著者
村井 源 豊澤 修平 白鳥 孝幸 吉田 拓海 石川 一稀 岩岬 潤哉 斉藤 勇璃 中村 祥吾 根本 さくら 大田 翔貴 大場 有紗 福元 隆希
雑誌
じんもんこん2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.16-23, 2021-12-04

従来の物語分析は特定のジャンルを対象としたもので,ジャンル間の差違などを計量的に明らかにする研究はなされてこなかった.本研究では,ジャンル横断的な物語構造分析を実現するため,現代日本のエンターテイメント作品で頻出の5 ジャンル(冒険,戦闘,恋愛,探偵,怪談)を対象として各ジャンル100 話以上を収集した.また全ジャンルを共通の枠組みで構造分析し比較可能なデータセットを構築した.各ジャンルのデータセットに基づき,典型的な展開のパターンを抽出し,また因子分析により物語展開の共通・固有の因子を特定した.各ジャンルの特徴が同じ基準で比較可能となったことで,今後ジャンル複合的な物語の分析や自動生成の実現にも道が開かれると期待される.
著者
出雲 雅樹 金子 毅義 小酒 広之 佐藤 剛 谷藤 大樹 中村 敦
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1639-1643, 2002
参考文献数
6
被引用文献数
3 1

When processing head MRA images, threshold values are automatically established using the MIP method, resulting in a high degree of reproducibility. As a result, two different individuals can produce highly comparable images. In addition, the MIP method is reportedly effective for depicting fine vessels. However, since information other than maximum values is ignored by the MIP method, data contained in original MRA images are not optimally utilized. The results confirmed that much of the information contained in original MRA images could not be seen on MIP processed images. In many cases, low-threshold processing was useful for depicting fine vessels and arterioles that could not be seen on MIP-processed images.
著者
増山 雄太 中村 泰信 野口 篤史 布能 謙 村下 湧音 河野 信吾 田渕 豊 山崎 歴舟 上田 正仁 Pekola Jukka P.
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.2649, 2016

<p>本研究では,三次元マイクロ波共振器中に超伝導量子ビットを配置した系により,超伝導量子ビットに対して射影測定を行い,その結果を用いてコヒーレンス時間内にフィードバックし,再び超伝導量子ビットを射影測定した.この一連の測定結果から,絶対不可逆な過程の寄与も考慮に入れた一般化された積分形のゆらぎの定理を検証した.この結果は量子系におけるMaxwellの悪魔を初めて実装できたことを示している.</p>
著者
笠原 千絵 遠藤 惇 中村 絵理
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Eb1278-Eb1278, 2012

【はじめに、目的】 当院回復期リハビリテーション病棟では、診療報酬改定により創設された休日リハビリテーション提供体制加算を、平成22年6月よりPT・OTの日曜出勤を開始した事で取得している。休日リハビリテーションを開始した事による効果を調査し、その必要性を患者および家族に理解してもらうため、リハビリテーションの効果判定の1つのFIM変化を中心に開始前後を比較した研究を行い報告する。【方法】 平成22年4月~平成23年3月の間に、当院回復期リハビリテーション病棟を退院した患者の内、休日リハビリテーション提供体制加算(以下:加算)を取得開始した6月をまたいで入退院のあった患者を除外した114名(開始前群17名、開始後群97名)を研究対象とした。加算取得開始前群(以下:A群)および開始後群(以下:B群)について、性別、年齢、疾患区分、高次脳、退院時HDS-R得点、同居人数、リハ単位数(1ケ月の総単位数/入院人数)、入院期間、退院先、入院時FIM得点、入退院時FIM得点変化、FIM利得(退院時FIM総得点-入院時FIM総得点)、FIM効率(FIM利得/入院日数)について比較した。統計処理として、Welchの二標本t検定、一標本t検定、対応のあるt検定を用い、有意水準5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は、データ収集後個人情報を除去し、個人を特定できないよう処理した上で行った。【結果】 性別は、A群は男性8名、女性9名、B群は男性46名、女性51名であった。平均年齢は、A群は76.8±8.0歳、B群は74.8±13.6歳であり、群間での差は無かった(p値0.4223)。疾患区分は、A群は脳血管疾患23.5%、運動器疾患52.9%、廃用症候群23.5%、B群は脳血管疾患44.3%、運動器疾患37.1%、廃用症候群18.6%であった。高次脳機能障害の有無は群間での差は無かった(p値0.4893)。退院時HDS-R得点は、A群: 29~21点4名・20~11点3名・精査困難10名、B群:30点11名・29~21点30名・20~11点18名・10~0点15名・精査困難23名であり群間での差があった(p値0.02561)。同居人数は、群間での差は無かった(p値0.2622)。リハ単位数は、群間での差が無かった(p値0.1198)平均入院期間は、A群は70±45.6日、B群は81.8±52.8日であり、群間での差は無かった(p値0.3601)。退院先は、A群は自宅52.9%、施設17.6%、病院29.4%、B群は自宅54.6%、施設28.9%、病院14.4%、死亡2.1%であった(特養は施設に分類している)。入院時FIM得点は、排尿コントロールのみ群間での差があった。入退院時FIM得点変化では、A群では排尿コントロール、移乗(トイレ)、移動(階段)、理解、社会的交流に有意差があった。B群では、排尿コントロール以外の全ての運動項目、社会的交流、問題解決、記憶に有意差があった。FIM利得、FIM効率については、有意差は見られなかった。【考察】 入退院時FIM得点変化で、入院時FIM得点に差のあった排尿コントロールを除いた項目で、変化に差のあったものは、A群で4項目、B群で15項目であり、特にB群では運動項目での差が多かった。これは、当院ではPT・OTとも運動項目での介入を行う場合が多く、そのため運動項目での差が出ていたと考えられる。退院時HDS-R得点、疾患別割合に差があった事は結果に影響している可能性がある。リハ介入日数は休日リハ開始により増加しているが、リハ単位数に差は無かった。先行研究において、総運動量が同じならば毎日のリハ提供がADL改善に効果的であるとの報告がある。日曜にリハビリテーションが休みで、臥床傾向にあった患者に対して、PT・OTが介入する事により、離床およびADL練習等に積極的に介入できたためであると考えられる。入院期間に差が無かったのは、当院では入院時に疾患別の入院期間を提示されており、その期限を目安に退院準備をしているためと考えられ、FIM得点向上が入院期間短縮に結び付くためには、早期からの多職種による退院支援が必要と考えられる。今回の研究では、FIM得点向上のみでは入院期間短縮や自宅復帰率向上に結び付かないという結果であった。FIM向上に加えて、何の要因が入院期間短縮や自宅復帰率向上に結び付くのかを、今後の調査で明らかにし、対策をしていく必要があると考えられる。【理学療法学研究としての意義】 休日リハビリテーションによる効果について検証する事は、その必要性を患者および家族に理解してもらうために必要であると考えられる。
著者
中村 和生 浦野 茂 水川 喜文
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.65-75, 2018-01-31 (Released:2019-02-26)
参考文献数
16
被引用文献数
1

本稿は、当事者研究、すなわち日常生活を送っていくにあたり何らかの苦労や困難を持つ人々による自分たち自身を対象とした共同研究(我々のデータでは、精神障害を持つ人々のグループセッション)という実践を主題とする。そして、このグループセッションという相互行為において、ある者が当事者をする中でファシリテーターを担っていることに注目し、このことの意義ならびに、そのような担い手によるいくつかのやり方を解明することを目的とする。ときに、この担い手はファシリテーターから離れた参加者としてもふるまうが、これがいかにして可能であり、また、その可能性の下でどのように首尾よく成し遂げられているのかを検討し、プレセッションにおいてすべての参加者が行う、自己病名の語りを通した自己紹介によって当事者としての共成員性が確立することを見いだす。また、このファシリテーターはどのように発言の順番をデザインしているのかを分析し、ファシリテーターはほぼすべての順番を自己選択で取り、またしばしば次話者選択をする一方で、次話者選択しない場合にも、状況に応じた適切な指し手を繰り出していることを見いだす。
著者
二宮 洸太 中村 聡史
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-130, no.33, pp.1-8, 2021-03-09

音楽ライブに参加する観客は演奏に合わせてサイリウムを振る,ヘッドバンギングをするなど,アーティストや他の観客との一体感や非日常感を楽しんでいる.また,ライブの模様を,インターネットを通じて配信する配信ライブも多く行われているが,自宅でひとりで鑑賞することが多く,アーティストや他のファンとのかかわりや一体感が希薄化する問題がある.そこで,配信ライブ中の視聴者間の一体感を向上させることを目的に,ライブ中に行われるヘッドバンギングを媒介として,その動作を検知し,タイミングを視聴者間で共有するシステムを提案する.本研究ではポケットに入れたスマートフォンのセンサデータを使い,ヘッドバンギングの予備動作からヘッドバンギングの推定に関する検討を行った.具体的には,ヘッドバンギング中のセンサデータに関するデータセット構築を行い,機械学習により,予備動作からヘッドバンギングの推定を行った.その結果,93.5% の精度で推定を行うことができた.
著者
平井 友樹 三木 光範 伊藤 稔 中村 誠司 Tomoki Hirai Mitsunori Miki Minoru Ito Masashi Nakamura
出版者
同志社大学ハリス理化学研究所
雑誌
同志社大学ハリス理化学研究報告 = The Harris science review of Doshisha University (ISSN:21895937)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.8-13, 2019-04

近年,オフィスでの執務におけるストレスや疲労が問題となっており,オフィス環境の改善に注目が集まっている.中でも,照明環境に注目した研究では,照明の明るさ(照度)とストレスに関する研究が行われているが,心電図を用いた研究は少ない.心電図はウェアラブル端末を用いることで容易に取得でき,執務の妨げになることなくストレスの測定が可能である.一方で,人によって好みの照度が異なるということが分かっている.本稿では,照明の照度の違いが,心拍変動に与える影響について検証した.また,アンケートによって快適性が最も高い照度を明らかにし,快適性が最も高い照度とその他の照度でのストレスと作業効率を検証した. 検証の結果,作業時のストレスが小さい照度は人によって異なると明らかになった.また,快適性が高い照度の時には,その他の照度に比べてストレスが小さいと明らかになったが,作業効率に関しては差が見られなかった.したがって,快適と感じる照度にすることで作業によるストレスを小さくし,その他の照度と同等の作業効率で作業できるということがわかった.
著者
半田 瞳 中村 雄一 半田 学 竹島 憲一郎
出版者
日本徒手理学療法学会
雑誌
徒手理学療法 (ISSN:13469223)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.45-49, 2021 (Released:2021-11-11)
参考文献数
23

〔目的〕難治性の有痛性外脛骨に対し,Fascial Manipulation(以下FM)を実施したため改善効果を報告する。〔対象〕本症例はVeich分類Ⅱ型の有痛性外脛骨と診断され手術療法が検討された1症例とした。〔方法〕疼痛評価,足関節・後足部判定基準および歩行能力の評価を実施した。さらに,足部の形態測定としてアーチ高率および開張率を計測した。理学療法としてFMを実施した。〔結果〕足部の形態の変化はみられなかったものの,疼痛の軽減に伴い歩行能力が向上した。〔結論〕有痛性外脛骨に対する徒手療法としてFMは有用である可能性が示唆された。
著者
中村 滋
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1-2, pp.45-54, 2008 (Released:2020-04-21)

受験勉強の枠を超えて,数学教育上の意義を認められていた受験数学参考書がかつてあった。それが岩切晴二著の『代数学精義』である。旧制第六高等学校の数学教授であった岩切晴二は,分厚い演習型参考書の形式を確立した。教員のいない参考書上でも演習が成立するように,例題の配列と,例題と練習問題の密接な連携に工夫をこらした。また,割り算における0の吟味を厳密に行い,受験参考書の数学的厳密性のレベルアップを図った。岩切は,高等教育機関で行われていた数学演習と0の吟味を受験数学に対して適用させたのである。『代数学精義』の数学教育的意義について,先行して出版されていた藤森良蔵の受験数学参考書と比較して論じる。
著者
鳥谷 洋右 遠藤 昌樹 赤坂 理三郎 梁井 俊一 川崎 啓祐 中村 昌太郎 永塚 真 上杉 憲幸 菅井 有 松本 主之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.612-620, 2020-05-24

●「考える内視鏡診断」のポイント・SNADETsの診断では,粘液形質を背景とした胃型・腸型腫瘍に大別されることを熟知しておく.・通常観察では,脂肪粒を反映した“絨毛の白色化”を観察することで腺腫・早期癌,特に腸型腫瘍を拾い上げることが可能である.・白色絨毛陽性病変では,腫瘍径,色調,肉眼型,結節の有無,易出血性,絨毛の白色化の分布を観察する.・白色絨毛陰性の十二指腸球部病変は胃型腫瘍を念頭に置いて観察を行う.・M-NBI,M-CVを用いたoptical biopsyが望ましいが,拡大内視鏡所見と組織学的異型度や粘液形質の乖離に留意する.・内視鏡治療を前提とする場合は,安易な生検を避ける.
著者
中村 浩規 横山 晴子 矢口 武廣 鈴木 優司 徳岡 健太郎 渡邊 昌之 北川 泰久 山田 安彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.3, pp.445-452, 2011-03-01 (Released:2011-03-01)
参考文献数
15
被引用文献数
4 4

In this study, we investigated the effect of histamin H2 receptor antagonist (H2RA) or proton pump inhibitor (PPI) for the prevention of upper gastrointestinal lesions associated with low-dose aspirin. We carried out a retrospective study of 2811 patients who had been prescribed low-dose aspirin (Bayaspirin® 100 mg) for more than 30 days at Tokai University Hachioji Hospital from 2006 to 2008. We classified them into three groups: aspirin alone group (n=1103), aspirin with H2RA group (n=844) and aspirin with PPI group (n=864). Patients who developed upper gastrointestinal lesions were diagnosed with gastric ulcer, duodenal ulcer, gastritis or duodenitis by gastroscopy. We then compared the incidence of upper gastrointestinal lesions among the groups. The incidence in aspirin alone group, aspirin with H2RA group and aspirin with PPI group was 2.54%, 1.54% and 1.04%, respectively; that of aspirin with PPI group being significantly lower (p<0.05). Additively, the odds ratio (OR) of aspirin with H2RA group and aspirin with PPI group was 0.60 (95% confidence interval [95%CI]: 0.31-1.17) and 0.40 (95% CI: 0.19-0.86) as compared with aspirin alone group, respectively. The upper gastrointestinal lesions were developed within two years in all groups. Our results suggest that the combined administration of low-dose aspirin and PPI is effective for the prevention of upper gastrointestinal lesions associated with low-dose aspirin. Also, the pharmacists should be especially careful for upper gastrointestinal lesions development within two years after administration of low-dose aspirin, regardless of combined whether H2RA or PPI.
著者
中村 秀郷
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.75-88, 2019

<p>本研究の目的は,保護観察所の保護観察官がソーシャルワークで直面する困難性への対処プロセスの構造・展開を明らかにし,その実態を体系的に整理することである.保護観察官23名を対象として,インタビュー調査による半構造化面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて逐語データの分析を行った.分析結果から15個の対処プロセス概念が生成し,概念間の関係性から〈保護観察官としてのアイデンティティーの意識〉,〈対象者との関係構築の姿勢〉,〈組織ライン・ピアによるフォロー〉,〈他機関との関係構築の姿勢〉,〈保護司との協働態勢の姿勢〉,〈処遇の展望化〉の6つのカテゴリーに収斂された.本研究では保護観察所の保護観察官に共通する困難性への対処プロセスを明らかにし,刑務所出所者等の社会内処遇の実践現場で直面すると考えられる困難性への対処方法,さらには効果的な処遇や有効なアプローチについて示唆を与えた.</p>
著者
中村 善行
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.305-314, 2020-09-15 (Released:2020-09-25)
参考文献数
105

サツマイモの甘さに関わる遊離糖類はグルコース,フルクトース,スクロースおよびマルトースで,それらは主にデンプンから生成される.糊化デンプンの β-アミラーゼによる加水分解で生じるマルトースは酵素活性の上昇に伴ってその生成量が増加するが,活性が0.2mmol maltose/min/mg proteinを超えると増加が抑制された.β-アミラーゼ活性がこのように高い正常な塊根ではマルトース生成量はデンプン糊化開始温度と相関が高かった.また,冷涼な環境で栽培すると,アミロペクチンの分子構造変化に伴ってデンプン糊化開始温度が低下し,マルトース生成量が増加した.これらの結果から,マルトース生成にはデンプン糊化が重要な役割を果たすと考えられる.マルトースに次いで含量の多いスクロースはその強い甘味から甘さに対する寄与はマルトースとほぼ同等である.スクロースは貯蔵中のデンプン分解に伴って塊根に蓄積するが,貯蔵温度が低下すると,スクロース代謝関連酵素の活性が変化して蓄積量が増加する.甘さの官能評価に影響を及ぼす塊根のテクスチャは加熱に伴うマルトース生成後に塊根に残存するデンプン含量と密接な関係が認められた.