著者
三品 美夏 渡邊 俊文 藤井 康一 前田 浩人 若尾 義人 高橋 貢
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.989-993, 1997-11-25
被引用文献数
8

麻布大学附属動物病院に来院した犬152頭 (正常群102頭, 腎疾患群13頭, 心疾患群37頭) に対し, オシロメトリック法を用い, 最高血圧, 平均血圧, 最低血圧, 心拍数の測定を行った. オシロメトリック法で測定した血圧および心拍数は, 正常群では測定回数を重ねるに従い低下し, 安定する傾向が認められた. 前腕部と尾根部において血圧および心拍数を測定したところ, 両者間での測定値に有意差は認められなかった. 性差に関して雄は, 雌に比較して有意 (p<0.05) に高値を示した. 年齢と血圧の関係は認められなかった. 正常群および疾患群の心拍数と血圧の検討では, 各群間で心拍数には差は認められなかったが, 最高血圧, 平均血圧, 最低血圧のすべてにおいて正常群, 心疾患群に比較して腎疾患群は有意 (p<0.05) に高値を示した. このことから, 犬における腎疾患の症例では高血圧が発症していると考えられた.
著者
前田 優 小林 三世治 真柄 俊一
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.229-237, 1990-12-15

保険診査時の血液検査の一項目としてフルクトサミン(FA)を導入した。FAは採血時の1-3週前の平均血糖濃度を反映しているといわれている。今回,糖尿病などの糖代謝異常疾患の医学的選択資料のひとつとして利用できるかを検討した。過去ならびに現在に尿糖陽性,糖尿病,およびその疑いのあった153例のうちFAが異常値を示したものは51例であった。FAとヘモグロビンA1(HbA_1)との相関係数は0.828と強い関連を認めた。尿糖(±)以上の群ではFA,HbA_1の平均値はすべて異常値を示し,尿糖(-)群でもそれぞれ17%,15%の例で異常値を示した。今日までに血糖コントロールの指標としてHbA_1の信頼性は十分確立されてきた。しかし,生命保険診査という限られた状況において,他の生化学検査と同一試験官で採血できるFAで,HbA_1と同程度の情報を得られるなら,利便性,コストの面からFAの方がメリットがあると考えられる。
著者
山下 英生 上甲 達也 中前栄八郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.570-580, 1991-05-15
被引用文献数
5

数値解析シミュレーションの対象はより複雑化 多次元化し 解析結果の可視化の必要性はますます増大している.3次元交流定常場における磁束密度と渦電流のように 相互に作用する物理量は時間の経過とともに複雑な振舞いをする.このような二つの物理量の相互作用の理解のためには 両者の時空間における現象を 同時に観察することが望ましい本論文では 交流定常場における1サイクル間の瞬時密度分布の観察に グラフィックスワークステーションを利用した可視化法について提案する.すなわち 密度分布の瞬時値の高速算出法を用いて 相互に作用する物理畳を観察する三つのステレオ表示法を提案し 相互作用の観察を容易にする操作性に優れた会話処理機能について提案している.本可視化法の特徴は以下のとおりである.(1)相互に作用する複数の物理量に関して 時間的変化を観察するためのアニメーション表示 異なる時刻の相違を観察する並列同時表示 および指定された2時刻における密度分布の微妙な差を観察する切り替え表示法が準備されており 観察者は必要に応じて適宜速やかに辺択できるので 相互作用の詳細な観察が可能である.(2)時間的に変化する3次元空間の相互作用を 観察者のその時々の意志のおもむくままに 自在に かつ即応的に 望む方向および距離から 望む断面の分布状況を観察できる操作機能を持っている.
著者
前田 恵助 山本 里美 小林 千洋 石井 浩子 上田 雅彦 築野 卓夫 入江 正和
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.179-187, 2007-05-25
被引用文献数
2

未利用資源の有効利用のため,米ヌカからの米油精製過程で産出される副産物から調製された植物性油脂製品であるライストリエノール<SUP>TM</SUP>(築野食品工業,和歌山)を飼料に添加し,白色レグホン種系採卵鶏の生産性と卵黄中のビタミンE,コレステロールなどの脂質成分に及ぼす影響を検討した.飼料にライストリエノールを0.5%添加した鶏群をライストリエノール区とし,無添加のものを対照区とした.各区50羽とし,151日齢から517日齢まで不断給餌した.適宜,採卵と採血を行い,試験終了時にニワトリの肝臓を採取した.鶏卵は卵黄中のコレステロール,チオバルビツール酸反応生成物(TBARS),トコフェロール,トコトリエノールを測定し,血清および肝臓中のコレステロール,トリグリセライドを測定した.ライストリエノール区では対照区に比べ,血清中のコレステロールおよびトリグリセライド濃度は変化しなかったが,卵黄中のコレステロール濃度が平均約14%低下した(<I>P</I><0.05).また,卵黄中のトコフェロール,トコトリエノール濃度はライストリエノール添加により420日齢では約2.8倍に増加し,卵黄中のTBARSは52%減少した(<I>P</I><0.05).とくに,それらの効果は日齢を経た鶏卵で顕著であった.産卵率,産卵日量,飼料要求率,卵白高,ハウユニット,卵殻厚にはライストリエノール飼料添加による有意な影響はみられず,ライストリエノール給与で卵重がやや増加し,卵黄色の明度ではL*がわずかに増加し,色度ではa*がやや減少した(<I>P</I><0.05).以上のことからライストリエノールの飼料添加により,卵黄中のコレステロール濃度がやや低く,ビタミンE濃度が高く過酸化脂質の少ない鶏卵を生産性に悪影響なく得られることが示された.
著者
前川 貞次郎
出版者
史学研究会
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-37, 1952-05
著者
前川 貞次郎
出版者
日本書院
雑誌
歴史教育 (ISSN:0557837X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.12, 1958-12

1 0 0 0 OA 北清事情大全

著者
前田政四郎 著
出版者
川流堂
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1903
著者
樫村 修生 川野 因 田中 越郎 前田 直樹 関口 健
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.119-124, 2004-12

本研究では,箱根駅伝出場をめざす大学陸上競技長距離選手において,短期的な高所トレーニング合宿時の栄養調査およびHb濃度測定を実施した。ヘモグロビン濃度は8名が低下傾向を示す,いわゆる貧血症状であった。貧血傾向にある選手にヘム鉄剤を服用し,貧血の改善が可能かどうか検討した。その結果,鉄剤服用選手は,合宿直後および2週間後においてヘモグロビン濃度が改善された。また,合宿前のHb濃度は,1年生が4年生の濃度より有意に低かった。また,本合宿時における1日の鉄分摂取量は平均10.5mgであり,不足気味であった。我々は,貧血検査,鉄剤服用および栄養改善などの貧血予防対策により箱根駅伝出場を果たすことができたと推察する。
著者
大前 百子 塩野 英昭 澁谷 昌孝 渡邉 真哉 五十嵐 孝義 齋藤 仁弘 西山 實
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.133-140, 1996-02-01
被引用文献数
3

本実験はクラウンの合着時の浮き上がり量を最小限に抑える目的で,市販のグラスアイオノマーセメントの粉末を超微粉砕機によって微細化した微粉末セメントの諸物性を検討したものである.この結果,物理的性質の観点からは微粉末セメントは,被膜厚さの改善が認められたが,圧縮強さは低下し,硬化時間はやや延長した.また金型を用いたクラウンの浮き上がり量は大幅に改善され,保持力は市販品と同程度の値を示した.