著者
江嵐 充治 野口 昌邦 福島 亘 太田 長義 小矢崎 直博 北川 裕久 宮崎 逸夫 山田 哲司 中川 正昭
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.1522-1527, 1992
被引用文献数
1

最近,乳房切断術後,直ちに広背筋皮弁や腹直筋皮弁など自家組織を用いて乳房再建術を行う一期的乳房再建術が普及しつつあるが,予後に関する報告を見ない.今回,これら自家組織を用いて乳房再建を行った83例と乳房切断術のみを行った153例の生存率と非再発生存率を比較検討した.その結果,一変量解析で5年生存率および非再発生存率は乳房再建症例でそれぞれ92%, 90%,非乳房再建症例でそれぞれ92%, 86%であり,いずれも両群間に有意差を認めなかった.更に多変量解析で両群症例の背景因子を補正し検討したが,両群間に有意差を認めなかった.従って,一期的乳房再建術の有無は乳癌の予後に影響を与えないことが示唆された.
著者
水谷 誠 北川 啓介 金森 信道 麓 和善 若山 滋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.667, pp.1559-1567, 2011-09-30 (Released:2012-01-13)
参考文献数
15
被引用文献数
2

The study is based on the idea which is “Space enclosure” that encloses persons three dimensionally. The main purpose of the study reveals spatial characters of tea rooms which are very small but have colorful compositions. Also “Sight-Depth” is used to calculate three dimensional spatial compositions mathematically. Following explanations are the procedure to analysis.1. Making digital models by CAD2. Setting up the measurement positions in tea rooms and then calculates three dimensional compositions.3. Making Self-Organizing-Maps based on the data of second step.4. Making spatial descriptions.5. Building up phylogenetic tree based on the spatial descriptions and then analyzes the tree.
著者
有馬 聡一郎 佐川 京子 北川 千佳子 河村 加代子 藤原 拓也
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.168, 2010

<はじめに>MSWとして様々な疾患を抱える患者と関わる中で、医療費の支払いに苦慮している患者への対応を行う場面は多い。中でも近年外来化学療法を受けている患者からの相談が増加しており、この要因としては、DPC導入に伴う化学療法の「入院治療」から「外来治療」へのシフトが考えられる。この度「治療と生活」を両立することが困難になり、主治医に治療中止を申し出た患者が来談した一事例を報告する。<患者情報>60歳男性 膵臓がんを罹患。仕事もできなくなり約10万円の傷病手当で生活。月約7万円の治療費と通院費が生活を圧迫し、食事の回数を減らすなど日常生活も破綻している状況。親族の援助も得られず自暴自棄となる。幸い治療は奏功しがんの進行は抑えられているが、治療を断念する旨主治医に申し出る。<関わりと経過>患者の情報収集を行い、後日面談。直接生活暦や世帯状況、収入や生活費について細かく情報を得ることで、多角的視点から生活実態を把握。これにより以前福祉事務所へ相談に行きながらも断念した「生活保護」の申請が可能であることを確認。MSWより福祉事務所へ治療を断念するまでの経緯について詳細な情報を提供し患者にも生活保護申請を進言した。その申請も受理され、生活保護は決定した。治療費の不安が軽減した患者は表情も良く、当院への通院治療を続けている。<考察>経済的事情で「治療と生活」の両立が困難な患者は、非常に厳しい選択を迫られる場面がある。生きるために必要であるはずの治療が生活を破綻に導くのは本末転倒である。このたびの事例で適切なタイミングでのMSWの介入が治療継続に繋がることがわかった。<おわりに> 病気や障害を抱える患者はそれだけでも相当なストレスを被り、またそれに伴い社会的な不安や負担も増大する。MSWはそれに対応し、療養上の負担を軽減できるよう、また治療に専念してもらえるようなアプローチが求められる。
著者
北川 豊吉
出版者
日本化學雜誌
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.83-85, 1960

錯形成剤してトリリン酸ナトリウム (TPA) を用い, 過マンガン酸カリウムでマンガン酸化滴定する方法ついて検討した。終点指示には白金回転電極を用いる定電位電流滴定法を用いた。+0.35V(vs.SCE), +0.75V(vs.SCE) を設定電位とし, TPA 2g および Triton X-100 数的を加え, pH 6.5-7.0 で滴定を行った結果, 1.6-10mg のマンガンを相対誤差 0.8% 以内で定量できた。本法により数mgのマンガンを迅速に, かつ精度よく滴定することができる。なおコバルト, ニッケル, 鉄, クロムイオンの影響についても検討した。
著者
白松 俊 池田 雄人 北川 晃 幸浦 弘昂 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1D2OS28a03, 2018

<p>本稿では,議論ファシリテータエージェントの実装のために必要な議論文脈理解モデルとして,議論内容の理解モデルと,議論プロセスの理解モデルを検討する. まず共通する要素として,「議論の場」に関するパラメータを定式化する.ファシリテーションにおいては構造の時間変化が重要なため,時刻tを重視した定式化を提案する. 議論内容の理解においては,gIBISやDeliberatorium等で伝統的に用いられているような,論点(課題)と案から成る構造が必要と考え,定式化を検討する. また,議論プロセスの理解においては,参加者の関係性変化や「場の空気」に関するパラメータの定式化について述べる. 更に,これらのパラメータの推定結果を用いたファシリテータエージェントの行動決定や質問生成手法を検討する.</p>
著者
山垣 和子 北川 昇 佐藤 裕二 岡根 百江 真下 純一
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.402-411, 2012

口腔乾燥症状を訴える義歯装着患者の問題点は,義歯の維持力が低下することである。そこで,口腔乾燥症の対症療法に用いられる口腔保湿剤の種類や物性の違いが,義歯の維持力に与える影響を明らかにすることを目的とした。被験試料は口腔保湿剤 21 種類(スプレー,リキッド,ジェルタイプ)と,対照として人工唾液 1 種類,唾液類似液 3 種類,義歯安定剤 2 種類(クリームタイプ)を用いた。曳糸性:NEVA METER<SUP> &reg;</SUP>を用いて各試料の曳糸性を求めた。粘度:ブルックフィールド型回転粘度計を用いて各試料の粘度測定を行った。維持力:上顎模型と実験用床との間に試料を介在させて義歯の中央に付与したリングを 0.5 N/sec でばねばかりで牽引し測定した。粘度はジェル(1.5×10<SUP>5 </SUP>mPa・s)が他の試料に比べ,有意に大きな(p<0.05)値となった。維持力は,リキッド(14.4 N)はスプレー(3.6 N)よりやや大きく(p<0.05)なり,ジェル(30.1 N)ではさらに大きく(p<0.05),義歯安定剤(36.0 N)と同等であった。維持力と粘度(対数)は有意に正の相関を示した(r=0.98,p<0.01)。今回の結果より,維持力は粘度に関係があり,粘度の大きい口腔保湿剤は義歯安定剤と同等の維持力を発揮することが明らかになった。
著者
北川 雪恵
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.139-143, 1973

前報に続いて果菜類のトマト, ピーマン (ナス科), イチゴ (バラ科) を用いて生育時期別, 上下部位別, 組織別のV. C量の変化について観察した。<BR>1) トマトの果実の生育に伴うV. C量 (mg%) の変化は総C, 還元型Cでは生育につれて増加し, いわゆる収穫期に最高になるが, 完熟期には逆に減少した。 細かく上下部位別の差異を果肉部でみると, 全期間を通じて基部に最も多く, 先端部がこれにつぎ, 中部が最も少なかった。 また組織別では全期を通じて胎座・種子部が果肉部より多く, とくに種子を含むゼリー状部に多かった。<BR>なお, 酸化型Cについては未熟期ほど多く, 生育につれて減少したが, 部位別, 組織別には総Cとほぼ同様の傾向がみられた。<BR>2) ピーマンの果実の生育に伴うV. C量 (mg%) の変化は総C, 還元型Cでは生育につれて漸増し, とくに完熟期に著しい。 上下部位別の差異を果肉部についてみると, 幼果期には中部に多いが, 収穫期以後は果頂部に最も多かった。 組織別にみると, 全期間を通じて果肉部にとくに多く種子部, 胎座部には少なかった。 また果肉部, 胎座部は完熟期に著しく増加するが, 種子部では反対に減少した。<BR>なお, 酸化型Cについては幼果期に多く, 収穫期にやや減少するが過熟期になると再び増加した。また果肉部よりは種子と胎座部に多かった。<BR>3) 可食適期のイチゴの場合を上下部位別にみると総C, 還元型Cは果頂部に近いほど多く含まれ基部に最も少なかった。また組織別では皮部にとくに著しく, ついで果肉部に多く含まれ芯部は最も少なかった。<BR>酸化型Cについても総Cの場合と同様の傾向が認められた。
著者
北川 雄一 前川 裕子 三浦 みちえ
出版者
一般社団法人 日本外科感染症学会
雑誌
日本外科感染症学会雑誌 (ISSN:13495755)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.30-35, 2018

<p>当院の血液培養実施状況は,十分なものでなかった。診療報酬で血液培養検査2セット採取が認められるようになった2014年4月から1年間,血液培養適正採取キャンペーンを行った。キャンペーンの成果を集計し成果を報告する。キャンペーン開始前の血液培養検査の外科系診療科ごとの状況を,キャンペーン開始後と比較し,内科系を含む病院全体の状況を,2017年まで集計した。キャンペーン前の病院全体での2セット以上採取率は18.2%,外科系診療科の2セット以上採取率は12.1%,血液培養実施患者数はのべ182人であった。キャンペーン後は,それぞれ67.0%,75.4%,252人と改善した。キャンペーン終了後も一部の介入を行った結果,病院全体での2セット以上採取率は,2015年度86.0%,2016年度89.1%,2017年度91.0%と,高水準を維持している。病院全体として血液培養適正採取キャンペーンを行うことで,血液培養の実施数の増加と,2セット以上採取率向上が得られた。</p>

1 0 0 0 OA 視聴覚統合

著者
スペンス チャールズ 五十嵐 由夏 北川 智利
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.83-92, 2007-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
56

過去50年以上にわたる多くの実験研究によって,低次の空間・時間的要因が,視覚と聴覚の多感覚統合にとって重要であることが立証されてきた(例えば腹話術効果の研究で示されるように)。ここでは,多感覚統合における空間的・時間的要因の役割を明らかにする証拠について概説する。また,多感覚統合に影響する要因として,視覚信号と聴覚信号間の時間相関,刺激の運動,モダリティ内とモダリティ間の知覚的群化,モダリティ間の意味的一致性,及び,一体性の仮定の役割についてもそれぞれ議論する。総合すると,構造的,認知的な多くの異なる要因が[1,2]視聴覚情報の統合(又は結びつけ)に共同して寄与しているという見解が,これらの証拠によって支持されるのである。
著者
北川 秀夫 大野 貴 三好 孝典 寺嶋 一彦
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.343-349, 2009 (Released:2011-11-15)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

Holonomic omnidirectional mobile robot is useful with its high mobility in narrow or crowded place, and omnidirectional robot equipped with normal tires is desired for difference excess, vibration suppression and riding comfort. Caster-drive mechanism using normal tire has been developed to realize a holonomic omnidiredctional robot, however, there remains some problems. This paper presents effective systems to control the caster-drive wheels of omnidirectional mobile robot. Two kinds of Differential-Drive Steering System (DDSS) are proposed to improve the operation ratio of motors. One is using bevel pair gear and the other is using planetary gear to generate driving and steering torque effectively from two motors. Simulation results show the proposed system is effective for holonomic omnidirectional mobile robots.
著者
北川 敏男
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, 1972-10-15
著者
北川 透
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
pp.63-74, 1974-09-20
著者
北川 卓史
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.115, 2005

_I_.はじめに.通信販売(以下通販)は,「距離の制約を越える」といわれ,19世紀アメリカで本格的に開始され,日本でも明治期にカタログ通販が展開するようになった.この通販には_丸1_宣伝広告,_丸2_受注,_丸3_商品配送,_丸4_代金決済の4つ機能が重要といわれている.これまで大規模な通販を行う事業者は,カタログやテレビといった広告媒体を使用した通販専門業者や,都市部の大型小売店などが目立った.また,郵政公社の「ふるさと小包」事業も見逃せない.しかし,消費者が実際に商品を手にとって選び,すぐに手に入れられないといった性質上,通販は商業全体から見ても傍流であるといわざるを得なかった._II_.インターネット通信販売の動向.インターネット通信販売は,広告媒体としてテレビやカタログを使用する場合と比較して,_丸1_検索機能による商品検索_丸2_商品の比較_丸3_在庫などの情報更新_丸4_24時間閲覧と注文,などが迅速かつ容易に行うことができ,事業者にも消費者にもその利便性が評価されている。『平成15年度電子商取引に関する実態・市場規模調査』によると,個人向け電子商取引(以下BtoC EC)の市場規模は4兆4240億円と推計されており,平成10年と比較して,約69倍に拡大している.これはドラッグストアやホームセンターなどの市場規模を越え,約7兆円規模のコンビニエンスストア市場に追いつく勢いである.この急成長に寄与したのは情報通信環境の整備が進行したためであろう。日本のインターネット世帯普及率は,50%以上であるといれており,都市部ほど普及率が高い.更にインターネット接続可能な携帯端末や常時接続サービスが広く普及している点も見逃せない.このように事業者も消費者も安価で手軽にインターネットを利用できるようになった.ただし,例えばインターネット上にホームページを作成する資本や能力に乏しかったり,作成できたとしても商品を並べただけでは集客にならない.実際BtoC ECを取り組む事業者数は約5万前後存在しており,そのうちで3万7千程度が従業員50名未満かEC売上高1億円未満の中小規模事業者であると推定されている.そのため,大多数を占める中小規模事業者は,インターネットショップ(以下ネットショップ)運営のシステムやノウハウをインターネットショッピングモールなどに出店することで,補完する事業者が多い.『インターネット白書2004』によるとネットショップを出店する事業者のうち約6割が,その第1店目を楽天市場のショッピングモールに出店している.楽天市場などでノウハウや顧客を掴んだ後,独立して自社独自のホームページを作成し,ネット通販を拡大する事業者も存在しており,インターネットショッピングモールが中小事業者のネット通販事業におけるインキュベーターの役割を果たしているという側面もみられる.また,商品配送機能や決済機能について言及すると,1980年代に全国津々浦々をカバーする個人向け宅配便ネットワークが完成した.さらに冷蔵・冷凍品への対応と航空機利用などにより配送時間の短縮が図られたため,生鮮食料品や花卉など劣化の早い商品も配送可能となり,通販取扱商品に幅が広がった.決済機能については,振込などだけでなく,運送会社による代金引換が重要である._III_.楽天市場について.1997年5月にインターネットショッピングモール事業を開始し,2005年6月時点で約11,000店が出店している.月平均注文件数は約150万件で,流通総額は月平均150ー200億円と言われている.