著者
佐藤 志以樹 大井 龍司 松本 勇太郎 曽 尚文 浜田 千枝 岩見 大二 Mohamed Ibrahim 千葉 庸夫
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.939-944, 1994-08-20 (Released:2017-01-01)

最近我々は, Gross-C 型先天性食道閉鎖症術後15年目に発見されたTEF再開通例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は15歳男児.昭和49年,8月,在胎41週,正常分娩にて出生,出生時体重2,800gであった.生直後よりチアノーゼを認め生後3日目,先天性食道閉鎖症 Gross-C型の診断にて一期根治術を施行した.昭和63年1月より鰓弓症候群の診断にて,延べ3回に渡り当院形成外科で全麻下の手術を受け,術後に左下葉の肺炎,無気肺の経過を繰り返したため当科紹介となった.食道造影にて, Th6 の高さでの TEF 再開通を発見された.術前, TEF 内に留置したガイドワイヤーを指標に剥離を進め, TEF を切離した.気管側を1層に,食道側を2層に縫合閉鎖した.食道と完全に遮断するため,気管側の TEF 閉鎖部に Gore-tex patch をあて良好な結果を得た.教室での経験例を合せて報告した.
著者
山原 一輝 今野 晃市 千葉 史 佐藤 真麻
出版者
編集:日本情報考古学会 発売:勉誠出版
雑誌
情報考古学 (ISSN:13424084)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1-2, pp.23-31, 2012-01-01

石器の接合資料は、旧石器時代と縄文時代の人々の生活を調査するための重要な資料である。石器は、石核と呼ばれる原石から剥片と呼ばれるパーツを剥離させ、その後道具として使用するために、剥片を整形したツールである。石器を作成する過程で排出される剥片を接合し、石器の加工工程を再現することで、石器製作者の製作意図や行動、技術力、生活範囲などさまざまな情報を得ることができる。石器の加工工程を再現するためには、同一の石核から製作された石器同士を接合し、隣接する石器の位置や姿勢を復元する必要がある。しかし、石器の接合資料の作成は手作業で行われているため、作業には多くの時間と労力がかかる。また、作業には石器が破損するリスクを伴うため、作業者の負担も大きい。そこで本論文では、計測点群から生成したポリゴンモデルを利用して、接合資料作成のための石器剥離面に基づく隣接関係検出法について提案する。本手法は、剥離面は滑らかな形状であり、剥離面同士の境界は、稜線を構成していることに着目して、曲率に基づいて稜線を抽出する。次に、抽出された稜線で閉領域を構成し、剥離面を抽出する。最後に、同一の母岩に属している各石器の剥離面同土でペアを作成し、ペアに含まれるポリゴンが幾何学的に一致するかどうかを評価する。その結果、石器間の隣接関係を検出することが可能となる。
著者
重臣 宗伯 佐藤 ワカナ 柴田 繁啓 越村 裕美 円山 啓司 吉岡 尚文
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.145-148, 2001-07-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

高齢者の入浴中の心肺停止の原因を発生状況と地域性から明らかにするために, 発生率によって秋田・青森群と非秋田・青森群の2群に分けて比較検討した。秋田・青森群の発生率は3.51で, 11月に発生のピークがあるのに対し, 非秋田・青森群では2.24で12月に発生のピークがあった。全発生数に占める高齢者の割合, 性別, 発生場所, 水没の有無, 浴槽の形状, 家族との同居の有無, 入浴前飲酒の有無, 既往歴には明らかな差を認めなかった。高齢者の入浴中の心肺停止は外気温が10℃を下回る時期から発生数が増加し, その発生には脱衣場・浴室内の温度の低さが関係していると考えられた。寒冷な時期での脱衣場・浴室内の暖房の必要性を啓発する必要がある。
著者
佐藤 雅幸 平田 大輔 野呂 進 鈴木 啓三
出版者
専修大学社会体育研究所
雑誌
専修大学社会体育研究所報 (ISSN:02884135)
巻号頁・発行日
no.55, pp.29-36, 2007

The purpose of the present study was to investigate the effects of athletic experience on concentration. The Test of Attentional and Interpersonal style (TAIS) was administered to twenty female university students without daily athletic experience and forty female university athletes involved in interpersonal ball sport such as tennis. Results indicated that university athletes scored significantly higher on BET and BIT in attentional-style subscale, INFP in control subscale, and CON, SES, P/O, EXE, PAE in interpersonal subscale, in comparison to university students. It was, thus, concluded that university athletes seemed to have haigher ability to accurately select and process many external stimuli than university students. In addition, it was also revealed that university athletes tended to be more extroverted and have higher self values in the interpersonal relationship compared to university students.
著者
斎藤 晶 佐藤 孝夫
出版者
北海道立林業試験場
巻号頁・発行日
no.50, pp.26-35, 1981 (Released:2011-03-05)
著者
佐藤 孝則
出版者
天理大学おやさと研究所
雑誌
天理大学おやさと研究所年報 (ISSN:1341738X)
巻号頁・発行日
no.18, pp.47-61, 2011

現在、EU を構成する国は27 カ国で、そのうち、1989 年11 月9 日の「ベルリンの壁」崩壊を契機に社会主義体制を放棄し、資本主義体制を受入れた国および新たに生まれた国は10 カ国(旧東ドイツを除く)である。これらの国々は2004 年以降にEU に加盟した中東欧諸国で、加盟にあたっては厳しい環境基準や環境対策、関連法の整備が必須条件だった。そのため、「黒い三角地帯」で起きたような社会主義政権時代の著しい環境汚染や自然破壊を改善させる必要があった。本論では、EU を構成する中東欧諸国の社会主義体制崩壊の頃の環境対策がどのような状況だったかについて、各国ごとに紹介する。とくに大気汚染、水質汚染、土壌汚染、自然破壊の視点から当時の環境汚染の実態について言及した。そのさい、ハンガリーの環境保護運動が旧東ドイツ市民をオーストリアの国境から逃がした「汎ヨーロッパ・ピクニック」の実現、東西ドイツの統一へと導いたと考えた。Today the European Union is comprised of 27 nations, ten of which (excluding former East Germany) either abandoned socialism to adopt capitalism or were newly founded following the fall of the Berlin Wall on November 9, 1989. Located in Central and Eastern Europe, these nations joined the EU in or after 2004. The membership required them to set up strict environmental standards, planning, and laws. They were obliged to improve terrible environmental pollution and natural destruction like those that occurred in the "Black Triangle" under their socialist governments. This paper discusses how each of these EU members in Central and Eastern Europe dealt with their environmental problems when socialist regimes were collapsing. It describes each nation's state of environmental pollution at the time with regards to air, water, and land pollutions, and natural destruction. It contends that the environment protection movement in Hungary led to the realization of "Pan-European Picnic" (Páneurópai piknik), which allowed former Eastern Germans to flee through the Austrian border, and to the unification of East and West Germany.
著者
野村 克也 佐藤 珠希
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.436, pp.118-121, 2018-10

──2017年12月8日に虚血性心不全で妻の沙知代さんが亡くなって、半年以上が過ぎました。 人間って厄介だなって思うのは、そばにいた時は何とも思わなかったのに、いなくなるとその存在の大きさを痛いほど感じること。家に帰って話をする人がいないのがこんな…
著者
佐藤 博文 針金 三弥 龍村 俊樹 山本 恵一 小島 道久 山本 和夫 柴崎 洋一 松本 貞敏 鈴木 亮一
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.1330-1334_1, 1984 (Released:2011-05-09)
参考文献数
10

尋常性疣贅の多発を伴ったS状結腸癌の2例を報告した.症例は59歳の女性と78歳の男性で,ともに消化器症状はなかったが,2年以上前から尋常性疣贅が顔面,手背に多発し治癒傾向にないため,消化管の精査を行った. 上部消化管には異常所見を認めなかったが,注腸造影と大腸内視鏡検査によりS状結腸癌の合併をみとめ,根治術をおこなうことが出来た. 近年,本邦での結腸癌の罹患率は増加傾向にあり,結腸癌による死亡率を低下させるには一般住民を対象とした大腸集検と共に高危険群の精査による早期癌の発見が必要である. 尋常性疣贅はhuman papilloma virus(HPV)による皮膚感染症で,その発病は細胞性免疫能の低下と関連しているといわれている.今回の2症例の経験から,高齢者で尋常性疣贅が多発し,しかも難治傾向にある場合には,内臓悪性腫瘍の高危険群に屈すると考え,精査追跡をすすめるべきである.
著者
佐藤 章 Sato Akira
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アフリカレポート
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-15, 2013

本稿は、アフリカ開発にとって不可避の課題として認識されている紛争解決と平和構築の問題に関して、とくに国連や欧米諸国などのアフリカ域外の主体によって行われてきた軍事的取り組みの歴史と現状を考察しようとするものである。紛争解決・平和構築を目的として域外主体によって行われてきた軍事的取り組みは、1990年代のソマリアとルワンダでの経験を踏まえて試行錯誤が積み重ねられてきた。これを経て近年では、域外主体がアフリカ諸国の平和構築能力の強化を支援しつつ、国連PKOに代表される域外の軍事要員がアフリカ側と連携する体制が確立されてきている。本稿ではこのような歴史を整理したのち、アフリカの紛争解決・平和構築に深く関わる新しい考え方として注目されている「保護する責任」をめぐる問題を論ずる。具体的には、「保護する責任」に依拠して2011年4月にコートジボワールで行われた国連PKOによる軍事行動を取り上げ、「保護する責任」をめぐり提起されてきた諸論点が、この現実の軍事行動においてどのように現れていたかを検討したい。
著者
佐藤 忠宏
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 = WASTE MANAGEMENT RESEARCH (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.136-141, 2006-05-31
参考文献数
6

ライフスタイルや消費者意識の変化, 環境問題への意識向上により, 家電製品の顧客ニーズは量の時代から質の時代に入り, 他とは異なった個性を重んじる傾向や所有に拘らない意識が台頭し, 折りしも地球環境問題として持続可能な発展をコンセプトに, モノを所有する時代からサービスや価値を消費する時代へとサービス経済への移行の重要性が叫ばれ始め, 特に, 特定家庭用機器商品化法 (通称家電リサイクル法) の2001年4月完全実施を控え, 消費者の意識変革とリサイクル料金負担義務化を背景に, 2000年10月から消費者にとっても生産者にとっても, 『一石二鳥』の新しい環境ビジネスとして中長期使用の家電レンタルビジネスを開始しました。これは, 使用者の初期費用負担軽減・期間中の修理代無料や廃棄処分費用負担不要の直接効果に加えて環境負荷低減の潜在力をも有し, 資源を無駄にしない循環型社会に結びつく効果が期待されます。
著者
佐藤 大祐 澁谷 和樹
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.6, pp.965-977, 2015-12-25 (Released:2016-01-27)
参考文献数
27
被引用文献数
2 5

The development process and usage patterns of second-home areas at the foot of Mt. Fuji are clarified by analyzing their expansion process, capital, and owner behavior. After World War I, in 1929, Fuji Kyuko Company, profiting from a business boom, started to develop a second-home area south of Lake Yamanaka [Yamanaka Kohan Bessochi]. This approach, by which a private company borrowed a section of Imperial Gift Land from Yamanashi Prefecture and established a second-home area, served as a model for developments at the northern foot of Mt. Fuji. In the early 1960s, second-home areas were developed north of Lake Yamanaka and at Fujizakura Highland south of Lake Kawaguchi. With the opening of the Chuo and Tomei Expressways in 1969, there were large capital flows into the creation of up-scale second-home areas at Juriki Highland, Fujigamine Highland, and Asagiri Highland, as well as around Lake Kawaguchi from the late 1960s until the mid-1970s. Large railway, trading, and paper manufacturing companies, as well as local developers, started to create second-home areas throughout the high-growth period. These investors, therefore, competed for land at the foot of Mt. Fuji. As a result, speculative capital flowed into development projects in second-home areas. This speculation created the potential for massive environmental destruction. Consequently, local governments concluded agreements with second-home owners' associations to clarify management responsibilities. Owners are most frequently at their second homes on weekends and during summer vacations in the hot months from mid-July to mid-September when temperatures at the foot of Mt. Fuji are below 30°C. Owners also visit frequently at weekends and holidays in the spring and autumn. The second-home areas around Mt. Fuji, therefore, are both summer and weekend resorts, because they are located within a two-hour commute from Tokyo by car. The second-home areas, moreover, receive many migrants from urban areas, including aged persons, who seek an attractive natural environment at a relatively low price.
著者
佐藤 惣之助[作詞]
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1936-01
著者
佐藤 真理子 趙 羅衡 田村 照子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

目的 民族衣装には,気候・風土に適応可能な素材の選択,姿勢・動作を含む生活様式を反映したデザインの工夫等,長い年月にわたり積み重ねられてきた知恵が詰まっている.本研究では,アジアにおける民族服の下衣に着目し,素材とデザインが温熱的快適性,運動機能性へ及ぼす影響について検討を行った.<br>方法 被験者は23&plusmn;1歳の若年女性5名,実験衣はシャルワール(インド),バジ(韓国),ストレートパンツ(現代服)の3種である.運動機能性評価としては,同一素材で製作した実験衣を着用し,9種の動作時(立位,椅座,正座,胡坐,立膝,横座り,体育座り,日本のお辞儀,韓国のお辞儀)における衣服圧測定と官能評価,温熱的快適性評価としては,各市販品(ポリエステル100%・重量約200gで統一.インド,韓国,東京で購入)による物性試験と衣服気候計測(27℃・50%RH環境下で立位安静&rarr;足踏み運動&rarr;座位安静)を行った.<br>結果 シャルワールは,通気性と透湿性に優れ,接触冷温感が高く,暑熱気候への適応性が示された.バジは,接触冷温感が低く,衣服内温度は高く,防寒機能に優れていると考えられる.現代服は,正座,胡坐,立膝,日本と韓国のお辞儀において,高い衣服圧を示し,床に座っての姿勢や動作の多い&ldquo;伝統的所作&rdquo;に適さない様子が明らかとなった.
著者
佐藤 徹 大宮 俊孝
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.9-16, 2008 (Released:2009-03-24)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

To mitigate the global warming and ocean surface acidification caused by increase of atmospheric CO2 concentration, ocean sequestration of CO2 has been proposed. Because the technology has risks on deep-ocean ecosystems, its implementation needs public acceptance. In such a process, environment assessment indices are useful for making decisions. Recently, the Triple I was developed to show totally inclusive index for environmental and economical matters, consisting of ecological footprint, ecological risk, human risk, cost, and financial benefit. The present paper presents the Triple I for CO2 ocean sequestration, where the object of comparison was set to be the effects of ocean surface acidification and its consequent impacts in the deep ocean. Particularly focused on in this study was the calculation of ecological risk. In general, risk is represented by the products of probability and hazard. Here, the former was obtained by a semi-quantitative probability method based on the results of expert enquiry; the latter was converted to land area by using the species-area relationship. The resultant Triple I became negative and indicated that the technology is worth to implement. Also elucidated is that the ecological footprint and the ecological risk had the largest and the smallest portions, respectively, in the index.