著者
小頭 秀行 北原 武 前原 文明 高畑 文雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.24, pp.61-66, 2002-04-12

無線環境下においてTCP/IP伝送を行う場合,有線環境と比較して劣悪な通信状態が発生するため,伝送特性が著しく劣化することがある.その対策として,IP層の下位層に誤り訂正方式やARQ方式を適用する検討がなされている.本稿では,それら対策技術の中のARQ方式に着目し,ネットワークシミュレータnsにStop-and-wait, Go-back-N, Sclective Repeatの代表的な再送アルゴリズムを実装し,無線回線におけるTCPスループット特性を取得するとともに,ARQ方式によるTCP性能の改善効果を明らかにする.
著者
村田 菜穂子 前川 武 山崎 誠
出版者
大阪国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

今昔物語集・(1)キリシタン資料(天草版平家物語・天草版伊曽保物語・日葡辞書)、(2)狂言(天正狂言本、狂言六義、狂言記、虎明本狂言集、虎清狂言本)から形容詞を採取する作業を行い、抽出した各見出し語の認定についての検討および用例数の再点検を行うとともに、新たに採取された形容詞については造語形式や結合タイプ・副次結合の度合い等の語構成論的分析を行った。そして、これに基づき、語彙表を作成した。また一方で、これまで取り上げてきた上代形容詞および中古形容詞について、いくつかの計量的分析を行い、これらの実態の考察を深めた。
著者
大石 克己 荒木 恒彦 前田 惟裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-09-05
被引用文献数
1

21世紀初頭以降、地球周回軌道上における宇宙環境利用、地球観測等の種々の分野で宇宙活動要求の増大が想定される。これらの要求に効率的に対応するためには従来の使い捨て衛星を個別に開発するのではなく、軌道上での補給・交換・組立・回収等のサービスを行う軌道上サービスシステムの概念が有効になる。前回95年3月の信学会総合大会では、21世紀初頭以降における段階的なシステム構築の一環として位置づけられる軌道上サービス実験衛星システムに係わる宇宙開発事業団構想の研究結果を報告したが、本稿では、この実験システムを構成する種々の宇宙機の概念および開発構想について述べる。
著者
田野 英一 牧野 秀夫 前田 義信 パークス ドナルド N.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.82, pp.35-40, 1999-05-21
被引用文献数
4

GPSは, GPS衛星からの電波を受信することで受信機の位置を測位するシステムである. 本報の位置案内装置は, 視覚障害者がGPS受信機を装着し, そのGPS受信機から出力された位置情報を元に, 当該位置の地名, 建造物名等を音声で確認することができるものである. 我々は, このGPSを用いた視覚障害者用屋外位置案内装置を試作し報告してきた. しかし, 従来の試作装置はいわゆる単独測位であったため, 測位誤差は最大で100mほどであった. 今回この測位誤差を軽減することを目的として, FM-DGPSを採用した装置を試作し, その評価を行なった. その結果, 測位誤差を最大でも10mに軽減することができた. また従来は, 視覚障害者は前述のGPS受信機の他に携帯電話を携え, 地図情報を内蔵したパーソナルコンピュータを有する基地局と交信することで, 案内情報を取得していた. 今回は, GPS受信機とパーソナルコンピュータを接続して視覚障害者が携帯する方式と, 開発初期の方式との併用型とした.
著者
前田 淳
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-27, 1996-04-25

信託公社の解体直後,1995年1月1日,同運営評議会議長(Vorsitzender des Treuhandanstaltsverwaltungsrat)マンフレッド・レーニングス(Manfred Lennings)は,「東独はヨーロッパ有数の成長地域に数えられるであろう」と述べ,信託公社の4年半に及ぶ業績を最大限に自負した。さらに,「『かつての手を焼かせる子供』であった東独工業は1995年も昨年同様,20%の高い成長率を示すであろうし,そのことで旧東独時代の生産水準に到達するであろう」(傍点は引用者)と付言している。しかし,彼の主張を冷静に判断するならば,信託公社が1990年6月17日, 旧東独で産声を上げ,1994年12月31日,その任務を終了し,解体されるまで,旧西独連邦政府,企業,就中,銀行の全面的バックアップを受容したにもかかわらず,4年半の時間を消費しても尚,旧東独の経済水準には到達しえなかったことになる。我々はこの客観的事実を率直に認識すると同時に,その過程及び東独地域経済の苦境の原因の究明を分析の目的として措定する。特に本稿では,信託公社の中核業務である民営化の準備過程-1990年代-に注目し,同過程整備の方法及び特質を詳らかに考察し,その論点を明確にした。その際,通貨同盟締結が同過程に多大なるインパクトを与えている点を強調した。具体的には,信託公社による(1)人民所有企業から資本会社への転換業務,(2)通貨同盟締結を直接的契機とする財務的支援,(3)取締役会・監査役会の設置の3点を中心に検討した。(2)に関しては,さらに第3階梯に分割し,各々の内実と意義を明確にした。(3)については,両機関の機能を支援する意味での経営コンサルティング会社と銀行の役割と重要性も同時に強調した。
著者
前田 敏 松田 弘行 中島 興一 岸 信夫
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.87-92, 1967-08-28

西南暖地における牧草の夏枯れ対策の一環として,ローズグラスを牧草地に追播し,年間飼料生産の均衡化を検討した。更新後2年めのオーチャードグラス,ラジノクローバー,レッドクローバーの混播草地に昭和40年7月3日,3番刈り時に1.5kg/10aのローズグラスを追播した。追播前の草地処理は無処理,ハロー掛け,耕起の3通りとし,無処理区はさらに堆厩肥施用区と生鶏糞施用区とに分けた。これら各区に対照区を加えて全部で5区を設けた。年間の刈取り回数は6回で,ローズグラスは5番刈り以後は枯死したので,同グラスの混在は4,5番刈りに限られた。対照区の年間収量は5,000kg/10aであったが,その収量の季節分布は1〜3番刈りまでの春季の刈取りで年間総収量の8割近い収量を認め,それ以後,夏,秋の4,5,6番刈りでは2割を得たにすぎない。これに対し,ローズグラス追播区では,対照区における収量減退期に約2,000から5,000kg/10aの増収を認め,年間総収量は7,000〜10,000kg/10aに達した。なお,このローズグラス追播による収量増加は追播下の草地攪拌処理が強いほど著るしい。他方,北方型牧草はこれに応じて圧倒され減少する傾向がみられ,特にマメ科牧草の損失はいちじるしく,完全に消失する区もみられたが,オーチャードグラスはかなり残存することがわかった。ローズグラス枯死後,裸地が出現したが,その面積は最大8割にも達した。なお,ローズグラスによる収量増加の程度と同グラス枯死後の裸地歩合との間には相関がみられ,収量増加が多いほど裸地歩合は加速的に増大することがわかった。この裸地面積は冬期間ほとんど変化せず,4月下旬に至って裸地歩合の小さい区では,裸地のほとんどが残存個体によって再び埋められた。他方,裸地歩合の大きい区では残存個体の密度が小さく,しかも,それら個体の生理的衰弱もはげしく,春の生育も貧弱で,それに乗じて雑草が旺盛に繁茂し,急速な草地の荒廃が認められた。
著者
塩田 邦郎 高橋 英司 遠矢 幸伸 明石 博臣 高橋 英司 前田 健 宮沢 孝幸 塩田 邦郎 堀本 泰介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

ネコ免疫不全ウイルス(FIV)は、後天性免疫不全症候群(エイズ)様症状のネコから分離され、ヒト免疫不全ウイルスと同じくレトロウイルス科レンチウイルス属に分類される。本研究はFIV感染防御上大きな役割を担っていると考えられるCD8陽性細胞およびNK細胞を中心に、そのphenotypeと抗FIV活性を解析することを目的としている。当該研究期間において以下の項目について研究を行い、新たな知見を得た。1.NK細胞マーカーの解析:ネコFcγRIII-Aの膜貫通型分子のクローニングとネコCD56抗原のバキュロウイルス組換え発現に成功した。CD56についてはモノクローナル抗体(MAb)も作製した。2.CD8α+β-or low細胞群の解析:ネコCD3εを組換え発現させた蛋白を抗原としてMAbを作製し、FIV増殖抑制活性を有するCD8α+β-or low細胞群のフローサイト解析に用いた。その結果、当該細胞群はT細胞系であると考えられた。3.ネコCD2の性状解析:免疫応答において重要なT細胞表面抗原CD2のネコホモローグをクローン化してその塩基配列を決定した。解析したcDNAには1008塩基対の翻訳可能領域が含まれており、336アミノ酸をコードし、その配列は他の動物と46〜57%の相同性を有していた。さらに、抗ネコCD2MAbを作製したところ、得られた抗体はネコCD2のEロゼット形成を阻止し、フローサイトメトリーによるネコ末梢血中のCD2陽性細胞の検出に有用であることが示された。4.ネコCD11aの抗体作製:CD2と同様、免疫応答に重要な接着分子CD11aのネコホモローグのcDNAをバキュロウイルスにより組換え発現させ、抗ネコCD11aMAbを作製した。T細胞の活性化に伴うCD11aの発現量増加が認められ、ネコ末梢血中の活性化T細胞の解析に有用であった。
著者
杉本 明 氏原 邦博 前田 秀樹 下田 聡
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会九州支部会報 (ISSN:02853507)
巻号頁・発行日
no.67, pp.52-54, 2001-05-15

琉球弧におけるサトウキビの安定多収栽培実現の主な障害は, 収穫後の萌芽が不良で株出しの生産力が低いこと, および, 台風, 干ばつ被害を受けやすいことである. 琉球弧の気象条件に適応性の高い栽培法を確立するために, 秋植え・秋収穫による1年1作株出し多収栽培法成立の可能性を検討した. 極早期型高糖性品種を用いた秋植えは, 気象災害に比較的強い夏植えと同様の生育経過を辿り, 1年後には収穫しうる糖度に達する可能性が高い. 秋収穫における萌芽時の地温は, 冬収穫時の地温に比べて萌芽適温に近く(宮里 1986, 杉本 2000), 既存の品種を10月に収穫すると, 株出し栽培の萌芽・初期生育が改善されて梅雨時期には生育旺盛期に達することが報告された(杉本 2000). 梅雨前に大きく生長したサトウキビは梅雨の降雨を最大限に利用して旺盛に生育し, 多収になるとともに, 土壌表面の植物被覆により, 土砂流出抑制への貢献も期待される. 本報告では, 収穫時期の異なる1年栽培の株出しサトウキビに認められる蔗茎収量および可製糖率に関連する特性の差異を報告する.
著者
前川 泰之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.386, pp.1-6, 2009-01-14
被引用文献数
2

1988年から2006年にかけて大阪電気通信大学(大阪府寝屋川市)において測定されたKa帯とKu帯衛星電波の降雨減衰長期統計について、それらの周波数スケーリング特性の年変動に注目して、詳しく解析を行なった。各年のKa帯とKu帯降雨減衰量の累積時間率分布における等時間率値の比率は±10%以上の変動を示し、ITU-R勧告による周波数スケーリング法に対してかなりの誤差が発生することが分かった。過去19年間の500例近い降雨事象の前線種別を調べた結果、夏季の夕立発生頻度に加えて梅雨期と秋雨期における停滞前線の雨滴粒径分布の差異が、減衰比の年変化の大きな要因であることが示された。そこで代表的な3種の雨滴粒径分布を降雨事象毎に指定してKu帯BS電波の減衰測定値から1分間隔でKa帯N-Star電波の減衰量を求めると、両者の累積時間率分布における周波数スケーリング精度の大幅な向上が示された。また梅雨期と秋雨期あるいは夕立等の特定の降雨タイプにおいて雨滴粒径分布を指定して推定を行うと、同様に精度の向上を見込めることが確かめられた。
著者
辻 裕 森川 敬信 蝶野 成臣 井前 弘幸 吉川 敏和
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.50, no.458, pp.2378-2385, 1984-10-25

まず,受圧板の直径がカプセル本体の直径よりも大きい実用カプセルに対応する流体抵抗式を導いた.つづいて,加速区間におけるカプセルの走行を,送風機の性能曲線およびバイパスからの空気流出を考慮し,運動方程式に基づいて解析した.さらに,終端を閉鎖した管路にカプセルを突入させ,空気の圧縮性を利用して停止させる場合についても運動を計算した.以上の結果,計算値が実験値に満足に一致することが確認された.
著者
吉積 将 永谷 直久 杉本 麻樹 新居 英明 前田 太郎 北崎 充晃 稲見 昌彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.91, pp.57-60, 2006-05-30

Galvanic vestibular stimulation (GVS) induces a sensation of virtual acceleration as vestibular information and affects subject's field of view. In particular, GVS with alternating current (AC) causes roll rotation centering on the direction of a look in subject's vision and it is showed that this phenomenon originates eye movement induced by GVS in the past researches. The purpose of this study was to show the quantitive relation between the amount of stimulus current and the angle of subjective tilt of the visual field. In order to achieve the purpose, we displayed a straight line canceling the subject's tilt and measured that amplitude and time delay from stimulus current.
著者
三隅 順子 前原 澄子 森 恵美 Misumi Junko Maehara Sumiko Mori Emi ミスミ ジュンコ マエハラ スミコ モリ エミ
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.16-22, 1996-06-28

本研究では,夫付き添い分娩において産婦の不安の軽減に効果のある夫の関わり方を明らかにすることを目的とした。対象は,研究協力の得られた25組の夫婦であり,医学的に問題のない18歳から35歳までの初産婦とその夫であった。産婦の不安を測定するために分娩中に主観的な不安と痛み,そして生理的指標として血圧・脈拍について測定し,また夫の関わり方については,極期において約90分の観察とコード記録を行った。その結果,夫の「手を握る」関わりの割合と産婦の状態不安の変化には相関(r=-0.66, p<0.05)があり,夫が産婦と共に過ごし「手を握る」ことは産婦の不安の軽減に役立っていたことがわかった。また,産婦の不安には産婦の性格や夫との関係が影響していることが考えられた。The purpose of this study was to evaluate the effects of husband's attendance attitude to reduce maternal anxiety in labor and delivery. The subjects who expressed informed consents were 25 married women and their husbands. Women were 18 to 35 years old primiparas, with no complicating medical or obstetrical conditions, and no physiological and psychosocial ploblem. In order to measure maternal anxiety, the self reported anxiety and labor pain were provided during labor and delivery. And also blood pressure and puls were measured. Husband's attendance attitude was observed and coded about 90 munites at labor room. Finding was that husband's attitude as ""taking wife's hand"" was beneficial effects to reduce maternal anxiety. This means that it's very important that husband stay with wife with feeling the sympathy of her experience. And characters of women and marital adjustment were produce effects on maternal anxiety.