著者
谷 直樹 風間 一洋 榊 剛史 吉田 光男 斉藤 和巳
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.31-41, 2017-06-28

Twitterは現実世界の状況を把握するソーシャルセンサとして活用されており,位置情報が付加されているジオタグ付きツイートを用いた人間の移動や観光地情報の分析がさかんに行われている.本論文では,ジオタグ付きツイートを内容や移動速度,移動距離などの条件に基づいて選別・集積して得られる位置情報から,それらの発言者たちが共通で利用している交通路を抽出する方法を提案する.実際には,まずツイート投稿中またはその前後にユーザが移動したと推定されるツイート群を抽出し,対象地域を細分化した矩形領域内のツイートをHough変換して,交通路の断片である近似線分群を求める.次に,連続していると推定される近似線分をグループ化して,3次スプライン曲線で近似・補間することで,連続した交通路として抽出する.実際に,JR山手線周辺の領域の抽出結果を可視化して,提案手法の特徴を分析する.また,特に鉄道路線に着目して,国土数値情報鉄道時系列データと比較することで,提案手法を評価する.さらに,動的に生成される経路抽出の応用例として,桜並木に沿って移動する花見客の経路を分析する.
著者
三上 剛史
出版者
日仏社会学会
雑誌
日仏社会学会年報 (ISSN:13437313)
巻号頁・発行日
no.21, pp.33-43, 2012-03-31

Dans cet expose, nous reflechissons sur la societe des risques d'apres le 11 mars, dans la perspective de l'opposition entre le diabolique et le symbolique concernant la construction sociale. La societe moderne a apprivoise et meme <<adore>> des risques, a travers la suprematie de sa conception sociale symbolique. Dans la societe actuelle toutefois, ce symbolisme moderne perd sa pertinence, tandis que l'apparition des <<nouvelles risques>> entraine le cote diabolique, qui ne peut etre integre dans la ancienne conception symbolique. La catastrophe du 11 mars et surtout l'accident dans la centrale nucleaire nous obligent de distinguer des risques le <<danger>>. Nous sommes aussi forces d'observer attentivement la dimension fonctionnelle de la societe de surveillance, tout en doutant sur la fiabilite de la notion de <<confiance>>. La societe des risques <<authentique>> a ainsi besoin de tenir en compte le cote diabolique qui vient de surgir. Afin d'enrichir telle argumentation, nous introduisons d'ailleurs l'optique de la sociologie francaise (Durkheim, auteurs foucaldiens, ...) sur <<solidarite et integration>>, et celle de la sociologie allemande (Simmel, Luhmann, ...) sur <<association et dissociation>>. L'important comme concept-cle dans cet expose, c'est l'opposition entre le diabolique (ce qui entraine dissociation et particularisation) et le symbolique (ce qui entraine association et solidarite). On pourrait dire que leur equilibre dans le symbolisme moderne a permis de creer le <<social>>, mais dans le contexte actuel, on peut trouver plutot leur desequilibre, comme le montre tout simplement le <<danger>> qui surgit a partir des risques.
著者
風間 一洋 鳥海 不二夫 榊 剛史 篠田 孝祐 栗原 聡 野田 五十樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

東日本大震災は日本に長期間に渡ってさまざまな影響を及ぼした.本稿では,Twitterにおいて震災に関連した話題に用いられた単語を抽出し,それらの単語と他の単語との関係の時系列的変化を分析し,震災発生から時間が経過するごとに,どのようにユーザの関心が変化していったかを推定する.
著者
羽鳥 剛史 関 克己 小林 潔司 湧川 勝巳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_83-I_102, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
36
被引用文献数
1

火山災害により危機的事態が発生した場合,危機管理を担当する意思決定者には通常モードとは異なる状況判断や意思決定基準を採用することが求められる.本研究では,火山災害に関わる危機管理の現状と課題を考察した上で,有珠山噴火の事例を踏まえて,火山災害時の危機管理問題が災害ステージの時間的展開に応じて変化することを指摘し,各ステージの意思決定問題について検討する.さらに,危機管理に関わる意思決定モードとして,通常時と非常時の2つの意思決定モードについて考察する.その上で,災害ステージの展開に対応して意思決定モードを変更するための高次の意思決定原則(メタ原則)について検討し,メタ原則の下,危機管理に関わる討議システムを基盤として意思決定モードの選択を正統化するための規範的枠組みについて考察を試みる.
著者
小野 泰介 曽根 龍太 井田 剛史 平野 廣和 佐藤 尚次
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_169-I_174, 2014 (Released:2014-07-15)
参考文献数
15

東北地方太平洋沖地震において,上水道配水施設での矩形貯水槽の破損被害が多数報告され,多くの場合,壁面が破壊されている.このような貯水槽の被害は,やや長周期地震動により励起されたスロッシング現象(液面揺動の励起)が原因の一つとされている.そこで本論文では,実機貯水槽を大型振動台で加振実験を行い,壁面に作用する力を圧力計を用いて計測すると共に,加振方向の変化,加振時間の変化と加振振幅の変化によりスロッシング挙動が貯水槽壁面に与える影響を検討した.この結果から,加振方向角45°の場合に動液圧の作用力で貯水槽の隅角部ならびに天井付近が構造的に弱点となる可能性が高いことを把握した.
著者
桝田 秀夫 小川 剛史 町田 貴史 中澤 篤志 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1239-1248, 2008-03-15
参考文献数
15
被引用文献数
1

教育用計算機システムでは,多数の利用者に対して各種のアプリケーションが動作する一様な計算機環境を,できるだけ低いTCO (Tota1 Cost of Ownership)で実現する必要がある.運用コスト削減のためには,故障時に素早い復旧が可能であることだけでなく,そもそも故障しにくい構成をとることも重要である.本論文では,これまでの運用の中で最も故障の多かったバードディスクをクライアント上では使用しない,ディスクレス構成を用いたLinuxベースの情報教育システムの開発とその評価について述べる.また,予算措置の関係で導入時期や機種が異なる複数種類のパソコンを,一括して運用管理する必要性に対応するための構成上の工夫についても述べる.さらに,Microsoft Officeで作られた文書の激増に対して,互換性のあるOpen Office.orgやStarSuiteだけではなく,0SとしてのMicrosoft Windowsを運用せずに,Microsoft Office自体をCrossOver OfficeというWINEベースのエミュレータ上で稼働させることに挑戦している.これらの構成の設計・開発の経緯,ならびに導入後約2年間の運用実績と得られた知見について報告する.
著者
佐藤 亮佑 木村 浩 鳥海 不二夫 榊 剛史 風間 一洋 福田 健介
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

本研究のシリーズ報告である「(1)テレビ報道からツイッターへの情報伝播に関する分析」によって、テレビ報道とツイッターの間に関連性があることが示唆された。そこで本研究は、放射能を中心とした単語を含む情報に注目し、ツイッターとテレビ報道での放射能に関連する用語の共起構造を比較することで、ツイッターとテレビ報道との関連性を明らかにする。
著者
松本 剛史 佐藤 重穂
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.238-242, 2015-10-01 (Released:2015-12-23)
参考文献数
20

キバチ共生菌キバチウロコタケを人工的に接種したヒノキ丸太と対照丸太を2013年春期に野外に設置し, キバチ類に産卵させた。すると2014年度春期から夏期にかけてキバチ類が羽化脱出してきた。羽化脱出してきたキバチ類は全てオナガキバチであった。また, 羽化脱出してきたオナガキバチは全てキバチウロコタケ接種丸太からであった。産卵選好性の比較でも接種丸太を好んで産卵していることが明らかとなった。またキバチウロコタケ子実体発生丸太での成虫発生数が多く, 繁殖成功度も高かった。本試験によって野外においてもキバチ共生菌が接種された材を選好して産卵・羽化脱出していることが明らかとなった。
著者
榊 剛史 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年、ソーシャルメディアの爆発的な普及に伴い、ネット上に流通するクチコミの量は増え続けており、その種類も多様化している。本研究では、それらのネット上のクチコミに人物目撃情報が多数含まれていることに着目し、位置情報と共にそれらをリアルタイムに抽出・提示するシステムを試作した。本システムにより、ソーシャルメディアからのリアルタイムイベントの抽出の可能性を検証する
著者
橋本 千絵 古市 剛史
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.17-22, 2000 (Released:2009-09-07)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

We captured 26 males for marking with tattoo using a blowpipe dart containing anesthetic. Individuals shot with a blowpipe got temporarily disabled. When these individuals were released still being disabled, members of the same troop showed various attitudes toward them. Only young males of 5 to 9 years old received aggressive behaviors. Aggressors were also young males of 7 to 8 years old, and they showed both aggressive and affinitive behaviors against the disabled individuals. An adult male and adult females showed only affinitive behaviors, and they protected the disabled individuals from the attack by young males. Close and unstable dominance relationships might cause the aggressive interactions between young males.