著者
中村 篤志 吉村 翼 出口 愛美 細川 悠栄 染矢 剛 佐藤 知巳 市川 武 奥山 啓二 吉岡 政洋 朝倉 均
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.552-563, 2020-11-01 (Released:2020-11-09)
参考文献数
42
被引用文献数
1

肝硬変(LC)は多様な免疫異常を呈し,リンパ球減少が特徴となる.近年,LCの免疫不全と惹起される感染症・炎症はcirrhosis-associated immune dysfunction(CAID)と呼ばれ,肝病態の悪化との関連から注目されている.我々はLCの総リンパ球数(total lymphocyte counts,以下TLC)を調査し,さらにTLCと白血球の好中球分画を基にCAIDのステージ分類を作成した.LCでは早期からTLCが減少し,多変量解析で白血球数,脾腫,肝細胞癌,好中球増多がTLC減少に寄与する因子であった.またTLCはLCの独立した予後因子となり,CAID分類はLCの生存率を有意に層別化し得た.LCの免疫不全は炎症の誘因としてCAIDによる肝病態悪化に寄与する可能性があり,hemogramによるCAID分類の有用性が示された.
著者
中村 眞
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.121, 2020-11-26

小中学校児童生徒に一人一台端末を用意し,学校に高速インターネットを実現する「GIGAスクール」は,教育の変革・深化・転換のチャンスとなる.新型コロナによる臨時休業時,児童生徒と学校を ICT によりつなぐ「止めない学校プロジェクト」を推進し,その経験が奈良市の GIGA スクール構想に引き継がれれている.家庭への持ち帰りを前提とし,家庭学習でも活用する「端末を文房具として活用する新しい学びのスタンダード」と,これを支える学校ネットワークの再構成について報告する.
著者
福田 豊 中村 豊 佐藤 彰洋 和田 数字郎 岩崎 宣仁
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.41-48, 2020-11-26

本学は 2019 年 9 月に全学セキュアネットワークを更新した.このうち無線 LAN システムの更新は,学内アンケートから得られた要望と,利用動向調査 [13] から抽出した 5 つの改善点に基づいて実施した.具体的には(1)平均利用端末数の増加を見越したAPの増設,(2)稠密環境を考慮した IEEE 802.11ax[4] 対応機種の導入,(3)トラフィック増加に備えた有線側の増速,(4)講義に直接関係しないトラフィック制御,(5)利用動向に基づく AP 機材選定である.この更新により,AP は更新直前の 368 台から約 1.3 倍増加し 470 台となった.本稿ではこの改善点を元に行った具体的な更新内容と,2019 年度の利用動向について述べる.続いて導入前後の利用状況を比較して,実施した改善策の効果を検証し有効性を明らかにする.
著者
藤田 英二 濱田 初幸 中村 勇 小山田 和行 野口 博之 松崎 守利 森﨑 由理江 安河内 春彦
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.159-164, 2018

This study used a dual-energy X-ray absorptiometry (DXA) method to investigate how body weight relates to fat-free mass index (FFMI) and fat mass index (FMI) in male college judo players. The whole-body fat-free mass and fat mass of 59 male college judo players were measured to the nearest 0.1 g using a DXA method. The fat-free mass and fat mass thus obtained were each divided by the square of the height (m) to give the FFMI and FMI, respectively. The percentage of body mass index (BMI) accounted for by FFMI and by FMI (%) was then calculated. The relationship between body weight and the percentage of BMI accounted for by FFMI and by FMI (%) can be interpreted as two straight lines with a break point. The break point can be determined by a regression analysis of these two straight lines using the plots of the percentage of BMI accounted for by FFMI and by FMI (%) by the least squares method. Using this method, the break point of two straight lines was obtained with the minimum square sum of the residual. The results showed the break point of the plots of percentage of BMI accounted for by FFMI and by FMI against body weight was 87.6 kg for both FFMI and FMI, and that as body weight increased, the proportion of FFMI in BMI decreased and the proportion of FMI in BMI increased. This break point indicates that the limit up to which it is possible to increase weight without worsening the body composition in male college judo players is around 90 kg, and any weight gain above this will depend on an increase in fat more than an increase in muscle.
著者
中村 恵子 斎藤 まさ子 内藤 守 小林 理恵 田辺 生子 盛山 直美
出版者
新潟青陵学会
雑誌
新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.1-12, 2019-09

本研究の目的は、ひきこもり支援者の体験と求める支援について明らかにし、ひきこもり支援のあり方について考察することである。ひきこもり支援者3名を対象として、半構造化面接を行い、質的統合法(KJ法)を用いて分析した。 全体分析の結果、ひきこもり支援者の体験と求める支援について、【本人の生きづらさと傷つき感:社会性の乏しさと自分は駄目だという思い】、【本人や親への傾聴によるエンパワーメント:本人に見合った時間の中でのエネルギーの充足】、【本人と親との関係の調整:相互理解と親の変容からはじまる本人の変容と相乗効果】、【社会参加へのプロセス:意欲や自信をはぐくむ本人の困り感や必要性を伴った社会体験の積み重ね】、【本人や親を孤立させない支援:相談しやすい環境と専門家や支援機関による連携】、【支援者を孤立させない支援:支援者どうしの共助とサポート環境の整備】の6つのシンボルマークからなる空間配置が示された。ひきこもり支援において、社会参加に向けた支援や、本人や親、支援者を孤立させない支援が求められる。
著者
有間 英志 三輪 忍 中田 尚 中村 宏
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2015-ARC-214, no.7, pp.1-6, 2015-01-22

近年,不揮発性メモリや 3 次元積層技術等デバイス技術の進歩によって,これまで以上に大容量のメモリをオンチップに実装することが可能となりつつある.また,この様な大容量メモリをラスト・レベル・キャッシュ (LLC) として用いる利用法が提案され,大幅な性能向上が可能であることが示されてきた.しかし,これまでの大容量 LLC に関する先行研究では,TLB ミスペナルティの影響については,十分な考慮がなされてこなかった.LLC の大容量化に伴い,LLC 上に格納されたデータの内,当該ページアドレスが TLB 上に存在しないものの割合は増大する.その様なデータがアクセスされると TLB ミスが発生し,キャッシュもしくはメインメモリ上に存在する当該ページテーブルエントリへのアクセスが発生する.この TLB ミスペナルティの影響を削減することは,今後 LLC の大容量化がさらに進むにつれて極めて重要となる.そこで本研究では,大容量 LLC 上において,ページテーブルエントリを保持するラインの存在割合を最適化し,ページテーブルへのアクセスの殆どを LLC 上でヒットさせることによって,TLB ミスペナルティの削減を目指す.本稿では,これを行うためのキャッシュリプレイスメントアルゴリズムを検討し評価を行った.
著者
山寺 博史 中村 秀一 鈴木 英朗 遠藤 俊吉
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.53-56, 1997
被引用文献数
1

We experienced a 49 years old female SAD patient who showed a good response the next day after alprazolam 1.2 mg administration. The back ground EEG of the patient showed a abnormal EEG with slow waves. The personality was colored with histerical features. The nadir of body core temperature from rectum slightly delayed in remission phase compared with depressive phase. The patient became hypomania and calmed down gradually. Alprazolam tratment is seemed to be available for SAD patients. (J Nippon Med Sch 1997; 64: 53-56)
著者
中村 文隆 藤井 正和 七里 圭子 西 智史 篠原 良仁 伊橋 卓文 横山 新一郎 武内 慎太郎 今村 清隆 渡邊 祐介 田本 英司 高田 実 加藤 健太郎 木ノ下 義宏 安保 義恭 成田 吉明 樫村 暢一
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.71-77, 2018 (Released:2018-08-23)
参考文献数
29

ERAS の手術侵襲軽減策は,多職種のスタッフによる介入が不可欠である.入院前の不安要素は患者個々に異なり,消化器外科では,術後の食事摂取,人工肛門に対する不安は多い.各医療スタッフの専門的立場の助言が治療意欲を向上させる.術後の腸管機能の回復促進対策としては,輸液量の適正化,胸部硬膜外鎮痛,早期経口摂取,早期離床などチームで取り込む事項が多い.早期離床では,プログラム内容や行動目標を定め施行することが望ましい.疼痛管理としては,急性痛サービスAPS を組織することが,安心な周術期環境を効率的に提供し,今後わが国でも普及することが望まれる.回復を実感する環境づくりは,重要であり,チームメンバーは,各専門的な知識や技術を生かし患者のセルフケアーを支援することで,早期回復の実感と不安の解消につながり,満足度の高い退院につながる.
著者
中村 恵子
出版者
新潟青陵大学
雑誌
新潟青陵大学紀要 (ISSN:13461737)
巻号頁・発行日
vol.7, no.7, pp.167-176, 2007-03

構成主義の考えは、現在、教育の文献に浸透している。構成主義は、学習理論、教授技術、一般的な教育学のアプローチを特徴づけるために用いられる。構成主義は、知識はいつも人が構成するものであることを意味する。構成主義は、生徒による積極的な参加を促進する必要性を強調するものである。構成主義の2つの主要なタイプ―心理学的構成主義と社会的構成主義―には、重要な教育的な意味がある。心理学的構成主義は、個人の学習に焦点を合わせる。「分析の単位」は、個々の知る人である。しかしながら、社会的構成主義にとって、正しい単位は社会的な集団または文化である。心理学的構成主義と社会的構成主義を比較することによって、構成主義における学びの理論を明らかにすることができる。
著者
中村 遊香 中村 満洲雄 加納 塁 渡辺 晋一 高橋 久 長谷川 篤彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医皮膚科臨床 (ISSN:13418017)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.47-51, 1997-12-20 (Released:2008-05-16)
参考文献数
2

食物性アレルギー, 接触性皮膚炎, 動物寄生性皮膚炎, 細菌性皮膚炎など原因が特定される疾患が除外されるそう痒を伴う皮膚炎の犬3例に対して, 十味敗毒湯エキス (ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒 (医療用)®) を経口投与した。その結果, 3症例すべてで十味敗毒湯エキス投与2週間後にそう痒は概ね認められなくなり, 皮疹も改善傾向を示した。また, 3症例とも投与4週間後にはそう痒, 皮疹は消失したので, 投与を終了した。試験期間中に実施した身体一般検査, 血液学的検査及び血液化学検査において副作用と思われる所見は認められなかった。以上のことから, 十味敗毒湯エキス (ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)®) が有効な, そう痒を伴う皮膚炎の犬の症例があることが判明した。
著者
中村 芽依 有賀 妙子
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.152-157, 2016-11-05

大人が楽しめるデジタル絵本にはどのような要素が必要か、制作を通じて探求した。深い感情の揺らぎや多面性を表現することが重要な要素となる。大人が秘匿している嫉妬の感情を主題とし、その多面性をマルチエンディング形式で描く手法により、読者の感情を動かすことを目指す。また、ストーリー展開に読者が能動的に関わること、そして主人公の視点の変化が絵本の物語の解釈を多様にし、読者の楽しみを誘発する。
著者
山崎 瑞紀 倉元 直樹 中村 俊哉 横山 剛
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.305-314, 2000-09

山崎・平・中村・横山(1997)に引き続き, 本研究においては, アジア出身学生の対日態度, 及び対異文化態度と, それらに影響する要因の関係を検討した。態度形成モデルは, エスニシティ(民族性)の観点から構成された。「対日態度」, 「対異文化態度」, 「友人関係」, 「肯定的経験」, 「否定的経験」, 「自分たちのエスニシティがホスト社会に受け入れられているという認知」といった構成概念が測定された。日本語学校に通う399名のアジア出身学生が質問紙に回答した結果, 以下の点が示唆された:(1)「日本人による受容の認知」は, 肯定的な対日態度, 対異文化態度の形成に重要な役割を果たす, (2)中国出身の学生は, 韓国出身の学生よりも, 日本人と豊かな「友人関係」を形成しており, 「肯定的な経験」が多く, 滞在社会は自分たちの民族文化に対して関心を持っている, と感じており, より親和的な「日本人イメージ」を形成している, (3)さらに, 前回, 留学生を対象に行った調査結果と比較したところ, 日本語学校生は留学生よりも, 「肯定的経験」が少なく「否定的経験」が多いこと, 「日本人との交流意図」, 「異文化との交流意図」が低いことが示唆された。
著者
上村 郷志 稗圃 泰彦 小頭 秀行 岡本 泉 竹原 啓五 中村 元
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.81-86, 2008
参考文献数
8

テレビ・ラジオ番組など特定のイベントを契機として発生するアクセス要求は,短時間に特定のサーバに集中する傾向があり,そのアクセス数は平常時のそれをはるかに上回るため,当該サーバの不安定動作あるいはシステムダウンを引き起こすことがある.本稿では,整理券を用いることにより,特定のサーバに集中するユーザからの大量のアクセスを所望のレート以下に制御するアクセス制御システムを提案する.提案システムでは,新たに導入するアクセスパスサーバにおいて,ユーザ端末がエンドサーバにアクセスするまでに待機すべき時間を整理券に記載して発行することにより,エンドサーバにおける同時接続セッション数を所望の数以下に制御する.また,提案方式を実装したプロトタイプシステムは,モバイル端末向けスクリプトであるFlash Liteを用いてユーザ端末の動作を制御し,ユーザ端末およびエンドサーバへ特別な改修を施すことなく,実稼働中のシステムへ導入することが可能である.