著者
原 真理子 守本 倫子
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.107-110, 2016-03-31 (Released:2016-06-23)
参考文献数
15

PFAPA 症候群は, 周期性発熱を主症状とし, アフタ性口内炎, 咽頭炎, 頸部リンパ節炎を随伴する. 比較的新しい概念の疾患であり, 詳しい病因や病態は分かっておらず, 診断に迷うことも少なくない. 薬物療法にはプレドニゾロン頓用があり, 著明な解熱効果が得られる特徴をもつ. 外科的治療法では, 口蓋扁桃摘出術が有効であり, 当科の治療成績でも高い有効率が示された. 病態仮説には, 自然免疫の活性異常や末梢組織での T 細胞活性などが提唱されている. また, 扁桃炎の随伴が多く, 口蓋扁桃摘出術が有効であることから, 本疾患と扁桃組織との間には何らかの関連性があると推測される. 現在, 扁桃組織の遺伝子とタンパク質の網羅的解析を進めている.
著者
笠原 真理子
出版者
リトン
雑誌
死生学年報
巻号頁・発行日
vol.14, pp.25-60, 2018-03-31

In this article, an analysis of Harry Kupfer's (1935-) direction of the musical Elisabeth is given. The musical, a story of about the life of the famous queen of Austria, Elisabeth von Wittersbach (1837-1898) or “Sissi”, is a popular musical in the world nowadays. However, after its first performance in 1992, the work and its direction have varied greatly.The history of musical theatrical productions is relatively short in music history and this genre originated after professional directors had become acknowledged in the theatre world. As for the staging of a musical, it is generally admitted that the first staging is often significant. That is why it is important to analyze Kupfer’s first staging of Elisabeth. Kupfer has played an important role in the practice of Regietheater, where the director is allowed to change the original staging directions and other elements in an opera or play. Therefore, as the director of the first staging of Elisabeth, he made a substantial contribution to the work itself. There are two main themes of Kupfer’s works, the problems of women and the resistance and conflicts that arise from their being under pressure in a male-dominated society. Therefore, the author focuses on Kupfer’s staging of Elisabeth in Vienna from the viewpoint of the oppressed heroine’s resistance to and conflicts with a maledominated society.From this viewpoint, two elements can be found to analyze in the text; one is a crucial scene of many people’s testimonies, and the other is the scene of Elisabeth’s only monologue, ”Ich gehör nur mir”, which is also her first declaration of resistance. Moreover, in order to describe these two elements on stage, two unique sets were used, the “Bridge” and the “Mirror”.The “Bridge” represents the pressure on Elisabeth and the struggle against people’s different meanings of salvation. For example, to Elisabeth it means a release from the restraints upon her in this world, but to the character of “Death (der Tod)”, it means leading Elisabeth to the world of death. The “Mirror” represents a polar relationship of beauty and ugliness. Although it could hurt Elisabeth in her old age, however, she still continues to need the “Mirror” that might reflect her beauty for her own self-confidence. Consequently, Elisabeth could not receive salvation, that is, salvation from “Death” or from the people surrounding her, but instead she continued to struggle against the pressure of living in a male-dominated society. Moreover, by emphasizing this image of Elisabeth through his staging, Kupfer tried to show a kind of salvation, which had meaning only to her: the release from the restraints of this world.
著者
伊藤 要子 相原 真理子
出版者
愛知医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

ストレス環境から生体を防御するため、細胞はストレスタンパク(Heat shock protein : HSP 70)を誘導し、ストレスによる細胞傷害を素早く修復し、細胞を防御(生体防御)している。我々は従来より、HSP 70の生体防御作用を検討してきた。そして予め加温してHSP 70を誘導しておくことにより、次に来る大きなストレスによる傷害を防御できることを平成10、11年度の科研費基盤研究(C)の援助を得て報告した。そして、予備加温により筋肉疲労を防御する結果を得た。この結果は、まさしく運動能力向上を意味し、温熱療法によるHSP 70のスポーツ界への貢献の基盤となった。一方、スポーツもストレスであり、我々は、スポーツというストレスの場に自らを置き、HSP 70を誘導して健康維持に役立てている。そこで、我々は、実際の運動トレーニングに更に、要所に温熱療法を取り入れ誘導されるHSP 70によって競技能力のレベルアップを図ることを目的とした。この温熱療法を取り入れた運動トレーニングを温熱トレーニングと名づけた。そして、低温ミストサウナでの連続加温の条件決定をマウスで検討し、血中リンパ球中HSP 70は、39℃加温2週間で、下肢筋肉中HSP 70は39℃加温3週間で最大となった。よって、レスリング選手に2週間のトレーニングと終了後ミストサウナで39℃10-15分加温し、体力テスト2日前にマイルド加温を実施し、運動トレーニングのみと温熱トレーニング群で体力テストを比較した。その結果、温熱トレーニング群は、体力テスト、HSP 70、NK活性すべてで有意に勝っており、乳酸値も低下しており疲労からの回復も勝っていた。よって、従来の運動トレーニングの考えに、HSP 70の概念を導入し、様々な競技に対する練習・訓練の効果の評価にさいしてHSP 70も指標の1つとして評価する科学的トレーニングが必要と思われた。更に、スポーツを行うに際して、誰もが経験する筋肉痛に対し、これを予防する手段として、マイルド加温による予備加温を検討し有効であることが実証された。医学部学生5人に腕立て伏せ100回、スクワット100回を時間の制限無く実施させ筋肉痛実験を実施したところ、2日前にマイルド加温した予備加温群は自己評価での筋肉痛は有意に減少しており、筋硬度、CPK活性も有意に低下していた。マイルド加温によりHSP 70が誘導され、運動能力が向上することがオリンピックでも、レスリング選手によっても明らかとなった。マイルド加温をスポーツに取り入れた温熱トレーニングは、21世紀のトレーニングとして、HSP 70を指標とした科学的な最先端のトレーニングングである。また、マイルド加温の利用により21世紀のスポーツは、筋肉痛なくスポーツが楽しめる。しかし、このマイルド加温およびマイルド加温によって誘導されるHSP 70の効果は殆ど知られていないのが現況である。多くの人々にHSP 70を知っていただき、自分自身でHSP 70を高め、より健康的にスポーツを楽しんでいただきたい。
著者
田中 愛実 三間 洋平 安部 裕子 礒田 健太郎 井村 隼 大原 真理子 上田 直子 池田 充 庄田 武司 森川 雅史 大坪 亮一
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.429-434, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
15

要旨:症例は21 歳女性.入院1 週間前より発熱,頭痛,腹痛,血便がみられるようになった.入院当日に左不全片麻痺を来し,来院した.入院時検査で血小板減少,凝固線溶系の異常を認め,画像検査で多発性出血性脳梗塞と脳静脈,上腸間膜静脈,右大腿静脈の血栓症を認めた.劇症型抗リン脂質抗体症候群を疑い,ステロイドパルス療法とヘパリンによる抗凝固療法を開始した.入院3日目に右前頭葉および側頭葉の血腫増大を認めたため緊急開頭術を行った.抗リン脂質抗体陽性が判明し,劇症型抗リン脂質抗体症候群と診断した.血漿交換,リツキシマブ,シクロホスファミド静注療法を追加した.その後疾患活動性は低下し,プレドニゾロンとワルファリンによる維持療法に移行し再燃なく経過した.1 週間以内に複数臓器に静脈血栓症を来し,急激に重篤化する症例では,劇症型抗リン脂質抗体症候群を念頭に置き,迅速な精査加療を行う必要がある.
著者
石原 真理子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.127, no.5, pp.329-334, 2006 (Released:2006-07-01)
参考文献数
32

医薬品,農薬,内分泌撹乱物質,天然および合成有機化合物などの生理活性物質は,その独自の薬理作用と同時に,大なり小なり細胞傷害活性を持っている.この細胞傷害活性の研究は,特にアポトーシス研究の重要なテーマになっている.作用物質の作用発現の決定因子が作用物質の物理化学性にあるのか,作用点に到達してから作用発現させる化学反応性にあるのかで,作用物質の反応性は異なってくる.半経験的分子軌道法(PM3法)によりHOMOエネルギー,LUMOエネルギー,イオン化ポテンシャル(IP),絶対ハードネス(η),絶対電気陰性度(chemical potential,χ),オクタノールー水分配係数(log P)などのデスクリプター(記述子)を算出することにより,構造が類似した薬物の定量的構造活性相関解析(QSAR)を行なうことができる.Betulinic acid誘導体のメラノーマ細胞に対する細胞傷害性は,IPと直線的相関関係を示した.クマリン誘導体の口腔扁平上皮癌細胞に対する細胞傷害性は絶対ハードネス(η)と強く直線的相関性を示した.分子の硬さや柔らかさをPM3法で計算する際にはCONFLEXの使用が有用であった.ゲラニルゲラニオール類,ビタミンK1,K2,K3,プレニルフラボン類,イソフラボン類,没食子酸誘導体,フッ化活性型ビタミンD3誘導体,2-styrylchroman誘導体の細胞傷害性には,疎水性(log P)が大きく影響した.本方法を,生理活性物質のQSAR解析,最安定化構造の予測,細胞傷害活性の検討,そしてラジカル捕捉数の算定に応用した例なども紹介する.QSARは,より活性の高い物質の構造の創薬への貢献が期待される.
著者
原 真理子
出版者
国立研究開発法人国立成育医療研究センター
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

PFAPA患児の扁桃における自然免疫関連遺伝子の発現に関してトランスクリプトーム解析を行った。クラスター解析から、本疾患は2つのサブタイプに分かれ、endotypeを持つことが示された。また、上流因子解析から、IFN-γ刺激、1,25-(OH)2ビタミンD減少が、自然免疫関連遺伝子を誘導する免疫経路であることが推測された。endotype間では、臨床症状も有意に異なっており、本疾患はphenotypeを持つことも示唆された。
著者
古本 恭子 高原 真理子 荒木 耕生 植田 恵介 井手 義顕 山本 敬一 米丸 亮 高畑 武司
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第60回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.40, 2011 (Released:2012-02-13)

マイコプラズマ肺炎は学童期に多い肺炎の一つで, マクロライド系抗生物質が第一選択とされてきた. しかし, 近年, マクロライド耐性肺炎の報告が増加している. その一方で, マクロライド感受性肺炎の流行期であるにも拘わらず, 治療に難渋する症例を経験することがある. 今回, 我々は, 臨床的に判断したクラリスロマイシン(CAM), ミノサイクリン(MINO)感受性マイコプラズマ肺炎患者において, CAM, MINO投与にも関わらず, 発熱が遷延した4例を報告する. 症例は, 平成22年12月から1月において当院に入院した6歳から11歳の肺炎4例である. 聴診所見, 胸部単純X線, 入院時のイムノカードおよび, ペア血清でのMp抗体価の上昇からMp肺炎と診断した. 4例中3例は入院前からCAM, MINO, アジスロマイシン(AZM)を内服していた. 発熱期間は, 入院前の内服期間を含めて, 7~8日間と遷延していた. これらの症例では, AST・LDH・フェリチンの高値から, 遷延する発熱の要因の一つに高サイトカイン血症の関与を考えて, メチルプレドニゾロン(mPSL)投与を3日間行なった. 全例でmPSL投与の12~24時間後より解熱傾向を認めた. 1例ではmPSL中止後に再発熱を認めたため, 再投与を行なったところ, 12時間後に解熱した. 発熱の遷延は, IL-2, 4, 12, 13, 18, IFN-γなどの炎症性サイトカインの臨床上の指標となる. マイコプラズマ肺炎において, 抗菌薬投与後も3~4日間解熱しない場合, 耐性マイコプラズマだけでなく, 高サイトカイン血症の関与を疑い早期のステロイド投与が望ましい.
著者
川添 裕子 高原 真理子 望月 學
出版者
医学書院
雑誌
臨床眼科 (ISSN:03705579)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.525-528, 2006-04-15

34歳男性が前日からの急激な近視化を主訴として受診した。裸眼視力は従来は左右とも1.5であったという。初診時には右眼に-3.5D,左眼に-3.0Dの近視があった。軽度の毛様充血と浅前房があったが,明らかな虹彩炎の所見はなかった。蛍光眼底造影で斑状の色素漏出,髄液に細胞増多があり,原田病と診断した。メチルプレドニゾロンによるパルス療法とプレドニゾロンの内服で多発性滲出性網膜剝離は軽快し,右眼+1.0D,左眼+0.5Dの遠視になった。この症例は,原田病が急性近視で初発する可能性があることを示している。
著者
五島 史行 鈴木 法臣 原 真理子 土橋 奈々 守本 倫子
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.120, no.3, pp.285, 2017-03-20 (Released:2017-04-19)

掲載号:118巻7号,860-866頁参考文献にしたがって5歳以上と5歳未満の2群に分けて解析せねばならないところを誤って7歳未満と7歳以上に分けて解析したため,上記論文を取り下げたい旨の申請が著者からあり,これを承認した.
著者
島田 智哉子 植沢 芳広 Ishii-Nozawa Reiko 石原 真理子 Kagaya Hajime 金本 大成 寺久保 繁美 中島 秀喜 高尾 浩一 杉田 義昭 坂上 宏
出版者
International Institute of Anticancer Research
雑誌
Anticancer Research (ISSN:2507005)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.5405-5412, 2014-10

Background: Fifteen 3-styrylchromones were subjected to quantitative structure?activity relationship (QSAR) analysis based on their cytotoxicity, tumor selectivity and anti-HIV activity, in order to explore their biological activities. Materials and Methods: Cytotoxicity against four human oral squamous cell carcinoma (OSCC) cell lines and three human oral normal cells was determined by the 3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide (MTT) method. Tumor-selectivity was evaluated by the ratio of the mean CC50 (50% cytotoxic concentration) against normal human oral cells to that against OSCC cell lines. Anti-HIV activity was evaluated by the ratio of CC50 to EC50 (50% cytoprotective concentration from HIV infection). Physicochemical, structural and quantum-chemical parameters were calculated based on the conformations optimized by the LowModeMD method followed by the density functional theory (DFT) method. Results: All 3-styrylchromone derivatives showed moderate-to-high tumor selectivity. Especially, compounds that have a methoxy group at 6-position of the chromone ring and hydroxyl group at 4'-position of phenyl group in styryl moiety [11] showed the highest tumor-selectivity. On the other hand, their cytotoxicity against normal cells showed good correlation to the descriptors that reflect hydrophobic interaction and molecular shapes. Conclusion: Multivariate statistics with chemical descriptors for the location of substituted group, molecular shape and electrostatic interaction may be useful for designing the most favorable compound with higher tumor selectivity.
著者
大渡 伸 藤原 真理子 岩元 純 范 育仁 土屋 勝彦 小坂 光男 HW Soeliadi
出版者
長崎大学熱帯医学研究所
雑誌
熱帯医学 Tropical medicine (ISSN:03855643)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.235-241, 1983-12-28

熱帯地住民は暑さに強い事がよく知られている.彼等は,躯幹に比べ四肢が長く,体重当たりの体表面積が大きく,体構成では,皮下脂肪が少なく,能動汗腺総数の増加が見られる等,放熱に有利な特徴を備えている.これらの差異を知る事は,暑熱環境への順化のメカニズムを考える上で重要であると思われる.そこで我々は,熱放散反応のなかから,特に発汗現象に注目し,熱帯地住民を被験者として,一定条件(気温30℃相対湿度60%)下で局所温度負荷をかけ発汗を誘発した.それに伴う深部体温と皮膚温の変化は,それぞれ舌下に入れたサーミスター温度計と,前胸部をサーモグラフィでモニターした.その結果,両膝下部を43~44℃の温湯に30分つけるという局所負荷で,被験者の負荷開始時点から発汗までの潜時は10分であった.比較の為に同一条件で行った日本人による実験では,被験者は,負荷以前に発汗してしまい,潜時は測定出来なかった.この事から,被験者となった熱帯地住民は,日本人被験者に比べ,発汗までの潜時が非常に長い事がわかった.この理由としては,暑熱環境に順化した人の方が非順化人よりも,発汗に関する深部体温の閾値が高いかあるいは刺激前の深部温度が低い為に,同じ強さの温度負荷に対しても,発汗までの潜時が長いという可能性が考えられる.今後データの集積をはかり,更に詳細について検討していく所存である.The sweating response evoked by a local heat load was studied in an inhabitant of tropics in a climatic chamber. The change of skin temperature according to sweating was monitored by thermography. Time lag of the onset of sweating in the subject was about 10 minutes after initiation of a heat load. In such a condition, a Japanese volunteer sweated instantly without any heat load. The central and peripheral mechanism of heat acclimatization was discussed from the aspects of temperature regulation.
著者
前田 和子 譜久山 民子 宮城 雅也 山城 五月 上原 梨那 伊波 輝美 砂川 恵正 佐久川 博美 上原 真理子 金城 マサ子 鈴木 ミナ子
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.31-38, 2010-03

背景:沖縄県では発達障害児の早期発見・早期支援の充実が急務となっており、その療育体制が整備されつつある。発達障害児の多くが保育園を利用しており、早期療育の重要な担い手として保育士の質向上が課題である。目的:本研究の目的は保育士が発達障害または疑いのある子どもをどのように発見しているか、また彼らにどのように支援しているかを年齢別に把握することであった。方法:対象は沖縄県南部3市にある保育所90ヵ所に勤務する保育士878名であった。郵送による自記式質問紙法であり、内容は保育士の基本属性、障害児保育の有無、担当事例の特徴、療育支援の内容等であった。結果と考察:546名から回答を得た。現在発達障害児(疑い含む)を保育している者は約4割であり、保育士から特別支援を受けているのは170事例中7割であった。保育士が挙げた1~3歳児の早期発見に役立つ子どもの行動特徴は53項目と多数であったが、重要な指標の不足も明らかになった。また、早期支援は子どもへの支援、親への支援、社会的支援など多様であったが、記述数は早期発見の3割にとどまり、各問題行動に対応できてないことが明らかになった。結論:早期発見と早期支援の重要性から保育士の質向上のために、子どもの年齢を考慮に入れた実用的で継続的な研修の必要性が示唆された。Background: It is now recognized that early detection and intervention for children with developmental disorders (DDs) should be improved, and the developmental disorders system is building to provide the comprehensive services and supports these children and their families require in Okinawa. Because many of children with DDs are cared by day care workers in day care centers, improving the quality of day care workers is a priority matter. Purpose: Our goal was to determine by age of children how day care workers identified children with DDs and suspected children, and what early interventions they provided in day care settings. Method: Eight hundred seventy-eight day care workers in 90 day care centers at 3 cities in southern Okinawa were asked to complete self-report questionnaire. Result: The data was obtained from 546 day care workers. Approximately 40% of them were taking care of 170 children with DDs including suspected children. Seventy percent of those children were provided special interventions by them in day care settings. They gave 53 behaviors or characteristics of children one to three years of age as the warning signs that they were concerned, but they didn't notice any critical warning signs of DDs. They provided a variety of therapeutic and supportive services to eligible children and their parents, but the number of early intervention they described was a mere 30% of those about early detection. Conclusion: It was suggested that day care workers needed to be given practical and continuous training so as to assure their adequate capacity to detect the DDs by the Age of 3 years and deliver early intervention services to children with DDs and their families.
著者
明星 敏彦 小笠原 真理子 浅井 琢也 松倉 正雄
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.35-43, 1998-03-20 (Released:2010-02-03)
参考文献数
17
被引用文献数
1

This work describes the performance of the midget impinger for submicron aerosols. Collection efficiencies of the midget impinger were investigated numerically and experimentally. Flow fields in the midget impinger were solved using FLUENT, which is a computational fluid dynamics software and calculates RNG k-ε model for intermediate Re number, k-ε model for high Re number, and laminar flow model. Polystyrene latex (PSL) particles ranging from 0.10 to 3.1 μm and monodisperse diethyl-hexyl-sebacate (DEHS) mist ranging from 0.3 to 1.5 μm were aerosolized and introduced into the midget impinger. These theoretical and experimental results show a good agreement. The impinger shows poor performance for submicron particles and bubbling in the impinger contributes to 10% higher collection efficiency for submicron mist particles than that without water filling. PSL particles larger than 0.6 μm show bounce off the bottom surface of the impinger.