著者
小川 秀治 伊藤 隆 佐藤 行 鎌田 久祥 安田 有 渡部 満
出版者
日本家畜臨床学会
雑誌
日本家畜臨床学会誌 (ISSN:13468464)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-5, 2006

分娩後における乳清及び血清中免疫グロブリンG(IgG)濃度、豚萎縮性鼻炎(AR)、豚丹毒(SE)凝集抗体価の経時的推移を、母豚24頭を用いて調査した。乳清中IgGは、分娩0日が最も高く、42.5mg/mlと血清IgGの約3倍の値を示した。この後16日までは血清と同レベルで推移し、以降低下し20日で血清の半分になった。乳清中のAR抗体およびSE抗体は、それぞれ分娩後20日、分娩後10日まで検出可能であった。豚オーエスキー病ラテックス凝集抗体を、ワクチン接種豚の乳清38検体、未接種豚の乳清23検体を用いて調査した。ワクチン接種豚の乳清中抗体は分娩0日の9検体全てが陽性を示し、10日後の2検体も陽性を示した。酵素抗体法(ELISA)検査では、凝集抗体陽性の検体は全例ワクチン抗体と判断された。未接種豚の乳清23検体は全て抗体陰性であった。なお、野外抗体陽性6例の検査では、乳清中の抗体は血清と同じく野外抗体と判断された。<BR>初乳は血清と同様の抗体検査が可能であり、初乳を用いた抗体検査は繁殖母豚群の抗体スクリーニングや疾病清浄化に向けて有効な方法と考えられた。
著者
近藤 恵子 佐藤理史 奥村 学
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.4064-4074, 1999-11-15

本稿では,「サ変名詞+する+接尾辞」からより平易な動詞相当句への言い換えを機械的に実現する方法を提案する.この方法は,5つの言い換え規則と4つの辞書とアルゴリズムから成っている.もし与えられた入力に特別な接尾辞がなければ,最も基本的な置換の規則が適用され,そのために,サ変名詞?動詞相当句対応辞書と動詞活用辞書が使用される.もし,テイル形,使役表現,受動表現,可能表現を表す接尾辞があれば,アルゴリズムにより最も適切な規則が適用される.その規則は,自動詞?他動詞対応辞書と有情/非情名詞辞書から得られる構文と意味の情報によって選択される.我々はこの方法に基づいた言い換えシステムを作成し,その有効性を確認した.
著者
小川 明男 秋田 幸彦 鵜飼 克行 太田 淳 大島 章 京兼 隆典 七野 滋彦 佐藤 太一郎
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.2387-2392, 1991-10-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
10

短期間で幽門前庭部狭窄が増悪し,進行胃癌と鑑別に苦慮した胃十二指腸潰瘍の1例を経験したので報告する.症例は71歳男性で,頭部外傷の既往があり常時頭痛があるため近医より投薬を受けていた. 1989年10月16日吐血し当院入院となった.上部消化管検査にてBorrmann 4型の進行胃癌を疑診したが,生検結果で悪性所見を認めなかった.幽門前庭部狭窄が著明に進行したため11月22日幽門側胃切除,十二指腸切除を施行した.切除標本では胃体下部小弯,前後壁に三条の巨大帯状潰瘍(Ul-II),その肛門側に十二指腸球部にまで及ぶ長さ7cmの全周性狭窄部を認めた.病理組織像では粘膜の軽度の炎症所見と粘膜下層における膠原線維の増生,更に全周性狭窄部では固有筋層の著明な肥厚を認めた.幽門前庭部狭窄は慢性炎症の繰り返しによるものと考えられた.増悪の誘因として,薬剤,循環障害が考えられた.
著者
山田 あすか 佐藤 栄治 讃岐 亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.43.3, pp.175-180, 2008-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
6
被引用文献数
3

これからの子育てと就労の両立を支える都市環境のあり方を考える上で、職住構造が就労と子育ての両立にどのように影響するかの実態を把握することは、今後の都市環境整備に資する知見として有用であると考えられる。そこで本稿では、東京郊外の多摩市と大都市圏に近接する地方都市、宇都宮市の保育所利用世帯へのアンケート調査によって、世帯の就労の状況、父母の送迎分担、就労と子育てへの両立に関する意識などを把握した。両市での結果を比較しながら、各市での就労・子育ての状況の特徴の明確化を試みたところ、通勤時間の差異が世帯の就労状況や分担状況に影響を及ぼしている様子や、地域ごとの交通手段の相違が望ましい保育サービスの立地や提供のされ方に差異をもたらしている可能性などを示した。また、各市で子の幼少期からの就労や家庭外保育への賛否には意識差が見られ、就労や送迎分担の状況が類似した世帯でも、市ごとに保育や子育てと就労の両立に関する意識に差異があることもわかった。今後の保育サービスや子育てと就労の両立のための政策展開には、こうした地域差を加味する必要がある。
著者
佐藤 豊浩 穴田 一
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2016-MPS-111, no.23, pp.1-5, 2016-12-05

進化的アルゴリズムは,生物の個体群の進化をモデル化したアルゴリズムで,最適化問題の解探索に用いられる.そうしたアルゴリズムである Genetic Algorithm と Differential Evolution が有する解探索過程を収束性と多様性の観点から取り入れた,巡回セールスマン問題 (TSP) の解探索を行う新たなアルゴリズム Referential Evolution を構築した.そして,TSPLIB に掲載されているベンチマーク問題を用いて提案手法と既存手法を比較し,その有効性を確認した.
著者
高田 真吾 佐藤 聡 中井 央 杉木 章義 新城 靖
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.12, pp.1-6, 2012-03-08

大学のような多数の計算機を保有する組織では,その稼働率を上げることが課題となっている.本研究では,ネットワークブートされる計算機資源を有効活用するため,局所的に通常とは異なる計算機環境を配信する手法を提案する.提案手法では,ネットブートで利用される DHCP が早い者勝ちのプロトコルであるという特徴を利用し,既存の DHCP サーバよりも早く応答する DHCP サーバをネットワークに接続し,そのサーバからの応答が届く範囲にのみ,通常とは異なる計算機環境を配信する.提案手法を実際に筑波大学の端末室に適用し評価実験を行ったところ,本来の DHCP サーバからの応答はリレーにより遅延し,接続した DHCP サーバからの応答が先に端末に到達することを確認した.また,この遅延による時間差は,DHCP サーバへのリクエストが集中した場合には小さくなることを示した.Improving the usage rate of the computers is important in organizations that have a lot of computers. The authors propose a method to switch the computer environment which is distributed via the network. The proposed system uses the DHCP's characteristic: first-come-first-served. We inject a DHCP server which can respond to the client faster than the original one. Only netboot clients that receive the injected server's DHCP message faster than the original server can boot the different computer environment. The authors constructed a prototype of the proposed method and made experiments. The results show: (1) the original server's response is slower than the injected one because of the delay of the DHCP relaying, (2) the relaying delay would be reduced if the DHCP requests are concentrated.
著者
佐藤 貢司 青木 文男 芝﨑 克一 土田 哲平
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.43-46, 2019-01-01 (Released:2019-01-01)

高齢化社会を迎えた日本においては,就労人口の減少や都市部と地方における地域格差など「人」を中心とした多くの課題がある。食料自給率の低い日本では一次産業は重要な産業であり従事する人の確保のために効率化や高収益化が求められている。近年の漁業においてはマグロなど養殖技術が検討され,高収益化を目指した新たな取り組みもされている。本稿では特許分析を中心とした情報分析を用いて今後の養殖において必要となる技術の推定を試みた。個体判別のための誘導や個体に傷をつけない捕獲技術なども必要であると推定された。
著者
坂場 成昭 佐藤 博之 大橋 弘史 西原 哲夫 國富 一彦
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.262, 2007

原子力機構では、HTTRに接続させる熱化学水素製造法ISプロセスの設計研究を進めている。商用段階における経済性向上のためには、HTTRに接続するISプロセスを一般化学プラントの規格基準を用いて非原子力級にて設計、製作、管理することが重要である。本報では、非原子力級化に必要となるR&D項目について述べる。
著者
佐藤 兼太 越村 俊一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_145-I_150, 2015 (Released:2015-11-10)
参考文献数
11

3次元流体解析による市街地スケールの大規模津波浸水シミュレーションは,計算負荷・コストの点で依然課題があり,京コンピュータなどのHPCIを活用した事例など,限られた環境でしか実現できていない.陽的な解法であることと並列化効率が高いことは,大規模領域における解析には重要な要件であり,その点で格子ボルツマン法(以下,LBM)が注目されているが,自由表面流れ解析において計算が不安定となりやすいことが報告されている.本研究ではLBMで現れる擬似的な圧縮性に注目し,簡便な非圧縮流体モデルを適用することで計算の安定を図った.本研究で提案した手法により時間刻み幅が大きく,従来のLBMでは計算が不安定となる条件においても安定した解析が可能となった.必要な計算量を従来のLBMと比べ,削減することが可能なモデルを開発した.
著者
松井 希代子 柳原 清子 佐藤 正美 能登原 寛子 下 綾華 塚本 愛実 中村 優希 西野 ひかり 東 郁江 兵田 亜未 村田 奈穂 元橋 茉佑 森田 恵里 米澤 智亜紀
出版者
ウェルネス・ヘルスケア学会
雑誌
Journal of wellness and health care (ISSN:24333190)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.125-135, 2017

Cancer medicine is becoming more sophisticated and complex, and therefore it is becoming more difficult to care for people at the end of life. This study was performed to identify the nature of positive attitudes to nursing practice of nurses in general hospitals, and to examine their associations with various different factors. The participants were 683 nurses working in 41 wards in eight regional general hospitals. The survey was carried out as an anonymous self-administered questionnaire. Four factors were identified as constituents of nurses' positive attitudes to nursing practice. These consisted of three factors concerning attitudes and knowledge, comprising [The practice of specialist end-of-life specific care], [Making the best arrangements until the end], and [Spiritual care], and one affirmative sentiment, that of [The confidence to nurse someone at the end of life]. The mean score for factors related to knowledge of nursing practice was > 4 points on a 6-point scale, corresponding to "Somewhat applicable," whereas the mean score for the sentiment [The confidence to nurse someone at the end of life] was > 3 points, corresponding to "Not really applicable." In terms of related factors, for all factors other than spiritual care, positive attitudes to nursing practice increased significantly with increasing experience. There was no association with having cared for a dying family member. Although having experienced an educational opportunity was not associated with the practice of case conferences for deceased patients, it was significantly associated with the experience of having been able to talk at length about the care they had provided and their own thoughts in venues such as case conferences, receiving recognition by colleagues at their own level of seniority or above, and reflection. Improving nurses' positive attitudes to nursing practice in end-of-life care in general hospitals, therefore, depended not on personal characteristics, such as having taken care of a dying family member, but rather on having repeatedly overcome difficulties in the course of nursing experience. Talking at length about care and expressing one's own thoughts, receiving recognition from colleagues at one's own level of seniority or above, and reflection on nursing practice were all important in this process.がん医療が高度・複雑化し、結果、人々が「死」を看取っていくことが難しくなっている。本研究の目的は、総合病院における看護師のがん終末期の実践への肯定感はどのようなものかを明らかにし、要因との関連を見ることとである。対象は地方の 8 つの総合病院 41 病棟683 名の看護師である。自記式質問紙調査を行い、看護師の実践への肯定感は 4 因子の構造として見いだされた。それは【終末期固有の専門的ケア実践】、【最期までの最善の調整】、【スピリティアルなケア】という実践への態度や認識と、【最期を看取っていく自信】という肯定的心情であった。実践への認識の平均値は 6 段階中 4 点台で、「どちらかといえばできる」レベルであり、【最期を看取っていく自信】の心情は 3 点台で「どちらかといえば自信がない」であった。関連要因では、スピリティアルケアを除く全ての因子で、経験年数が増すと実践への肯定感が有意に高まっていた。また、身内の死の看取り経験は関連がなかった。一方、教育的働きかけを受けた経験との関連は、デスカンファレンス実施の有無とは関係がなかったが、自分の行ったケアや思いを十分に語った経験、先輩や同僚に認められた経験、そしてリフレクションが有意に関係していた。つまり、総合病院の終末期ケアにおいて、看護師の実践への肯定感の高まりは、身内の死の看取りなどの個人的特性ではなく、看護経験の中で、困難感からの転換の形で積み重ねられていた。その過程では、ケアや思いを十分に語り、先輩や同僚に認められ、そして実践をリフレクションすることが重要となる。
著者
佐藤 勇夫
出版者
日本英学史学会
雑誌
英学史研究 (ISSN:03869490)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.23, pp.29-39, 1990

My object in writing this paper is to disclose European and American poets' real names selected and their poems translated into Japanese by Ohwada Takeki for his book <I>Ohbei Meika Shishu</I> (<I>Selected Poems from the works of the Famous European and American Authors</I>, 1894) and discuss his way of translating European and American poetry into Japanese and the characteristics that distinguish the book from other Japanese translation books of Western poetry.<BR>Ohwada Takeki was born on 29th of April, 1857, in the province of Iyo where is now called Ehime Prefecture and died a scholar in Japanese literature at the age of 54, in 1910, in Tokyo. During his life he wrote his 97 books, 154 volumes of his travel diary and many dozens of his songs. Among them, the book is well-known to the Japanese and may deserve to be studied in the field of historical studies of English poetry translated to suit Japanese readers.<BR>Almost twelve years earlier than the book appeared, a book entitled <I>Shin-Taishi Sho</I> (<I>A Selection of Poems in New Style</I>, 1882) was published by Maruya Zenshichi in Tokyo. By publishing this book the three co-authors may be said to have tried a literary experiment in writing their poetry in new style.<BR>Ohwada Takeki chose 65 European and American poets and their 106 poems for the book and translated them into Japanese poems in new style, I should say, to improve the results of the experiment.<BR>Focusing on 99 English and American poems from among 106 poems taken in the book, it might be worth noting that they were familiar to the Japanese of those days; all the images of nature and human life are dealt with in them; they took their share in the making of the literary movement towards romanticism in history of Japanese litrature; they are quite different from English poetry which the Japanese poets of the symbolist school were influenced by; and they are translated in the middle way between paraphrase and imitation according to Dryden's theory of translation, therefore, Ohwada Takeki's aim was, I may add, to translate poetry, not simply the words of poems.
著者
成相孝一 金山喜一 佐藤嘉兵
出版者
日本生殖免疫学会
雑誌
Reproductive Immunology and Biology (ISSN:1881607X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.1-6, 2003 (Released:2012-08-20)
参考文献数
38

卵巣の機能調節は視床下部-下垂体-卵巣-子宮を中心とする内分泌系が, その主軸をなすことが知られている。これに加えて, 近年では卵巣に存在するマクロファージやリンパ球などの免疫系細胞や腫瘍壊死因子 (TNF)-αやインターフェロン (IFN)-γといったサイトカインも内分泌系 (ホルモン) による調節と絡み合って卵巣機能の調節に加わっていることが知られるようになった。本稿では, 卵巣機能の中でも短時間に劇的な変化をなす黄体退行という現象に免疫系がどのように関わっているのかについて, これまでに国内外で行われてきた研究をもとに展望した。
著者
佐藤 洋輔 沢宮 容子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.356-366, 2018 (Released:2018-10-25)
参考文献数
51
被引用文献数
1

This study examined the associations between sexual orientation, interpersonal factors, response styles, and mental health. A total of 1,330 graduate and undergraduate students—205 LGBs (lesbians, gays, and bisexuals) and 1,125 heterosexuals—completed a questionnaire on the topics of interpersonal stress, social support, two types of response styles (rumination and problem-solving), depression, and anxiety. The analysis of variance results indicated that LGB respondents reported more rumination and interpersonal stress and less social support than heterosexual respondents. Moreover, path and mediation analyses revealed that sexual orientation can increase depression and anxiety through interpersonal factors that promote rumination or inhibit problem-solving. These results suggest that LGB youth experience greater stress in interpersonal relationships, and this stress promotes maladaptive response styles that can exacerbate mental health.
著者
佐藤 英二
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究. 第II期 (ISSN:00227692)
巻号頁・発行日
vol.38, no.209, pp.27-35, 1999-03-25
参考文献数
46
被引用文献数
1
著者
下ヶ橋 雅樹 佐藤 将 迫田 章義
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.379-390, 2008-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
25
被引用文献数
3

バイオマス利活用への関心が高まる中,特に近年,エネルギー作物を利用したバイオ燃料生産システムが注目されている。エネルギー作物は食糧生産との競合を避けるため,現状で農地として利用されていない耕作放棄地などへの作付けが望まれる。さらには,耕作放棄地への作物の再作付けは農地復興の上で高い期待も寄せられる。しかしながら一方で,エネルギー作物生産に伴う過剰な施肥等により環境負荷を増加させる可能性も否定できない。したがってエネルギー作物を利用したバイオマス利活用システムを長期継続的なものとするためには,その作付けが与える環境影響も含めた包括的な観点から持続可能性を評価し設計する必要がある。 本研究ではこの持続可能性の指標として,エネルギー作物の耕作放棄地への再作付けに伴う水環境への窒素負荷と,バイオエタノール生産にいたるまでのシステムのエネルギー収支の2点を取り上げ,その評価をもととした設計手法の確立を試みた。バイオ燃料生産システムとしては多収穫性稲からのバイオエタノール生産に注目した。施肥方法と収穫量及び環境負荷の関係の評価には,稲作における稲の生育と農地の水および窒素の循環をシミュレートする数理モデルを構築し,このモデルを用いてある環境条件下で各種肥料を施用した場合の耕作放棄地での飼料用の多収穫性稲の収穫量と水環境中への窒素負荷を推算した。また上記に関連して得られた多収穫性稲の生産に係るエネルギー消費とともに,バイオエタノール生産におけるエネルギー消費を推算した。最終的には,施肥方法や生産するエタノールの純度の違いが水環境への窒素負荷とエネルギー収量に与える影響を同時に評価する方法を提案した。これらの一連の手法は合理的なエネルギー作物利活用システム設計手法として有用である。
著者
佐藤 正雄 福田 俊平
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.71, no.805, pp.101-104, 1963 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

Experiments were made to prepare yttrium iron garnet (Y3Fe5O12) single crystals in molten YF3-PbF2 solutions. The solubilities of Y2O3 in YF3 were obtained by differential thermal analysis, and those of Fe2O3 in PbF2 in air by chemical analysis of quenched specimens.Mixtures of Y2O3 and Fe2O3 were dissolved in YF3-PbF2 solutions at 1300°-1350°C and then the solutions were cooled at the rate of 4-10°C/hr to prepare yttrium iron garnet single crystals.Spacings of these crystals were compared with those of crystals prepared by the other methods.