著者
中村 弘陸 小幡 一郎
出版者
物性研究・電子版 編集委員会
雑誌
物性論研究 (ISSN:18837808)
巻号頁・発行日
vol.1955, no.85, pp.36-48, 1955 (Released:2010-12-10)
参考文献数
6

Raman spectra of methanol and the aqueous solution have been observed, of which the former with regard to the effect of temperature change and the latter with regard to the effect of concentration change and of aging have been investigated. From the change of structure and frequency of Raman bands, it has been concluded that methanol molecules associated with each other do not show frequency shift of the band, C-O vibration, but the molecules hydrated in aqueous solution give the frequency decrement due to increment of proton density making hydrogen bonds and that the hydrogen bond between methanol and water molecules is stronger than that between methanol molecules each other.
著者
榊原 淳太 山本 尚人 中村 力也 荒井 学 大木 陽亮 宮崎 勝
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.608-612, 2011 (Released:2011-09-25)
参考文献数
18

症例は60歳,女性.2002年右乳癌に対し術前化学療法後,右乳房切除術を施行.2004年骨転移のため化学療法を開始.2005年左鎖骨下静脈より中心静脈ポート(以下CVポート)を留置.その後,同ポートに感染を認め抜去し2008年6月左上腕静脈に再留置.2009年5月左頸部の腫脹,疼痛が出現し精査にて左内頸静脈内に広範な血栓を認めた.CVポートによる血栓形成と考え同日緊急入院.肺塞栓予防目的でヘパリナイゼーション後,CVポートを抜去.その後ワルファリン内服開始し症状は軽快した.当院における2007年1月~2009年6月までのポート留置症例の血栓形成に関する合併症は6/276(2.1%)であった.担癌患者のCVポート留置症例に対しては血栓形成の有無を画像にて定期的に確認することが重要である.
著者
中村 好則
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3-4, pp.109-118, 2014 (Released:2020-04-21)

小中学校の通常学級に発達障害等の児童生徒が約6.5%在籍している。しかし,実際には6.5% には入らないが学習面等に困難をもつ児童生徒がその周辺にも存在し,算数学習においても彼らへの指導の在り方は喫緊の検討課題である。そこで,本研究では,算数学習におけるつまずきに関する先行研究をもとにつまずきとその支援を分析・整理し,算数学習につまずきのある児童への指導の在り方を検討するための基礎的な資料を得る。分析の結果,算数学習におけるつまずきを,①学習活動に関するつまずきと②学習内容に関するつまずき,③その他のつまずきに整理した。また,数学教育研究でのつまずきは学習内容に関するものが多く,学習活動に関するものが採り上げられていない。一方,特別支援教育研究でのつまずきは学習活動に関するものを含んでおり,学習内容に関するつまずきも数学教育研究のものとは異なるものが少なくない。これらのつまずきの関連を考慮して算数学習におけるつまずきを捉え直して,算数学習につまずきのある児童に対する指導を検討してくことが必要であることが示唆された。
著者
岡田 雅彦 中村 雄二 古田 博文 斉間 恵樹 松尾 史朗 岸本 道太 埴岡 啓介 浅野 正英 由谷 親夫
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.20, no.7, pp.881-886, 1988

著明な右室の拡張を呈し右心不全に慢性腎不全を合併して死亡した1剖検例につき,生前の諸検査所見および剖検所見から右室の障害を主徴とする拡張型心筋症の症例と考えられたので報告する.症例は67歳女性で全身浮腫を主訴として入院.入院時現症にて全身浮腫,腹水の他に心聴診上三尖弁領域に全収縮期雑音を聴取.胸部X線上心拡大を,また心エコー図にて右房,右室の著明な拡大を認めたが左室の拡大はなく左室壁運動も正常であった.右心カテーテル検査では右房,右室圧の上昇を認めたが肺動脈は正常,また左右短絡所見は得られなかった.これらの所見から右心不全の原因として孤立性三尖弁閉鎖不全および右室異形成症が疑われたが,剖検所見からいずれも否定された.剖検所見は,右室は著明なびまん性拡張を示し左室の拡張はなく,心筋組織所見上は左室に比して右室により高度なびまん性病変を認めた.拡張型心筋症の病態は一般に左室の拡張と収縮障害を主徴とするものと考えられているが,左室の障害が軽度ないしほとんど存在せずに高度の右室の障害を示す拡張型心筋症の報告例も本邦および海外において散見され,自験例を含めて右室型拡張型心筋症と考えるべき症例がまれに存在するものと思われる.
著者
中村 友紀子 壁谷澤 寿海
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.65, no.532, pp.51-56, 2000-06-30 (Released:2017-02-03)
参考文献数
13
被引用文献数
3 3

Expected value of time-history response can be formulated by assuming the phase differences spectrum in Fourier transform of earthquake waves as a normal probability curve. The effect of damping on the response spectrum can be obtained based on the formula. The ratio of maximum displacement to previous peak displacement during nonlinear response can also be calculated theoretically, which may be used for estimation. Both theoretical values were compared with those calculated from the responses to earthquake motions, from which a fair correlation was observed, especially in relation to the duration of earthquake motions.
著者
中村 友太郎
出版者
上智大学
雑誌
人間学紀要 (ISSN:02876892)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.3-4, 2007
著者
稲村 泰弘 中村 充孝 新井 正敏
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.319-324, 2016-07-15 (Released:2016-07-15)
参考文献数
12

一般にガラスやアモルファスと呼ばれる構造的に無秩序な物質は,比熱や熱伝導率といった熱輸送現象において低温領域で結晶とは異なる性質を普遍的に持つことが知られている。これらの熱的物性は,中性子非弾性散乱実験やラマン散乱実験で観測されるBoson Peakと呼ばれる低エネルギー励起と直接関連付けられる。また,中性子非弾性散乱実験で得られる振動状態密度は,普遍的低温熱物性に対する2準位系理論モデルの正当性を支持する。
著者
中村 勉
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.586-587, 1997-08-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1
著者
藤井 博英 山本 春江 大関 信子 角濱 春美 坂江 千寿子 阿保 美樹子 出貝 裕子 板野 優子 佐藤 寧子 樋口 日出子 瓦吹 綾子 田崎 博一 中村 恵子
雑誌
青森県立保健大学紀要 = Journal of Aomori University of Health and Welfare (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.79-87, 2003-03

In Aomori (JAPAN), there are shaman called "ITAKO" or "KAMISAMA", and they do prediction, fortune telling and medical care with their spiritual or religious power. This paper is intended as an investigation of the culture of shaman and mental health in Aomori. The participants in this survey were 670 people from the southern ares of Aomori prefecture who were outpatients because of chronic illness. We conducted this survey using a questionnaire form and a structured interview that mainly consists their experience of consulting to shaman. The following results were obtained: 232 (34.6%) informants had experience of consulting a shaman. Compared with gender, females had a greater tendency to consult. They consulted to shaman about "personal illness" and "family illness", and they had a need for healing. Their impressions after consulting a shaman were mainly "a feeling of healing", and "a felling of calm" (each from approximately 30% of 232 informants). It was found from the result that some people use both hospital care and shaman, and they feel healing and calm from the shaman while complying with their doctor. From this result we may say that shaman supplement or coexist with doctors for people having a chronic in this area.
著者
柏田 祥策 持田 和男 尾添 嘉久 中村 利家
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.503-512, 1995-11-20 (Released:2010-08-05)
参考文献数
18
被引用文献数
1 3

汽水湖である宍道湖および中海から採集した優占動物プランクトン (それぞれ Sinocalanus tenellus およびOithona davisae) を含む5種の動物プランクトンの有機リン殺虫剤7種 (cyanophos, salithion, malathion, phenthoate, fenitrothion, diazinon および dichlofenthion) に対する耐性および分解能を評価するとともに, 春・秋期における両湖水のこれら殺虫剤の消失速度定数および両湖の動物プランクトン個体密度を用いて, 両湖水における殺虫剤消失に対する動物プランクトンの寄与率を算出した. S. tenellus および O. davisae の phenthoate および diazinon に対する耐性は, 試験したほかの農薬に対するそれらよりも低かった. 供試した5種の動物プランクトンによる農薬の分解は, 動物プランクトン種および農薬の種類によりそれぞれ異なるが, いずれの動物プランクトンでも malathion および dichlofenthion に対して高い分解能を示した. 両湖水中における殺虫剤消失に対する動物プランクトンの最大寄与率は, 春期の fenitrothion, malathion および salithion の消失に対して, 宍道湖でそれぞれ0.4, 8.1および3.4%, 中海でそれぞれ0.1, 0.1および1.9%, 秋期の fenitrothion, cyanophos および diazinon の消失に対して, 宍道湖でそれぞれ0.6, 4.6および0.8%, 中海で0.1, 2.7および1.2%であり, 有機リン殺虫剤消失に対する動物プランクトンの寄与は高くないことがわかった.
著者
山本 義春 北島 剛司 佐々木 司 森田 賢治 吉内 一浩 中村 亨
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

うつ病の予防を目指した日常生活下における行動・心理動態のモニタリングシステムを構築するとともに、疾患発症・病態変化に伴う行動・心理動態の変容を評価・予測する客観的・定量的指標の開発を行った。さらに、行動・心理動態の変容とその移現象に関わる背後の生体システムの動力学的構造をデータ駆動型で推定することにより、開発指標の動力学的意味付けを行った。また、疾患発症・病態遷移の早期検知に資する動力学的機序に関する知見を得た。
著者
中村 剛
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.5-17, 2010-11-30 (Released:2018-07-20)

「貧困は自己責任」といった自己責任論が広がっている.そして,このような考えが,社会的排除を助長している.本稿の目的は,「新たな公的責任」という概念を提起し,それが「自己責任論」を超克する福祉思想であることを論証することにある.まず,先行研究から「新たな公的責任」を形成していくうえで必要不可欠な観点を学ぶ.次に,「公」と「責任」概念の意味を確認し,分析したうえで,両者を止揚する概念として「新たな公的責任」という概念を提起する.続いて,責任の有無を区別する基準,自己責任論の問題点,自己責任論を超克する思想について確認する.そのうえで,「新たな公的責任」が責任の有無にかかわらず,支援が必要な人に支援すべき根拠となる理由を述べる.最後に,「新たな公的責任」の構造を明らかにするとともに,「新たな公的責任」は福祉思想の水準でなければ成り立たないことを説明する.
著者
高橋 宣治 内田 健一 中川 彰 松崎 桂一 大村 智 中村 朝朗 三宅 洋子 武 佳和 甲斐荘 正恒
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.762-768, 1993

The biosynthesis of lactacystin, a new microbial metabolite which induces differentiation of neuroblastoma cells, was studied by ^<13>C NMR spectroscopy using various ^<13>C labeled precursors. The feeding experiment of L-[2-^<13>C ] leucine showed a strong enrichement at C-5 of Lactacystin. Incorporation of [1-^<13>C] isobutyrate labeled C-1, C-4, C-8, and C-14. These ^<13>C labeling patterns indicate that lactacystin consists of three biosynthetic units, namely isobutyrate (or L-valine), L-leucine, and L-cysteine. The C_<10> unit containing γ-lactam moiety arises by a condensation between methylmalonate semialdehyde and C-5 of the C_6 unit derived biosynthetically from L-leucine, followed by intramolecular cyclization. The stereochemistry of two diastereotopic methyl carbons of lactacystin which appeard at δc 19.85 and δc 21.37 was investigated by incorporation of a new type of chiral ^<13>C L-leucine (or L-valine), designated as the ^<13>C block labeled leucine (or valine), which was obtained from the fermentation of leucine producing organism using a mixture of 99% [U-^<13>C_6] glucose and natural glucose as a carbon source.