著者
丹羽 源男 岩上 智彦 佐藤 亨
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.65-71, 1998-04-20
参考文献数
8

歯科医師数の増加傾向ば急激であり,今後も増加し続けることが予想されている.歯科医師数を考える時,明治時代からの推移および背景を調べることは今後の歯科医師数を占う上で重要な参考になると思われる1884年(明治17年)〜1941年(昭和16年)まで歯科医籍に登録され届け出のあった歯科医師を対象に,男女別歯科医師数を求めた.その結果,全歯科医師数は大正時代に著しい増加が認められ,全体的な増加傾向は戦後のパターンと比較的類似しており,人口1万対歯科医師数も増加の一途であった.
著者
佐藤 香代子 前原 陽子 北原 園子 小林 美紀 江原 裕子 前田 陽子 磯野 博明 高山 秀男
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.277-284, 2001-11-30
被引用文献数
1

適応範囲外とされる間歇性外斜視の症例に対し、金谷法に基づく視能訓練を行なった。症例は2例で、症例1は、7才で手術希望のない、斜視角35Δの外斜視で、症例2は、生後6ヶ月で内斜視が発症し、初診時は5才で斜視角30Δ内斜視と交代性上斜位、対応異常がある症例であった。Anomalous Retinal Correspondenceに対する訓練で、正常対応化し、カイロスコープで経過観察中、近見14Δ遠見8Δの間歇性外斜視へ移行した後に行なったものである。訓練方法は、1987年に金谷らの報告した方法に基づき、Red filterを使用した抑制除去訓練、Jump convergence、 Red filterを使用した輻湊近点訓練、赤・青鉛筆による生理的複視認知訓練、Framing card、 3点カード、ステレオカードによる輻湊訓練、Base out prismによる後退法の順に行なった。結果、症例1は、10Δのプリズム眼鏡で斜視角を減らして、訓練を開始し15ヵ月後に外斜位化した。症例2は、訓練開始13ヵ月後に外斜視化した。金谷法は、大角度の間歇性外斜視でも、プリズム眼鏡により、適応範囲内にもちこむことで、また両眼視機能の弱い症例でも、両眼視機能が潜在していれば、効果が出るのに時間がかかるが、有効であると考えられた。
著者
佐藤 英晶
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.45-53, 2018

2025年問題を前に一部の地域では新たな施設の建設の延期や中止など介護人材不足が現実味を帯びてきた。介護人材不足の背景には、介護人材需要の大幅な伸びと介護人材の供給が追い付かない現状がある。そこには、一般的にいわれる労働条件の問題だけではなく、法人・事業所の人材マネジメントの課題やそれに対する具体的な方策の不明瞭さが大きな要因であると推測される。また、介護職の全就労者に占める新規就業者の割合が上がらない背景には景気動向に左右されやすい点や既に採用率が全産業平均より高い状況、生産年齢人口の減少があり、大幅な伸びが期待できないことが分かった。法人・事業所での人材マネジメントの強化により離職を防止し、魅力ある職場づくりをすることが採用率の上昇につながると考えられる。また、そのためには質の高い中核的人材を増やし、介護の質を高めることが重要である。そうした人材が新規就労者のロールモデルとして機能し、更には指導・教育を担い、離職を防止する。また、労働環境の改善を促し、介護職のネガティブイメージの払拭に繋がる。結果として介護人材の確保に繋がり、介護人材の需給ギャップの解消になると結論づけられた。
著者
松葉 敬文 佐藤 淳 蔵 研也 加藤 大輔 村上 弘
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.81-84, 2011 (Released:2012-03-29)
参考文献数
10

健康な右利きの歯科医師21名に対し,リスク(risk)状況および不確実(ambiguity,またはuncertainty)状況において不快画像刺激と中立的画像刺激を呈示し,3TのfMRI装置を用いて脳機能画像解析を行った.fMRI装置内で被験者が行う課題にはBalloon Analogue Risk Task(BART)課題を利用した.被験者が直面している課題の確率を事前に告知している状況をリスク状況,確率を全く告知していない状況を不確実状況とした.結果,不快画像刺激により不確実な状況では扁桃体と線条体(被殻)が有意に賦活し,リスク状況では前帯状皮質の活動が有意であったが扁桃体の賦活は確認されなかった.この結果は,リスク状況では不確実状況と異なり,扁桃体の活動を抑制するような機能が働いている可能性を示唆するものである.
著者
関 洋子 井上 なつみ 濱田(佐藤) 奈保子
出版者
美味技術学会
雑誌
美味技術学会誌 (ISSN:21867224)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.30-36, 2018-01-31 (Released:2018-09-18)
参考文献数
28

サバ類は塩を利用して保存されることが多く,塩はうま味成分を保持する効果がある。一方,にがりも塩と同じく塩分を多く含む液体であるため,うま味成分の保持が期待される。魚肉のうま味成分はイノシン酸で,うま味を保持するにはイノシン酸分解酵素の活性を抑制する必要がある。本研究ではマサバを用いて,イノシン酸分解酵素活性におよぼす塩,にがりの影響について調査した。塩の主成分であるNaCl 5 %添加では無添加の80 %以上の酵素活性を阻害し,にがりの主成分であるMgCl2 2 %添加では約70 %酵素活性を阻害した。以上のことから,にがりは魚肉におけるうま味成分の保持効果があることが明らかになった。
著者
瀬戸 雅文 佐藤 総一郎 巻口 範人 小形 孝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_316-I_321, 2011 (Released:2011-12-08)
参考文献数
7
被引用文献数
2

マナマコ人工種苗の成長に伴う管足の数や吸盤部の表面積の変化を計測し,引っ張り試験を実施して管足の基質への固着力を測定した.更に,基質に着底したマナマコ人工種苗の流動耐性を調べた.稚ナマコの管足数と吸盤部の表面積は体長に比例して増加した.管足より発生する稚ナマコの固着力は付着基質の粗度に依存し,管足吸盤部の直径とほぼ等しい相当粗度で最小値をとりながら成長とともに増加した.吸盤部の単位面積当たりの固着力は,成長とともに付着基質の粗度に依存しながら一定値に収束した.定常流の増加とともにマナマコの形態は防水形状に変化し,他の棘皮動物と同等以上の流動耐性をもつことがわかった.マナマコ人工種苗の放流海域における波浪条件をもとに,適正放流サイズや放流水深を決定することが可能である.
著者
丸山 純一 桶 隆太郎 村社 智宏 石井 正宏 檜山 郁夫 加藤 剛久 梅澤 康昭 佐藤 達弥 高橋 通 山下 紘正 谷岡 健吉 千葉 敏雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.J136-J141, 2018 (Released:2018-09-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

3D偏光フィルタ方式を採用した8K-3D IPS液晶ディスプレイを開発した.近年,医療分野では,カメラとディスプレイにより医師の目をサポートする技術の開発が進んでいる.今回われわれは,立体視による奥行感の把握が可能な,内視鏡/顕微鏡手術向け「3D対応8K手術システム」の実現を目的に,3D偏光フィルタ方式8K-3D液晶ディスプレイの開発に取り組んだ.55インチ8K IPS液晶パネルの採用により,高精細,高画質な立体視を可能とした.手術室のレイアウトを考慮し,視距離1.0~1.5 mの範囲で使用することを目標に3D偏光フィルタを設計した結果,3D視野角8.6゜の範囲で3Dクロストークのない立体視を可能とした.本論文では,同ディスプレイの開発におけるポイントについて報告する.
著者
佐藤 次郎
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
熱硬化性樹脂 (ISSN:03884384)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.92-103, 1993-06-10 (Released:2012-08-20)
参考文献数
12

ドライフィルムフォトレジスト (DFRと略す) はプリント配線板 (Printed Wiring Board. PWBと略す) の配線パターン形成用レジストとして広く用いられている。最近, PWBの高密度化 (ファインライン化, スルーホールの小径化, 多層化など) が急速に進んでおり, PWBメーカーの多様な要求に対応するために, 高密度PWBの製造に適したDFRの開発がレジストメーカーにより積極的に進められている。
著者
中下 幸江 大久保 芳伸 堀之内 彰 松本 朱美 北崎 直 佐藤 恵一朗
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第33回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.215, 2006 (Released:2006-06-23)

【目的】ラットはヒトと比べて体重あたりのエネルギー消費量が多く、消灯時の活動期に断続的な摂食活動を継続しなければ正常な発育を維持することができない。一方、ラットの毒性試験では、血液検査条件の標準化や肝臓の病理組織学的検査の精度向上などを目的として剖検前夜の消灯前から絶食処置を施すことが多い。しかし、絶食開始から剖検までのエネルギー代謝の変動を経時的に調べた報告は少ない。本報告では、ラットにおける絶食条件下のエネルギー代謝の経時変動を調べた。【方法】消灯1時間前から絶食を開始し、25時間後までの肝臓や血液などにおける糖新生酵素PEPCK、β酸化、蛋白分解酵素をはじめとするエネルギー代謝関連項目を測定し、絶食処置を施さなかった場合と比較した。【結果及び考察】絶食処置を施したラットでは、絶食後5時間以内に肝グリコーゲンが急速に枯渇する一方、速やかに肝臓及び腎臓のPEPCKの活性が亢進した。また、糖新生の活性化と関連して、肝臓の細胞質あるいはミトコンドリア画分及び血中においてAST/ALTの高値が確認された。しかし、血糖値の低下を止めるには至らず、糖新生による血糖維持には限界があることが示唆された。これらの変動とほぼ並行して、代替エネルギー源である遊離脂肪酸やケトン体の血中濃度の増加がみられ、特に、ケトン体は絶食3時間後より増加し、その後著しく上昇した。ラットにおけるこれらの変化は、ヒトの絶食時の変動と比較して、非常に短時間で生じることが特徴的であった。以上の結果から、ラットではヒトと異なり、短時間の絶食がエネルギー代謝に著しい影響を及ぼすことが示唆された。エネルギー代謝系に何らかの影響を及ぼす被験物質では、げっ歯類の非絶食時やヒトの絶食時には発現しない、げっ歯類の絶食時に特有の変化が投薬によって顕在化する可能性があると考えられた。
著者
政金 裕太 佐藤 佳穂 岡村 吉泰 岡部 篤行 木村 謙
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<b>1</b><b>.背景と目的</b><BR><br> 文科省の公式見解では、首都圏でM7クラスの地震が発生する確率は30年以内に70%といわれている。副都心の一つである渋谷駅周辺は、建物密度も昼間人口密度も極めて高い地区であるので、その防災対策は重要であり、大きな課題である。本研究では、その過密地域を含んだ青山学院大学周辺約1kmを対象地とし、災害発生時の人間の道路から避難施設までの避難行動をシミュレーションする。本研究は、その避難行動シミュレーションによって、いつ起こるかわからない震災に対して、すべての時間帯における人間の混雑した危険な状態がどこに発生するのかをチェックする手法を提案する。以下にそのプロセスを示す。<BR><br>(1)人間が何月何日何時に避難経路(道路)上に何人いるのかを推定する手法を示す。<BR><br>(2)2011年3月11日14時の避難者数の推定結果をシミュレーションに適用する。<BR><br>(3)シミュレーション結果からどこに危険な混雑が生じるのかを示す。<BR><br><BR><br><b>2</b><b>.手法の概略</b><BR><br> 道路ごとの人口数の推定は、「流動人口統計データ」(ゼンリンデータコム提供)、渋谷区、港区の避難施設データ、道路データを用いて行った。「流動人口統計データ」は在宅人口、勤務地人口、流動人口のデータから構成されており、ここでは対象地内に自宅も勤務地もないとされる流動人口を扱う。これらのデータをArcGIS上の空間解析ソフトで分析することで道路上の流動人口数の推定結果が得られる。この推定結果を道路上にいる避難者数として、シミュレーションに適用する。「流動人口統計データ」は時間帯ごとの人口データを含んでいるため、時間帯ごとの避難者数が推定できる。<BR><br> 避難シミュレーションにはSimTreadを使用した。SimTreadはCADソフトVectorWorks上で動かす歩行者シミュレーションソフトである。ArcGISで使用したデータをCADデータとしてエクスポートして、VectorWorksへインポートする。分析から得た避難施設ごとの避難者数の推定結果をVectorWorks上の道路にエージェントとして配置する。エージェントは、目的地の避難施設まで最短距離で移動をし、衝突を回避するために減速すると青色で表示され、衝突を回避するために止まってしまうと赤色で表示される。この設定によって赤く表示された箇所が混雑な危険箇所であると判断できる。これを繰り返しすべてのエージェントを道路上に配置したらシミュレーションを実行する。<BR><br><BR><br><b>3</b><b>.シミュレーションの適用</b><BR><br> 以上の手法を震災があった2011年3月11日14時台に適用する。この時間帯では、青山学院大への避難者数は55,111人であるという推定結果が出た。シミュレーションの結果、目的地付近で大混雑が生じ、避難開始30分が経っても約5分の一の10,178人しか避難し終えないことがわかった。<BR><br><BR> <br><b>4</b><b>.考察</b><BR><br> シミュレーション結果から、避難開始数分後は交差点とコーナーに混雑が確認できる。その後、避難行動が進むにつれて、エージェントが通る道路が限定されていき、混雑する道路を特定できる。また、曜日、時間ごとの推定結果を蓄積することで、それぞれの日時の混雑の傾向を推定することが可能になる。時間帯別の危険箇所を指摘することは今後の防災対策として有効に活用できると思われる。この結果から考えられる対策として、避難施設の入り口の拡張、避難者を分散させるような経路の検討、曲がる回数を最小に抑えた直線的な避難誘導などが挙げられる。本研究で提案した手法は、他の地域にも適用可能な汎用的手法である。今後、他の地域にも適用することで、混雑が生じる危険箇所を確認できるシステムとして広範囲に利用できる。<BR><br> 本手法は、扱ったデータの正確性から考えて、あくまでひとつの推定手法に過ぎない。また、災害の被害状況によってはすべての道路が安全に通れるという保障はない。しかし、時間帯ごとの避難行動のシミュレーションによって、時間ごとにおおよその混雑箇所、混雑道路が把握できるという点では有効な推定手法と言えよう。今後、より実態に近い避難行動の推定を行うには、過去の避難行動の調査を参考に、各避難施設の収容数も考慮した、より適切な避難行動モデルを設定する必要がある。
著者
柴田 修一 鵜飼 薫 戸川 望 佐藤 政生 大附 辰夫
出版者
一般社団法人 エレクトロニクス実装学会
雑誌
回路実装学会誌 (ISSN:13410571)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.241-246, 1997
被引用文献数
7

BGA (Ball Grid Array) パッケージの平面配線問題は, ピンーパッドのマッピング問題として定式化される。本論文では, 位相レイアウトモデルに基づいたスケッチレイアウトシステムにおけるBGA配線手法を提案する。提案手法は, 各配線を対角線上に存在するピンから離れたピン間を通過させることにより, 最大混雑度および最大配線長の減少を可能とし, 同一周上のピン列におけるピッチを通過する配線本数の差を1に抑えることができる。提案手法を計算機上に実装し, 評価した結果を報告する。
著者
武田 誠一 佐藤 要 小林 顕太郎
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.51-61, 1993
被引用文献数
1

実船計測で得られた航行中の出会い波浪(波高)ならびに波浪中船体応答の資料を解析し、短期統計量についてRayleigh分布との比較検討した結果を以下に要約する。(1)両振幅ならびに片振幅の波浪統計量は、Rayleigh分布を仮定した推定値から説明できるが、推定値は多少安全側にある。また今回の波高範囲では、これらの波浪統計量の非線形性は弱い。(2)船体応答におけるピッチおよびロールの短期統計量についても、Rayleigh分布を仮定した推定値が解析値と良く一致していることが認められた。(3)一方、1/100最大波ならびにピッチ角(片振幅)の解析結果では、解析値が推定値を上回っている事例があり、極値解析の方法および他の分布形について更に検討が必要と考える。(4)大型船よりも縦強度が比較的強いと考えられる供試船においても、サギング側の応力が大きいことが認められた。今後、漁船の安全運航を踏まえ(3)の問題点を明らかにするとともに、大波高ならびに水深の浅い海域における短期統計量についても研究をすすめていきたい。また、資料の蓄積をはかり長期発現頻度の基となる、データベースの構築についても努力していきたいと考える。
著者
佐藤 琢三
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.116, pp.1-21, 1999

Japanese has been described as a&ldquo;<i>naru-language</i>&rdquo;which emphasizes intransitive over transitive expressions. But many areas of the semantic range of <i>naru</i>(become)have not been fully investigated. This paper analyzes and provides a full description of one of these.<br>Although <i>natteiru</i>(having become)literally means a state which has come to exist as a result of change, there are some sentences in Japanese in which it actually describes a simple state. This paper classifies this phenomenon from the viewpoint of the recognition of a perceived state and concludes that the sentences in question explain cause/reason, function, or composition of the perceived state.<br>The basic meaninig of <i>naru</i> denotes the attainment of some sort of state in the real world. This paper regards the meaning of the sentenses concerned as a metaphorical extention from the real world to mentally constructed world predication.
著者
佐藤 新一
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.776, pp.58-61, 2017-08-28

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著者
佐藤 真樹 小林 寛和 金村 朋直 岡戸 敦男
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1001, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】肩・肘関節などの投球障害に対する理学療法においては,投球動作の特徴と関係する機能的要因を確認し,対応することが重要となる。投球障害発生に関係する投球動作の問題として,早期コッキング期から加速期における肘下がりや肩関節水平外転位でのボールリリースが代表的である。しかし,投球動作は前の位相における動的アライメントの特徴が後の位相に影響を与えるため,問題が生じる位相のみでなく,原因となる位相への対応が求められる。後の位相につながる動作の問題として,ワインドアップ期における骨盤後傾の増大が挙げられる。理学療法を行う上では後の位相への影響を予測し,必要に応じて改善を図る。本研究では,ワインドアップ期の動的アライメントの問題とされる骨盤後傾に着目し,機能的要因との関係について確認を試みた。【方法】対象は,高校在学中に野球部に在籍した健常男子大学生20名とした。対象に約3 mの距離に設置したネットへ5球の全力投球を行わせた。その際の投球動作を三次元動作解析機器VICON Nexus-1.3.106(VICON社製)を用いて撮影・解析し,ワインドアップ期の骨盤傾斜角度を算出した。あわせて,歩行解析用フォースプレートZebris FMDsystem(Zebris Medical GmbH社製)を用いて足圧中心軌跡面積を測定した。5球の試技のうち,非投球側下肢の離地から最大挙上までの足圧中心軌跡面積が最小の試技を代表値として採用した。機能的要因として次の項目を測定した。1,股関節可動域:屈曲,伸展,内転,外転,内旋,外旋の各関節可動域を測定した。測定は,日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会の関節可動域測定法に準じた方法で実施した。2,下肢筋力:股関節屈曲・伸展・外転・内転,膝関節屈曲・伸展の各筋力を測定した。股関節筋力は,徒手筋力検査法に準じた肢位での等尺性筋力をアイソフォースGT-300(オージー技研社製)を用いて測定した。膝関節筋力は,Bte(Primus RS社製)を用いて60deg/secでの等速性筋力を測定した。3,体幹抗軸圧筋力:両足部接地・右足部接地の2条件で,片側の肩甲帯に軸圧負荷を加えた際に体幹正中位を保持しうる左右それぞれの等尺性筋力を測定した。測定には,アイソフォースGT-300を使用した。4,体幹筋筋厚:超音波診断装置Xario SSA-660A(東芝メディカルシステムズ社製)を用いて,安静時・収縮時における左右の腹横筋・多裂筋の筋厚を測定した。また,変化率:(収縮時-安静時)/安静時の筋厚×100も算出した。統計学的解析は,Pearsonの相関係数またはSpearmanの順位相関係数を用いて検討した。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は日本福祉大学倫理審査委員会の規定に基づき,対象に本研究の主旨を説明し,内容を十分に理解したうえで書面にて同意を得て実施した。【結果】骨盤後傾角度は10.9±8.6°(平均±標準偏差)であった。骨盤後傾角度と機能的要因との関係については,体幹抗軸圧筋力においては,両条件で左右ともに有意な負の相関がみられた(両足部接地左軸圧負荷:r=-0.58,両足部接地右軸圧負荷:r=-0.57,右足部接地左軸圧負荷:r=-0.68,右足部接地右軸圧負荷:r=-0.58)。深部筋筋厚においては,非投球側腹横筋変化率で有意な負の相関がみられた(r=-0.53)。その他の要因に関して相関はみられなかった。【考察】体幹抗軸圧筋力と骨盤後傾角度との間に,有意な負の相関がみられた。Hodges(2008),金岡ら(2009)は脊柱運動時のトルクを発生させる表在筋と,腰椎・骨盤の制御を担う深部筋は,いずれも腰椎骨盤安定性に関与するとしている。体幹抗軸圧筋力は,片側肩への長軸方向の負荷に抗して体幹正中位を保持しうる筋力として,体幹の表在筋と深部筋の機能を示す指標と考える。したがって,骨盤固定筋としての体幹表在筋・深部筋の機能低下は,ワインドアップ期の骨盤後傾増大につながると考えられる。さらに,非投球側腹横筋の変化率と骨盤後傾角度との間に負の相関がみられたことから,骨盤後傾の代償を伴わずに股関節屈曲を行うには非投球側腹横筋の収縮が重要である可能性が確認された。ワインドアップ期における骨盤後傾について,股関節可動域や下肢筋力との関係も指摘されているが,今回の結果では相関がみられなかった。今後,ワインドアップ期の骨盤後傾が他の位相における動的アライメントに与える影響について検討を加えていきたい。【理学療法学研究としての意義】投球動作のワインドアップ期の骨盤後傾に関係する機能的要因のひとつとして,体幹筋機能の関係が確認できた。投球障害の理学療法を行う上で,ワインドアップ期に骨盤後傾を呈する対象には,体幹筋機能の改善も重要であるといえる。