著者
橋本 博文 今井 栄一 矢野 創 渡辺 英幸 横堀 伸一 山岸 明彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
2016
被引用文献数
1

The mechanical thermometer using a bimetallic strip coil was developed for the Tanpopo mission. The Tanpopo mission is a multi-year passive exposure experiment for astrobiology exposure and micrometeoroid capture onboard the Exposed Experiment Handrail Attachment Mechanism (ExHAM) at the Japanese Experiment Module 'Kibo' (JEM) Exposed Facility (EF) on the International Space Station (ISS). The Tanpopo mission apparatuses were launched by the SpaceX-6 Dragon CRS-6 on April 14 2015, from the Cape Canaveral Air Force Station in the U.S.A. Since its microbial exposure experiment requires recording the maximum temperature that the Tanpopo exposure panel experiences, we have developed a mechanical thermometer with no electric power supplied from the ExHAM. At a given time and orbital position of the ISS, the thermometer indicator was video-imaged by the extravehicular video camera attached to the Kibo-EF and controlled from the ground. With these images analyzed, we were able to derive the maximum temperature of the Tanpopo exposure panels on the space pointing face of the ExHAM as 23.9±5 °C. Now this passive and mechanical thermometer is available to other space missions with no electric supplies required and thus highly expands the possibility of new extravehicular experiments and explorations for both human and robotic missions.
著者
今井 弘 荒井 善一
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.143-147, 1991-03-05 (Released:2010-01-18)
参考文献数
7
被引用文献数
1 4

1,1,3,3-テトラメトキシプロパン(TMP)の加水分解と,その生成物であるマロンジアルデヒド(MDA)をチオバルビツール酸(TBA)法によって吸光光度定量する条件を検討した. TMPはpH 1にした水溶液中で25℃, 5時間放置すると,完全に加水分解した.その速度定数は2.78×10-4s-1であった.得られたMDAはpH 0~2においてTBAと定量的に反応し, 532nmに吸収極大をもつトリメチン色素が生成した. MDAが0.5×10-6Mから6.5×10-6Mまでの範囲で,濃度と吸光度との間に比例関係が認められ,そのモル吸光係数は532nmの波長で1.4×105l mol-1cm-1であった.
著者
今井 宏昌
出版者
九州大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

最終年度である平成28年度は、成果の発表につとめると同時に、前年度に引き続き、ヨーロッパや日本国内の古書店、大学図書館のデータベースを利用し、研究テーマに関連する文献の調査・収集をおこなったほか、平成28年8月8日から9月1日にかけて、ドイツで文書館史料の調査・収集をおこなった。具体的な成果としては、まず博士論文を単著『暴力の経験史:第一次世界大戦後ドイツの義勇軍経1918~1923』(法律文化社、2016年)として出版したことが挙げられる。この出版により、ドイツ義勇軍の経験が戦間期のドイツ・ヨーロッパ史に与えたインパクトとともに、本研究が重視する「経験史[Erfahrungsgeschichte]」の分析視角をより広くの人びとに知らせることができた。また「経験史」に関してはさらに、T・キューネ/B・ツィーマン編『軍事史とは何か』(原書房、2017年)を共訳書として発表した。特筆すべき研究の進展としては、義勇軍経験をめぐる史料の「発掘」と収集が挙げられる。ザクセン州立ライプツィヒ文書館では、義勇軍出身のナチ党員であるH・O・ハウエンシュタインが1926 年11 月にヒトラー率いる党中央から離反する形で結成したドイツ独立国民社会党の機関誌『ドイチェ・フライハイト』の1927 年5 月22 日号を「発掘」し、組織の中で明確に義勇軍経験が意識されていた点が明らかとなった。さらにマールブルクのヘルダー研究所では、義勇軍雑誌『ライター・ゲン・オステン』の大部分を収集することに成功し、これによりバルト地域を中心とする義勇軍運動の記憶がナチズムに接収されていく過程を跡づけるための前提条件が整った。ただ、これらの史料「発掘」と収集により、論文執筆スケジュールに大幅な変更が生じ、結果として平成28 年度中に雑誌論文としての成果の発表には至らなかった。
著者
神田 崇行 石黒 浩 小野 哲雄 今井 倫太 中津 良平
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.315-323, 2002-04-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
23
被引用文献数
6 20

This paper reports an evaluation about autonomous behaviors of an interaction-oriented robot, which will work in our daily life as our partner. To develop and improve such an interaction-oriented robot, it is necessary to find out the evaluation method of the human-robot interaction. We tried to evaluate the robot named“Robovie”, which has a human-like upper torso, a sufficient physical expressing ability, and abundant sensors for communicating with humans. Robovie autonomously exhibits playing behaviors such as a handshake, hug, and short conversation, based on visual, auditory, and tactile information. For the evaluation, we installed three behavior patterns“passive”, “active”, and“complex”into Robovie. As the result, “passive”pattern brought the best impression. We also analyze the dynamic aspects of the interactions with a concept of“entrain level”, then we suggest interaction-chain model for human-robot communication.
著者
菊池 憲和 今井 徹 中馬 真幸 鏑木 盛雄 吉田 善一
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.46-51, 2016-02-29 (Released:2016-02-29)
参考文献数
7

目的:救急認定薬剤師の現状と今後の課題を把握するために,救急認定薬剤師の業務実態と展望を調査した。方法:2014年4月1日時点で日本臨床救急医学会により認定を受けた救急認定薬剤師に択一選択および自由記述の調査用紙を郵送した。結果:調査用紙の回収率は75%,所属施設の病床数は平均649床,救急・集中治療業務への従事率は77%であった。現在の業務内容として,処方提案,注射薬の監査,麻薬等の管理,投与速度の算出,治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring; TDM),持参薬の確認については80%以上が行っており,救急認定薬剤師が精通している領域は,救急医療が最も多かった。今後実施したいと考えている業務は初療が60%,今後の展望として,業務のガイドライン作成が73%と最も多かった。考察:救急認定薬剤師が大小さまざまな施設で救急・集中治療に従事しており,今後は初療に関与してゆくことが課題であり,早急に業務ガイドラインの作成を行う必要があると考える。
著者
今井 晴基 村瀬 正名 杉山 潤 根岸 康
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.104(2005-CE-081), pp.23-28, 2005-10-22

小中学校において授業に利用されるPCの管理は,学校の教員が通常業務の合間に行っており,教員に対する作業負荷は大きなものになっている.本研究では,学校などにおける複数台のPC管理の負荷軽減のための管理システムの提案を行う.管理システム構築のため,オープンソース・クラスルームPC管理ソフトウェアspcmanを開発した.spcmanは,1台のPCのハードディスクの内容を他のPCに複製することですべてのPCを管理することが可能となっている.PC管理者が管理するPCは1台のみとなるため,管理負荷を大幅に軽減することができる.2005年1月から3月までの間,5校の小中学校において,Linuxを搭載したノートPC,計175台に対して,管理システムを導入してPC管理を行った.これにより,管理作業負荷を大幅に軽減できることを確認した.
著者
今井 長兵衛 前田 理
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.367-372, 1976
被引用文献数
3 11

京都産ヒトスジシマカを用いて卵期に発育を休止する現象を実験的に検討した。1)卵をDO高濃度の水や蒸留水, くみおき水に浸すと孵化率が低いが, DO低濃度の水やクロレラを含む水に浸すと高率に孵化した。2)短日(8時間日長)で飼育した成虫からの卵は長日(16時間日長)で飼育した成虫からの卵と比較すると低い孵化率を示した。また親成虫の吸血時期をおくらせると孵化率の低下がみられた。3)うまれた卵を24時間以上の保湿の後に7日間乾燥させると, くみおき水やDO高濃度の水での孵化率が著しく低下したが, その後にクロレラを含む水やDO低濃度の水に浸すと大部分が孵化した, 6時間以下の保湿の後に乾燥させた卵は大部分が死亡した。4)長日飼育の成虫と短日飼育の成虫とからの2卵群をそれぞれ二分して7日間乾燥させた場合と浸水放置した場合とを設定し, おのおのを高低3段階のDO濃度の水につけて孵化率を調べた。いずれのDO濃度においても長日浸水放置区に比較して他の3区での孵化率の低下がみられ, 最も低かった短日乾燥区では中濃度以上のDOに対する孵化率は0%であった。以上の結果にもとづいて, ヒトスジシマカの孵化反応性とその適応的意義について考察を行なった。
著者
今井誉次郎 著
出版者
講学館
巻号頁・発行日
1962
著者
徳田 恵一 益子 貴史 小林 隆夫 今井 聖
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.192-200, 1997-03-01
被引用文献数
104

動的特徴 (音声のデルタ及びデルタデルタパラメータを含む混合連続分布HMMから音声パラメータ列を生成するための高速アルゴリズムを提案する。ここでは, 尤度最大の意味で最適な音声パラメータ列を生成することを考え, この問題を現実的な演算量で解くため, 適応フィルタリングにおけるRLSアルゴリズムと類似の手法を用いて高速アルゴリズムを導出した。また, 提案アルゴリズムにより, 静的及び動的特徴の統計情報(平均及び共分散)を反映した音声パラメータ列の生成が可能となることを例によって示すと共に, 提案アルゴリズムの音声の規則合成への応用について考察を加えている。
著者
宮崎 邦彦 岩村 充 松本 勉 佐々木 良一 吉浦 裕 松木 武 秦野 康生 手塚 悟 今井 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.1871-1879, 2005-08-15
被引用文献数
1

電子署名技術の利用にあたっては,署名者は秘密鍵を安全に管理する必要がある.一般には,秘密鍵を安全に管理することは署名者自身にとって利益となると考えられているが,署名者の状況によっては,安全に管理することが利益とならないケースも生じうる.本稿では,署名者が債務超過に近い状態にある債務者である場合を例にあげて,署名鍵の自己暴露が債権者に対する攻撃となることを指摘する.さらに債務者が鍵自己暴露の可能性を持つことが,債権者?債務者間の債務縮減交渉に与える影響について分析を行い,この問題への対策の方針と例を示す.In application of digital signature technology, a signer needs to manage his/her private key safely. Keeping the private key safely is seemingly profit for the signer him/herself, but this may not true in certain situation. In this paper, the case where the signer is an obligor who is almost crushed by debt is mentioned as an example and we point out that self-compromising the signing private key by the obligor serves as an attack on a creditor. Furthermore, we analyze how it affects on the debt curtailment bargaining between a creditor and an obligor that the obligor has private key self-compromising, and show examples for countermeasure.