著者
坂野 秀樹 陸 金林 中村 哲 鹿野 清宏 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.177, pp.15-20, 1997-07-17
被引用文献数
9

これまで音声の短時間位相は振幅情報に比べると聴覚的に重要でないという理由でなおざりにされてきた. しかし, 高品質な音声合成や符号化を考えた場合, それは必ずしもあてはまる訳ではなく, 短時間位相も合成音の品質に大きく関わってくる. ところが, 振幅スペクトルにはいくつかのパラメータ化法が確立されており効率的な表現が可能なのに対し, 短時間位相にはそのような方法は確立されていない. そこで, 短時間位相を効率良く表現する方法を提案し, 主観評価及び客観評価の両方から提案手法の有効性を示す.
著者
江原 靖人 中村 晴信 開發 邦宏
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

インフルエンザウイルス(IV)は現在、パンデミックが最も危惧されているウイルスである。このウイルスの表面はヘマグルチニン(HA)という3量体タンパク質によって覆われている。HAのシアル酸結合部位と高い親和性で結合する化合物は、あらゆる型のIVに対して予防、診断、治療が可能であると考えられる。本研究ではIV上のHAの3つの糖鎖結合部位に同時に結合するような3-way junction糖鎖修飾DNAを合成した。このDNAは、シアリルラクトース基単独に比べ、80,000倍親和性が向上した。この化合物は、高感度・迅速にインフルエンザ感染を診断するシステムや治療薬としての応用が可能であると期待される。
著者
中村 好一
出版者
医学書院
雑誌
公衆衛生 (ISSN:03685187)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.782-790, 2014-11-15

point 1.データは数量データと質的データに分類される.分析手法が異なるので,扱っているデータがどちらなのかは常に意識しておく. 2.数量データはカテゴリ化して質的データに変換できるが,質的データを数量データに変換することはできない. 3.データ入力には必ず入力ミスがつきまとうと考えて対処する. 4.エクセルの基本的な使い方を習得しよう.
著者
庄司文由 長登 康 隅谷 孝洋 中村 純 永井 克彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.104, pp.17-23, 1999-12-06
被引用文献数
1

広島大学における一般情報教育の現状を報告し、Linux端末を用いた一般情報教育のためのシステム構築状況を紹介する。また、その中で明らかになった一般情報教育にLinux端末を用いることのメリット、デメリットを詳細に検討し、現時点における問題点を考察する。We report the status of computer literacy education at Hiroshima university and present our preparation for computer literacy education with Linux machine which will start at April 2000. We consider problems when using Linux machines for computer literacy education.
著者
中村 博一
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.47-59, 2013-03

消防団は郷土愛護をかかげる義勇の組織とされ、地域防災の要となるボランティアリーダーと認識されている。本稿はある消防団の民族誌的報告であり、10年あまりにわたる参与観察をもとに断片的な語りや記憶をつなぐ試みである。消防団をめぐる4つの「間」から、現代の消防団の位相を浮かび上がらせようとする。地域の期待に応えられない制度的な矛盾や日本社会の変貌が団員の負担を増やす現状を描き出す。
著者
富士谷康 吉田拓磨 中村明順 安積卓也 望月祐洋 西尾信彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-8, 2014-05-22

Web 上での活動支援のためにユーザ個人の閲覧履歴を分類する研究が行われている.分類の際にはユーザの閲覧意図を考慮する必要があるが,時刻やページ本文を用いた既存手法では複数の意図が混在したり,本文が存在しないページの分類ができない.本論文では新たな意図の出現を捉え,閲覧意図の階層性を反映した閲覧履歴の分類を目指し,2 段階の分類手法を提案する.第 1 段階では閲覧の起点とタブ切替に注目した履歴間の関連性を用い機械的に分類する.第 2 段階ではまとめた履歴に含まれる本文の類似度によって階層的クラスタリングを適用することで,分類結果が表す閲覧意図の粒度操作を可能にする.評価では,被験者が意図ごとにまとめた履歴と提案手法による分類結果の一致性が,本文のみによる比較手法より幅広い閾値で高く,閲覧の起点で意図の出現を一定程度の正確性と網羅性で捉えられることを示した.Many researches have been performed on clustering methods for personal web browsing history. Existing clustering methods using the visit time and/or text contents cannot reflect user's intentions. This paper proposes a two-phased clustering method suited for capturing the appearance of a user's new intention along with reflecting the hierarchical structure. In the first phase, we create groups of history by applying a clustering method based on the relationship in browsing history. In the second phase, we apply a hierarchical clustering method using the similarity of text contents in order to control the granularity of an intention. The conformance rate was evaluated between the results grouped manually by research participants and grouped automatically by proposed method. The results show the effectiveness of proposed method compared with a method only using a document clustering. Moreover, proposed method can capture the appearance of intentions in a precise and comprehensive manner.
著者
佐藤 修一 大森 みさき 村山 恵子 中村 貴文 斎藤 光博 今井 理江 堀 玲子 長谷川 明
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.195-200, 1999-06-28
被引用文献数
13 6 8

日本歯科大学新潟歯学部の学生および職員から無作為に抽出した101名に対し,口腔内の揮発性硫黄化合物の濃度を測定する口臭測定器Model RH l7 Eハリメーター^<[O!R]> (Interscan社,米国)を用いて口臭測定を行い,口臭の官能試験と比較することにより,その有用性について検討した。また,同意の得られた者13名に対し口腔内診査を行い,口臭と臨床的パラメータの関連についても検討を行った。その結果,1) 官能評価値に対するハリメーター値の範囲に重複が認められるため,ハリメーターのみで口臭の程度を判別することは困難であると思われたが,官能評価値とハリメーター値は対応する傾向があり,本日臭測定器はチェアーサイドにおいて便用しうると考えられた。2)臨床的パラメータとハリメーター値はすべての指標において相関関係は有意ではなかった。
著者
中村 かれん
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.184-205, 2006-03-28

日本の聴覚障害者を代表する団体は,政府の利益を推進するよう設計された法的環境のなかで単に活動しているというだけでなく,さらに進んで,システムを自己の利益のために操作することにも成功している.この団体は,政治権力による統制を避けるために,団体をアメーバのように細分化し,団体構造の柔軟性を保ってきた.本論文は,日本の市民社会構造の中での政治権力とそれに対する抵抗の問題を取り上げる.
著者
中村 修二 高下 義弘
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.700, pp.58-61, 2008-03-24

青色発光ダイオード(LED)を世界で初めて開発した中村修二氏に、創造の極意を尋ねた。それは「考える体力」と「自由」という。駆け出し技術者の時は、本と学問を捨て製品作りに没頭。知識や推論そして熟考だけではなく、体を動かして結果を出すことの大切さを知った。創業者が自由にやらせてくれたので、自分の信じるところを徹底追求できた。
著者
市坪 明子 伊東山 洋一 伊東山 徹代 野間 俊司 中村 智哉 河上 紗智子 池田 美穂 千代田 愛美 永田 英二 松崎 智範 工藤 理沙
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第32回九州理学療法士・作業療法士合同学会 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.333, 2010 (Released:2011-01-15)

【目的】パーキンソン病に対する理学療法とし ては、転倒なき歩行能力の確保が重要であり、訓練プ ログラムとしては様々なものがあるが、明らかな効果 を示すものは少ない。そこで今回、歩行能力の維持・ 向上を目的に、腹臥位療法を取り入れたところ、歩行 のみならずADLも改善し、効果が得られたので若干 の考察を加えてここに報告する。【方法】 対象者はパーキンソン病と診断された男女10名、年 齢は平均67.7±9.15才、発症からの経過は平均45.7 ±18.7ヶ月である。Yahrのstageは_II_が2名、_III_が4 名、_IV_が4名である。そこでこれらの症例に対して腹 臥位を20分間とって貰い、その前後で10mタイム、 10m間の歩数、10m中のすくみ足の回数を測定すると ともに、ADLはFIMとYahrの分類を用いて評価した。 統計学的処理は、Wilcoxonの符号付順位和検定を用い て効果判定をした。有意水準は5%未満とした。尚、 本研究は症例に研究の意図を説明し、了承を得て実施 した。【結果】10mタイムは施行前34.0± 19.9秒、施行後25.0±11.5秒(p<0.05)。10m歩 数は施行前57.2±32.4歩、施行後43.0±23.9歩(p< 0.05)。10m中のすくみ足の回数は施行前3.2±1.4回、 施行後1.5±1.28回(p<0.05)。FIMの点数は施行前 58.2±19.3点、施行後65.9±17.1点(p<0.05)とな りYahrの評価では施行前3±0.67が施行後2.8±0.75 (p<0.05)となり、全ての項目に効果を示し、有意 差を認めた。【考察】パーキンソン病を有 する症例に対し、有働が提唱する腹臥位療法を取り入 れ、歩行改善を目標にプログラムを実施した。その結 果、歩行能力の改善のみならず、症例の中には一回の みの施行でADLが介助から監視レベルへと改善しYahr の重症度分類をも下げる程の効果を示した例もあっ た。その理由としては、腹臥位をとることで症例の持 つ自重により股関節ならびに脊柱がストレッチされ、 関節の可撓性の増大に繋がったからであろう。その事 で、姿勢アライメントならびに歩行時のダイナミック なバランスが改善され、パーキンソン病に特有のすく み足や突進現象の改善に効果を示したと考える。今回、 腹臥位療法の効果について確認できた事で、在宅や施 設でも簡単に出来る訓練法として更に推奨される訓 練法と考える。ただ、今回試行時間や持続性について は検討しておらず、今後とも研究を続けていきたい。 【まとめ】1.パーキンソン病を有する症例 に対して腹臥位療法を施行した。2.腹臥位療法 を行った前後で、歩行能力、ADLともに改善が見られ、 効果が確認できた。3.腹臥位療法の効果の持続 性や試行時間などは、今後検討が必要と考える。
著者
野中 杏栄 山口 宗之 北原 信三 小林 格 倉岡 由美子 中村 博志 渡邊 聖 工藤 玄恵
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.894-899, 1993

腸回転異常症における中腸軸捻転により広範囲腸管壊死性変化をきたした日齢13日男児に,初回手術から18時間後に Second look operation を施行した.罹患腸管の著しい血行改善がみられ,腸切除することなく閉腹した.術後,腸管通過障害が長く続き第23病日目に腸閉塞症の診断の下に再々開腹術を施行し,回腸の一部が細く,狭窄および閉塞が認められたので約40cmの回腸を切除した.切除腸管の組織検査では腸管壁の微小循環障害による腸管の狭窄および閉塞が数ヶ所に認められた.病理組織所見による血流の立場からみて,血流の最も遠い部分に相当すると考えられる腸間膜付着部の対側の粘膜部分が炎症性肉芽組織や線維瘢痕組織に置換されていた.初回手術により血流遮断が解除されても回復の機会を失ったり,遅れてしまった結果と考えられた.
著者
松田 栄之 中村 太一
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.307-313, 2001-05-29
被引用文献数
2

インターネットの普及によりネットワークに接続されているパソコンなどの端末やサーバの数が急速に増大している.いつでも, どこでも, 気軽に利用できるインターネットの普及によりそのサービス形態にも大きな変化をもたらしている.従来のシステムは, 国内のユーザのみを対象にして, 朝8時から夜7時までのサービスというような形態であった.しかし, インターネットでのサービスは, 世界中のユーザを対象にし, 24時間365日の稼動が求められる.インターネットが社会のインフラとなりつつあり, システム構築にオープンシステムを利用するようになり構築技術も変わってきている.また, インターネット時代のサービスを保証する考え方も新しく生まれてきている.本稿では, システムの信頼性, 特に可用性を中心にインターネット時代のネットワークシステムの構築に関する動向について述べる.
著者
田中 淳一 山口 信雄 中村 順行
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-48, 2001-03-01
被引用文献数
4 2

緑茶品種'さやまかおり'は茶の重要害虫であるカンザワハダニ, クワシロカイガラムシに対して抵抗性を持ち, かつ寒害, 霜害にも強く緑茶育種の抵抗性育種素材として極めて重要な存在である.'さやまかおり'は埼玉県茶業試験場において, 静岡県茶業試験場より取り寄せた茶品種'やぶきた'の1947年産自然交雑種子中より選抜されている.'さやまかおり'は極端な立葉, 際立って濃い葉色, 特徴的な鋸歯等々, 一般的な日本在来のチャにはほとんど見られない特徴的な形態形質を有している.これらはその後代の形態形質に大きな影響を与えることが再確認され, 優性効果の大きな遺伝子に支配されていることが推定された.従って'やぶきた'がそのような形質を有していない以上, 'さやまかおり'の花粉親に必須の条件と考えられた.これらの特徴的な形態形質を指標に静岡県茶業試験場内より'さやまかおり'の花粉親としての可能性が多少なりとも疑われる栄養系を全てピックアップした.選ばれた78栄養系はいずれも海外, 特にそのほとんどが中国からの導入系統であり, 日本在来のチャは含まれなかった.これらを'さやまかおり'の花粉親候補とし, 'やぶきた'および'さやまかおり'を用いてDNAマーカーによる親子鑑定を行った.その結果, 'さやまかおり'の花粉親として合致するものはなく, 'さやまかおり'の花粉親はすでに現存しない可能性が高いと判断された.
著者
岡田 誠司 岩波 明生 石井 賢 中村 雅也 戸山 芳昭 岡野 栄之
出版者
日本炎症・再生医学会
雑誌
炎症・再生 (ISSN:13468022)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.602-610, 2004 (Released:2006-10-25)
参考文献数
43

Neural stem cells (NSCs) are multipotential progeniotr cells, which can generate neurons, astrocytes, and oligodendrocytes, the three major cell types in the central nervous system. They also have the self-renewal activity and can be expanded in an undifferentiated state in vitro. Due to their capability of multipotency and chemotaxis for lesion site, there has been increasing interest in the identification and characterization of NSCs for therapeutic applications. However some numbers of recent studies demonstrated the existence of endogenous NSCs in adult mammalian central nerve system, their self-repairing activity is very faint. The cause of poor regenerative capability would be included microenvironmental factors that inhibit neurogenesis and axonal regeneration. We have investigated the effect of NSCs transplantation and modification the microenvironment for experimental spinal cord injury. This review will provide an overview of therapeutic strategy for neurodegenerative diseases and traumatic injury, such as Parkinson's disease and spinal cord injury.