著者
佐藤 意生 隈上 秀伯
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.466-469, 1975-06-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
5

A patient with idiopathic neuralgia of the superior laryngeal nerve was cured by alcohol injection of the nerve. In this case, a biopsied segment of the nerve showed normal findings by the electro-microscopic examination.The results of examinations lead to the conclusion that idiopathic neuralgia may be caused by some difficulty of receptors of the sensory nerve in the mucous membrane of the larynx. In addition, authors reported that the vocal cords of the dog kept normal color and form after the internal branch of the superior laryngeal nerve was resected.
著者
石原 哲也 平田 幸一 辰元 宗人 山崎 薫 佐藤 俊彦
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.180-186, 1997-06-25 (Released:2009-09-16)
参考文献数
30

一過性全健忘 (TGA) の発症機序については, 未だに統一した見解は得られていない.われわれは, 従来の臨床的およびMRI, SPECTによる画像診断的検討に加え, proton MRspectroscopy (1H-MRS) を用い, その成因に関する検討をおこなった.TGAの急性期におけるSPECTでは, 側頭葉内側および基底核を中心とした脳血流の低下が示唆された.一方, 側頭葉内側および基底核部における急性期の1H-MRSでは, 虚血性変化の急性期にみられるようなコリン, クレアチンの低下や乳酸の増加は認めず, 脳細胞の代謝異常または脳機能の低下を示すとされるN-アセチルアスパラギン酸 (NAA) の相対的な低下のみがみられた.この結果から, TGAの発症には必ずしも一過性脳虚血発作と同様なatherothrombo-embolicな機序による脳血流低下のみが関与するものではないことが示唆された.
著者
岸本 尚子 季 思雨 辻 果歩 谷口 景一朗 佐藤 誠 前 真之 二宮 秀與 井上 隆
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.28, no.69, pp.745-750, 2022-06-20 (Released:2022-06-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

In recent years, passive designs, that acquire solar radiation from large windows during winter time, are becoming widespread. However, due to privacy issues, there are some houses in which curtains and other shading devices remain closed throughout the year. In this research, we focused on the roller blinds that can control the solar radiation and view, in response to the weather conditions and the surrounding environment, and measure the solar heat gain and the heat transfer by component of the windows with roller blinds under the actual environment.
著者
佐藤 秀美 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.508-513, 1999-08-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

放射伝熱および対流伝熱のみで食品を加熱できる装置を用いて,開放系で食品を加熱し,食品の水分蒸発挙動に及ぼす伝熱方式の影響を検討した.加熱条件は,放射伝熱の場合にはヒータ・試料間距離を92mmに,対流伝熱では風温250℃および風速10m/sとした.この条件で加熱した場合,食品の受ける熱量は加熱時間が2分20秒の時点で同じになる.試料には食パンを用いた.その結果,以下のことが明らかになった.(1) 食パンの水分蒸発速度は,伝熱方式により異なり,放射伝熱で加熱した場合の方が対流伝熱の場合よりも全加熱時間にわたり小さかった.一方,放射伝熱における食パンの受熱速度は,加熱前半には対流伝熱よりも小さかったが,後半になるとこれよりも大きくなった.このことから,食品からの水分蒸発は受熱量だけで決まるわけではなく,伝熱方式の違いが大きく影響することが明らかになった.(2) 食品が受けた熱量のうち,水分の蒸発に使われる熱量の割合は,加熱開始直後では,放射伝熱,対流伝熱ともに約60%であった.放射伝熱の場合,この割合は時間の経過に伴い徐々に低下した.対流伝熱の場合,その割合は一旦増加し最大値を示した後,時間の経過に伴い,徐々に低下した.ピーク時のこの割合は90%を越えており,この辺りでは受けた熱量のほとんどが水分の蒸発に使われていることがわかった.
著者
佐藤 卓
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.869, 2019-12-05 (Released:2020-05-15)

追悼蔡安邦先生を偲んで
著者
佐藤 利夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.989-991, 1967-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
12

イチョウイモ粘質物(アセチルマンナンータンパク質一フィチン酸複合体)に各種酵素を作用させて, この粘質物の粘性の発現に関与している因子の検討を行なった。プロテアーゼ,ホスファターゼ(フィターゼ)を作用させてもその高粘性は失なわれないが, セルラーゼを作用させると急激な粘度低下と還元糖の漸増をみた。このことからβ(1→4)結合をしたマンナンが粘性の発現に主要な役割を果しており, タンパク質部分, フィチン酸などは粘性発現に直接関与していないものと考えられた。
著者
佐藤 利夫
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.985-988, 1967-09-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
8
被引用文献数
2

イチョウイモ粘質物には3~4%のリンが含まれているが, このリンの大部分がフィチン酸として存在することがペーパークロマトグラフィー, ロ紙電気泳動, ガスクロマトグラフィーなどの結果から推定され, ジクロヘキシルアミン塩として確認された。フィチン酸は粘質物の一部として水可溶性の状態で存在することも明らかになった。またこのフィチン酸は粘質物のタンパク質と単純な塩結合によって結合しているのではなく, 配位または弱い共有結合をしているものと考えられた。
著者
藤原 悌三 佐藤 忠信 久保 哲夫 村上 ひとみ
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報. A (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.A, pp.71-95, 1989-04-01

The earthquake we have investigated took place in the Nepal-India border region in the earlymorning on 21 August 1988. This earthquake in the southeastern zone of Nepal close to the bor-der of the State of Bihar, India registered 6.6 on the Richter Scale. Its focal depth was assumedto be 57 km. In Bihar State, India, 282 persons died, 3766 were injured and 150, 000 houses weredamaged. In Nepal, 721 persons died, more than 5000 were injured and 100, 000 houses weredamaged. Most the houses damaged had been constructed of stone cemented with mud mortar, unburnt bricks, or burnt brick masonry. There are many wooden houses and few reinforced con-crete buildings in the effected area. We did not find any serious damage to those structures.This is a survey report, in which the damage to human loss and the collapse of buildingstructures done by the earthquake are introduced and discussed. We estimated the fault zone ofthis earthquake from the post-earthquake records. The intensity of ground shaking around theeffected areas is discussed in terms of assumed fault parameters and the geological condition ofthe surface layer. We also prepared a questionnaire asking inhabitants. The intensity distribu-tion estmated from their information is compared with the intensity derived from seismographicdata. Based on our laboratory tests of sand specimens collected from riversides where liquefac-tion occurred during the earthquake, the maximum acceleration near the epi-center is also esti-mated. The strength of the structures in the effected areas is estimated and compared with theactual damage done. On the basis of our survey and analytical results we present some recom-mendations for the mitigation of earthquake disasters in these areas.
著者
山本 俊介 佐藤 栄治 中山 義紀 菅野 高弘 田邊 俊郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.693, pp.131-144, 2001 (Released:2010-08-24)
参考文献数
11
被引用文献数
1

コンテナ埠頭岸壁等に設置されるコンテナクレーンの地震時の挙動として, 脱輪現象が兵庫県南部地震等で確認されている. コンテナクレーンは構造形式により脱輪を起こすと転倒することも確認されている. また, 脱輪を起こさない場合でも脚部の変形・座屈により使用不能となった例が多い. 一方, クレーンを有する岸壁基礎に対しても地震時にクレーン荷重の与える影響は大きいものと推測され, さらに, クレーンが脱輪する場合はその衝撃荷重が作用するものと考えられる. そこで, 本研究では1/15縮小模型による振動台実験を行い, 地震時のクレーン脱輪現象等の影響を確認したうえでコンテナクレーンの免震化を提案し, クレーン本体, クレーン基礎に対する耐震性能の向上を確認した.
著者
古川 雅英 佐藤 精一 松本 健吾 澁谷 博美
出版者
一般社団法人 日本創傷外科学会
雑誌
創傷 (ISSN:1884880X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.129-138, 2012 (Released:2012-07-01)
参考文献数
13

足関節より近位での切断を大切断といい, 重症下肢虚血 (critical limb ischemia : CLI) の治療において, 救命や除痛, 再建不能などの理由で救肢ができず, 大切断を余儀なくされることがある。しかし, 病状によってはその大切断でさえ安全ではない。私たちは当科で大切断を目的に血行再建術を施行した 5 例について検討した。その結果, 全例再手術することなく創治癒していた。また 4 年以上の経過観察期間において死亡例は 1 例であり, いわゆる重症下肢虚血における大切断後の予後よりもよかった。大切断が必要な症例においても切断部位の血流精査を行い, 切断に耐えられる血行再建術を施行することは, 生命予後の改善においても有用であると思われた。
著者
佐藤 遼河 杉本 徹
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究の目的はコーパスとシソーラスを用いてユーザが指定した被喩辞と特徴語の組に対応する比喩を生成し、提案するシステムを構築することである。本研究では、2つのプロセスから喩辞を求める。1つめはword2vecを用いて被喩辞と特徴語の単語ベクトルを取得し、コサイン類似度を基に喩辞の選択に用いる。word2vecを用いることで任意のコーパスから単語ベクトルを作成することができ、ユーザの執筆する文章に合わせたことば選びが可能である。2つめは分類語彙表のカテゴリを用いて特徴語とカテゴリの共起行列を作成し、特徴語と共起しやすいカテゴリに属する単語を喩辞とする。共起行列により特徴語に適した多様な喩辞を提案できる。システムが生成した喩辞を適切性と有用性の観点から評価した。結果として、適切な比喩の割合は低いもののユーザが文章を作成するに当たって有用な比喩を生成することができた。次に、青空文庫をコーパスとした単語ベクトルを用いた場合の喩辞と国語研日本語ウェブコーパスの単語ベクトルを用いた場合の喩辞を比較した。その結果コーパスを変えることでユーザの執筆する文章に合わせた喩辞が出力できることが分かった。
著者
佐藤 美紀子 百田 武司
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20210908154, (Released:2022-06-06)
参考文献数
88

目的:脳卒中後のアパシーに関する研究の動向,実態,予防・改善が期待できる介入方法を明らかにした。方法:PubMed,医学中央雑誌から抽出した75文献を分類,要約,記述した。結果:内容は「レビュー」9件,「発症メカニズム」14件,「治療」14件,「評価スケール」7件,「実態」12件,「関連要因」15件,「メタアナリシス」2件,「介入研究」2件に分類された。近年,質の高い研究が行われつつあったが,実態と介入方法に関する科学的根拠は十分に構築されていなかった。アパシー発症率は4割弱,発症には「脳卒中発症回数」「うつ」「認知機能障害」が関連した。脳病変部位,脳卒中病型,年齢,脳卒中発症後の時間,臨床的アウトカムの重症度との関連については知見が一致していなかった。予防・改善が期待できる介入方法として,脳卒中再発予防,認知行動療法,問題解決プロセスの促進,行動活性化が見出された。結論:実態解明,介入方法の確立が求められる。
著者
佐藤 加代子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.73-82, 2019-08-25 (Released:2019-09-06)
参考文献数
46
被引用文献数
3

Differences in cardiovascular disease are found between the genders. In women, it is known that estrogen has both indirect and direct protective effects on the cardiovascular system. This includes a decrease in low-density lipoprotein cholesterol (LDL-C), an increase in high-density lipoprotein cholesterol (HDL-C), the vasodilatation response by endothelial Nitric Oxide Synthase (eNOS) synthase, and prostacyclin synthesis.Many cases of coronary spastic angina and acute coronary syndrome (ACS) have been observed during the menstrual and the late luteal phases of the menstrual cycle, corresponding with low levels of estrogen. After menopause, the risk of atherosclerosis and associated conditions such as; dyslipidemia, hypertension, obesity, diabetes, T cell activation, and adhesion molecules, increase. Consequently, the risk of a cardiovascular event also increases. In addition, regarding the pathological mechanism underlying ACS, erosion is observed most prominently during pre-menopause, whereas plaque rupture is observed in post-menopause.Furthermore, microvascular angina is often found in menopausal women displaying various symptoms, thus a diagnosis may be difficult. We recognize a decrease in vascular endothelial function and the coronary flow reserve and a high level of lactic acid in the coronary sinus as diagnostic criteria. Regarding problems associated with the "super-aging" society, there are many elderly female patients with HFpEF (heart failure with preserved ejection fraction) who have diastolic dysfunction. Also well-known are cases of atherosclerosis and osteoporosis progressed by common risk factors, and recently, vascular bone disease.There are characteristics in women for microvascular angina and heart failure, as well as ischemic heart disease, due to atherosclerosis caused by the sex hormone environment in later life stages. Considering gender-specific medicine in the prevention and treatment of cardiovascular disease is important for healthy aging of women.