,筋持久力への介入効果が認められた.これらの結果は,行動科学に基づく宿題を併用した体育授業が,大学新入生の身体活動関連の心理・行動・生理的変数への包括的な正の効果を持つことを示唆している.
著者
中村 友道 廣田 和生 友松 健一 高井 睦夫 岩瀬 敏彦 宇和川 誠一 班目 春樹 岩壺 卓三 齋藤 孝基
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.68, no.668, pp.1064-1072, 2002-04-25 (Released:2008-02-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

A partial but full-size mock-up test of practical steam-generator U-bend tubes in nuclear power plants has been carried out, where the test model has been set in a HFCF-123 fluid two-phase flow loop. U-bend tubes are supported with so-called "Anti-vibration Bars (AVB) ", which have two types of AVBs in Japan, 7-span type and 5-span one. Both types of AVBs have been examined and it is found that tubes with AVB supports shows no large amplitude vibration up to 150% flow rate to the practical condition. Basic data for the fluidelastic instability are obtained when some tubes have been set to be flexible at some contact points with AVBs.
著者
白石 直 渡壁 壽人 佐郷 ひろみ 中村 友道 石谷 嘉英 此村 守 山口 彰 藤井 正
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7, pp.103-104, 2004-09-04

A flow-induced vibration test facility that simulates a hot leg piping of the Japanese sodium-cooled fast reactor (JSFR) with 1/3 scale is used to investigate the flow pattern and pressure fluctuations of the pipe. As the observation of flow pattern, the velocity distributions measured by LDV show the flow pattern is independent of Reynolds number at high Reynolds number. The maximum velocity is about 15 times the mean velocity in the elbow. A statistical analysis of the pressure fluctuations in a separation region shows the power spectrum is of white noise up to 20Hz, the autocorrelation sharply drops to zero less than 1 sec of time interval and the probability density distribution figures almost the Gaussian distribution, excepting its flatness-3 is 3.
著者
中村 友昭 長井 隆行 岩橋 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.10, pp.2507-2518, 2008-10-01
被引用文献数
13

本論文では,ロボットが身体性を利用することで取得する視覚・聴覚・触覚のマルチモーダル情報を用い,総合的に物体のカテゴリー分類を行う計算機構を提案する.ロボットは,複数の情報を利用することにより,今まで画像だけでは分類することができなかった物体であっても分類することができるようになり,より人間の感覚に近いカテゴリーを形成することが可能である.提案するアルゴリズムはグラフィカルモデルに基づいており,物体のカテゴリゼーションはそのパラメータである条件付確率を推定する学習の問題となる.提案手法は教師なし学習であるため,人間が正解を教えることなくロボットの自律的なカテゴリゼーションが可能である.また,学習結果を利用した未知物体のカテゴリー認識や,カテゴリーを通した機瀧の確率的推定も可能となる.本論文では,提案するアルゴリズムを実際のロボットに実装することで,提案手法の有効性を示す.
著者
中村 友昭 長井 隆行 岩橋 直人
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本稿では,ノンパラメトリックベイズの一種であるHierarchical DirichletProcess(HDP)を用いて物体概念の形成を行う.ロボットが実際に物体を掴み,様々な視点から観察することで得られるマルチモーダル情報を,教師なしでカテゴリ分類を行い,物体概念を形成する.HDPを物体のカテゴリゼーションに応用することで,物体概念モデルのパラメータだけでなく,カテゴリ数の推定も可能となる.
著者
坂口 けさみ 大平 雅美 芳賀 亜紀子 島田 三恵子 徳武 千足 湯本 敦子 金井 誠 市川 元基 馬場 淳 上條 陽子 楊箸 隆哉 中村 友彦 近藤 里栄
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

正期産母子に対する分娩直後のカンガルーケアの実態について、全国の産科医療機関を対象に質問紙調査を実施した。カンガルーケアは全国の約70%の施設で導入されていたが、実施方法や実施の基準は施設によってそれぞれ異なっていた。そこで、カンガルーケアを安全にかつ快適に実施するための指標を得ることを目的に、カンガルーケア中の児の安全性について呼吸・循環機能から検討するとともに、快適性について児の自律神経機能を用いて解析した。カンガルーケア中、児の呼吸機能や循環機能は安定しており、カンガルーケアの児の安全性が確認された。またカンガルーケアが児にとって快適であるかどうかは、母親の分娩経過の影響を強く受けていることが明らかとなった。
著者
大場 隆之 中村 友二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.75-81, 2020-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
72

多様に進化した3次元集積技術をレビューする.電子情報産業は,半導体デバイスとシステムの機能および市場性を両輪として300兆円規模に発展した.これらを牽引(けんいん)してきたのが微細化と実装技術である.ところが,微細化は物理限界に近づき,また実装性能は頭打ちになりつつある.3次元集積技術は,これら2つの課題に対する新たなブレークスルーとして今後進展することが期待されている.本稿では,さらなる高集積化,高機能化に向け,前工程・後工程それぞれの世界で開発が進められた3次元積層技術を振り返り,筆者らが開発したウェーハレベル3次元集積技術について紹介する.
著者
佐宗 章弘 中村 友祐 北村 圭一 長田 孝二 太田 匡則 市原 大輔 杵淵 紀世志
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2021-04-05

本研究では、衝撃波面前方に僅かな流速場を誘起すること(流速場nudge)によって波面を消失させるくらい積極的に背後圧力の増加を抑制する方法を原理実証し、ソニックブームなどの衝撃波被害緩和に応用することを目的とする。主要実験装置として「流動衝撃波管」を開発し、既設の屋内自由空間も活用して実験サイトを整備し、数値解析と光学可視化計測と密接にタイアップして研究を推進する。流速変化領域の有限長さや多次元性の影響等も含めて、関連する流体力学現象を解明し、衝撃波緩和・消失デバイスを原理実証、機能評価し、応用展開につなげる。