著者
多田内 幸子 原 浩美
出版者
久留米信愛女学院短期大学
雑誌
久留米信愛女学院短期大学研究紀要 (ISSN:13487310)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.17-29, 2006-07-01

1.福岡県久留米市内の老人福祉施設K苑で高齢者に対する手具体操と音楽演奏の効用について,7色の色彩表示板を使用して色彩感情を利用した高齢者の反応意識調査を行った。2.手具体操と音楽演奏を行う前に,当日の気分を聞き取り調査により7種類に分け,さらに手具体操,音楽演奏の種類ごとに,直後に7色の表示板のうち,その時の気分にもっとも適した色を選んでもらい書き取って分析用のデータとした。3.手具体操は7回で延べ174名の参加者があり,参加者全員,女性のみ参加者全員,男性のみ参加者全員および7種類の手具体操ごとに参加者全員について,それぞれ,最小値,最大値,平均値,標準偏差を出し,ヒストグラムを作成した。その結果,手具体操を行うことにより,直後にピンクや赤の表示板をあげる高齢者が多く,気分を高揚させ,元気・陽気・快活を与えることができるのではないかと考えられた。ただしズンドコ節のみは直後に青の表示板が多く,原因について考察した。4.音楽演奏は6回で延べ119名の参加者があり,参加者全員,女性のみ参加者全員,男性のみ参加者全員および9種類の音楽演奏ごとに参加者全員について,それぞれ,最小値,最大値,平均値,標準偏差を出し,ヒストグラムを作成した。その結果,音楽演奏を聴くことにより,直後にピンクや赤または黄色の表示板をあげる高齢者が多く,気分を高揚させ,元気・陽気・快活を与えることができるのではないかと考えられた。5.気分を色彩で表示させることは筆者らにとって初めての試みであり,黒猫のタンゴの曲名から黒を連想してしまい黒をあげるという手法上の問題もあることも明らかとなった。
著者
岡本 昭 濱田 友貴 三浦 勝貴 野中 健 桑原 浩一 大迫 一史 三嶋 敏雄 橘 勝康
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.918-923, 2006 (Released:2006-09-22)
参考文献数
22
被引用文献数
7 8

養殖イサキの死後変化に及ぼす致死条件(延髄刺殺,苦悶死,温度ショック,脊髄破壊)と保存温度(氷蔵,5, 10, 15, 20℃)の影響を検討した。致死条件実験では ATP 量,IMP 量,K 値,硬直指数の経時変化は脊髄破壊が最も遅かった。夏期(飼育水温 25℃)と冬期(15℃)のイサキを用いた保存温度実験における死後変化は冬期群が夏期群に比較して遅く,10℃ 保存で K 値,硬直指数の上昇が最も遅延した。養殖イサキの死後変化の遅延は飼育水温に関らず,保存 24 時間以内で脊髄破壊後 10℃ 保存が最適であった。
著者
栗原 浩英
出版者
京都大学東南アジア研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.165-167, 2015-07-31

〈特集〉現代東南アジアにおける宗教の越境現象―タイ,ミャンマーを中心に―
著者
高田 節子 田村 典子 塚原 浩子
出版者
広島県立保健福祉短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

田淵まさ代は日本の近代看護の黎明期にあって、大正10(1920)年英国ロンドンで開催された第2回国際公衆衛生看護講習会に参加した。大正9年赤十字社連盟第一回総会で、各国赤十字社の事業の1つに公衆衛生看護婦養成が決議され、各国から講習生を派遣し第1回は既に前年に開かれている。第1回は期日の切迫の為派遣は見送られたが、第2回講習会には女学校時代から英語の学習研鑚を積み英語力に堪能なまさ代が選ばれた。帰国後まさ代は講習会での学習とヨーロッパ各地の施設で見聞した看護事情を報告書にまとめ、いくつかの提言をしている。なかでも英語教育の必要性に関する提言は内地留学制度導入の契機となり、その制度で何人もの国際的に活躍した看護婦が生まれた。まさ代はまた救護看護婦や社会看護婦の養成に従事した。パリで事故に遭われた北白川宮妃殿下の看護に選ばれて派遣された。またシベリア派遣救護班の婦長としても活躍し、こうした功績に対して昭和12(1937)年ナイチンゲール記章が授与された。
著者
平山 良克 下地 勉 大城 元 澤岻 安教 普久原 浩 中村 浩明 兼島 洋 伊良部 勇栄 下地 克佳 橘川 桂三 重野 芳輝 斎藤 厚 伊藤 悦男
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.61-66, 1991-01-25

我々は, 進行性肺癌の大量喀血例に対して, α-シアノアクリレートモノマー(以下アロンアルファA^[○!R])の気管支内注入による止血操作を試み, 効果が認められたので報告する。症例は54歳の女性で, 切除不能の肺癌で入院中に大量喀血をきたした。気管支動脈塞栓術bronchial artery embolization(以下BAE)を試みたが, 成功しなかった。流血部である右上幹内腔の閉塞を目的として, アロンアルファA^[○!R]を気管支ファイバーを用いて同部へ注入した。操作終了後は出血量の低下がみられた。剖検では, アロンアルファA^[○!R]が気管支内で凝固し, 内腔が閉塞されているのが確認された。本例のような手術不能の大量喀血例において, BAEをはじめとした他の止血操作が困難な症例に対しては, アロンアルファA^[○!R]の気管支内注入は考慮すべき一つの方法と考えられる。
著者
宮原 浩二郎 森 真一
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.2-20, 1998-06-30 (Released:2010-04-23)
参考文献数
32

「地震」と「震災」はそれぞれ別の対象を指している。「地震」は地面の揺れという自然現象を指す。それに対して, 「地震による災害」である「震災」は, 自然と人間生活の相互作用現象を指示している。それゆえ, 「震災」の研究には, 人間生活の様態を知ることが不可欠である。このような視点に立つわれわれは, 本稿で, 芦屋市を事例として, 「阪神・淡路大震災」の特徴の1つである, 被害の区域差の記述を試みる。特に, 人的被害の区域差と被災者住民の生活・居住環境を記述する。われわれは, 芦屋市を5区域に分け, それぞれの震災被害, 生活・居住環境のデータを集計した。データから, 芦屋を構成する5区域は, 市が標榜する「国際文化住宅都市」のイメージに合致する程度がそれぞれ異なることが浮き彫りにされる。中間平坦区域は, 「邸宅地」指標の高い山麓区域と, 「新住宅地」指標の高い埋立区域を圧倒的に上回る被害を出した。つまり, 「住宅都市」イメージから最も距離のある中間平坦区域は生活居住環境の対地震抵抗力が弱く, 最大の被害を出したのではないかと考えられる。

2 0 0 0 OA 褐色細胞腫

著者
竹原 浩介 酒井 英樹
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.175-179, 2014 (Released:2014-10-31)
参考文献数
14
被引用文献数
2

褐色細胞腫はカテコールアミンを産生する神経内分泌腫瘍であり,高血圧を中心とした様々な臨床症状を呈する。手術にて治癒可能な疾患であるが,約10%が悪性であり,また病理組織学的な良悪性の鑑別が困難なため,良性と判断されても,術後に再発する症例もある。厚生労働省難治性疾患克服研究事業研究班により褐色細胞腫および悪性褐色細胞腫の診断基準および診療アルゴニズムが作成され,指針に準じた診療が一般的となっている。褐色細胞腫の術前には十分量のα遮断薬の投与が必要であり,術後24時間は低血圧や低血糖に注意する必要がある。また悪性の可能性を念頭においた長期の経過観察が必要である。悪性褐色細胞腫に関しては確立された有効な治療方法がなく,手術,CVD療法やMIBG照射を組み合わせた治療が施行されている。

2 0 0 0 OA 胃梅毒の1例

著者
中山 真緒 勝部 隆男 加藤 博之 坂本 輝彦 山田 理恵子 芳賀 駿介 久原 浩太郎 今野 宗一 村山 実 臼田 敦子 塩澤 俊一 吉松 和彦 島川 武 成高 義彦 小川 健治
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.68-69, 2007-06-07 (Released:2013-08-21)
参考文献数
7
被引用文献数
1

症例は47歳,男性。3型胃癌の診断で紹介されたが,上部消化管内視鏡検査で幽門前庭部から胃体部にかけて易出血性の不整な多発潰瘍を認め,胃梅毒を疑った。生検組織でTreponema pallidumを確認し,Benzylpenicillin benzathineによる駆梅療法を施行した。症状は速やかに改善し,潰瘍も瘢痕化,治癒した。 胃梅毒の内視鏡所見は特徴的で,本症の存在を念頭において内視鏡検査を行うことが重要と考えられる。

2 0 0 0 悪性黒色腫

著者
栗原 浩幸 金井 忠男 金井 慎一郎 金井 亮太 赤瀬 崇嘉 中村 圭介 高林 一浩 神藤 英二 上野 秀樹
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.996-998, 2018-06-25

疾患の概念 悪性黒色腫(malignant melanoma)は,神経堤起源細胞でメラニン産生細胞であるメラノサイトに由来する悪性腫瘍であり,本邦における悪性黒色腫の罹病率は1.12人/10万人とされている1).消化管の悪性黒色腫は非常にまれであり,大部分は皮膚を原発としたものの転移である.消化管原発の悪性黒色腫の主な部位は,食道と直腸肛門部であり2),肛門部の悪性黒色腫は,全悪性黒色腫の0.2%,直腸肛門部の悪性腫瘍の0.5%と極めて少ない3).好発年齢は50〜70歳代で,女性に約2倍多いとされる4). 症状は肛門出血が最も多く,肛門部腫瘤,肛門痛,便通異常などを訴える5).悪性度が極めて高く,早期からリンパ行性はもとより血行性に肺・脳・骨・肝などに転移を来す.
著者
成田 徹男 榊原 浩之
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-55, 2004-01-10

現代日本語の表記原則では、およそ次の3つの規則がある。規則1:漢語は「漢字」で書け。規則2:和語は「漢字」または「ひらがな」または「両者の交ぜ書き」で書け。規則3:外来語は「カタカナ」で書け。つまり、当該語の、語種の認定が前提となっているのである。 しかし、最近ではこの規則に合致しない、和語や漢語のカタカナ表記例が多くなっている。それをインターネット上の新聞・雑誌などのサイトに見られる実例について調査して、延べで2119語、異なりで855語の例を得た。そのような表記がさかんになされる背景には、語種以外の、語の分類を、表記文字の使い分けの基準とするような意識があると考えられる。そこで、上記のような規則とは別に、次のような表記戦略を仮説として提示する。語種を基準にしてカタカナを使うのは明らかな外来語についてだけ。それ以外については、たとえば動物名かどうか、などの語の分類が基準として優先される。日本語の、文字の使い分けの習慣は、この方向へ変化しつつあると思われる。
著者
佐古井 智紀 持田 徹 桒原 浩平
出版者
Japanese Society of Biometeorology
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.107-118, 2010

著者らは WBGT の特性を検討した既往研究において,皮膚の飽和度合と湿球温度 <i>T</sub>w</sub></i>,黒色グローブ温度 <i>T<sub>gB</sub></i>,気温 <i>T<sub>a</sub></i> を用いて人体の熱平衡式を記述し,皮膚温 <i>T<sub>sk</sub></i> を <i>T<sub>w</sub></i>, <i>T<sub>gB</sub></i>, <i>T<sub>a</sub></i> の線形式で表す理論式を得た.ただし,皮膚の飽和度合を用いた式では,<i>T<sub>w</sub></i>, <i>T<sub>gB</sub></i>, <i>T<sub>a</sub></i> の按分比は皮膚の飽和度合の影響を受けず,発汗が <i>T<sub>w</sub></i>, <i>T<sub>gB</sub></i>, <i>T<sub>a</sub></i> の按分比に及ぼす影響を把握できない.本論文では,皮膚の飽和度合に代わって,ぬれ率と <i>T<sub>w</sub></i>, <i>T<sub>gB</sub></i>, <i>T<sub>a</sub></i> を用いて人体の熱平衡式を記述し,皮膚温 <i>T<sub>sk</sub></i> を <i>T<sub>w</sub></i>, <i>T<sub>gB</sub></i>, <i>T<sub>a</sub></i> の線形式で表す熱平衡理論式(WBGT 理論式)を導出,その特性を考察した.日射がある屋外で,着衣の日射吸収率が黒色グローブ温度計の日射吸収率と異なる場合に,湿球温度 <i>T<sub>w</sub></i> と黒色グローブ温度 <i>T<sub>gB</sub></i>,乾球温度 <i>T<sub>a</sub></i> から推定される皮膚温に 7℃程度の違いが生じ得ることが判った.着衣と黒色グローブ温度計の日射吸収率の差を的確に考慮するため,日射の影響を反映した人体の作用温度を表す上での黒色グローブ温度 <i>T<sub>gB</sub></i> と灰色グローブ温度 <i>T<sub>gG</sub></i> の按分比を導き,その結果から <i>T<sub>w</sub></i>, <i>T<sub>gB</sub></i>, <i>T<sub>gG</sub></i>, <i>T<sub>a</sub></i> の 4 者によって皮膚温を表現する新しい WBGT 理論式を示した.<br>
著者
宮原 浩二郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.92-94, 1995-06-30 (Released:2009-10-19)