著者
倉沢 愛子
出版者
Japan Society for Southeast Asian Studies
雑誌
東南アジア -歴史と文化- (ISSN:03869040)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.18, pp.41-69, 1989-05-30 (Released:2010-02-25)

During World War II Japan occupied most part of Southeast Asia, advocating for “liberation of Asia” from western colonialism. Her hidden aim was, however, to exploit natural resources as well as human power of those areas, which were to be mobilized for her continuous and ambitious fighting. In order to achieve those purposes, Japan had to acquire cooperation of the population in the occupied areas. Therefore, propaganda activities were one of the most important tasks of Japanese military administration in Southeast Asia. Among various propaganda media movies were particularly promoted, since they were effective in the society where illiteracy rate was high and written media had limited effects. This paper will analyse Japanese film propaganda during World War II, taking the case in Java.As soon as Japanese seized power in Java, they confiscated all Dutch facilities and materials for film making and ordered a Japanese movie production company, Nippon Eigasha, to engage in production of news, culture, and feature films in Jakarta. Many distinguished staff were sent from Japan for this purpose. The theme of those films were closely connected with policies of military government. Among the films were those designed to impress people with Japanese military power, to inspire people's consciousness in defense of fatherland, and to encourage production and other labor activities. There were also many “educational” films to teach certain practical technique, scientific knowledge, Japanese songs, and Japanese value concepts. Writer had chance to see some of those films and her impression was that the artistic quality of those films was not bad and the contents were quite attractive.Under the Japanese rule kind of films shown in Java entirely changed owing to the prohibition of western movies, which by then had occupied about 85% of the total number of movies shown in Indonesia. Consequently those vacancy was filled by Japanese films, both locally made ones and those imported from Japan. Japanese encouraged movie watching among Indonesian people by reducing fare. But since the number of movie theaters were very small and they were mostly located only in cities, Japanese propaganda bureau organized moving theater teams and frequently carried out outdoor projection in villages. Those movies were free and open to everybody, and usually enjoyed a big audience. Big audience, however, does not necessarily mean positive acceptance of Japanese ideas. People, in many cases, simply came because there was scarcely any other amusement in those days. For most of the audience it was their first experience of movie watching, and impacts of the films were quite strong. Although Japanese propaganda was not successful in making Indonesian people accept Japanese idea for Greater East Asian Co-prosperity Sphere and moulding them into Japanese way of thinking, at least it had certain effects in alleviating people's unsatisfaction and anger towards Japanese and in preventing them from going into large-scale anti-Japanese resistance even in the highest tension brought by harsh economic policies. In that sense Japanese propaganda policies can be considered effective.
著者
小倉 芳彦
出版者
学習院大学
雑誌
学習院史学 (ISSN:02861658)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.91-92, 2011-03
著者
倉 昂輝
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.804-812, 2021-12-15 (Released:2021-12-15)
参考文献数
18

課題指向型アプローチは,発達性協調運動症を有する小児に対してエビデンスが示された介入方法である.今回,短縄跳びの連続跳躍が困難な発達性協調運動症と注意欠如・多動症を有する年長児を経験した.本症例の短縄跳び動作に対して課題指向型アプローチを実施した結果,適切な段階付けと難易度調整,高い内発的動機付けの持続,主体的な取り組みを促す関わりにより,前跳びおよび後ろ跳びの連続跳躍回数が向上した.短縄跳びは,発達性協調運動症児にとって困難を呈することの多い活動の1つである.課題指向型アプローチは発達性協調運動症児が抱える多様な困り事に対して,個々の段階に合わせた介入方法として有用であることが示唆された.
著者
坂根 茂幸 石井 優 柿倉 正義
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.382-392, 1986
被引用文献数
10 3

知能ロボットの構成には, センサシステムを装備することがまず第一に必要である.ハンドアイシステムの要求の増加に伴い, ハンドアイシステムをいかに効果的に設計, 構成そして活用するかという課題の解決の重要性が認識されつつある.例えば, ハンドアイシステムの作業教示には, マニピュレータと共に視覚センサのオフラインプログラミングが必要となる.マニピュレータのオフラインプログラミングを支援するためのロボットシミュレータが, 最近, 注目を浴びているが, これに対してロボットセンサのシミュレータに関する研究はまだ殆ど行われていない.<BR>筆者らは, 現在, HEAVENシステムと呼ぶハンドアイ行動シミュレータの開発を行っている.HEAVENシステムは, ハンドアイシステムにおける作業環境の視覚認識と監視を支援する.本論文は, カメラがオクルージョンを回避して適切な画像データを得るように支援するHEAVENシステムの一機能について述べたものである.カメラから最適な視点を選択する問題は, 対象物体モデルの周りに生成する測地ドーム上で視点を評価する問題として設定される.オクルージョン回避空間は, 奥行バッファアルゴリズムにより測地ドーム上の領域として求められる.次に, 測地ドーム上の距離変換によりオクルージョン回避の最適な候補視点が得られる.ハンド装着型カメラを用いたシステムによる実験結果は, HEAVENシステムがオクルージョン回避プラニングに有効であることを示している.
著者
杉山 耕一朗 小高 正嗣 佐野 康男 大石 憲且 馬場 聡 高井 昌彰 大石 尊久 林 祥介 倉本 圭 渡部 重十
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.123-129, 2008-06-25

北海道大学と名寄市立木原天文台とを接続する広帯域ネットワークを構築し,研究と教育の連携のための実験を行った.広帯域ネットワークを用いる最大の利点は,地理的に離れた両拠点の既存の機材とソフトウェア環境を現地まで移動することなく相互に利用できるようになり,両拠点が一体の遠隔天文台として機能できることである.実際に,北海道大学から木原天文台の望遠鏡を遠隔操作して天体の操像観測を試み,遠隔天文台としての機能の検証を行った.また,両拠点の観望映像のどちらか条件の良い映像をインターネット中継映像として配信する実験を行い,今回我々の構築したネットワーク環境が天文現象のインターネット中継の成功率向上に資することを確認した.
著者
高倉 新一郎
出版者
北海道帝国大学
巻号頁・発行日
1945

博士論文
著者
新倉 修
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.506-511, 2011
著者
須長 史生 小倉 浩 正木 啓子 倉田 知光 堀川 浩之
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.396-421, 2020

本研究は,2016年度から2018年度の3か年にわたって実施した「インターネットを活用したセクシュアル・マイノリティに関する学生の意識調査」の2018年度分実施内容に関する結果の報告である.すなわち,本論文は「セクシュアル・マイノリティに対する大学生の意識と態度:第1報」(須長他[2016])および「性的マイノリティに対する大学生の意識と態度:第2報」(須長他[2017])の続編であるとともに,特に3か年分の調査結果を俯瞰してこれまでに得られた知見をまとめたものである.本研究の目的は18歳から20代前半の男女の,性的マイノリティに対する意識や態度を明らかにすることである.調査対象は2016年度,2017年度と同様に,首都圏の医療系A大学一年生とした.3回目の調査である2018年度においては,在籍学生数598名に対して,453名(男子136名,女子315名,その他2名)からの回答が回収され,回収率は75.8%であった.プライバシーの確保と回収率の向上のために,前2回の調査と同様インターネットを活用し,スマートフォンを用いたアンケートに回答する方法で調査を実施した.アンケート回答の集計結果から得られた,主要な知見を列挙する.①性的マイノリティに関する正しい知識を有している割合は2017年度と比較して向上した.②性的マイノリティに関する正しい知識を身に付けたいと考える学生の割合は3か年を通じて増加している.③身近に存在する同性愛者(同じ大学の人,きょうだい)に対する嫌悪感は3か年を通じで漸減傾向にある.本報告では,上記の単純集計から得られる知見以外に,3か年分の回答に対して実施した主成分分析の結果から,性的マイノリティに対する意識や態度における特徴的な応答を抽出し,学生像の把握を試みた.また,戸籍上の性別と性的マイノリティに対する意識や態度に何らかの相関があるかという問いに対しても,統計的な解析を実施した.これらの結果も併せて報告する.
著者
平野 聡 中村 透 浅野 賢道 岡村 圭佑 土川 貴裕 野路 武寛 中西 喜嗣 田中 公貴 村上 壮一 海老原 裕磨 倉島 庸 七戸 俊明
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1329-1336, 2017-11-20

【ポイント】◆腹腔動脈合併尾側膵切除術(DP-CAR)が適応となる病変のほとんどは,新取扱い規約の切除可能性分類においては切除可能境界または切除不能病変である.◆本術式では適応診断を慎重に行えば,ほとんどの症例で癌遺残のない(R0)切除を達成可能であるが,進行膵臓癌として一定の再発は免れられず,術前の化学(放射線)療法との組み合わせを考慮すべきである.◆原法では大動脈上での腹腔動脈の結紮切離,上腸間膜動脈周囲神経叢の完全切除を伴うが,進展度によって切除範囲を縮小することも可能である.その場合も主要動脈の操作は安全性と根治性に対する十分な配慮が必要である.*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画(Flash形式)を見ることができます(公開期間:2020年11月末まで)。
著者
倉田 陽平 相 尚寿 真田 風 池田 拓生
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.459-460, 2015-03-17

Flickr等の写真共有サイトに投稿された旅行写真データは,観光行動分析や観光情報ツールの基盤として頻用されている.このような活用例が信頼に足るものであるためには,その前提として,各写真のタイムスタンプやジオタグが精確でなければならない.しかし我々の調査によれば,Flickr上の写真の2.7%に昼夜逆転レベルの大幅なタイムスタンプの誤りが見られた.そこで本研究では,タイムスタンプの誤差をもたらす要因について整理し,これをふまえて投稿写真群のタイムスタンプの信頼性を向上させる手法を開発した.本手法では,①カメラ内蔵時計およびGPSで計測されたタイムスタンプの相互比較,および②時間帯別投稿頻度を元にしたタイムゾーン設定の推定により,タイムスタンプを補正できるものは補正し,信頼度が低く補正も施しようのない写真についてはデータから排除する.これにより,昼夜逆転レベルの写真の割合を0.05%にまで減少させることができた
著者
松邑 勝治 黒沢 努 関根 基樹 植松 利晃 大倉 克美
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.63-67, 2008

イノベーションの創出においては、異分野や異業種にわたる知の連携が重要である。独立行政法人科学技術振興機構(JST)では、これまで文献、特許(技術シーズ)、研究者、研究機関、研究課題、化学物質など、科学技術に関する様々な情報の収集と提供を行ってきた。そのノウハウや利用者の方々の貴重なご意見等を踏まえ、現在JSTではインターネット上の様々な科学技術情報を横断的に&rdquo;つなぎ&rdquo;、知の連携を促進するための新しいサービスとして、「科学技術総合リンクセンター(J-GLOBAL)」の構築に取り組んでいる。その取り組みの状況と今後の展望について、研究開発支援総合ディレクトリ(ReaD)を例とした既存サービスの分析とともに紹介する。
著者
井上 興一 村瀬 治比古 小倉 東一 中原 光久 染谷 孝
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物工場学会誌 (ISSN:09186638)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.16-19, 2004 (Released:2005-08-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

To improve the taste of leaf lettuce (Lacutuca sativa L.) grown hydroponically, an introduction of sweetening chemicals into the plant through the roots was examined. Sweetening chemicals used in this study were steviol glycosides obtained by extracting the leaves of Stevia rebaudiana Bertoni. Glucose molecules were partially combined with the steviol glycoside molecules by an enzymatic procedure with α-glucosyltransferase.Stebioside and rebaudioside-A were more markedly accumulated in lettuce leaves than other steviol glycosides and their introduction ratios, the ratio of the amount of a steviol glycoside contained in the plant to the amount in the volume of solution absorbed by the plant, were 0.15-0.25 and 0.8-0.11, respectively. The steviol glycosides with combined glucoses were hardly incorporated into lettuce leaves. The lettuce leaves, when treated with the steviol glycoside solutions at the concentrations of 0.5% or 1.0%, were shown to be evidently sweet and tasty by the sensory evaluation test.