著者
山崎 展博 北川 敏樹 宇田 東樹 栗田 健 若林 雄介 西浦 敬信
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.851, pp.17-00146-17-00146, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
16
被引用文献数
4

A method has been developed for predicting the aerodynamic noise from the bogie of a high-speed train using a two-dimensional microphone array in a low-noise wind tunnel. First, the mean velocity distribution of flow was simulated precisely in the low-noise wind tunnel. Next, aerodynamic noise generated by the bogie, hereinafter referred to as aerodynamic bogie noise, was estimated from the noise source distribution measured with the two-dimensional microphone array. Finally, based on the experimental results, the predicted noise generated from the lower part of the car (i.e. the total of the aerodynamic noise estimated through the proposed method and the rolling and machinery noise estimated in a previous study) was compared with the measurement data obtained near the track in the field test. It was found that the predicted sound pressure level showed good agreement with those measured in the field test. This suggests that the proposed method is appropriate to estimate the aerodynamic bogie noise quantitatively. It was also shown that the contribution of the aerodynamic bogie noise to the total noise generated from the lower part of the car is greater than that of rolling and machinery noise, especially below 500 Hz.
著者
大塚 俊昭 川田 智之 矢内 美雪 北川 裕子 菅 裕彦
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.78-78, 2011 (Released:2011-06-04)
参考文献数
30
被引用文献数
10 13

一職域男性集団におけるメタボリックシンドロームの発症率およびメタボリックシンドローム発症に関連する生活習慣因子の検討:大塚俊昭ほか.日本医科大学衛生学・公衆衛生学講座―目的:メタボリックシンドローム(MetS)の予防は職域健康増進活動における主要課題の一つである.そこで今回,我々は一職域男性集団におけるMetSの発症率およびMetS発症に関連する生活習慣因子の検討を行った. 対象と方法:対象は,神奈川県内の精密機器開発事業所における2005年度定期健康診断を受診し,本邦におけるMetSの診断に非該当であった男性社員948名(平均44歳)である.対象者の2006年度から2009年度の定期健康診断データを追跡し,MetSの新規発症の有無を調査した.2005年度の健康診断結果から,対象集団を腹部肥満の有無とその他のMetS構成因子(血圧高値,脂質代謝異常,空腹時血糖高値)保有数の組み合わせで分類し,各群におけるMetS発症率を算出した.また,生活習慣因子(食事内容,喫煙,睡眠,運動,飲酒)の相違によるMetS発症率を比較した.コックス比例ハザードモデルを用い,上記各因子からMetS発症リスク上昇を規定する因子を求めた. 結果:平均3.7年の追跡において,76人にMetS新規発症を認めた.MetSの年間発症率は2.2/100人年,カプラン・マイヤー法による4年発症率は8.5%であった.対象を腹部肥満の有無とその他のMetS構成因子保有数の組み合わせで分類すると,腹部肥満を認めずその他の構成因子を二つ以上保有する群で最も高い発症率(37.9%)を示し,これに腹部肥満を認めその他の構成因子を一つ保有する群が続いた(24.6%).年齢で調整したコックス比例ハザードモデルでは,「腹部肥満の保有」および「その他の構成因子数の1増加」はともにMetS発症に対する有意なハザード比の上昇を示した(5.23および4.79,ともに p<0.001).同様に,睡眠時間5時間以下,現在喫煙,およびエタノール摂取量300 g/週以上がMetS発症に対する有意なハザード比の上昇を示した.結論:本検討においては,腹部肥満を有する者のみならず,腹部肥満を有さずともその他のMetS構成因子を複数認める者においてMetS発症率は高率であった.また,睡眠不足,喫煙,および過剰飲酒がMetS発症リスク上昇に関わっていた.職域におけるハイリスク・ストラテジーに基づいたMetS発症予防対策を行うにあたっては,これらの病状や生活習慣を有する者を優先した活動の有用性が期待される. (産衛誌2011; 53: 78-86)
著者
北川 湧麻 満田 隆
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.851, pp.17-00107-17-00107, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
23

A flexible bag containing particles becomes rigid when the air inside the element is evacuated. Variable stiffness elements using granular jamming have been used for haptic displays and robotic orthoses helped by the soft and lightweight body. However, deforming variable stiffness elements causes wrinkles on the membrane, which decrease and destabilize the stiffness of the element. The wrinkles on variable stiffness elements are due to the non-stretchability of the outer membrane. A stretched membrane reduces wrinkles but decreases the stiffness of the element dramatically. This study suggests a wrinkle-free variable stiffness element with an outer membrane that is stretchable but rigid only when the air inside the element is evacuated. The amount of particles inside conventional elements limits the deformable range of the elements. On the other hand, the novel stiffness element can hold more particles without any loss of the deformable range, which increases the stiffness of the element. The stretchable outer membrane also reduces undesirable deformations of the element caused by wrinkles when the air inside the element is evacuated. The experimental results of this study confirm that the stiffness of the wrinkle-free variable stiffness element is greater and more stable than a conventional stiffness element.
著者
上谷弘平 田中成典 北川悦司 吉田博哉 中村健二
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.921-922, 2012-03-06

今日,SNSやアミューズメント分野において,デフォルメ顔画像が幅広く利用されている.しかし,既存のデフォルメ顔画像生成技術は,顔のパーツ作成や顔の特徴点を取得するのに手間とコストがかかる問題などがあるため,簡単にデフォルメ顔画像を生成することができない.そこで,本研究では,顔領域内の特徴点を自動取得することで,誰もが簡単にデフォルメ顔画像を生成できるアプリケーションの開発を目指す.さらに,デコメや名刺といった様々な用途での利用を想定し,デフォルメ顔画像に表情変化やアニメーションなどの効果を追加する機能も作成する.なお,開発には,手軽に素早くゲーム感覚で利用できるWindowsPhoneを用いた.
著者
矢野 真一郎 北川 洋平 谷口 弘明 西村 圭右 堂薗 俊多
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_721-I_726, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
10
被引用文献数
2

The Northern Kyushu Heavy Rain in July, 2012 caused very serious damages. The event also caused many drift woods disasters in river basins and coastal areas. This research focuses on transport of drift woods in the Ariake Sea due to the rain event. Numerical simulation of their transport by 3D hydrodynamic model (DELFT3D) combined with assumed drift woods tracking model and comparison between the calculation result and collection data by Ministry of Land, Infrastructure Transport and Tourism were conducted. From the result, the followings were clarified: 1) total drift woods volume of discharged from all rivers into the sea was estimated as 17,500m3; 2) volume of discharged drift woods from each A-class river was estimated; 3) relationship between the volume and specific maximum river discharge was evaluated.
著者
吉田 省造 岡田 英志 土井 智章 中島 靖浩 鈴木 浩大 田中 卓 福田 哲也 北川 雄一郎 安田 立 水野 洋佑 宮﨑 渚 森下 健太郎 牛越 博昭 竹村 元三 白井 邦博 豊田 泉 小倉 真治
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.129-135, 2015

症例は50歳代の男性, キノコ狩りに行きキノコを焼いて食べた翌日に下痢・嘔吐などの消化器症状を自覚し近医を受診. 血液検査にて肝逸脱酵素上昇を認め入院となった. 翌日の採血で肝逸脱酵素の著明な上昇 (AST 5,000台, ALT 5,000台) を認め, 当院に搬送となった. 問診によりドクツルタケ摂取による肝障害を疑った. 入院当日より肝性脳症を認め, 昏睡型急性肝不全と診断. 挿管・人工呼吸管理として, 肝不全治療と同時に毒素除去, 高分子除去を目的として急性血液浄化療法を行った. 入院5日後に肝性脳症は改善し呼吸状態は良好で抜管, 経過良好にて入院9日後に転院となった. ドクツルタケ中毒における血液浄化療法は否定的な意見が多いが, 今回は肝不全を呈したドクツルタケ中毒に対し, 血液浄化療法を行い救命し得た. ドクツルタケの中毒を疑った場合には, 早急な血液浄化療法が有効である可能性が高いと考えられた.
著者
北川拓 新井イスマイル
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2013-MBL-65, no.11, pp.1-8, 2013-03-07

スマートフォンの普及に伴い屋内ナビゲーションの需要が高まっているが,屋内では GPS が利用できず,それに代わる測位手法が確立されてないため普及に至っていない.そこで本研究では,数ある屋内測位手法の中からデッドレコニングを選択し,その課題として方位推定に着目した.既存の手法では加速度・地磁気センサを用いて方位推定を行なっているが,屋内では鉄筋の帯磁や電気機器の磁気作用等が原因で実用的な方位推定ができない.そこで本研究では,近年スマートフォンに標準搭載されつつあるジャイロセンサを用いることでこの方位推定精度の向上を目指す.提案手法の概要として,スマートフォン内蔵センサ特有のノイズに対してはローパスフィルタを適用することで対処し,ジャイロセンサのオフセット誤差については歩行者の直進状態を検出し,その期間の角速度値を 0 に補正することで誤差の軽減を図る.大阪・梅田周辺地下街で測位実験した結果,加速度・地磁気センサを用いる既存手法に対しては 24 %,角速度データを補正せず積分する手法に対しては 81 %の方位推定精度の向上が得られた.
著者
小田 浩伸 北川 忠彦 糸永 和文
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-12, 1991-06-30

精神薄弱養護学校小学部児童48名を対象に、坐位及び立位における姿勢の実態分析を行った結果、全児童の97.9%になんらかの歪みや不適切なパターンを持つことが明らかになった。そして歪みや不適切なパターンは年長になっていくほど顕著になっていく傾向があり、また行動に問題がある児童の姿勢は、特に歪みや不適切なパターンが顕著であった。そこで、17名の児童に姿勢指導として動作訓練を週3回、1回あたり5〜10分間のマンツーマン指導で適用した結果、顕著な姿勢改善及び改善された姿勢の定着がみられた。これは姿勢指導としての動作訓練の取り組みが、自己の統制から離れたものになっていた姿勢緊張を随意制御下におくことができるようになり、身体各部相互の関係の自己制御獲得に役立ったものと考えられる。また姿勢の改善に伴い行動の変化もみられたが、姿勢の制御過程における自分の身体への能動的働きかけが、主体的態度(構え)を形成し、行動の制御をもたらしたのではないかと考えられる。
著者
北川 洋子
出版者
創価大学
雑誌
創価教育 (ISSN:18827179)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.162-192, 2008-03
著者
北川 尚史
出版者
日本蘚苔類学会
雑誌
日本蘚苔類学会会報 (ISSN:02850869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.21-22, 1977-08-10
著者
阿部 和正 北川 純 中久木 一乘
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.343-350, 2014-07-30

タバコの煙はさまざまな疾患のリスクファクターである.歯科保健指導の担い手である歯科医師のタバコ問題への理解は,社会的に重要であることから,禁煙の啓発活動には歯科医師の考え方の把握が不可欠である.そこで,日本歯科医師会ならびに47都道府県歯科医師会を対象にタバコ問題に対する考え方の現状について,アンケート調査を行った.対象は各都道府県の歯科医師会とし,調査は2012年10月に実施した.集計の結果,各都道府県歯科医師会館で開催される学会,セミナー・研修会および展示会会場での完全禁煙率は約90%と予想より高かった.しかし,それぞれのロビーでは約70%と低く,各懇親会会場ではさらに低い48%であった.会員喫煙率の調査率は実施予定も含めて12%ときわめて低く,禁煙への関心は低いものと考えられた.受動喫煙防止に関する「健康増進法」の認知度は94%と高かったが,「世界保健機関(以下WHOと略す)たばこ規制枠組条約(略称:FCTC)」は56%と認知度が低かった.同様に行った2003年および2004年の調査と比較したところ,9年間で歯科医師会敷地内および建物内の完全禁煙率は顕著に上昇していた.これらの結果から,各歯科医師会の禁煙に対する意識は大幅に進展しているものの,いまだに喫煙可能な場所が存在することや歯科医師会会員の喫煙率を把握していないことなど,改善すべき点が残されていると考えられる.
著者
北川 公路
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.6-10, 2009 (Released:2009-02-17)
参考文献数
3

本稿は平成20年7月に開催された宮城県理学療法士会主催の教育部研修会においておこなった講演会に加筆修正を加えたものである。心理学の行動分析学の立場から演題である「人間関係」について講演を行った。実際に仕事をしていくなかで人間関係における問題は数多く存在する。人間関係などで問題が生じたとき,多くの場合,自分自身や他者に問題の原因を求めようとする。そして原因を自分ではなく他者に帰属させる傾向がある。このようなことをしていても問題は解決しない。具体的に問題解決の方法を探すことが必要である。
著者
大家 利之 荒牧 勇 北川 薫
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.12060, (Released:2013-07-08)
参考文献数
22
被引用文献数
1

Purpose: Recovery condition is classified into two major categories during short-duration (<6 s) intermittent sprint exercise: active recovery (AR) and passive recovery (PR). Performance in passive trials is superior to active trials during short-duration intermittent sprint exercise. The effect of AR intensity on performance during short-duration intermittent sprint exercise remains unclear. The purpose of this study was to compare the effect of recovery conditions (active vs. passive) and exercise intensity of the recovery period on performance, as well as muscle oxygenation during short-duration intermittent exercise. Methods: Ten subjects performed a graded test and ten 5-s maximal sprints with 25 s of PR or AR between sprints on a cycle ergometer. Exercise intensity of AR was adjusted to 15% (AR15), 25% (AR25), or 40% (AR40) of maximal oxygen uptake (VO2max), and these were randomly assigned. Peak power and percentage decrement in power were determined during the intermittent sprint exercise. Oxyhemoglobin (O2Hb) and deoxyhemoglobin were also measured using near-infrared spectroscopy. Results: Peak power values were significantly higher with PR than with AR40 (P<0.05). The percentage of peak power decrement was significantly lower with PR than with AR40 (8.4±2.9% vs. 10.9±3.6%, P<0.05). O2Hb variation was significantly higher with PR than with AR40 (27.9±9.6% vs. 20.6±6.0%, P<0.05). Conclusion: AR40 is associated with reduced sprint performance and lower muscular reoxygenation. Performance with AR is not inferior compared with PR if AR is less than 25% of VO2max during short-duration intermittent exercise.
著者
北川 尚史
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-7, 1984-05-29

1982年7月から8月にかけて6週間、服部植物研究所の岩月善之助助博士と私はニューカレドニアとフィジーで野外調査を行った。文部省の科学研究費補助金によって服部植物研究所が計画・実施した海外学術調査である。調査隊のメンバーは私たちの二人だけで、対象をコケだけに限定した密度の高い念り多い調査であった。フィジーは次回のための予備調査で滞在期間も短かったが、ニューカレドニアでは存分に調査を行い、予想以上の成果を収めることができた。現地の研究機関(ORSTOM)と植物学者の全面的な協力のもとに、私たちが全島を駆けめぐり、キャンプを重ね、寸暇を惜しんで採集したコケの標本は4000点以上に達した。ニューカレドニアは西南太平洋の珊瑚海に浮かぶ、日本の四国とほぼ同じ面積を持つ海洋島である。脊梁には標高1000m前後の山脈が幾筋も縦走し、パニエ山(標高1628m)、フンボルト山(同1618m)など幾多の高峰が重畳として連なっている。低地は乾燥しているが、標高1000m以上の山岳地帯は比較的湿潤で、シダやコケが豊富である。古い地質時代に大陸から遠く分離し、隔離された環境下で、この島の植物はきわめて特異な分化を遂げた。植物相の特異性は特に種子植物に著しく、156科、680属、2750種の自生の種子植物のうち、属の16%、種の80%が固有である。ニューカレドニアのコケ相についても、HERZOGは「非常に美しく独自性の強いコケがこれほど集中していることはほとんど信じがたいほどであり、面積の狭さを考慮すれば、断然、地球上の多のいかなる地域をも凌駕する」と指摘している。私はニューカレドニアの苔類とツノゴケ類に関する文献を渉猟してこれまでに同島から記録されてきた種を網羅した。そして、その中から裸名を除き、異名を整理し、妥当な属への組合せを採用してチェックリストを作成した。その結果、従来ニューカレドニアから32科、94属、449種の苔類とツノゴケ類が報告されていることが判明した。そのうち、217種が固有で、種レベルの固有率は非常に高い(48.3%)が、固有の属はPerssoniella HERZ.の1属だけである。私たちのコレクションの約半分は苔類であるが、その中には若干の新種を初め、ニューカレドニアに未記録の種がかなりある。本論文ではそのうちの一つ新属新種Acroscyphus iwatsukiiを記載した。そして、この属をヤクシマゴケ科Balantiopsidaceaeに入れたが、この所属は未だ決定的ではない。この科の最も重要な特徴からは朔がらせん状にねじれた弁をもつことである-この重要な特徴を共有するという主たる理由で、GROLLEやSCHUSTERはかつてのヤクシマゴケ科Isotachidaceaeをバランティオプシス科Balantiopsidaceaeに含めた(したがって、その広い意味のBalantiopsidaceaeに対してはヤクシマゴケ科の和名が適用される)。Acroscyphus iwatsukiiの2点の標本が私たちのコレクション中に見出されたが。そのうちの1点(基準標本)には雌雄の植物体が揃っており、少数の胞子体も見出されたが、その胞子体は残念ながら若すぎるため、上記の科の特徴を確認することができない(他の1点はステリルであった)。しかし、配偶体のいくつかの重要な形質において、この新属はBalantiopsis MITT.およびNeesioscyphus GRO.に共通しているので、両属が所属する広義のヤクシマゴケ科の一員と見なした。この新属新種の産地、スルス山はニューカレドニアの西南部に位置する標高1000m余りの蛇紋岩地域の山岳で、Perssoniella vitreocincta HERZ., Acromastigum homodictyon (HERZ.) GRO., Nardia huerlimammii VANA &GRO., Haplomitrium monoicum ENGELなど、きわめて顕著な種のタイプ産地となっている-上記のうち、3番目の種は明らかにNardiaではなく、タスマニア産の単型属Brevianthus ENGEL & SCHUST.に類縁をもつと思われる新属の可能性がある(ステリルの材料に基づいて記載せれた種であり、私たちのコレクション中に雄の植物体が見つかったが、雌は見出されない)。
著者
中川 雅人 河野 篤 北川 博美
出版者
中部学院大学
雑誌
中部学院大学・中部学院大学短期大学部研究紀要 (ISSN:1347328X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.83-89, 2006-03

電子商取引に関する技術と知識の習得を目的として、2004年度より、中部学院大学短期大学部経営学科では「ネットビジネス」という科目を新設した。本論文は、この中で実施した「オンラインフリーマーケット」という実践的カリキュラムについて述べている。商品を販売するためのホームページを制作し、電子メールで交渉を行い、代金引換で発送する仕組みを用いて、安全に「モノ」と「カネ」を交換する仕組みを学習するためのカリキュラムを開発した。