著者
吉野 諒三 松本 渉 林 文 山岡 和枝 鄭 躍軍 佐々木 正道 林 文 山岡 和枝 佐々木 正道 鄭 躍軍 前田 忠彦 土屋 隆裕
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

急変する世界情勢を考慮し、特に日本と他の東アジアやその周辺諸国の人々の価値観、対人的信頼感など人間関係に関する意識、自然観や生命観など、各国の人々の意見を、偏らずに集約する統計的方法にもとづいて面接調査を遂行した。政治体制と国民性との交絡など多様な側面が明らかなってきたが、特に、洋の東西を問わず、「家族の大切さ」の普遍的価値が浮き彫りとなった。我々は、これを「文化の多様体解析」としてまとめあげた。
著者
前川 晃一
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2012-11-26

新制・課程博士
著者
須藤 英一 前島 一郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.84-85, 2011 (Released:2011-03-03)
参考文献数
5

目的:高齢者の肺炎に関連する口腔内乾燥は日常介護でしばしば直面する問題である.この点で,保湿ジェルを用いた口腔ケアの効果を老人ホーム入所中の脳血管障害後遺症患者でみた成績を以前に報告したが,これを他の施設に広げて検討した.方法:対象は脳血管障害後遺症患者11例(男性4例,女性7例,平均年齢84.5±1.3歳).老人ホームの入居者を対象に,口腔ケア用品として,口腔内乾燥予防目的に保湿ジェルを用い,使用前年の6カ月間と使用中の6カ月間に於いて発熱を生じた日数,抗菌薬投与日数,抗菌薬投与回数,補液日数,補液回数を比較した.結果:使用前,使用中の6カ月間の発熱日数を比較検討すると使用前平均5.4±2.8日から使用中3.5±2.9日まで有意に(p<0.01)減少した.抗菌薬投与日数,抗菌薬投与回数,補液日数,補液回数はそれぞれ,使用前平均3.3±3.4日から使用中1.1±1.8日,使用前平均6.2±6.7回から使用中2.0±3.6回,使用前平均2.4±3.4日から使用中1.2±1.8日,使用前平均4.2±6.8回から使用中1.4±2.2回と全て減じたが有意差は認めなかった.結論:保湿ジェルを用いた口腔ケアは脳血管障害後遺症患者に生じる口腔内汚染を誘因とする気道感染や脱水予防に寄与できる可能性が示唆された.
著者
前岡 浩 福本 貴彦 坂口 顕 長谷川 正哉 金井 秀作 高取 克彦 冷水 誠 庄本 康治
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.529-533, 2008 (Released:2008-10-09)
参考文献数
16
被引用文献数
11 4

[目的]フリーウェアであるImageJは顕微鏡画像の処理,解析に利用されているが,角度測定機能は理学療法分野でも活用可能と考えた。そこで,立ち上がり動作を利用し,ImageJによる体幹前傾角度測定の信頼性を検証した。[対象]被験者は3名,ImageJを使用する検者を10名とした。[方法]被験者に左側の肩峰,大転子,膝関節外側関節裂隙に反射マーカーを貼付し,立ち上がり動作を矢状面から1回撮影した。体幹前傾角度はImageJおよび三次元動作解析装置で測定した。[結果]級内相関係数と標準誤差を用いて統計解析を行った結果,検者内・検者間信頼性を示すICCはともに高かった。[結語]ImageJを用いた二次元での動作分析は理学療法分野における評価や研究,教育に有益な手段である可能性が示唆された。
著者
前川 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.96-100, 2000-02-25
被引用文献数
7

米国は国家安全保障のために高度な暗号技術の輸出を厳しく規制してきた.しかし1995年以降, 輸出規制は徐々に緩和され, 1999年9月に米国政府は大幅な規制緩和を行うと発表した.これはかつて国防上や外交上の機密を守るために使われてきた暗号技術が, 急速に発展する電子商取引に必要不可欠な技術であることを米国政府が認識したからだと考えられる.暗号技術は, ネットワーク上を流れる商取引情報を盗聴や改ざんから守り, 取引相手の確認(認証)を可能にし, ディジタルコンテンツの不正コピーを防ぐなどの重要な役割を果たしている.
著者
神前 禎 松下 淳一 松下 淳一 竹下 啓介 神前 禎
出版者
学習院大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

本研究は、各種の取引を支える最も重要な基盤であり、わが国において過去10年間に最も大きい改正を経験した法分野のひとつであるわが国の倒産法分野を対象として包括的な検討を行い、IMFから公表されている倒産法上の標準的な項目に沿う形式により英語でその内容を紹介し、それに現時点において重要性を有する裁判例の英訳を埋め込む形で海外に発信するとともに、その理論的実務上の問題点について検討を行い、いくつかの指摘を行ったものである。
著者
杉野 直樹 斎藤 栄二 高橋 貞雄 清水 裕子 根岸 雅史 野澤 健 石塚 智一 内田 照久 前川 眞一
出版者
全国英語教育学会
雑誌
ARELE : annual review of English language education in Japan (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.221-230, 2003-03

The present study aims at explicating the influence of test taking strategies on the test item reliability in English language proficiency tests. Widely known test taking strategies include starting with a certain section that might require more time than others to answer so that test takers can allocate more of their time allowance on it, or, especially in multiple-choice format, marking an alternative based on wild guessing. Also widely speculated is that, in the Daigaku Nyushi Center English test (DNC test, henceforth), those test takers who find themselves running out of time are forced to rely on wild guessing in answering test items. Some English language proficiency tests, such as TOEFL or TOEIC, strictly instruct test takers to tackle a specific section so that they cannot use the first strategy, however, many of the entrance examinations administered in Japan do not have such restrictions. In order to examine the influence of these two test taking strategies, viz. the 'answering order' strategy and the 'wild guessing' strategy, we conducted a large-scale survey using two parallel tests with different question/answering orders. Our analysis of the data with simulated wild guessing shows that wild guessing would deteriorate the test item reliability. Furthermore, it shows that those test takers who had more time to answer the same section seem to be using the wild guessing strategy anyway, which has significant implications on the test format itself.
著者
前田 秀之
出版者
福井大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

遺伝子組換えマウスの維持方法として卵巣移植法がとられることがある。しかし、マウスが突発的な事故により死亡し、レシピエントマウスを購入しなければならない場合には対処できない。緩慢凍結により保存する方法が取られることもあるが、プログラムフリーザーを必要とするので容易に行えるものではない。これらに対処する方法として、また卵巣の低温輸送の実用化を考え、今回はマウス卵巣の短期間の保存を検討することにした。蛍光励起ライトで可視化できるC57BL/6-Tg(CAG-EGFP、以下GFPマウス)5週齢から卵巣を採取した。レシピエントマウスには8週齢のC57BL/6を用い、1個の卵巣を2つに分けて1匹に移植し、回復後にC57BL/6雄マウスと交配し産仔を得た。確認は産仔が、GFP発光するものはドナーマウスであるGFPマウスの卵巣由来と判断した。低温保存の検討は2段階で行い、実験(1)は、生理食塩水、胚の培養に用いるKSOM液、胚の凍結保存剤であるDAP213液、ミネラルオイルを選択して行った。選択した液を1cc入れたチューブの中に、1匹のGFPマウスの卵巣を入れ4℃で12時間保存した。保存後は、室温の生理食塩水で洗浄した後に移植した。この結果により保存液を決定した。実験(2)は、保存液としたものに実験(1)と同様に卵巣を入れ、4QCで24時間、48時間、72時間保存後に移植し保存期間を検討した。なお、対照として保存時間0時間の卵巣を移植した。実験(1)で使用した4種類の保存液では、卵巣を生理食塩水に入れ4℃で12時間保存したものと、コントロールでのドナーマウス由来のGFP仔マウス出生率が34.2%と35.6%と差が少なかったことと出産したレシピエントマウスの数でも、それぞれ6匹と7匹と差が無いことより、生理食塩水を保存液として使用できることが確認できた。実験(2)より24時間保存での出生率は24.4%、48時間のものでは19.8%との結果が得られたこと、72時間保存したものでは出産が確認できていないかったことより、卵巣の4℃での保存は48時間以内と考える。
著者
御前 慶造
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山醫學會雜誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.39, no.446, pp.306-310, 1927

正常家兎竝ニ萄葡糖注入ニヨリ過血糖ヲ惹起セシメタル家兎ノ胃,小腸竝ニ盲腸ヨリBanting u. Bestノ變法ニヨリ抽出セル物質ヲ健康ナル正常家兎ニ注射シソノ血糖量ニ及ボス影響ヲ檢シ次ノ結果ヲ得タリ.<br>1) 過血糖家兎ノ胃及ビ小腸粘膜抽出物ニハ「インシュリン」樣物質ヲ認メザルモ,正常家兎盲腸抽出物ハ僅微ナル血糖降下作用ヲ有ス.<br>2) 過血糖家兎ノ盲腸ヨリ抽出セル物質ハ稍著明ナル血糖降下作用ヲ有ス.<br>3) 過血糖時家兎盲腸粘膜ニ糖原質ノ生成ヲ見タル藤原氏ノ實驗ヨリ此處ニ「インシュリン」樣物質存在シテ糖原質ノ合成ニ關與スルモノト考へ得べシ.
著者
河合 秀樹 大野 淳 岩下 由佳 横井 朋子 中尾 彰宏 山本 順一郎 前田 伸治 坂野 章吾 尾崎 行男
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1212-1218, 2010 (Released:2012-04-21)
参考文献数
19

症例は68歳, 男性. 2008年8月ころより下腿浮腫, 2009年4月に入り浮腫増強, 発熱, 労作時息切れを認め, 同月下旬, 当院内科初診. 著明な心嚢水および両側胸水を認め, 同日精査加療目的で入院. 入院後, 胸腔・心嚢穿刺そのほか, 各種精査行うも原因不明. 採血にて抗核抗体1,280倍, 抗DNA抗体300倍など, 膠原病を示唆する所見を認めたが, 臨床的には非典型的であった. 診断的治療目的で抗生物質, 次いで, 抗結核薬を投与するも奏効せず, 感染性漿膜炎は否定的と考えた. 各種検査結果と臨床経過より, 稀な疾患ではあるが高齢発症ループスの可能性が高いと考え, ステロイド投与を開始したところ, 徐々に症状改善し, 心嚢水, 胸水とも減少を認めた. 各種精査を行っても原因のはっきりしない漿膜炎にたびたび遭遇するが, その中に本疾患が潜在している可能性があると考えられる.
著者
前田 潤治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.229-230, 1995-09-20

動画像を扱うアプリケーションでは、その膨大な情報の圧縮技術が必須となる。動画像情報圧縮技術は大きくは通信系と蓄積系に分類されるが、本稿ではリアルタイム性を要求される通信系に焦点を当てる。現在、動画像圧縮技術はMPEG-1,2、H.261など、内容が何であろうと画面を正方形のブロックに機械的に分割し、その正方形ごとに個別に処理を加えるブロックベースのものが全盛である。(これらの標準では、処理の内容によって対象となる正方形は、厳密には「ブロック」「マクロブロック」などと呼び方が変わるが、本稿ではこれらをまとめて単に「ブロック」と呼ぶことにする。)これらの手法を特徴づける要素技術として二次元離散的コサイン変換(DCT)がある。DCTは注目しているブロック、または注目しているブロックと前のフレーム中にある参照ブロックとの差分を符号化する技術であるが、計算時間、圧縮率、画質のいずれの観点からも、DCTを行なわずに済むものならその方が理論的には望ましい。具体的には隣接フレーム間のブロック同士の類似度が高ければ、時間的に前のブロックの情報のみを使うことによってDCTを省くことができる。しかし現実には、避け得ない雑音のために隣接フレーム間の類似度が不当に低く評価されてしまい、不必要なDCTが行なわれてしまう。そこで本稿では、雑音の悪影響を受けにくいフレーム間類似度判定法を提案する。
著者
前原 紀敏 中村 克典
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

「マツノマダラカミキリの分布の北限は、夏の夜の寒さが成虫の卵巣発育に影響することによって決まっている」という仮説を立て、マツノマダラカミキリの卵巣発育に対する温度の影響を室内実験で調べた。日中の気温が25℃であれば夜間の気温が15℃であっても、卵巣発育には影響しなかった。一方、日中の気温が25℃であっても夜間の気温が10℃にまで下がれば、卵巣発育が遅れ、成熟卵数が少なくなった。しかし、成熟卵が全くできないわけではないため、夏の夜の寒さが成虫の卵巣発育に及ぼす影響だけで分布の北限を説明することはできなかった。
著者
斎藤 崇雄 中村 哲也 メンショフ・イゴール 中村 佳朗 前田 一郎 内山 直樹 海田 武司
出版者
日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会年会講演論文集 (ISSN:13428004)
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.480-481, 2003-07-28
被引用文献数
1

The phenomena of ignition overpressure (IOP) has been simulated in two cases with the specific heat ratio γ=1.18 and γ=1.4. The former case assumes that a combustion gas fills the overall computational region, while the latter assumes air instead of the combustion gas. The objective of the present study is to investigate whether IOP is affected by the kind of gas. This simulation was performed for a solid rocket booster (SRB) of space shuttle. The time history of pressure rise at the nozzle inlet was taken into account by imitating the SRB ignition. The result with γ=1.18 shows good agreement with the data measured on the surface of STS-Ts SRB.
著者
前田 惟裕 佐藤 直樹 長谷川 義幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.1020-1026, 2010-12-01
参考文献数
18

国際宇宙ステーション(ISS)への有人輸送に関しては,米国ではスペースシャトル,ロシアではソユーズが使用され,中国では独自の神舟シリーズを成功させている.米国ではISSの運用延長とスペースシャトルの2010年の退役が決定された.日本では有人関連技術を習得するため,ISSに結合する有人宇宙実験施設JEM,宇宙ステーション補給機HTVの開発・運用が成功裏に行われ,各分野で大きな成果が得られている.米国では2010年4月にオバマ大統領から小惑星・火星への有人探査についての声明が発表された.宇宙用周波数調整会議(SFCG),国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)での検討に加え,我が国は将来有人技術の発展が必要と考えられるので関連事項について解説する.