著者
谷口 忠大 山川 宏 長井 隆行 銅谷 賢治 坂上 雅道 鈴木 雅大 中村 友昭 谷口 彰
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2M6OS19d04, 2022 (Released:2022-07-11)

本発表では著者らが提案し推進する全脳確率的生成モデル(WB-PGM: Whole-Brain Probabilistic Generative Model)のアプローチとその展望について概説する。世界モデルはセンサ・モータ情報を行動主体の主観的な視点からコーディングする予測モデルである。マルチモーダルな情報を統合し、複雑な身体を統御し、環境に適応できる人間の知能、および発達的なロボットの構成をその延長線上で捉えようとすると、その認知アーキテクチャとしての構造を検討する必要が現れる。WB-PGMは、人間の全能の構造に学ぶとともに、予測学習を基礎に据えた確率的生成モデルにより認知アーキテクチャを構築しようというアプローチである。本発表ではその基本的な考え方と展望に関しての報告する。
著者
立入 哉 中村 麻弥 八田 徳高
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.230-238, 2022-08-30 (Released:2022-09-17)
参考文献数
34

要旨: 聴覚情報処理課題について評価できるタブレット上で動作するアプリケーションを作成し, 成人16名と小学3年生以上の児童33名を対象として実施した。 この内, 成人群15名と児童群29名の結果を用いて, 正答率, 標準偏差, 基準値限界を示した。 この結果, 両耳分離聴課題, 雑音下聴取課題が困難である児童1名を検出することができた。 一方, 成人群のデパートノイズ下で-15dBSN 比条件での単音節課題は困難度が高く, GAP 数え課題と持続音の長短判別課題については, 回答方法や検査手法を修正または削除を検討すべきと考えた。
著者
中村 千晶 Chiaki Nakamura
雑誌
教育学論究 (ISSN:18846149)
巻号頁・発行日
no.4, pp.49-58, 2012-12-20
著者
長谷川 浩一 沢山 俊民 鼠尾 祥三 忠岡 信一郎 覚前 哲 中村 節 井上 省三 河原 洋介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.903-907, 1990-08-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
14

陰性U波(NU)および「右側胸部誘導のT波減高を伴うU波増高(PU)」は,高度冠狭窄枝ないし心筋虚血領域と関連が深い心電図指標と考えられている。今回,発作時の12誘導心電図記録が得られ,かつ冠動脈造影で少なくとも1枝以上に75%以上の狭窄を有する狭心症84例を対象として,NUとPUの罹患枝別出現誘導部位・出現時相について調査した.LAD狭窄では,NUはV4(59%)>V5(56%)>V6(37%)>V3(33%)の順に前胸部誘導に出現したが,PUは1例にもみられなかった.LCX狭窄では,NUはV6(52%)>V5(48%)の左側胸部誘導に,PUはV2=V3(86%)>V5=V5(43%)に出現した.RCA狭窄では,NUはIII(29%)>aVF(24%)の下壁誘導に,PUはV2V3(63%)>V4(44%)>V51(26%)に出現した.発作時心電図上のQ-NaU時間とQ-PaU時間とQ-PaU時間が等しいことより,NUとPUは同一領域の心筋虚血に起因するものと考えられた.また右側胸部誘導と食道誘導心電図の同記により,PUは後壁虚血の表現と考えられた.したがって12誘導心電図上のNU出現誘導部位および右側胸部誘導のPUを検討することは,狭心症の罹患枝推定に有用と思われた。
著者
牧嶋 昭夫 中村 栄三
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩鉱 (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.88, no.11, pp.499-516, 1993-11-05 (Released:2008-03-18)
参考文献数
69
被引用文献数
3 3

In this paper (Part I), recent progress in U-Pb dating of zircon is reviewed. Rare-earth element (REE) partitioning of accessory minerals and REE geochemistry of zircon will be reviewed in separate papers, Part II and Part III, respectively. Zircon (ZrSiO4) is one of the most important minerals in geochronology because the zircon crystal is very resistant to alteration, metamorphic and magmatic events. Zircons therefore preserve their primary chemical properties, especially very high U and Th and extremely low Pb contents, in many cases, resulting in most Pb in zircon to be time-integrated radiogenic origin. For the above reasons, zircon has been extensively used in geochronology for over 30 years. Conventional U-Pb dating of zircon has been performed using a thermal ionization mass spectrometer with isotope dilution (IDTIMS). With improvements in the techniques for the elimination of discordant parts and the chemical decomposition of zircon, it is now possible to measure U-Pb age with IDTIMS not only of a sircon grain but also of fragments of a single zircon grain. Recently, the single zircon evaporation technique has been developed to analyze for U/Pb only the closed-system domains in a single grain without chemical treatment. The most outstanding advance in U-Pb dating of zircon has been achieved by the development of secondary ion mass spectrometry (SIMS). Using the SHRIMP (Sensitive High Resolution Ion Micro Probe) at Australian National University, a very small area (<40, μm) can be analyzed, making it possible to reveal with precise age determinations the multiple growth history in a single grain of zircon. However, one of the major problems in the SIMS analysis resides in preparation of a homogeneous zircon standard. The U and Pb concentrations and the Pb isotope ratios of the standard must be known but they can only be obtained by the conventional IDTIMS method. The conventional IDTIMS is, therefore, a prerequisite for SIMS U-Pb dating. The oldest zircons, recorded >4.OGa, have been found with SHRIMP. The existence of such old zircons was confirmed by results obtained by IDTIMS and the single zircon evaporation technique with TIMS. Characterization of the latent primitive crust, based on the chemical compositions of the detrital zircons and their measured ages, has been attempted.
著者
中村 友貴 前川 美幸 矢代 梓 野中 紘士 森 潤一 秋山 純一
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0851, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】我が国における認知症患者は2010年時点で約200万人とされてきたが,今後高齢者人口の増加とともに認知症患者数もさらに増加し,2020年には325万人まで増加すると推定され,認知症の対応が重要である。日常生活を行う上で,認知症は学習能力・理解力を低下させ,理学療法を行う上で阻害因子となる。現在,ビタミンD3による認知症・学習効果に関する詳細な基礎的研究はみられない。ビタミンD3は腸管からカルシウムの吸収を促進したり,尿からのカルシウム排泄を抑制したりすることで,血中カルシウム濃度高めるという作用が知られている。また,適度な血中カルシウム濃度の安定化は精神活動に良い影響を与えると考えられている。そこで,ビタミンD3が血中カルシウム濃度を介して,学習能力にも影響を与えるのではないかと考え,本研究を行った。マウスに各種濃度のビタミンD3の経口投与を行い,受動的回避試験による学習効果と明暗弁別回避学習の習得や空間記憶に関与するとされる脳内セロトニン濃度の変動について検討を行った。【方法】本実験は,生後26週齢のICR系雌性マウス40匹を使用した。マウスを無作為に4群に分け,それぞれ10匹ずつの①コントロール群(無処置群),②ビタミンD3(2ng)投与群(以下2ng群),③ビタミンD3(10ng)投与群(以下10ng群),④ビタミンD3(20ng)投与群(以下20ng群)とした。②~④群に対して1日1回,ラットの体重20gに対して各種濃度のビタミンD3の経口投与を行った。経口投与開始,1週,2週後に各群10匹ずつを用いて受動的回避試験を実施した。受動的回避試験とは暗室に進入した際に電気刺激を与えることで,暗室への進入を痛みである恐怖と関連付けて記憶させて,暗室への進入に要した時間と試行の回数により学習効果判定を行う試験である。試験後,麻酔の腹腔内大量投与により屠殺し,大脳の採取を行った。受動的回避試験の結果とELISA法による大脳のセロトニン濃度測定により評価を行い,ビタミンD3の経口投与が学習能力に与える影響について比較検討を行った。【倫理的配慮,説明と同意】本動物実験は,吉備国際大学動物実験委員会の承認を得て行った。(承認番号A-11-03)【結果】各群間で受動的回避試験の結果を比較したところ,1週目ではコントロール群と比べて10ng群で有意に高い学習効果を示し,次いで20ng群で有意に高い学習効果を示した。しかし,2週目ではコントロール群と比べて10ng群にのみ学習効果の有意差が認められた。さらに,脳内のセロトニン濃度測定をコントロール群と比較したところ,1週目では10ng群,20ng群の順に有意に高い値を示した。さらに2週目においても,10ng群,20ng群の順に有意で高い値を示した。1週目と2週目の比較では有意に同様の高い値を示し,ビタミンD3の経口投与での持続的な効果が認められた。以上より,ビタミンD3が学習能力に有意性を与 えることが確認された。また,マウスに対してのビタミンD3の適量は低濃度投与群の10ngであることが明らかであった。【考察】受動的回避試験と大脳セロトニン濃度の測定結果より,ビタミンD3の経口投与が学習能力の向上作用を持つことが強く示唆された。脳内セロトニンは,明暗弁別回避学習の習得や空間記憶機能に関与するとされる。本研究は,明暗の弁別という受動的回避試験と大脳セロトニン濃度測定により学習効果判定を行ったために,高い学習効果が得られたと考えられる。また,ビタミンD3が学習能力に与える効果の至適濃度の存在が認められた。至適濃度以上の高濃度のビタミンD3投与では高カルシウム血症状態になったためではないかと考えられる。高カルシウム血症状態が精神活動の不安定化が引き起すとされており,このことが学習能力に悪影響を与えたのではないかと考えた。今後の展望として,ビタミンD3投与による学習効果向上が認められたことから,ビタミンD3の経口投与が認知症の予防や治療にも応用できるのではないかと考えられる。今後,Y字型迷路試験や水探索試験のように学習・記憶行動の様々な評価法で学習効果判定を行うことで,ビタミンD3経口投与による学習効果の更なる有効性が確認出来るのではないかと考える。【理学療法学研究としての意義】マウスを用いてビタミンD3経口投与による学習効果に与える影響について,受動的回避試験と脳内セロトニン濃度測定により検討した。その結果,ビタミンD3経口投与が学習効果の向上作用を持つことが明らかになった。高濃度のビタミンD3経口投与では高い学習効果が得られなかったことから,ビタミンD3の経口投与には至適濃度が存在することが示唆された。ビタミンD3の経口投与により学習効果が改善されることで,理学療法の各種治療が効率的に行えると考える。
著者
島崎 博也 水野 圭祐 水谷 真康 中村 毅 前田 一範 出口 晃 川村 直人 鈴村 恵理 美和 千尋 森 康則
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
pp.2310, (Released:2018-06-18)
参考文献数
15

【背景と目的】温泉の効果の一つに温熱作用がある.この効果は体温を上昇させ,体温調節機能が作動し,血流量の増大を引き起こす.今回,これらの変化が,浴槽の大きさ,温泉の泉質によるものかを検討した.  【方法】成人健常男性10名(平均年齢25.2歳)を対象として10分間42°Cの入浴を実施した.実施は,大浴槽(約1700L:アルカリ性単純温泉)と家庭浴槽(約300L:温水,0.1%人工塩化物泉)を用いた.測定項目は,深部体温「深部温モニターコアテンプ CM-210」と最高動脈血流速度「超音波血流計スマートドップ45」とし,それぞれの値を入浴中10分目,後安静10分目,20分目,30分目で比較し,さらに各条件で前安静値からの変化を求めた.  【結果】入浴10分目で深部体温と最高動脈血流速度の上昇値は,大浴槽の温泉が家庭浴槽での値に比べ,有意な高値を示した.また,大浴槽の温泉の深部体温は入浴3分目から有意に上昇した.後安静での深部体温は,大浴槽の温泉は15分間,家庭浴槽の人工塩化物泉は16分間,温水は13分間有意な上昇が維持された.  【考察】温泉大浴槽の方が家庭浴槽に比べて,深部体温上昇,最高動脈血流速度が大きかったのは,大浴槽では豊富な湯量により湯温の下降を妨げ,家庭用浴槽での深部体温上昇が継続されたのは,人工塩化物泉が体温上昇を維持させたと考える.
著者
堀内 成子 中村 幸代 八重 ゆかり 片岡 弥恵子 西原 京子 篠原 一之
出版者
聖路加国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、ローリスク妊婦に対して、オキシトシン・システム活性化プログラム(芳香浴と乳頭刺激)を開発し、正期産に導くことに効果があるか検討した。 A:芳香浴:健康妊婦に①クラリセージ・ラベンダー精油入り(27人)、②ジャスミン精油入り(26人)、③精油なし(25人)の足浴を実施し比較した。オキシトシンは足浴後に①で有意に増加し(p = .035)、②③では有意差はなかった。B:乳頭刺激:妊娠末期のローリスク初産婦22名(介入群)に、乳頭刺激を実施し、対照群の20名と比較した。介入3日目の唾液オキシトシン値は、有意に高く、子宮収縮回数も有意に多かった。反復乳頭刺激により、オキシトシン値は増加した。
著者
大山 能永 森川 泰成 中村 芳樹
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.9, no.17, pp.269-274, 2003-06-20 (Released:2017-04-14)
参考文献数
4
被引用文献数
2 3

We carried out questionnaires to make clear actual situations how the office workers took for a change (to refresh themselves). 95.4% of office workers regarded a refreshment as a requirement, and 83.7% had actually refreshed themselves in the office. Especially people thought that refreshing gave a clue to the solution. Many workers took a break for a refreshment at their desks or in washrooms, with drinking, chattering and looking out of the windows for 10 minutes or less. They thought that a window was important in the room for a refreshment. A lot of valuable information to design rooms for a refreshment was obtained.
著者
中村 孝明 星谷 勝
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.614, pp.213-220, 2007-04-30 (Released:2017-02-25)
参考文献数
8

Applicability of dynamic discounted cash flow approach upon capitalization of real estates is inclusively investigated, and it was found that evaluation of the direct capitalization must be carried out analytically, since Monte Carlo simulation may not be employed because of time consuming due to a nonlinear stochastic cash flows involved in the mathematical derivation. This paper proposed an approximate analytical method of discounted cash flows based on a logarithm random walk process in order to evaluate the stochastic direct capitalization of real estates. Numerical results by the proposed method is verified by Monte Carlo simulation, and a good agreement was obtained. It is emphasized that the procedure is simple and the calculation is easy, because an analytical technique is used.
著者
中村 有里 長谷田 真帆 西岡 大輔 雨宮 愛理 上野 恵子 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.21-118, (Released:2022-07-29)
参考文献数
40

目的 人とのつきあいのわずらわしさなど対人関係上のストレスから対人関係や社会的場面を避け,たとえ危機に陥っても他者に援助を求めない傾向が若者を中心に見られている。他者に援助を求める行動には,子ども期に両親に援助を求めた経験が関係することが報告されている。しかし,家族への援助の要請が難しい場合でも,近隣住民との関係の中で,他者に援助を要請するようになることも考えられる。そこで本研究では,子ども期の両親への援助要請の経験と成人期の対人関係の忌避傾向の関連における地域交流の経験による効果の修飾の有無を検討した。方法 名古屋市の18~39歳を対象にした調査より,1,274人のデータを分析した。修正ポアソン回帰分析を用いて,子どもの時に父親・母親に対して援助を要請した経験,小・中学校の時の地域行事に参加した経験,およびこれらの交互作用項による対人関係の忌避の割合の比を男女別に算出した。年齢・両親の最終学歴・子どもの時の母親の就労状況および主観的経済状況,もう片方の親への援助要請経験を調整した。また,援助を要請した経験,地域行事に参加した経験それぞれの有無別に対人関係の忌避の状態にある者の割合の予測値を算出し,効果の修飾の有無を評価した。結果 父親への援助要請経験と地域行事への参加経験の交互作用項を入れた多変量解析および算出された予測値からは,地域行事への参加経験による効果の修飾は男女とも観察されなかった。母親への援助要請経験に関しては,男性で,地域行事への参加経験による効果の修飾が観察され,母親への援助要請経験があり,かつ地域行事への参加経験があった場合は,なかった場合の予測値よりも低い傾向があった。女性では,地域行事への参加経験による効果の修飾は観察されなかった。結論 対人関係の忌避を抑制する上で,とくに男性では,子ども期の母親への援助要請経験があった場合に,地域行事への参加経験があることの重要性が示唆された。親からの適切な援助を得ることに加えて子どもの地域交流を促すことで,将来の社会生活で困難に陥るリスクを緩和できる可能性がある。
著者
木村 哲也 石川 鎮清 中村 好一 近藤 克則 尾島 俊之 菅原 琢磨
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
pp.2022.004, (Released:2022-07-29)
参考文献数
13
被引用文献数
1

【目的】近年,時代に即した医療課題の解決のため,適切な社会医学の人材育成がなされているかを,明らかにすることを目的とした。【方法】量的調査と質的調査を行った。量的調査では,近年20年間の社会医学分野の講座名称及び教員数の変化について名簿調査を行った。質的調査では,社会医学分野の研究者・教員9名及び高等教育行政,厚生行政,医学会関係者各1名ずつの計12名に対してインタビュー調査を行った。インタビュー調査は半構造化面接の方法で行い,質的に分析した。【結果】名簿調査では,20年間のうちに,医学教育において社会医学分野の教員数に変化はないが,基礎医学・臨床医学分野を合わせた教員の全体数が増加しているため,社会医学分野の教員の割合は3.0%(521人/17,224人)から2.1%(508人/24,121人)に減少していた。インタビューでは,公衆衛生大学院の創設や社会医学専門医制度などの開始,地方自治体や国際保健において社会医学人材の活躍が期待される一方で,魅力ある教育プログラムやキャリアパスのイメージが示されていないこと,実践現場と研究・教育の乖離などの課題が明らかとなった。【結論】量的・質的分析を合わせた結果,1)新たな課題に取り組む人材育成のため教育・専門医制度などの質の保証の充実,2)社会医学の可能性を伝え参入する若手を増やすための方策強化,3)現場と研究,教育の乖離が見られるためビッグデータやグローバルヘルスを使った現場と教育と研究の統合,の3つの課題を抽出することができた。
著者
中村 唯史
出版者
阿部宏慈
巻号頁・発行日
2008-01-01

視覚表象における「リアル」の研究 : 平成16年度~平成18年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))研究成果報告書 ; 研究課題番号: 16602001 ; 研究代表者: 阿部宏慈 ; p55-84