著者
山地 一禎 片岡 俊幸 行木 孝夫 曽根原 登
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.240-248, 2008 (Released:2008-11-15)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

数学や物理学などの分野では,プレプリントの公開により研究成果の先取権が確保される.現在では,印刷物の出版と共に,電子ファイルをインターネット上で公開する方式が主流となっている.今後,電子ファイルのみの公開となった場合,プレプリントの存在と非改ざん性が担保される内容証明が重要になる.本研究では,ボーンディジタル時代におけるこうした問題に対して,電子署名とタイムスタンプから構成される長期署名を適用し,プレプリントをよりセキュアに流通できる学術コンテンツの内容証明システムを開発した.また,長期署名付きコンテンツを入手したユーザが手軽に内容検証をできるように,長期署名検証サーバの構築を行った.
著者
島岡 政基 西村 健 古村 隆明 中村 素典 佐藤 周行 岡部 寿男 曽根原 登
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J95-B, no.7, pp.871-882, 2012-07-01

通信の安全を確立するサーバ認証を適切に行うには,パブリック認証局から発行されたサーバ証明書が必要である.しかしながら,過去にはパブリック認証局から発行を受けることの重要性が正しく認識されてこなかったことがあり,更には商用のサーバ証明書は審査手続きが煩雑な上に学術機関の実態に沿っていないなどの課題もあったため,学術機関におけるサーバ証明書の普及は遅れていた.そこで筆者らは,学術機関のために最適化したサーバ証明書発行スキームと,証明書自動発行支援システムからなる学術機関のためのサーバ証明書発行フレームワークを提案した.国立情報学研究所による実証実験と本運用を通じて,同スキームにより高い身元確認レベルを確保しつつ審査手続きの学術機関最適化を,また同システムにより認証事業者の証明書発行業務を自動化するとともに各学術機関が必要な学内システムを用意した場合には学術機関側の工数削減も可能であることを実証した.
著者
松浦 紀美恵 垣原 登志子 Kimie Matsuura Toshiko Kakihara
出版者
神戸女子大学
雑誌
神戸女子大学健康福祉学部紀要 = Bulletin of the faculty of health and welfare, Kobe Women's University (ISSN:18836143)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.39-46, 2014-03-10

我が国では高度経済成長に伴う工業の発達や所得の向上により,人々の生活が大きく変化した。流通や交通網の発達により,都市部をはじめ農産漁村地方においても食や暮らしが画一化され,都市部・農産漁村部の特色が失われつつある。地域の個性を知る1つの方策として「食」が重要であると考える。こうして時代の食が失われ,日本独自の食文化が伝承されなくなっていることが懸念される。 本稿では,主菜である魚を通して食習慣について調査を行うことにした。今回は現在,魚の養殖が日本一である愛媛県を調査対象地とした。愛媛県の特徴は,耕作面積が全国平均より少ないこと,海岸線がリアル式で長いこと,山地と海が近く急峻であること,島嶼部が多いことである。 研究目的は,愛媛の食文化形成要因を明らかにすることである。調査は史誌,村史,書籍等の資料を用い,昭和40年代までの生活および食生活に焦点を絞った。 調査結果より,愛媛県で食用とされていた魚の種類は,現在とほぼ同じであること,また瀬戸内海独特の魚の存在が確認された。ほとんどの地域で魚が主菜として食されていた。 日常食としてはイワシなどの小魚や雑魚を用い,天ぷらや地域で椀種(すり身),酢漬け,煮付けなどに加え,おからを白飯にみたてた「すし」のネタとして利用していた。非日常食に利用する魚は,愛媛県全域でタイであった。料理法として生食(刺身)は同じであるが,東予地域では丸焼きか,炊き込みご飯の具材として,南予地域ではさつまであった。同じイワシの保存法でも地域により,異なることがわかった。魚の保存方法も,東予地域では天ぷらや乾燥で,中予地域は乾燥(調味液に浸漬,そのまま乾燥),南予地域は塩辛,味噌と合わせていた。これらのことにより,魚を通して地域の特性が認められた。
著者
松前 重義 吉田 正 篠原 登
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.52, no.532, pp.859-867, 1932-11-10 (Released:2008-11-20)
参考文献数
3

長距離電話回線としては從來装荷ケーブルのみが用ひられて來たが,之に代るに無装荷ケーブルを用びる時は傳播時間及過渡現象に對し極めて良好なる回線を作成し得べき事を述べ,且實際の回線に就き實驗したる結果を報告したものである。
著者
原 直 笠井 昭範 阿部 匡伸 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.479, pp.29-34, 2014-02-28

本研究ではあらゆる環境音を対象とした集合知としての環境音データベース構築を目的とする.例えば,環境音の一つとして環境騒音問題を考えると,車や鉄道などの特徴的な音だけではなく,道や公園の賑わいのような生活雑音も考慮する必要がある.しかし,日常的かつ広範囲な音を少人数で収録することは容易ではない.そこで,クラウドソーシングによる収録を行うことで,環境音測定に必要な膨大な空間を覆うことを目指す. Android OSを搭載したスマートデバイスで動作するアプリケーションの試作を行い,さらに収録音の集積と閲覧のためのサーバシステムの試作を行った.また,スマートデバイス搭載のセンサ群の精度を検証するために,騒音レベルの校正と環境音収録実験を行った.実験では900分の環境音データを収録し,収録された騒音レベルと主観的な評価値の関係性を分析した.
著者
小林 哲郎 一藤 裕 曽根原 登
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.4, pp.834-845, 2012-04-01

提供されたライフログの管理や匿名化に関する情報セキュリティ的研究が進む一方,ライフログ提供者の心理的抵抗や提供を促進するインセンティブや制度に関する研究は不足している.そこで本研究は,ライフログ提供を促進する有効な制度設計のための基礎的な知見を提供することを目的に,ライフログ調査研究への参加依頼を実験刺激として,収集するライフログの種類,金銭的謝礼の金額,対価として提供されるライフログ活用サービスを要因操作した無作為配置被験者実験を行った.その結果,コミュニケーション履歴を提供することへの心理的抵抗が最も強く,GPS位置情報を提供することへの心理的抵抗は比較的弱いことが明らかになった.また,金銭的謝礼はライフログ提供を促進するがその効果は非線形であることが示唆された.一方で,レコメンデーションサービスやライフログ可視化サービスはライフログの提供を促進するインセンティブとしての効果が見られなかった.これらの知見を総合することで,できるだけ潜在的提供者の心理的抵抗を緩和しながらライフログの提供を促進する方法について考察を行った.
著者
谷本 茂明 島岡 政基 片岡 俊幸 西村 健 山地 一禎 中村 素典 曽根原 登 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1383-1388, 2011-10-01

全国大学共同電子認証基盤(UPKI)プロジェクトでは,大学間PKI連携及び構築コスト削減等を実現するキャンパスPKI共通仕様を新たに開発した.本仕様が,PKI連携とコスト削減を同時に満足し,キャンパスPKI普及促進に寄与することを示す.
著者
島岡 政基 片岡 俊幸 谷本 茂明 西村 健 山地 一禎 中村 素典 曽根原 登 岡部 寿男
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.10, pp.1246-1260, 2011-10-01

国立情報学研究所(NII)では,平成17年度より大学間連携のための全国共同電子認証基盤(UPKI)の構築を行ってきた.UPKIは,コンピュータや学術コンテンツ等を大学間で安全・安心かつ効果的に共有し活用するための基盤として,PKI(公開鍵認証基盤)を中軸に利用者や利用機関の認証とサービスの認可の機能を提供する.本論文では,学術機関における認証の必要性と制約,対象とするサービスの多様性,既存の各種認証基盤との整合性などを考慮して設計した3層(オープンドメイン層,キャンパス層及びグリッド層)のPKIからなるUPKIの基本アーキテクチャについて解説するとともに,設計方針に基づく各層の実装及び連携方法などについて述べる.
著者
福本 雅朗 平岩 明 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.460-470, 1996-02-25
被引用文献数
22

将来の携帯情報環境には,「装着」するタイプの携帯機器が適している. 腕時計や眼鏡のような超小型のコンピュータを常時身につけておくことによって, 日常生活のあらゆる場面において, 欲しい情報に即座にアクセスすることができる. 本報告では, 装着使用を前提とした入出力インタフェースのありかたについて考察し, その一例として, 加速度センサを用いた指輪型キーボードであるFingeRing (フィンガリング) を提案する. FingeRingは, 大腿部や机の上など, あらゆる場所で即座にタイピングが可能であり, 立位若しくは歩行中の入力も可能である. 更に, FingeRingに適用されるシンボル生成方式として, 順序打鍵併用型の和音入力方式を提案し, 打鍵評価実験によって, 使用すべき指の組合せを抽出した. 鍵盤楽器の経験者では, 本方式によって, 200個/分を超える速度で52種のシンボルを入力することが可能である.
著者
大塚 康二 桂 一憲 三谷 尚弘 野添 大輔 田上 和麿 前川 絢子 菅原 登 加賀 敬子 平野 拓司
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.153-158, 2023 (Released:2023-05-25)
参考文献数
15

悪性腫瘍に伴う悪性消化管閉塞(malignancy bowel obstruction: MBO)に対する治療としては,手術療法,消化管ステント留置,経鼻胃管や経皮内視鏡的胃瘻造設術,薬物療法などが知られている.酢酸オクトレオチドなどの薬物治療を行う場合は経口摂取ができなくなり,かつ持続点滴静注が必要となることから,患者のQuality of Life(QOL)を著しく低下させる.今回外科および緩和医療科を含めた多職種カンファレンスを行い慎重に検討を重ね,酢酸オクトレオチド持続投与中で低栄養のMBOの患者に対し審査腹腔鏡手術を行い,MBOの重症度や進行状況を把握することで緩和手術として小腸瘻造設術を選択し施行することができた.その結果,一時的に経口摂取が可能となり患者のQOLを改善させることができた.
著者
松前 重義 篠原 登
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電氣學會雜誌 (ISSN:00202878)
巻号頁・発行日
vol.53, no.544, pp.978-986, 1933-11-10 (Released:2008-11-20)
参考文献数
6

長距離通信網としての無裝荷ケーブルと裝荷ケーブルとの經濟比較を行つたものであつて,無裝荷ケーブルは裝荷ケーブルに比し建設費及び維持費共に經濟的となる事を述べてゐる。更に通信施設に對する經濟比較の基準を説明し社會的意義より見るも無裝荷ケーブルは最も優秀なる通信回線方式である事を述べてゐる。
著者
金子 利佳 釜江 尚彦 曽根原 登
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会年次大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.34, pp.33-34, 2006

デジタル画像をインターネットで販売するためには,画像の概略を見せ,購入の決断を促すことが大切である.本研究では,半開示された画像に対する人の認知特性について検討した.実験の結果,画像の同定成績は画像をスクランブル化する範囲の大きさに影響を受けることが示唆された.
著者
平岩 明 内田 典佳 曾根原 登 下原 勝憲
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.31(1992-HI-042), pp.97-104, 1992-05-11

The cybernetic interface through which users can communicate with computers "as we may think" is the dream of human-computer interactions. Aiming at interfaces where machines adapt themselves to users' intention instead of users' adaptation to machines we have been applying neural networks to realize electromyographic (EMG)-controlled prosthetic members-a historical heritage of the cybernetics. This paper proposes that EMG patterns can be analyzed and classified by neural networks. Through experiments and simulations it is demonstrated that recognition of not only finger movement and torque but also joint angles in dynamic finger movement based on EMG patterns can be successfully accomplished.
著者
原 登久子 美濃 真
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.475-479, 1997
参考文献数
27
被引用文献数
2

平成6年の国民栄養調査を基に、大阪府民のEとPUFA摂取量を詳しく調べ、日本人のE所要量の考察を行った。1)大阪府民のE摂取量はα-トコフェロールとして一人一日あたり8.3mgであった。2)大阪府民の一人一日あたりの脂肪、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸はそれぞれ59.8g, 17.0g, 20.9g, 15.1gであった。3)E/PUFA比は0.55であったがPUFAすべてをリノール酸に換算した場合E/PUFA比は0.39となった。
著者
平岩 明 内田 典佳 下原 勝憲 曽根原 登
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.216-224, 1994-02-28 (Released:2009-03-27)
参考文献数
19
被引用文献数
8 15

The cybernetic interface through which users can communicate with computers “as we may think” is the dream of human-computer interactions. Aiming at interfaces where machines adapt themselves to users' intention instead of users' adaptation to machines, we have been applying a neural network to realize electromyographic (EMG)-controlled slave hand. This paper proposes that EMG patterns can be analyzed and classified by a neural network. Through experiments and simulations, it is shown that recognition of finger movement and joint angles in dynamic finger movement can be successfully accomplished.A 3-layred back-propagation network is used for finger action recognition from 1 or 2ch surface EMG. In the case of static fingers' motions recognition, 5 categories were classified by the neural network and the recognition rate was 86%. In the case of joint angles estimation in continuous finger motion, the root mean square error was under 25 degrees for 5 fingers 10 joints angles' estimations.Cyber Finger with 5 fingers 10 joint angles was realized to be controlled by 2ch surface EMG. The slave hand was controlled smoothly and voluntarily by a neural network.