著者
岡本 洋子 土屋 房江 前田 ひろみ 三谷 璋子 三好 康之 吉永 美和子 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 上村 芳枝 亀井 文 倉田 美恵 杉山 寿美
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.160, 2005

<br>【目的】日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学:魚介類」の一環として、広島県において調査を行った。今回は、あなご、かき、まだこ(食品成分表の食品番号10015:10292:10361)の利用実態について調べることを目的とした。<BR>【方法】広島県内の14地域で、質問紙調査を実施した。14地域を島嶼部、都市沿岸部、都市内陸部、中国山地に4区分した。調査項目は、魚介類の種類、入手方法、手作り・購入、調理法、日常食・行事食度等である。調査対象者は20歳代から70歳代の171名である。調査時期は2003年10月_から_2004年2月。<BR>【結果】(1) 記載魚介類は212種類(食品成分表)、総記載料理数は4,684であった。(2) 調査者数に対するあなごの出現比率では、島嶼部83.5%、都市沿岸部80.6%、都市内陸部45.9%、中国山地18.8%であった。調理法では、焼き物と飯料理が多くみられ、照り焼き、ちらしずし、あなご飯、巻きずし、刺身(島嶼部)、雑煮、茶碗蒸し等に調理された。(3) かきの出現比率では、島嶼部63.1%、都市沿岸部91.2%、都市内陸部89.5%、中国山地73.0%であった。調理法では、4地域いずれにおいても、フライ、鍋物、酢がきが多くみられた。殻付き素焼きやグラタン料理もみられた。(4) まだこの出現比率では、島嶼部69.9%、都市沿岸部63.1%、都市内陸部36.3%、中国山地75.3%であった。調理法では、4地域いずれにおいてもなま物(刺身、酢の物)や茹で物(ゆでだこ、ぬた)が多くみられ、揚げ物(島嶼部ではたこ天)、たこの煮物やたこ飯(都市沿岸部)、にぎり寿司、たこ焼き等に調理された。
著者
岡田 東彦 太田 素良 木村 優樹 高木 龍太 林 美穂 松倉 未侑 浅川 満彦
出版者
北海道獣医師会
雑誌
北海道獣医師会雑誌
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.375-378, 2020-12

2020年9月上旬に道内S公園で発見されたハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)とハシボソガラス(Corvus corone)計12個体の死体について、剖検および病原体保有状況の検査を実施した。鳥インフルエンザウイルスおよびウエストナイル熱ウイルスの簡易検査を実施したところ、いずれも陰性を確認したが、数種の内外寄生虫を得た。多くの個体で黄褐色に染まった消化管内容物・粘液・吐瀉物等が認められ、頭蓋内出血、気管・腸管の黒変等が認められたことから、薬物中毒が疑われた。吐瀉物等を科学捜査研究所に化学成分の検査を委託したところ、有機リン剤シアノホス(CYAP)の成分が検出された。国内での先行事例と比較して、本事案はCYAP中毒の所見と類似したことから、この物質の急性中毒であることが示唆された。
著者
倉本 繁 菅野 幹宏
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.265-270, 2000-05-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
31
被引用文献数
8 12

It is very important from a practical viewpoint to study hydrogen behavior in metals because hydrogen embrittlement has been related with concentration of hydrogen at the crack initiation sites. In order to reveal the mechanism of the embrittlement, experimental methods to characterize hydrogen concentration to localized area should be established. Hydrogen microprint technique (HMT) is a simple and powerful method to visualize hydrogen behavior in high resolution. When polished surface of a specimen is covered with nuclear emulsion containing numerous submicron particles of silver bromide, hydrogen in the specimen reduce the silver bromide. Thereby silver particles left on the surface after fixing represent the sites of hydrogen emission. In this article, details in experimental procedure of HMT are described with emphasis on functions of nuclear emulsion and fixing solution, and the results on hydrogen behavior in metals using HMT are reviewed. The effects of plastic deformation and stress gradient on hydrogen transport in metals are also presented in relation to the mechanisms of hydrogen embrittlement that have been proposed so far.
著者
青木 秀男 大倉 祐二 山口 恵子 結城 翼 渡辺 拓也
出版者
特定非営利活動法人社会理論・動態研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

山谷・釜ヶ崎の日雇労働者・雑業就業者・福祉受給者・路上生活者の労働・居住・生活が、ネオリベ経済による労働市場の変容、ジェントリフィケーションによる空間構造の変容の中でどのように変容しているか、またそれらの変容がコロナ禍の中でどのように加速しているかについて見る。さらにそれらが山谷と釜ヶ崎でどのように異なるかについて比較を行う。これらにより、日本の都市底辺層の階層構造と変容の動向を探り、そのうえで都市底辺層研究の理論的更新めざす。この研究は、研究代表者・分担者が別のプロジェクトで行っているグローバル都市の底辺層の国際比較研究に連続するものである。
著者
片倉 葵 菊竹 雪 楠見 清
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>近年,市場におけるパッケージデザインは話題性に着目し,流行を取り入れながら日々新しいものへと変わっているが,発売当初から変わらないパッケージデザインを使用し続けている菓子や食品が存在する.平成時代に入ってから急速にインターネットが普及し,パッケージデザインのヴィジュアルによる話題性が売り上げを左右する消費動向が見られるなか,どのようにしてロングセラー商品のパッケージデザインは当時のデザインを現代まで継承し続けているのか.<br/>時代や年月が経過しても変わらず多くの人に受け入れられている商品がロングセラー商品となるためには味やその商品が持っているバックグラウンドなど様々な要素が存在するが,そのうちの一つとして本研究では色の面積比率を取り上げ,数学的観点から普遍的なパッケージデザインのグラフィックに使用されている色の占有面積をグラフとして可視化する事によりデザインに潜む法則性を現代まで伝承する手法として確立しているのではないかという仮説を立てた.<br/>ロングセラー商品であり,世代を超えて認知度の高い「ボンタンアメ」を事例として取り上げて背景色とモチーフ色の色面積比率を算出した結果,箱の規格に関わらずある一定の面積比率を保っていることがわかった.また,発売当初のパッケージも同様に色面積比率を算出したところ,2018年現在販売されているパッケージと全く同じ色面積比であることがわかった.大正期に発売された他のロングセラーの食品も同様に検証し,グラフとして可視化した結果,メーカーによって違いはあるものの,一定の要素を継承する法則性が存在していることが証明された.<br/>話題性だけに捉われない視覚的要素の他に必要な要素に留意して,今後デザインの変更を行う事があった際に情勢や時代性に応じたマイナーチェンジやデザイン自体の大きな変更を行う,行わないという両方の選択肢の可能性を示すことを目指す.</p>
著者
片倉 葵 菊竹 雪
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.54-55, 2018

近年、様々な種類のお菓子のパッケージデザインを駄菓子屋だけでなくコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど近代の商業施設で目にすることができる。お菓子のパッケージデザインは真新しさや話題性、流行を取り入れながら日々新しいものへと変わっているが、その中でも販売当初から変わらないパッケージを使用しているお菓子が存在する。なぜ普遍的なパッケージデザインが長い間売れ続け、そのデザインが現代のデザインに淘汰されず残り続けているのかという疑問に対し、何か1つの法則を定めることでロングセラー商品として現代まで伝承されるデザイン手法が確立されているのではないかという仮説を立てた。ロングセラー商品であり世代を超えて認知度の高いボンタンアメを例に取り上げ、その背景色とモチーフであるボンタンの色面積比率を算出した結果、箱の規格に関わらずある一定の面積比率を保っていた。販売当初のパッケージと変わらぬ色の面積比率がロングセラー商品として残り続けている一種のデザイン手法なのではないかと考えられる。
著者
Tracey H. A. TOM 金 洙列 武田 将英 倉原 義之介 原 知聡 西山 大和 川崎 浩司 間瀬 肇
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_133-I_138, 2019
被引用文献数
2

<p> 海洋工事は気象や海象の影響を受けやすく,作業船の運航ルートの設定や荒天時の作業可否の判断,避難港の利用にあたり,できるだけリードタイムの長い海象情報は重要である.本研究では,全球波浪予報値とニューラルネットワーク(NN)を利用した1週間波浪予測法を提案し,その基礎となる精度検証を行った.日本気象庁波浪モデルやアメリカ海洋大気庁波浪モデル,ヨーロッパ中期予報センター波浪モデルによる1週間先以上の全球波浪予報値が提供されているが,それらの日本沿岸における波浪予報値としての精度は良くない.そこで,NNを利用した非線形変換による精度の良い波浪予測法を目指し,その第一歩として,全球波浪解析値および予報初期値を用いてその可能性を調べたものである.</p>
著者
金 洙列 武田 将英 間瀬 肇 倉原 義之介 原 知聡 西山 大和 川崎 浩司 水谷 英朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.18-26, 2019
被引用文献数
2

<p> 本研究は,作業船の準備や港湾・海洋工事の施工計画に役に立つ波浪予測法を確立することを目的として,全球波浪予報値と機械学習の一つであるGroup Method of Data Handling (GMDH)における部分表現式を用いた日本沿岸の1週間先までの波浪予測法を提案する.具体的には,常陸那珂港を対象として,3種類の全球波浪予報値とGMDHの部分表現式を利用した1週間先までの波浪予測が可能なモデルを構築し,予報初期値と解析値を用いて精度検証を行った.その結果,有義波高に対しては,アメリカ海洋大気庁波浪モデルとヨーロッパ中期予報センター海洋波浪モデルの2種類の全球波浪データを用いる部分表現式,周期に対しては,日本気象庁波浪モデルとヨーロッパ中期予報センター海洋波浪モデルの2種類を用いる部分表現式が予測精度が良いことがわかった.</p>
著者
山口 宏也 四倉 淑枝 佐多 弘策 渡辺 陽子 廣瀬 肇 角田 晃一 大石 公直
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.232-238, 1988-07-25 (Released:2010-06-22)
参考文献数
19
被引用文献数
2

目的; 喉頭ポリープの術後成績を左右する因子のうち「声の衛生」に注目し術後成績との相関を検討した.対象: 過去3年間に (全身麻酔下で) 手術を行い, 術後3カ月以上経過を観察し得た50症例 (男女比, 24: 26) である.方法; 職業, 病悩期間, 喫煙歴のほか声の乱用, 誤用の有無について詳しく問診した.改善度は術前, 術後の聴覚印象, 局所所見, 各種音響分析結果や患者の満足度などで総合的に判定した.結論; 病悩期間1年未満と1年以上とでは術後成績上有意義差は認められなかった.問診から誘因あるいは原因として48例 (96%) に何らかの声の乱用, 誤用が認められた.47例が1~24カ月で治癒.術後, 声の衛生を守った方が3カ月以内に治癒し易いこと, および守らないと治癒まで4カ月以上かかることが統計上有意であった.喉頭ポリープの手術的治療に声の衛生の重要性を強調したい.
著者
吉枝 春樹 小林 渉 岩倉 成志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.43-62, 2020 (Released:2020-04-20)
参考文献数
25

東京圏の都市鉄道は莫大な乗降者数による停車時間の伸長が,混雑率緩和のための運行頻度増のネックとなっている.これを極めてシンプルな着想で解決する.それは,現在の信号システムに比べ,列車間隔をより短く制御できる移動閉そくシステムで運行頻度を増やして,列車毎の乗降者数を減じ,停車時間を縮減して,大幅に混雑率を低減させるというものである. このため,2つのアプローチをおこなった.まず,運転理論に基づく分析で,最小運転間隔90秒の可能性を示す.次に,停車時間を規定する乗降行動と列車挙動のエージェントシミュレーションモデルを構築する.これを用いて停車時間と運行間隔の縮減を分析し,検討路線では移動閉そくと主要駅の改良により95秒間隔で運転でき,大規模な線増投資を行わずに,混雑率150%まで緩和できることを示した.
著者
西山 康弘 西川 大祐 倉繁 拓志 山根 享 早田 俊司 市川 孝治 中村 勇夫 三宅 茂樹 渡邊 健志
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.29-35, 2016

上部尿路結石症に対するTULは,バスケットカテーテルで抽石することで術中に全ての結石を摘除できる可能性があることが,ESWLに比較しての最大の利点である.<br> TULでは,その手術における目標到達点の設定を適切に行うことが重要で,それが確実な治療を行う上での要点となる.TULの目標到達点としては,大きく三つのレベルに分けて考える.目標到達点の最良レベルは,術中に全ての結石を抽出できる「術中ストーンフリー」で,これを最大の目標として手術に臨む.次のレベルは,抽石はできないが結石を全て自排石可能な大きさまで砕石できる「砕石のみ」である.このレベルでESWLと同等の治療効果であるが,ESWLにおいては術中に全て自排石可能な大きさまで砕石できるのは最良レベルと言える.その次のレベルは尿管ステントが留置でき尿路を確保できる「尿路確保」である.<br> TULの手術難易度は個々の症例で様々であり,「術中ストーンフリー」を目指していたが,術中所見によっては「尿路確保」ができれば最良の治療効果と判断せざるを得ない症例も存在する. <br> 術中ストーンフリーを目指すTULでは,抽石操作を容易にするアクセスシースを積極的に利用し,抽石効率をに意識しながら手術をすることが重要である.アクセスシースが良好に使用できる症例は抽石操作が容易となり,術中ストーンフリーが得やすい.<br> 例えば尿管嵌頓結石は,症例により難易度が大きく異なり,目標到達点を術中に適切に判断しながら手術することが要求される.<br> 尿管陥頓結石を例に図示し,TULの手順,手術時の術者の思考過程を考察することにより,より適切で確実なTULが普及することに貢献したい.
著者
小倉 健太郎
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.5-26, 2019

【要旨】<br> 1943年に公開された『桃太郎の海鷲』は、海軍省が後援となり真珠湾攻撃をモチーフとして制作された国策アニメーションである。演出は、当時代表的なアニメーターのひとりと見なされていた瀬尾光世が務めた。同じ瀬尾による1945年公開の『桃太郎 海の神兵』は長らく幻の作品とされていたが、1984年に倉庫から発見され話題を呼んだ。近年、この作品の研究が進み、アニメの「ルーツ」として重要な作品と見なされるようになっている。一方、『桃太郎の海鷲』については比較的に研究が進んでいない。しかしながら、『桃太郎 海の神兵』は明らかに『桃太郎の海鷲』の延長線上に作られた作品である。日本アニメーション史において『桃太郎の海鷲』はどう位置づけられるだろうか。<br> 本稿では、瀬尾の「桃太郎」作品が当時の「漫画映画」という概念を拡張しようとする一貫した試みであったと主張する。まず『桃太郎の海鷲』では、「文化映画」の要素が取り入れられた。報道写真やニュース映像などが参考にされ、兵士たちの日常に焦点が合わされ、映画的手法も用いられている。このことは、漫画映画がどのようなものであるべきかという評者それぞれの意見の相違を顕在化させた。さらに『海の神兵』では、漫画の滑稽さとは相反する暴力描写や悲劇が導入されている。瀬尾は、それまでの漫画映画ではほとんど用いられなかった非漫画的な要素を取り入れることで、漫画映画という概念を拡張しようとしたのだ。
著者
大倉 比呂志
出版者
昭和女子大学近代文化研究所
雑誌
学苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
no.958, pp.1-24, 2020-08-01
著者
松島 文子 板倉 一枝 横山 弥枝 石川 行弘
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.156, 2006

【目的】鳥取県のカニ類の平成17年度漁獲量は6,800tで全国1位を誇り、全国シェアの約20%を占める。カニの1世帯当たり年間購入量は鳥取市で全国平均の約6倍の6,141g(16年度)であり、カニ消費量は全国1位である。今回、日本調理科学会特別研究_-_魚介類の調査_-_より鳥取県におけるカニの調理実態を明らかにすることを目的とし、カニの種類、入手方法、料理出現率、調理方法、日常食・行事食への利用などを中心に検討した。<BR>【方法】調査地域として日本海沿岸地域の県東部岩美町、県中部赤碕町、県西部境港市および県東部山間地域の智頭町の4地域を選定した。平成15年11月から平成16年4月にかけて、総数63世帯の30歳代から70歳代の調理担当者を対象に、日常食・行事食に用いる魚介類について、その摂食状況をアンケートならびに聞き取りにより調査した。<BR>【結果】鳥取県で食されるカニは、ズワイガニ(松葉ガニ、親ガニ、若松葉の総称)、ガザミ(ワタリガニ)などが主であった。入手方法は「購入」が約60%を占め、「自給・その他」が20%程度認められた。出現率の高い料理としては「ゆでガニ」「カニ汁」「カニすき」「カニ飯」などがあり、これらは全調査地域に共通して認められた。調理法については、岩美町、境港市では「ゆで物」が全料理件数の30%から50%と高く、「ゆで物」の他にも様々な調理法が用いられていた。年代別にみると40、50、60歳代は調理法の幅が広いのに対し、30、70歳代では調理法の限定化傾向が認められた。正月・冠婚葬祭などの行事食における利用は少なく、親ガニのみそ汁・鍋物・ご飯物など日常食として約90%が利用されており、秋季から冬季の味覚として県民に親しまれていることが確認された。
著者
上倉 安代
雑誌
立正大学臨床心理学研究 (ISSN:21883017)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.49-56, 2015-03-31

本研究の目的は、統合失調症への動作法に関する研究を概観し、今後の研究課題について検討することである。収集した18文献を基に、発表論文数の推移および形式的側面(①医療機関の種別と治療形態、②対象、③目的、④治療者と実施形態、⑤治療構造、⑥評価方法、⑦掲載誌、の7点により分類)から、統合失調症への動作法に関する研究を概観し、考察を行った。これらを踏まえて、今後の課題としては、急性期や外来患者への動作法の活用、効果研究のあり方の検討(量的研究やプロセス研究の導入等)、心理臨床における動作法の展開、が挙げられた。