著者
三島 江津子 岡戸 洋 加藤 さおり 櫛原 秀之 黒田 純子 榊原 隆志 首代 みどり 鈴木 厚志 松岡 加恵 宮坂 朋恵 渡辺 法男 横田 学 板倉 由縁 鈴木 照美 斉藤 寛子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.403-408, 2009 (Released:2010-08-19)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

When pharmacists provide drug guidance to in-patients,they are often asked about health foods such patients are regularly taking in expectation of anti-cancer effects.However,pharmacists cannot always answer these questions based on scientific evidence.To further evaluate the efficacy of health foods for this purpose,we did a survey of the literature concerning 5 frequently used health foods said to have anticancer effects using the PubMed and Ichushi search services,obtaining 1,300 papers from the former and 1,142 papers from the latter.However among them,we could not find any providing data from randomized controlled trials and thus there was no clear scientific evidence,though some of the papers noted an improvement in the quality of life of patients.In conclusion,when pharmacists provide guidance on health foods to patients and their families,it is important for them to collect detailed information and evaluate them on a scientific basis.
著者
臼倉 真純
出版者
国士舘大学法学会
雑誌
国士舘大学大学院法学研究科・総合知的財産法学研究科 国士舘法研論集 = Kokushikan Daigaku Daigakuin Hogakukenkyuka Sougouchitekizaisan Hougakukenkyuka Koushikan Hokenronshu = the Graduate School law review
巻号頁・発行日
no.22, pp.17-38, 2021-03-05

はじめにⅠ 寄附金控除 1 概要 2 沿革等 3 公共財と寄附奨励 4 確定申告と年末調整Ⅱ 文化芸術・スポーツイベントの中止等に係る所得税の寄附金控除の特例 1 概要 2 手続等Ⅲ 検討 1 個人と法人の取扱いの差異 2 公益性・非営利性 3 年末調整との連携結びに代えて
著者
梅井 凡子 小野 武也 大塚 彰 沖 貞明 大田尾 浩 積山 和加子 田坂 厚志 石倉 英樹 相原 一貴 佐藤 勇太
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100050, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】虚血再灌流後の骨格筋は浮腫により運動障害を引き起こす。運動障害の原因は浮腫に付随する炎症反応と疼痛であると推察される。先行研究により抗酸化物質により炎症反応が軽減することを確認した。しかし,その際の行動観察が不十分であったため,今回,虚血再灌流後にラット後肢への重量配分を測定することで鎮痛評価を行った。本研究においては抗酸化物質投与と運動負荷が,虚血再灌流後の骨格筋に与える影響を検証することを目的とした。【方法】対象は8 週齢のWistar系雌性ラット20 個体である。これらを5 個体ずつ無作為に「再灌流のみ群」「運動群」「アスコルビン酸群」「トコフェロール群」の4 群に振り分けた。すべての群は麻酔下にて右後肢に対し駆血を行った。駆血圧は300 mmHgで駆血時間は90 分間である。「アスコルビン酸群」「トコフェロール群」は12 時間毎にそれぞれを投与した。運動負荷はトレッドミルにて再灌流開始24 時間後より4 日間行った。運動負荷は1 日2 回とし,運動時間は20 分間とした。トレッドミルの速度は10 m/secより開始し20 m/secまで増加させた。また,すべての運動負荷時には歩行状態を観察するとともに 鎮痛評価は右後肢の重量配分を測定した。すべての群は実験終了時に対象肢からヒラメ筋を摘出した。摘出したヒラメ筋は,液体窒素で急速冷凍させ凍結ヒラメ筋標本を作製した。凍結ヒラメ筋標本はクリオスタットを使用して,10 μm厚のヒラメ筋筋組織横断切片を作製し,H&E染色を施した。顕微鏡デジタルカメラを使用して標本毎に組織学的検索を行った。重量配分の統計処理は実験開始前と比較し,対応のあるt検定を行った。危険率5%未満をもって有意差を判定した。【倫理的配慮、説明と同意】本実験は,動物実験モデルであるために演者所属の動物実験倫理委員会の承認を受けて行った。【結果】重量配分は実験開始前「再灌流のみ群」48.3%,「運動群」51.6%,「アスコルビン酸群」47.0%,「トコフェロール群」48.2%であった。虚血再灌流翌日には「再灌流のみ群」33.6%,「運動群」32.0%,「アスコルビン酸群」28.9%,「トコフェロール群」41.3%と変化し,実験最終日には「再灌流のみ群」25.8%,「運動群」35.0%,「アスコルビン酸群」33.1%,「トコフェロール群」36.2%であった。「トコフェロール群」以外の3 群において実験開始前に比較して虚血再灌流翌日,実験最終日ともに重量配分は有意差に減少していた。運動負荷時の歩行状態は,運動1 日目では「運動群」は5 個体,「アスコルビン酸群」「トコフェロール群」はともに3 個体で右下肢が十分背屈できずに足関節底屈位のまま歩行をしていた。運動2 日目は「運動群」は3 個体,「アスコルビン酸群」2 個体,「トコフェロール群」3 個体で右下肢が十分背屈できず,「運動群」2 個体,「アスコルビン酸群」2 個体,「トコフェロール群」1個体に擦過傷による出血を認めた。運動3日目は「運動群」は1個体,「アスコルビン酸群」2個体,「トコフェロール群」2 個体で右下肢が十分背屈できず,「運動群」2 個体,「トコフェロール群」3 個体に擦過傷を認めた。「アスコルビン酸群」2 個体は途中休憩を入れていた。運動4 日目は「運動群」,「アスコルビン酸群」,「トコフェロール群」それぞれ1 個体で右下肢の背屈が弱く,途中休憩を入れていた。筋線維の組織学的検索において「再灌流のみ群」は正常に比較し細胞間が広く,細胞自体も丸みを帯びていた。「運動群」「アスコルビン酸群」は「再灌流のみ」に比較して細胞間は狭い。核の膨化を認めるとともに中心核が存在した。「トコフェロール群」多数の炎症細胞の増加と壊死した筋線維の痕跡を認めた。【考察】虚血再灌流障害により発生する浮腫及び炎症反応により虚血肢への重量配分が減少する。しかし,「トコフェロール群」においては虚血再灌流翌日の重量配分の減少が抑制された。トコフェロールには血流改善,細胞膜保護作用があるため虚血再灌流後に発生する浮腫を減少させ,浮腫に伴う疼痛を減少させることが出来たものと考える。また,運動負荷により重量配分は増加していた。このことは運動負荷により浮腫が改善したものであると推察される。筋線維の組織学的検索においても「再灌流のみ群」に比較してその他の群では細胞間が狭かった。虚血再灌流後の浮腫の抑制には抗酸化物質の投与および運動負荷が有効であると示唆された。【理学療法学研究としての意義】虚血再灌流後の浮腫の抑制に抗酸化物質投与と運動負荷が効果的であり,早期から運動療法を施行する裏付けとなると考える。
著者
藤倉 なおこ
出版者
映画英語教育学会
雑誌
映画英語教育研究 : 紀要 (ISSN:13429914)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.153-163, 2014-03-30 (Released:2017-11-29)

Some critics say that in most road movies, elderlies represent stability and tradition. However, the lives of two old widowers in "About Schmidt" (2002) and "Everybody's Fine" (2009), tell the viewers to reexamine the patriarchal family structure and to move beyond the sex roles and crossover their roles successfully in our later lives. In the movies, the fathers are the bread winners and the mothers are the homemakers. Traditional sex-roles are observed in both of these families. The mothers act as the mediators between children and their busy fathers. Therefore, when the mothers are gone, the fathers and the children are faced with difficulties in communicating with each other. Being retired, fathers also lose connections with their social lives. As a result, they experience social marginalization which has a devastating impact on their self-esteem. Betty Friedan suggests if people hold on to the conventional sex roles, they would be thrown into crisis in their later years when they experience various changes in their lives. She suggests men and women should move beyond the gender line and make a crossover. By looking at the two road movies the paper examines how crossover helps the widowers reunite with their families and regain their homes.
著者
磯前 順一 小倉 慈司 苅田 真司 吉田 一彦 鍾 以江 Pradhan Gouranga 久保田 浩 山本 昭宏 寺戸 淳子 岩谷 彩子 小田 龍哉 藤本 憲正 上村 静
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

西洋近代に由来する人権思想の世界的な普及にもかかわらず、当の西洋においても、あるいは日本などの他のさまざまな地域においても、差別(人種差別だけでなく、いじめや戦争、 テロまでを含む)が依然としてなくならないのは、なぜだろうか。本研究では、これまで「聖なるもの」と「俗なるもの」の二分法で説明されてきた「宗教」と「社会」とのありかたの理解を、日本宗教史と世界諸地域の比較宗教史との学問の蓄積からあらたに問いなおし、現代社会における公共性の問題と結びつけて検討する。そのことで、公共空間における差別と聖化の仕組みがあきらかになり、より具体的な公共性のあり方についての議論が可能になることが期待される。
著者
浅倉 むつ子
出版者
日本法社会学会
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.82, pp.81-92, 2016

Despite the thirty years of the implement of the Equal Employment Opportunity Act, gender inequality in employment still remains unsolved. The primary factor of the gender inequality in employment in Japan is the deep-seated stereotyped roles for men and women in Japanese society. Child rearing and household affairs are largely regarded as women's duties and about 60 percent of female workforce retires for childbearing. The second factor is corporate systems and customs deeply rooted in Japanese business community, which are only superficially gender-neutral. For instance, assessment standards of typical wage systems include subjective criteria that are susceptible to gender views of assessors, e.g. "enthusiasm," "cooperativeness" and "tractability." This article analyzes the current status of the doctrine of leading cases in relation to gender inequality in Japan, and proposes development of a framework to enhance the effectiveness of anti-discriminatory legislation, an efficient working- hour law to reduce long working hours of male labor force, and a system to apply the principle of equal pay for equal value work to the norms of lawsuit.
著者
藤岡 悠一郎 高倉 浩樹 後藤 正憲 中田 篤 ボヤコワ サルダナ イグナチェワ ヴァンダ グリゴレフ ステパン
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2017年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100094, 2017 (Released:2017-05-03)

1.はじめに 気候変動や地球温暖化の影響により、シベリアなどの高緯度地方では永久凍土の融解が急速に進行している。そのプロセスやメカニズムは、地域ごとに固有の自然環境や社会環境要因によって異なり、各地域における現状や環境変化のメカニズムを把握する必要性が指摘されている。また、そのような環境変化に適応した生業・生活様式を検討し、社会的なレジリエンスを高めていくために、地域住民や行政関係者、研究者などの多様なステークホルダーが現状や地域の課題を認識する必要がある。本研究チームでは、現地調査によって気候変動の影響を明らかにすることと、その過程によって明らかになった諸科学知見を、教育教材の作成を通じて地域住民に還元することを目的として共同研究を進めている。そして、2016年から自然系科学者と人文系科学者との共同調査を東シベリア・チュラプチャ地域において開始した。本発表では、現地の住民が地域で生じている環境変化をどのように認識しているのかという点に焦点を絞り、結果を報告する。 2.方法 2016年9月にロシア連邦サハ共和国チュラプチャ郡チュラプチャ村(郡中心地)において現地調査を実施した。衛星画像を基に現地踏査を実施し、永久凍土融解の実態を把握した。また、チュラプチャに暮らす住民5名を対象にトピック別のグループ・インタビューを実施し、彼らの認識について把握した。さらに、チュラプチャ村近郊のカヤクスィト村において、現地観察および住民に対する聞き取り調査を実施した。 3.結果と考察 1)チュラプチャ村と周辺地域では、永久凍土が融解することによって形成されるサーモカルストが顕著に発達していた。現地踏査の結果、耕作放棄地において融解の進行が顕著であった。また、耕作放棄地に住宅が建築された場所では、住居近くにサーモカルストが形成され、盛り土などの対応を迫られていた。 2)住民は永久凍土の融解がこの地域で広域的に進行していること、特に耕作放棄地で融解が深刻であり、タイガのなかでも部分的に認められること、融解が2000年頃から急速になったことなどを認識していた。本地域における環境変化の問題としては、永久凍土の融解に伴う住宅地の盛り土の必要性や農業・牧畜に対する問題が語られたが、同時に、降水量の減少による干ばつの発生や雪解け時期の早まりなどの問題も重要視されていた。 3)融解の速度が場所によって異なる点について、住民はそのメカニズムを認識していた。例えば、耕作地では、畑を耕起することで土壌表層に空気が入り、断熱材代わりとなって熱が永久凍土に伝わりにくく、耕作放棄地では土壌が圧縮されることで熱が地中まで伝わり、サーモカルストが発達することなどが指摘され、ソ連崩壊やソフホーズの解体が遠因であるとの認識が示された。今後、自然系の研究成果との関係などを考察し、教材としてどのような知見を共有していくのか、検討していく予定である。 付記 本研究は、北極域研究推進プロジェクト(ArCS)東北大学グループ「環境変化の諸科学知見を地域住民に還元する教育教材制作の取組」(代表 高倉浩樹)の一環として行なわれている。
著者
坂倉 園江 柴村 恵子 小沢 としみ 新 恵美子
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.93-106, 1976-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

19才の日本人成人女性216名についてシルエッターによる写真を用いて体幹部における側面形態を整理分類した. 後面は肩甲骨後突点, 前面は乳頭点を基点とする垂直線からの頸部, 胴部, 腰部 (6項目) の出入りの寸法を読み取り, 資料とした. 6項目 (側面形態), 4項目 (上・下半身別), 3項目 (後・前面別) の組み合わせを行い整理分類すると3, 4項目の組み合わせでは一応の成果を得る事が出来たが, 6項目ともなると出現の最も高い組み合わせでも10.1%と低く体形の複雑さを示した. 胸部に対する腰部の変化については同一厚径25.5%, 腰部が薄いもの3.2%, 腰部が厚いもの71.3%であり, 姿勢については直立姿勢19.4%, 殿部後方突出44.4%, 腹部前方突出36.2%であった. これらの組み合わせは服種によっては体形別作図法の資料として. かなり活用でき得ると考える.
著者
浅利 美鈴 名倉 良雄 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.310-319, 2019

災害廃棄物対策において,発災時の支援を含む地域間連携・協調の取り組みには,進展がみられた。指針等での役割や体制の整理に加えて,複数の災害において,支援実績や教訓が蓄積されつつある。たとえば,初動時のプッシュ型支援が効果的に働いてきたこと,支援の内容はさまざまであり支援マネジメントが重要であることなどがあげられる。さらに,特に 2018 (平成 30 ) 年に相次いだ災害への支援の速報的情報から分析すると,今後検討が必要な視点も多い。たとえば,支援内容のミスマッチを避けるための事前受援計画が効果的であること,国による支援マネジメントにおいては拠点をどこに置くかも重要であることなどがあげられる。また,今後は,大規模災害のみならず,同時多発的・連続的な通常災害時においても,現在の体制では対応が不十分となる可能性があり,平時からの人材育成や地域ブロック内・間の連携体制検討に加え,司令塔機能を補完する仕組みも検討する必要がある。
著者
山岸 稔 三原 武彦 河西 紀昭 大山 宜秀 小島 邦彦 後呂 みゑ 渡辺 登 小口 弘毅 阿部 由紀子 朝倉 昭雄 塙 勇至 薄井 晶子
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.p371-380, 1981-08

adenosine triphosphate (ATP)の諸作用のうち,これが赤血球膜の電解質調節機構(ポンプ機能)のエネルギー源となることは従来より知られている一方,最近はプリン代謝系酵素に対する作用としてadenylate deaminase (AMPDA)を刺激し5'-nucleotidase (5 Nase)を阻害することが報告された。そこで血清電解質異常の例として高カリウム(K)血症を伴う腎尿細管性アシドーシス(renal tubular acidosis, RTA)遠位K排泄障害型,また赤血球プリン代謝酵素異常の例として赤血球adenosine deaminase (ADA)高値を伴う遺伝性球状赤血球症(hereditary spherocytosis, HS)を選び,各症例の赤血球内外のK値, Na値,およびADA値, nucleoside phosphorylase (NP)値などを中心に測定して検討を加えた。RTA症例では,高K血症のときは赤血球内K値も上昇し,またその値は血清K値とほぼ平行的に変動することがKC1負荷テストで示された。しかしその赤血球膜のポンプ機能は, HSクリーゼ症例のようには増強されていないことがADA, NP測定値より示された。さらにATPのプリン代謝系酵素に対する作用として,これがADAを刺激し, NPを阻害することが推測された。
著者
倉員 正江
出版者
佛教大学国語国文学会
雑誌
京都語文 (ISSN:13424254)
巻号頁・発行日
no.7, pp.20-31, 2001-05-01

八文字屋本の代表的作者江嶋其磧は、当時近松門左衛門と併称される人気を誇った。近代以降井原西鶴の再評価に伴い、亜流と見なされた其磧の評価は不当に低下した。しかし模倣やコピーの氾濫は成熟した文化の産物である現実は、商業出版隆盛の当時も今も変わらない。近松の時代浄瑠璃の代表作「国性爺合戦」・続編「国性爺後日合戦」と、「国性爺」ブームに刺激されて書かれた其磧の『国姓爺明朝太平記』を比較すると、両者の相違が顕著に窺われる。其磧は安易に浄瑠璃や歌舞伎の見せ場に頼ることを廃し、長編小説としての構想を首尾一貫させることに腐心した。「国性爺」最大の見せ場三段目を改変し、寛仁大度の甘輝将軍像を強調している。さらに「国性爺」の粉本となった通俗軍書『明清闘記」を利用して、長編浮世草子に新機軸を打ち出したのである。
著者
倉石 治一郎
出版者
総合危機管理学会
雑誌
総合危機管理 (ISSN:24328731)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.37-47, 2018-03-11 (Released:2019-12-26)

平成16 年の国民保護法成立以降、内閣官房と都道府県との国民保護訓練が年数回ずつ実施され、一応の成 果を収めてきた。ここ数年来、我が国周辺情勢は緊張し、東シナ海での中国との利害対立や、北朝鮮の核開発 及び弾道ミサイル開発といった問題は安全保障上の脅威を増しつつある。そのような中、本年3 月中旬、秋田 県において我が国初の弾道ミサイル訓練が実施されたが、奇しくもその数日前に北朝鮮による弾道ミサイルが 日本海に発射され、国民保護訓練の重要性そして必要性が喫緊のものとなった。従前の国民保護訓練において 最も問題であるのは、緊急対処事態を前提とした緊急対処保護訓練に終始し、武力攻撃事態での国民保護訓練 は未実施のままとなっていることである。自然災害と武力攻撃災害とでは、知見の有無において国民の避難動 向が大きく異なることが予想される。今後、本格的着上陸侵攻を前提とした総合的な対処訓練の実施は喫緊の 課題であろう。また、有事において戦場は住民混在の状況であり、この際に自治体や警察、そして消防がいか に国民保護措置を実施するかという具体的イメージを官民双方が十分に持ち合わせていないのは重大な問題 である。本報告は、そういった問題点と課題を明らかにし、今後の論点整理の一助とすることを目的とする。 緊急対処事態のみならず、武力攻撃事態における国民保護措置の具体的なイメージに基づく適切な計画策定と 対処要領の広報そして教育が重要である。
著者
門田 貴章 保田 俊行 大倉 和博
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.108, 2011 (Released:2012-02-15)

遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithms:GAs)は生物の進化の過程をモデル化した最適化手法である.島モデル型GAは単一母集団で行うGAと比較して精度の高い解を得ることができる.しかし,一般的にGAを用いた探索には計算コストが膨大になるという問題がある.一方,高い並列処理能力を持つGPU(Graphics Processing Unit)が注目を集めている.GPUはグラフィックス処理に特化したデバイスである.しかし,GPU向けの統合開発環境であるCUDAの登場によりプログラミングが容易となり,汎用的な用途への適用が盛んに行われている.本研究では, 島モデル型GAを二重倒立振子制御問題に適用し,進化的探索能力の向上,および,GPUによる計算処理の高速化を試みる.
著者
山本 兼右 山崎 秀男 高倉 玲奈 小川 利政 桑野 忠雄 三浦 一利 山口 健人 久保 文裕 蓮尾 智之 房永 佳那 稲葉 有美江 田中 幸子
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.365-375, 2015 (Released:2015-06-15)
参考文献数
24

本研究の目的は, 対策型検診撮影法(基準撮影法I)と任意型検診撮影法(基準撮影法II)の実効線量を明らかにすることである。対象は, 大阪がん循環器病予防センターで胃がん検診を受診した40,456名から男女別, 撮影法別で無作為に抽出した240名である。方法は, 240名の1検査の面積線量(DAP)と入射表面線量(ESD)を分析し, モンテカルロシミュレーションソフトPCXMC dose calculations Ver.2.0.1.3を用いて実効線量を算出した。1検査の実効線量と入射表面線量は, 基準撮影法Iで4.41mSv, 33.97mGy, 基準撮影法IIで5.15mSv, 46.92mGyであった。受診者の男女別および撮影技師の経験年数による差の分析では, 両撮影法IとIIともに, 男性と5年未満の技師の実効線量が多い結果となった(P<0.05)。また, 受診者のBMIと実効線量の関係は, 両撮影法IとIIともに, 正の相関関係があることを確認した(I:r=0.500, P<0.05), II:r=0.584, P<0.05)。本研究は基準撮影法IとIIの実効線量を日本で初めて明らかにした研究である。
著者
片倉 佳史
出版者
交流協会
雑誌
交流 (ISSN:02899191)
巻号頁・発行日
no.856, pp.9-18, 2012-07
著者
片倉 佳史
出版者
交流協会
雑誌
交流 (ISSN:02899191)
巻号頁・発行日
no.848, pp.18-26, 2011-11
著者
駄本 建二郎 小倉 慶満 市川 純章 原 文雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2002, 2002

環境との相互作用から柔軟に形態を変化させ新たな機能創出を行うシステムを形態機能機械としてとらえ, 複数台の自律移動モジュールが柔軟に結合した線状クラスタロボットシステムの形態機能の創出について研究を行っている。今回クラスタロボットモジュール用に分離可能な結合機構を開発した。形態形成実験の実機実験およびコンピュータシミュレーション結果を報告する。